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第12話 性格最悪ないじめっ子をざまぁする②
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「おい、ちょっと待てよ」
と、今度は急に立ち上がった玄場が睨みつけてきた。
「お前が今までの動画を撮っていたのは事実なのかもしれねぇ。けど、少なくともお前が今俺たちを殴ったという事実も残ってるわけだ。俺たちが今までしてきたことをチクるつもりかも知れねえが、そのときはお前も道連れにするぜ」
どうやら玄場は俺をおどしているようだが、まったくなんとも思わない。
「勝手にすればいいんじゃないか」
「なっ!? おまえも退学になるかもしれねぇんだぞ!」
そんなことどうでもいい。ちなみにこれはブラフではない。
俺は本当に、この件で退学になろうが構わないと思っている。
前の世界でだって、常に死と隣り合わせの状況で生き抜いてきたのだ。というか、すでに一回死んでるし。
そんな俺にとって、この世界でドロップアウトするくらい、なんともない。
それよりも、この最悪な環境をぶっ壊すことの方が……今までずっと苦しんできた、吉田さんを助けてあげることの方がなによりも大切だ。
偽善者と笑われようが構わない。
俺は絶対に、図々しくて人の気持ちを一切考えない、傲慢な人間がいい気になって、何も悪いことをしてない心の優しい人が理不尽に虐げられなければならないこの世界を認めたくないんだ。
「俺はこれから、こいつらが行ってきた最低な行為を学校側に知らしめようと思っている。学校側が隠蔽しようとするなら警察に証拠の動画を突き付ける。警察が動かなければ、ネットにアップロードして世に知らしめる。みんなにも協力してほしい」
俺がクラスメイトに向かって問いかけると、教室中がざわめき始めた。しかし中々声をあげようとするものはいない。
そこで、俺は1人の女性に視線を向けた。
短いスカートに釣り目の金髪ギャル、西園 桃加――彼女は太見が吉田さんをイジメていたとき、露骨に睨みつけていた女子のうちの1人だ。
俺と目が合うと、彼女は覚悟を決めたように声を出した。
「アタシは協力するよ、これ以上太見にいい顔されんのムカつくし」
西園さんは以前にも太見に反発していたことが何度かあった。だから、こういう状況になれば動いてくれると思ったのだ。
「わたしも西園さんと同じくー」
「ぶっちゃけ今まで太見にはうんざりしてたんだよね」
「わたしも太見の暴行してる画像持ってるから証拠に使っていいよ」
「てかマジで太見ってウザくね!」
「わかる、いつも偉そうに命令して、おまえ何様だよって感じ!」
クラスで太見の次に目立っている西園さんが声をあげたことで、他の生徒たちも声を上げ始めた。
いつも太見の側にいたグループの女子たちも……女子生徒だけでなく、男子生徒も、さらにはいじめに加わっていた玄場の取り巻きたちまでもが完全に手の平を返しはじめた。
「……っ! ふざけんな、この薄情なやつらが!!」
太見が感情を爆発させて叫ぶ。
今まで散々傲慢な態度をとってきて今さら薄情とか言われても自業自得だとしか思わないが、まぁ、俺もこの世界の人間は薄情だと思うよ。
この世界に来て、正直最初はうんざりした。けど、俺はその人間の薄情さを味方につけることにした。
毒を以て毒を制す。これが、この世界の理不尽という名の化け物を潰すために俺が選んだ道だ。
「ま、待ってくれ、もう今までみたいなことはしないから。なっ!」
「吉田にだって何回でも謝るし!」
最終的に命乞いをしてきた玄場と太見に、俺は侮蔑の限りを込めて言った。
「今さら謝ってももう遅い」
その後、太見と玄場、同じく吉田さんのいじめに加担していた取り巻きたちは退学処分を命じられた。
しかも、本当に太見や玄場のイジメ動画を撮影していてネットに晒した生徒がいたらしく、その動画が拡散されてやつらは社会的に終わった。
と、今度は急に立ち上がった玄場が睨みつけてきた。
「お前が今までの動画を撮っていたのは事実なのかもしれねぇ。けど、少なくともお前が今俺たちを殴ったという事実も残ってるわけだ。俺たちが今までしてきたことをチクるつもりかも知れねえが、そのときはお前も道連れにするぜ」
どうやら玄場は俺をおどしているようだが、まったくなんとも思わない。
「勝手にすればいいんじゃないか」
「なっ!? おまえも退学になるかもしれねぇんだぞ!」
そんなことどうでもいい。ちなみにこれはブラフではない。
俺は本当に、この件で退学になろうが構わないと思っている。
前の世界でだって、常に死と隣り合わせの状況で生き抜いてきたのだ。というか、すでに一回死んでるし。
そんな俺にとって、この世界でドロップアウトするくらい、なんともない。
それよりも、この最悪な環境をぶっ壊すことの方が……今までずっと苦しんできた、吉田さんを助けてあげることの方がなによりも大切だ。
偽善者と笑われようが構わない。
俺は絶対に、図々しくて人の気持ちを一切考えない、傲慢な人間がいい気になって、何も悪いことをしてない心の優しい人が理不尽に虐げられなければならないこの世界を認めたくないんだ。
「俺はこれから、こいつらが行ってきた最低な行為を学校側に知らしめようと思っている。学校側が隠蔽しようとするなら警察に証拠の動画を突き付ける。警察が動かなければ、ネットにアップロードして世に知らしめる。みんなにも協力してほしい」
俺がクラスメイトに向かって問いかけると、教室中がざわめき始めた。しかし中々声をあげようとするものはいない。
そこで、俺は1人の女性に視線を向けた。
短いスカートに釣り目の金髪ギャル、西園 桃加――彼女は太見が吉田さんをイジメていたとき、露骨に睨みつけていた女子のうちの1人だ。
俺と目が合うと、彼女は覚悟を決めたように声を出した。
「アタシは協力するよ、これ以上太見にいい顔されんのムカつくし」
西園さんは以前にも太見に反発していたことが何度かあった。だから、こういう状況になれば動いてくれると思ったのだ。
「わたしも西園さんと同じくー」
「ぶっちゃけ今まで太見にはうんざりしてたんだよね」
「わたしも太見の暴行してる画像持ってるから証拠に使っていいよ」
「てかマジで太見ってウザくね!」
「わかる、いつも偉そうに命令して、おまえ何様だよって感じ!」
クラスで太見の次に目立っている西園さんが声をあげたことで、他の生徒たちも声を上げ始めた。
いつも太見の側にいたグループの女子たちも……女子生徒だけでなく、男子生徒も、さらにはいじめに加わっていた玄場の取り巻きたちまでもが完全に手の平を返しはじめた。
「……っ! ふざけんな、この薄情なやつらが!!」
太見が感情を爆発させて叫ぶ。
今まで散々傲慢な態度をとってきて今さら薄情とか言われても自業自得だとしか思わないが、まぁ、俺もこの世界の人間は薄情だと思うよ。
この世界に来て、正直最初はうんざりした。けど、俺はその人間の薄情さを味方につけることにした。
毒を以て毒を制す。これが、この世界の理不尽という名の化け物を潰すために俺が選んだ道だ。
「ま、待ってくれ、もう今までみたいなことはしないから。なっ!」
「吉田にだって何回でも謝るし!」
最終的に命乞いをしてきた玄場と太見に、俺は侮蔑の限りを込めて言った。
「今さら謝ってももう遅い」
その後、太見と玄場、同じく吉田さんのいじめに加担していた取り巻きたちは退学処分を命じられた。
しかも、本当に太見や玄場のイジメ動画を撮影していてネットに晒した生徒がいたらしく、その動画が拡散されてやつらは社会的に終わった。
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