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第6話 性悪最悪な男子2人は逆恨みして襲い掛かってくるが、すぐに返り討ちにあう
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その日、薫は大学が終わると公園へ来ていた。
快児と強太から連絡があり、この前のことで謝りたいということだった。グループの女性陣からは縁を切られ、大学では悪い噂が広まり、散々な目にあって反省したということらしい。
(それにしてもここ、公園なのか……?)
実際に指定された場所へ来てみると、そこはひとけが少なく、周りは木々におおわれていて日も当たらず不気味な雰囲気が漂っていた。
しばらく待っていると、金髪と赤髪の男2人組がやって来た。大熊 快児と蜂羽 強太だ。
「へっ、まさか本当にノコノコやってくるとはな」
しかし2人は反省している様子など一切見せず、それどころかバカにするような態度で薫に近づいて来た。
「まさか本当に俺たちが謝るとでも思ったのか? ひゃはは、バカじゃねえのお前」
「まずは一発殴らせろよ。てめぇのせいでこっちは散々な目にあってんだよ」
金髪の男、快児はそう言うとすかさず薫の顔面に殴りかかって来た。
「うおっ? ――ぐあぁ!!」
しかし、いとも簡単に薫が彼の拳をかわしたことで、快児はそのまま勢い余って無様に地面に倒れ込んだ。
「てめぇ! 逃げてんじゃねぇよ!」
激高した快児が再び起き上がり、後ろから殴りかかってくる。しかし薫は彼に背を向けたまま拳を捕まえると、そのまま引き寄せて背負い投げをするように快児を吹き飛ばした。
「ぐあああぁぁ!!」
快児は地面に打ち付けられ、苦しそうに悶える。
「おい、てめぇなに生意気に反抗してんだよ!」
今度は強太が勢いよく前から殴りかかってくる。しかし、それが顔面に到達するよりも早く薫は彼の腹部へと強烈な蹴りを与える。
「ぐぁっ、ああぁ!!」
強太は腹部を押さえてうずくまると、そのまま動けなくなった。
快児も強太も薫を簡単に叩きのめせると思っていたのかもしれないが、それは見当違いだ。
薫は中学時代にいじめを受けてから、力がなければ理不尽な暴力に抗えないということを身を持って知った。彼はそれから、ひたすら体を鍛え続けていたのだ。
薫は近くのベンチまで歩いていくと、そこにセットしておいたスマホを手に取る。そして画面をタップし、録画アプリの再生ボタンをオンにする。
『へっ、まさか本当にノコノコやってくるとはな』
『まさか本当に俺たちが謝るとでも思ったのか? ひゃはは、バカじゃねえのお前』
そこには、さきほど彼らがやって来て、薫に襲いかかってくるまでの一部始終が録画されている。
「おい、てめぇなに録画なんかしてんだ……」
彼らは態度を改めることもなく、悪態をついて来る。自分たちが敗北した事実をいまだに受け入れられないのだろう。
「まさか本当に俺が騙されてるとでも思ったのか?」
「「……!?」」
「おまえたちに謝る気がないことなんて始めからわかってた」
薫は始めから彼らが悪意で連絡を入れて来たのであろうと考えていた。先日彼らの本性を見た時点で、もう信用など一切ないのだから。
以前はグループに瑠奈や美緒がまだいたことから行動することはできなかったが、彼女たちが彼らと縁を切った今、しがらみは何もなかった。
「今後、2度と人に危害を加えるようなことをするな」
もししたらどうなるかわかっているな、と言うように薫は録画画面を彼らに見せる。
「わっ、わかった……わかったからその録画を消せよ」
「いくらでも謝ってやるからよ」
快児と強太は自分の身を守ることしか考えておらず、そんなことを言ってくる。
一切反省する色が見られない彼らに薫はそれだけ言うと、背後から聞こえてくる声を無視して公園を出た。
快児と強太から連絡があり、この前のことで謝りたいということだった。グループの女性陣からは縁を切られ、大学では悪い噂が広まり、散々な目にあって反省したということらしい。
(それにしてもここ、公園なのか……?)
実際に指定された場所へ来てみると、そこはひとけが少なく、周りは木々におおわれていて日も当たらず不気味な雰囲気が漂っていた。
しばらく待っていると、金髪と赤髪の男2人組がやって来た。大熊 快児と蜂羽 強太だ。
「へっ、まさか本当にノコノコやってくるとはな」
しかし2人は反省している様子など一切見せず、それどころかバカにするような態度で薫に近づいて来た。
「まさか本当に俺たちが謝るとでも思ったのか? ひゃはは、バカじゃねえのお前」
「まずは一発殴らせろよ。てめぇのせいでこっちは散々な目にあってんだよ」
金髪の男、快児はそう言うとすかさず薫の顔面に殴りかかって来た。
「うおっ? ――ぐあぁ!!」
しかし、いとも簡単に薫が彼の拳をかわしたことで、快児はそのまま勢い余って無様に地面に倒れ込んだ。
「てめぇ! 逃げてんじゃねぇよ!」
激高した快児が再び起き上がり、後ろから殴りかかってくる。しかし薫は彼に背を向けたまま拳を捕まえると、そのまま引き寄せて背負い投げをするように快児を吹き飛ばした。
「ぐあああぁぁ!!」
快児は地面に打ち付けられ、苦しそうに悶える。
「おい、てめぇなに生意気に反抗してんだよ!」
今度は強太が勢いよく前から殴りかかってくる。しかし、それが顔面に到達するよりも早く薫は彼の腹部へと強烈な蹴りを与える。
「ぐぁっ、ああぁ!!」
強太は腹部を押さえてうずくまると、そのまま動けなくなった。
快児も強太も薫を簡単に叩きのめせると思っていたのかもしれないが、それは見当違いだ。
薫は中学時代にいじめを受けてから、力がなければ理不尽な暴力に抗えないということを身を持って知った。彼はそれから、ひたすら体を鍛え続けていたのだ。
薫は近くのベンチまで歩いていくと、そこにセットしておいたスマホを手に取る。そして画面をタップし、録画アプリの再生ボタンをオンにする。
『へっ、まさか本当にノコノコやってくるとはな』
『まさか本当に俺たちが謝るとでも思ったのか? ひゃはは、バカじゃねえのお前』
そこには、さきほど彼らがやって来て、薫に襲いかかってくるまでの一部始終が録画されている。
「おい、てめぇなに録画なんかしてんだ……」
彼らは態度を改めることもなく、悪態をついて来る。自分たちが敗北した事実をいまだに受け入れられないのだろう。
「まさか本当に俺が騙されてるとでも思ったのか?」
「「……!?」」
「おまえたちに謝る気がないことなんて始めからわかってた」
薫は始めから彼らが悪意で連絡を入れて来たのであろうと考えていた。先日彼らの本性を見た時点で、もう信用など一切ないのだから。
以前はグループに瑠奈や美緒がまだいたことから行動することはできなかったが、彼女たちが彼らと縁を切った今、しがらみは何もなかった。
「今後、2度と人に危害を加えるようなことをするな」
もししたらどうなるかわかっているな、と言うように薫は録画画面を彼らに見せる。
「わっ、わかった……わかったからその録画を消せよ」
「いくらでも謝ってやるからよ」
快児と強太は自分の身を守ることしか考えておらず、そんなことを言ってくる。
一切反省する色が見られない彼らに薫はそれだけ言うと、背後から聞こえてくる声を無視して公園を出た。
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