5 / 18
外の世界へ
しおりを挟む
ニールとリアの救出には成功した。あとはティアお姉様だけ。この時期だとあの日か。
あの日というのはティアお姉様のお見合いだ。だけど本人の意思などガン無視されたお見合い。ティアお姉様には生涯を添い遂げたいと思っていた人が居た。その人の名前がペルリン.シュタイン男爵だ。
彼は位が低くて姉との結婚を反対され帰国へと返された人。
私は彼が嫌いではなかった。なぜなら三百五十七回目の死。死ぬ直前に助けようとしてくれた人だから。でもそのせいでティアお姉様と一緒に死んでしまったひとりでもある。私のせいで人が犠牲になるのは嫌だ。だからこそ私が大切に想う人達は守り通そうと思った。
「ぜぇぜぇ。俺はクマラン.ダクリンだ。俺の婚約者になるからにはまず相性が良くないとな?だから早くしよう」
「......はい」
この家からは逃げられないのだろうか?ペルリンに会いたい。彼の優しさや誠実さ忠実さに惹かれた。彼の笑顔はまるで太陽みたいだった。
「貴方様に私は......従いま......」
「する必要なんてありません!」
バーン
「ルミエール⁉︎」
「き、貴様は‼︎今この瞬間がとても大切なのかわかっているのか?」
「わかりません。姉には生涯を誓い合った人が居るのです。だからこの結婚は頑固反対します」
「......ルミエール」
「ティアお姉様行こう」
「う、うん!ルミエール‼︎」
「駄目だ!お前は家のために尽くす‼︎それが長女の役目だ」
「お父様。いい加減にしないとこの家ごと焼き払いますよ?」
ビクッ
「クマラン様」
「な、なんだ?」
「自分の私利私欲のために誰かを犠牲にするのは楽しいですか?」
「なんだと⁉︎」
「ルミエール‼︎クマラン様に謝るんだ!」
「嫌ですよ⁇そんな臭そうなおっさんに謝る道理はありませんから」
「なっ!なっ⁉︎」
「も、申し訳ございません‼︎我が娘が多大なるご迷惑をおかけいたしました。どうかお許しを!」
「この二人を差し出せ。そうすれば許してやる。この二人は今日からこの俺の奴隷だ。ぐふふ」
「......気持ち悪い」
「は......」
「ルミエール⁇お前今なんて言った?」
「気持ち悪い言っていたんです」
「なんだ......と⁇」
「このデブで‼︎吹き出物だらけで‼︎体臭がここからでもとても臭くて‼︎相手を見下しているような人が選ばれる立場にあって?」
「このクソアマが!」
「ファイアボール」
「うわっ⁉︎」
「次は当てます」
「クソ女が!」
「私達は貴方達の奴隷なんかじゃない。選ぶ権利もある。だからこの家を出ます。あの時話した通りです」
「お前ひとりではないのか?」
「誰がたったひとりでこの家を出ると言いました?」
「そ、それは......」
「あともうひとつ言っておきます」
「な、なんだ?」
「私達は貴方達と完全に決別しますし新たにシャイニング家を名乗ります」
「何を馬鹿なことを!」
「馬鹿でもなんでもいい。私は......私達は!貴方達家族を軽蔑します」
「ぐっ!」
「すぐに本家のシャイニング家を追い越し分家にあたりますが......こっちを本家だと言えるぐらい権力を大きくさせるつもりですので悪しからず」
「くそ!」
「じゃあペルリン様が居る故郷に行こう」
「ルミエールありがとう」
「これからはシャイニング家は誰よりも強く優しい公爵家にして行こう」
「おお!」
多分皆んなはお金や住む家のことを心配していると思う。でも安心して。そこは抜かりなく調べ尽くしましたから。
この屋敷には私のためにと大婆様が残してくれた大金がある。それも私しかわからない場所にある。私の元部屋の隠し部屋だ。それを知っているのは私と大婆様だけだ。大婆様はペルリン様が居る母国に居る。だから住むところには困らない。いつか私にその家を継いでほしいとも言われた。だから安心して。シャイニング家は......本家だけは私が潰す!私がシャイニング家の当主になり今のシャイニング家を潰せば私の怒りも収まるだろう。そう思っている。あの日までは。
「何年も外の世界を知らない公爵家の娘か。面白い。この俺様が直々に会いに行ってやるよ」
この男に出会わなければあんな悲劇は起きなかったのに......今でもあの日のことを後悔するのであった。
あの日というのはティアお姉様のお見合いだ。だけど本人の意思などガン無視されたお見合い。ティアお姉様には生涯を添い遂げたいと思っていた人が居た。その人の名前がペルリン.シュタイン男爵だ。
彼は位が低くて姉との結婚を反対され帰国へと返された人。
私は彼が嫌いではなかった。なぜなら三百五十七回目の死。死ぬ直前に助けようとしてくれた人だから。でもそのせいでティアお姉様と一緒に死んでしまったひとりでもある。私のせいで人が犠牲になるのは嫌だ。だからこそ私が大切に想う人達は守り通そうと思った。
「ぜぇぜぇ。俺はクマラン.ダクリンだ。俺の婚約者になるからにはまず相性が良くないとな?だから早くしよう」
「......はい」
この家からは逃げられないのだろうか?ペルリンに会いたい。彼の優しさや誠実さ忠実さに惹かれた。彼の笑顔はまるで太陽みたいだった。
「貴方様に私は......従いま......」
「する必要なんてありません!」
バーン
「ルミエール⁉︎」
「き、貴様は‼︎今この瞬間がとても大切なのかわかっているのか?」
「わかりません。姉には生涯を誓い合った人が居るのです。だからこの結婚は頑固反対します」
「......ルミエール」
「ティアお姉様行こう」
「う、うん!ルミエール‼︎」
「駄目だ!お前は家のために尽くす‼︎それが長女の役目だ」
「お父様。いい加減にしないとこの家ごと焼き払いますよ?」
ビクッ
「クマラン様」
「な、なんだ?」
「自分の私利私欲のために誰かを犠牲にするのは楽しいですか?」
「なんだと⁉︎」
「ルミエール‼︎クマラン様に謝るんだ!」
「嫌ですよ⁇そんな臭そうなおっさんに謝る道理はありませんから」
「なっ!なっ⁉︎」
「も、申し訳ございません‼︎我が娘が多大なるご迷惑をおかけいたしました。どうかお許しを!」
「この二人を差し出せ。そうすれば許してやる。この二人は今日からこの俺の奴隷だ。ぐふふ」
「......気持ち悪い」
「は......」
「ルミエール⁇お前今なんて言った?」
「気持ち悪い言っていたんです」
「なんだ......と⁇」
「このデブで‼︎吹き出物だらけで‼︎体臭がここからでもとても臭くて‼︎相手を見下しているような人が選ばれる立場にあって?」
「このクソアマが!」
「ファイアボール」
「うわっ⁉︎」
「次は当てます」
「クソ女が!」
「私達は貴方達の奴隷なんかじゃない。選ぶ権利もある。だからこの家を出ます。あの時話した通りです」
「お前ひとりではないのか?」
「誰がたったひとりでこの家を出ると言いました?」
「そ、それは......」
「あともうひとつ言っておきます」
「な、なんだ?」
「私達は貴方達と完全に決別しますし新たにシャイニング家を名乗ります」
「何を馬鹿なことを!」
「馬鹿でもなんでもいい。私は......私達は!貴方達家族を軽蔑します」
「ぐっ!」
「すぐに本家のシャイニング家を追い越し分家にあたりますが......こっちを本家だと言えるぐらい権力を大きくさせるつもりですので悪しからず」
「くそ!」
「じゃあペルリン様が居る故郷に行こう」
「ルミエールありがとう」
「これからはシャイニング家は誰よりも強く優しい公爵家にして行こう」
「おお!」
多分皆んなはお金や住む家のことを心配していると思う。でも安心して。そこは抜かりなく調べ尽くしましたから。
この屋敷には私のためにと大婆様が残してくれた大金がある。それも私しかわからない場所にある。私の元部屋の隠し部屋だ。それを知っているのは私と大婆様だけだ。大婆様はペルリン様が居る母国に居る。だから住むところには困らない。いつか私にその家を継いでほしいとも言われた。だから安心して。シャイニング家は......本家だけは私が潰す!私がシャイニング家の当主になり今のシャイニング家を潰せば私の怒りも収まるだろう。そう思っている。あの日までは。
「何年も外の世界を知らない公爵家の娘か。面白い。この俺様が直々に会いに行ってやるよ」
この男に出会わなければあんな悲劇は起きなかったのに......今でもあの日のことを後悔するのであった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
ざまあ⭐︎悪役令嬢に転生したら病気で寝たきりだった⁉︎完治したあとは、婚約者と一緒に村の復興がんばる!
Y.Itoda
恋愛
目を覚ましたら、悪役令嬢だった。
転生前も寝たきりだったのに。
次から次へと聞かされる、かつての自分が犯した数々の悪事。受け止めきれなかった。
でも、そんなセリーナを見捨てなかった婚約者ライオネル。
何でも治癒できるという、魔法を探しに海底遺跡へと。
病気を克服した後は、二人で街の復興に尽力する。
過去を克服し、二人の行く末は?
ハッピーエンド、結婚へ!
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
私だけの王子様を待ち望んでいるのですが、問題だらけで困っています
珠宮さくら
恋愛
残念な姉と最年少でクラベル国から留学することになるような優秀な兄をもつ侯爵家の次女として生まれたルシア・エンリケス。
そんな彼女が一目惚れしたと思っていたら、それがどうやら一回り近く歳の離れた姉のやっとできた婚約者だったようだ。
ルシアは、自分だけの王子様だと勘違いしたことで、自分と別の記憶がいりまじることになり、前世を思い出すことになるのだが……。
平民と恋に落ちたからと婚約破棄を言い渡されました。
なつめ猫
恋愛
聖女としての天啓を受けた公爵家令嬢のクララは、生まれた日に王家に嫁ぐことが決まってしまう。
そして物心がつく5歳になると同時に、両親から引き離され王都で一人、妃教育を受ける事を強要され10年以上の歳月が経過した。
そして美しく成長したクララは16才の誕生日と同時に貴族院を卒業するラインハルト王太子殿下に嫁ぐはずであったが、平民の娘に恋をした婚約者のラインハルト王太子で殿下から一方的に婚約破棄を言い渡されてしまう。
クララは動揺しつつも、婚約者であるラインハルト王太子殿下に、国王陛下が決めた事を覆すのは貴族として間違っていると諭そうとするが、ラインハルト王太子殿下の逆鱗に触れたことで貴族院から追放されてしまうのであった。
薬草巫女の異世界スローライフ
(笑)
恋愛
リーナは現代の世界から異世界へと転生し、村で「癒しの巫女」として迎えられる。薬草を使って人々を癒し、静かな生活を送りたいと願う彼女だが、次第に自分の持つ力がただの癒しではなく、もっと大きな役割を持つことに気づいていく。村を取り巻く紛争の影が迫る中、リーナは自らの力と向き合い、戦争に巻き込まれながらも人々を救うために奮闘する。果たして彼女は、平和と自分の心の安らぎを手に入れることができるのだろうか?
本日はお日柄も良く、白い結婚おめでとうございます。
待鳥園子
恋愛
とある誤解から、白い結婚を二年続け別れてしまうはずだった夫婦。
しかし、別れる直前だったある日、夫の態度が豹変してしまう出来事が起こった。
※両片思い夫婦の誤解が解けるさまを、にやにやしながら読むだけの短編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる