36 / 36
第32話 ミステリアスな同期生とお家デート③
しおりを挟む
気が付くと、俺は神崎さんにひざ枕をされた状態で眠ってしまっていた。
――なでなで……
なんだか髪のあたりをなでられている感覚で目を覚ました。そのまま目を開こうとしたのだが……。
「寝顔かわいい……♡ しゅきしゅきっ、洋一くんしゅきっ♡」
神崎さんの柔らかい手の平に、頭を好き勝手になでまわされている。
「さっきは強く引っ張ったりしてごめんね。洋一くんの可愛いほっぺた、れいながチューしてあげる♡」
えっ……! まずい、と思ったときには遅かった。
――チュッ♡
「~~~ッッ!!」
俺の頬は、神崎さんにキスされていた。
ヤバい、完全に起きるタイミングを見失った。これでは目を開けるに開けられない。
というか神崎さん、1人のときは自分のこと『れいな』って言うの!? メッセージ神崎さんですら自分の呼び方『わたし』なのに……。
もしかして今の神崎さん、リアル神崎さんでもメッセージ神崎さんでもない第3形態だったりするのだろうか……。
なんだか、知ってはいけないものを知ってしまった気分だ。
「んふふ~♡ 好きだよ洋一くん、大好き……♡」
「……っ!」
好きって聞こえた……。
メッセージではない、本当に神崎さんの口から。
「いつもは恥ずかしくて言えないけど、今は好きなだけ言っちゃうもんね~! 好き、好きっ……好き!」
「~~~ッッ!!」
好きの連続攻撃に、俺はもう完全にノックアウト。
心拍数が高鳴っていくのを止められない。もはやこの心臓の音で俺が起きていることが神崎さんにバレてしまうんじゃないかってくらい、激しく鼓動を刻んでいる。
「えっへへ~、洋一くんの前で本音を吐き出したらなんだかスッキリした。まぁ、君には届いてないんだろうけど……」
少しいじけたような声を出し、俺の頬をツンツンとつついてくる。なんとなくその声音から、むぅっと頬をふくらませている神崎さんが想像できる。
そしてごめんなさい、神崎さんの言葉、今完全に俺の耳へと届いてます……。
「そんな鈍感な洋一くんは、寝てる間にれいなちゃんがキスしちゃうもんねっ」
えっ……!
その瞬間、神崎さんが顔を近づけてくる気配があった。目を閉じていてもわかる影が目の前にせまってくる。
「えっ、ちょっ……」
「ふえっ……!?」
あっ、やべっ……。つい反射的に声を出してしまった。
「よっ、よっ、洋一くん!? お、起きてたの……?」
「ご、ごめん……どのタイミングで起きたらいいのかわからなくて……」
「~~~~~ッッ!!!」
あっ、神崎さんが両手で顔を押さえてへにゃへにゃと倒れ込んでしまった。
「あ、あの、ごめん……」
「はうぅ、恥ずかしいよぉ……」
このとき俺は、初めて神崎さんの素の顔を目の当たりにしてしまった。
それからもずっと、俺が変えるまで神崎さんはふにゃふにゃモードでデレデレに接して来たのだった。
――なでなで……
なんだか髪のあたりをなでられている感覚で目を覚ました。そのまま目を開こうとしたのだが……。
「寝顔かわいい……♡ しゅきしゅきっ、洋一くんしゅきっ♡」
神崎さんの柔らかい手の平に、頭を好き勝手になでまわされている。
「さっきは強く引っ張ったりしてごめんね。洋一くんの可愛いほっぺた、れいながチューしてあげる♡」
えっ……! まずい、と思ったときには遅かった。
――チュッ♡
「~~~ッッ!!」
俺の頬は、神崎さんにキスされていた。
ヤバい、完全に起きるタイミングを見失った。これでは目を開けるに開けられない。
というか神崎さん、1人のときは自分のこと『れいな』って言うの!? メッセージ神崎さんですら自分の呼び方『わたし』なのに……。
もしかして今の神崎さん、リアル神崎さんでもメッセージ神崎さんでもない第3形態だったりするのだろうか……。
なんだか、知ってはいけないものを知ってしまった気分だ。
「んふふ~♡ 好きだよ洋一くん、大好き……♡」
「……っ!」
好きって聞こえた……。
メッセージではない、本当に神崎さんの口から。
「いつもは恥ずかしくて言えないけど、今は好きなだけ言っちゃうもんね~! 好き、好きっ……好き!」
「~~~ッッ!!」
好きの連続攻撃に、俺はもう完全にノックアウト。
心拍数が高鳴っていくのを止められない。もはやこの心臓の音で俺が起きていることが神崎さんにバレてしまうんじゃないかってくらい、激しく鼓動を刻んでいる。
「えっへへ~、洋一くんの前で本音を吐き出したらなんだかスッキリした。まぁ、君には届いてないんだろうけど……」
少しいじけたような声を出し、俺の頬をツンツンとつついてくる。なんとなくその声音から、むぅっと頬をふくらませている神崎さんが想像できる。
そしてごめんなさい、神崎さんの言葉、今完全に俺の耳へと届いてます……。
「そんな鈍感な洋一くんは、寝てる間にれいなちゃんがキスしちゃうもんねっ」
えっ……!
その瞬間、神崎さんが顔を近づけてくる気配があった。目を閉じていてもわかる影が目の前にせまってくる。
「えっ、ちょっ……」
「ふえっ……!?」
あっ、やべっ……。つい反射的に声を出してしまった。
「よっ、よっ、洋一くん!? お、起きてたの……?」
「ご、ごめん……どのタイミングで起きたらいいのかわからなくて……」
「~~~~~ッッ!!!」
あっ、神崎さんが両手で顔を押さえてへにゃへにゃと倒れ込んでしまった。
「あ、あの、ごめん……」
「はうぅ、恥ずかしいよぉ……」
このとき俺は、初めて神崎さんの素の顔を目の当たりにしてしまった。
それからもずっと、俺が変えるまで神崎さんはふにゃふにゃモードでデレデレに接して来たのだった。
0
お気に入りに追加
7
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
陽キャグループを追放されたので、ひとりで気ままに大学生活を送ることにしたんだが……なぜか、ぼっちになってから毎日美女たちが話しかけてくる。
電脳ピエロ
恋愛
藤堂 薫は大学で共に行動している陽キャグループの男子2人、大熊 快児と蜂羽 強太から理不尽に追い出されてしまう。
ひとりで気ままに大学生活を送ることを決める薫だったが、薫が以前関わっていた陽キャグループの女子2人、七瀬 瑠奈と宮波 美緒は男子2人が理不尽に薫を追放した事実を知り、彼らと縁を切って薫と積極的に関わろうとしてくる。
しかも、なぜか今まで関わりのなかった同じ大学の美女たちが寄ってくるようになり……。
薫を上手く追放したはずなのにグループの女子全員から縁を切られる性格最悪な男子2人。彼らは瑠奈や美緒を呼び戻そうとするがことごとく無視され、それからも散々な目にあって行くことになる。
やがて自分たちが女子たちと関われていたのは薫のおかげだと気が付き、グループに戻ってくれと言うがもう遅い。薫は居心地のいいグループで楽しく大学生活を送っているのだから。
最底辺の落ちこぼれ、実は彼がハイスペックであることを知っている元幼馴染のヤンデレ義妹が入学してきたせいで真の実力が発覚してしまう!
電脳ピエロ
恋愛
時野 玲二はとある事情から真の実力を隠しており、常に退学ギリギリの成績をとっていたことから最底辺の落ちこぼれとバカにされていた。
しかし玲二が2年生になった頃、時を同じくして義理の妹になった人気モデルの神堂 朱音が入学してきたことにより、彼の実力隠しは終わりを迎えようとしていた。
「わたしは大好きなお義兄様の真の実力を、全校生徒に知らしめたいんです♡ そして、全校生徒から羨望の眼差しを向けられているお兄様をわたしだけのものにすることに興奮するんです……あぁんっ♡ お義兄様ぁ♡」
朱音は玲二が実力隠しを始めるよりも前、幼少期からの幼馴染だった。
そして義理の兄妹として再開した現在、玲二に対して変質的な愛情を抱くヤンデレなブラコン義妹に変貌していた朱音は、あの手この手を使って彼の真の実力を発覚させようとしてくる!
――俺はもう、人に期待されるのはごめんなんだ。
そんな玲二の願いは叶うことなく、ヤンデレ義妹の暴走によって彼がハイスペックであるという噂は徐々に学校中へと広まっていく。
やがて玲二の真の実力に危機感を覚えた生徒会までもが動き始めてしまい……。
義兄の実力を全校生徒に知らしめたい、ブラコンにしてヤンデレの人気モデル VS 真の実力を絶対に隠し通したい、実は最強な最底辺の陰キャぼっち。
二人の心理戦は、やがて学校全体を巻き込むほどの大きな戦いへと発展していく。
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る
電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。
女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。
「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」
純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。
「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」
男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)
@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」
このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。
「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。
男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。
「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。
青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。
ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。
「カクヨム」さんが先行投稿になります。
貞操観念逆転世界におけるニートの日常
猫丸
恋愛
男女比1:100。
女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。
夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。
ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。
しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく……
『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』
『ないでしょw』
『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。
ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ
みずがめ
恋愛
俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。
そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。
渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。
桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。
俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。
……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。
これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる