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第12章 三度目の夏休み
第323話 孤児院のなかで
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ピオニール号の見学から別荘へ戻ったわたし達は、別荘でのんびりする組と孤児院にお泊まりする組に分かれたの。
ハンナちゃんとミーナちゃんも孤児院に行きたいと言ったので、いつものメンバー全員で孤児院にお泊りすることになった。
わたしとミーナちゃんは保護者役だからいつもの服装だけど、孤児院の子達に混ざって遊ぶ予定のリリちゃんとハンナちゃんには孤児院の子達と同じ服装をしてもらうことにした。
いつもの服装だと同じ孤児なのにあからさまに優遇しているように見られてしまうから、双方にとって気まずいものね。
まあ、実際に優遇しているのだけど…、貴族達が集う学園に寮に住んでいるのに孤児院の服装をさせる訳にはいかないからね。
ということで、孤児達と同じ服に着替えて貰った。
「少しゴワゴワするけど、わたしが生まれた村で着ていた服より全然良いよ。
なによりも、どこも継ぎ当てがないのが良い。
でも、これ少し着慣らした方がゴワゴワが取れて良いかも。」
ハンナちゃんが孤児院の服の感想を言うとリリちゃんが相槌を打つ。
「うん、リリもこれで十分だよ。スラムにいたときよりこの服の方がずっと良いよ。
これに比べたらスラムで着ていた服はボロ切れだよ。
リリは、いつも着せてもらっているようなお貴族様みたいな服じゃなくてもいいんだよ。」
リリちゃんは遠慮しているのかそんな風に言うが、それは逆に色々と拙いから。
そういうことは、ゆっくり教えていかないといけないね。
わたしがそう考えていると、ハンナちゃんがリリちゃんに言う。
「リリちゃん、服って、時と場所にあわせないといけないんだよ。
お世話になっているからと遠慮して、ハンナやリリちゃんが粗末な服装をしているとターニャお姉ちゃんが恥をかいてしまうこともあるの。
お貴族様と一緒にいるのに粗末な服装している訳にはいかないでしょう。
ターニャお姉ちゃんやミーナお姉ちゃんは王族の人たちと行動することが多いから、ハンナたちも一緒にいておかしくない服装をしないといけないの。
何も贅沢や見栄のためにいつもの服装をしている訳じゃないんだよ。」
わたしが追々教えていこうとしていたことを全てハンナちゃんが言ってしまった。
しかも、わたしが教えようとしていたより、わかりやすい説明だし…。
「うん、わかった、時と場所を考えた服装をしないといけないんだね。
ハンナちゃん、リリはそういうのよく分からないから、少しずつ教えてね。」
リリちゃんはリリちゃんで理解しているっぽいし…。
わたしが軽く落ち込んでいるとリタさんが言った。
「何を落ち込んでいるんですか。
もう馬車の用意は出来ましたよ、孤児院に行くのでしょう。
サッサといきますよ。」
わかりましたよ、じゃあ、行きましょうか。
**********
「リリちゃん、元気そうで良かった。会いたかったよ。」
孤児院に着く早々リリちゃんと同じような背格好の女の子がリリちゃんに抱きついてきた。
きっと、スラムの中で一番年の近い子だったのだろう。
「うん、みんな良くしてくれるから心配しなくても大丈夫だよ。
今日は、一緒に住んでいる人たちと来たんだよ。
リリの隣にいるのはハンナちゃん、たぶん、リリより一つか二つ年上だと思う。」
リリちゃんが女の子にハンナちゃんを紹介している。そう、リリちゃんの年齢がわからないんだよね。
「こんにちは、ハンナです。
今日は、ハンナも仲間に入れてもらおうと思ってきました。
仲良くしてもらえると嬉しいな。」
対面する女の子に自己紹介したハンナちゃんはあっという間に打ち解けてしまったようで、三人で仲良く手を繋いで孤児院の中に入った行った。
「あいかわらず、凄いコミュ力ですね…。」
リタさんがハンナちゃんの対人能力に感心していた。そう言うリタさんだって、話し方はアレだけど人の懐に入り込むのは上手いよね。
リリちゃんのことはハンナちゃんに任せておけば大丈夫だろう。
わたし達は院長のステラさんに孤児院の運営に問題がないか聞きに行くことにした。
院長室に通され、わたしが孤児達に問題はないか聞くとステラさんが穏やかに語り始めた。
「ええ、今のところ全く問題ないわよ。
みんな王国語の取得に熱心で片言であれば王国語で会話が通じるようになってきたわ。
今はね、王国語を学ぶと同時に、帝国語を忘れないように帝国語の読み書きも教えているの。
あの子達は教育を受ける機会がなかったので文字の読み書きが出来る子がいなかったのよ。」
「じゃあ、帝国語で書かれた子供向けの本とか文字の練習用に紙やペンが必要になりますね。
予算は足りていますか、必要ならわたしが出しますので言ってください。」
「あらあら、子供はそんな事気を使わなくてもいいのよ。
ターニャちゃんは頑張ってここを用意してくれたのだから、それで十分、後は大人の仕事よ。
幸いなことにポルト公爵様が大量の本と紙、それにペンを寄付してくださったの。
子供達は食べ物の心配がなくなって心に余裕が出来たのね、驚くほど飲み込みが早いわ。
この調子で行けば、ターニャちゃんの計画通り来春には学校を開設できるわ。」
そう、初等国民学校だけど教員の確保の問題で急いでも来春にならないと開設出来なかったの。
それだけでなく、初等学校は教科書が王国語の物しかなかったので、来春までに王国語を話せるようになってもらわないといけなかったの。
そういえば、さっきの女の子も王国語で話していたね。
食べ物とか、生活習慣の上で問題になることはないかと尋ねると。
「食べ物の心配は全くしなくて大丈夫よ、その辺は王国の予算がしっかりしているから。
贅沢はさせられないけど、栄養のあるものをお腹いっぱい食べさせることは出来ているわ。
みんな一月前よりかなり顔色が良くなったし、少しふっくらしてきたわ。
みんなには町に馴染んでもらうため、毎朝精霊神殿前の広場の掃除をしてもらっているのよ。
熱心に掃除をしてくれるので、町の人の評判も良いわよ。
町の人も『ご苦労さん』って孤児達に声を掛けてくれるようになったわ。」
ステラさんの話を聞く限り、今のところ問題はないようだね。
それじゃあ、みんなの様子を見に行きましょうか。
**********
わたし達がステラさんに伴われてみんなが集まる談話室に行くと、なにやら光が漏れてきた。
「光の精霊?」
ミーナちゃんが疑問の声を上げた、確かに光のおチビちゃんが放つ光のようだ。
何事かと思って談話室の中に入ると、ハンナちゃんの声が聞こえた。
「怪我をしたら放っておいちゃダメだよ。
こんな擦り傷だってばい菌が入ったら酷いことになるよ。」
転んだのか膝に怪我をした男の子がいたらしい、ハンナちゃんが膝の手当てをして入るようだ。
さっきの光は傷口の消毒をしていたんだね、ハンナちゃんは続けて『癒しの水』を膝に施しながら言っている。
「こんな風に魔法で治す事が出来ないときは、傷口を必ずきれいな水で洗うの。絶対にそのままにしたらダメだよ。」
まあ、男の子だものね、その辺中を飛んだり跳ねたりしているから怪我もするわね。
ハンナちゃんが話している間にも膝の怪我は治っていき、傷跡を残すことなく完治した。
「はい、終了。他に怪我をしている子はいない?今なら治してあげるよ。」
ハンナちゃんがそう言うとステラさんに叱られると思って隠していたのだろう、怪我をした子が次々に出てきた。見事に男の子ばかりだ。
隠しておけるだけあって誰もが大した傷ではなく、ハンナちゃんは手際よく治療をしていった。
全員の治療が終わったとき、一人の男の子が言った。
「おまえ、俺と同じくらいの歳なのに凄いな。
こんな小さいのに治癒術師様だなんて。
治癒術師様は孤児なんか治療してくれないと聞いてたんだけど、おまえは違うんだな。
有り難う、助かったぜ。ヤンチャして怪我をすると院長先生から叱られるんで我慢してたんだ。」
ああ、それ、ここで言っちゃう?気付いてないだろうけどステラさんここにいるんだよ。
すると、ハンナちゃんは言ったの。
「リリちゃんも、ハンナと同じ力を持っているんだ。
でも、この力はちゃんと勉強しないと使えるようにならないの。
だから、リリちゃんはみんなと離れて特別な勉強をしないといけないの。
リリちゃんが、この力を使いこなせるようになれば、たくさんの人を助けることが出来るんだよ。
だから、リリちゃんだけ別のところに住むことになっちゃったけどみんなも許してあげてね。」
なるほど、リリちゃんだけが特別扱いされている訳を目に見える形で伝えていたんだ。
「リリちゃんも、治癒術師になれるの?じゃあ、みんなで応援しないとね。
わたしもリリちゃんと離れて寂しいけど我慢するよ。」
最初に飛びついてきた女の子がそう言うと、みんなリリちゃんに頑張れと言ってくれたよ。
みんなの理解が得られたようで良かった。
わたしがハンナちゃんに感心していると、わたしが来たことに気付いた小さな女の子がわたしに寄ってきて言ったの。
「ターニャお姉ちゃん、わたし達をここへ連れてきてくれて有り難う。
お姉ちゃんの言ったことは嘘じゃなかったよ。
毎日美味しいご飯をお腹いっぱい食べられるし、きれいな部屋で眠れて嬉しい。
ステラ先生達も優しくしてくれて、スラムみたいに酷いことする人がいないから安心できるの。
ここに来て良かったよ。」
この子は確か、船の中でポルトで邪険にされないかと不安を抱いていた子だ。
今日はそんな様子は全くなく満面の笑顔を見せてくれたよ。
うん、とりあえずは順調のようで良かった。
ハンナちゃんとミーナちゃんも孤児院に行きたいと言ったので、いつものメンバー全員で孤児院にお泊りすることになった。
わたしとミーナちゃんは保護者役だからいつもの服装だけど、孤児院の子達に混ざって遊ぶ予定のリリちゃんとハンナちゃんには孤児院の子達と同じ服装をしてもらうことにした。
いつもの服装だと同じ孤児なのにあからさまに優遇しているように見られてしまうから、双方にとって気まずいものね。
まあ、実際に優遇しているのだけど…、貴族達が集う学園に寮に住んでいるのに孤児院の服装をさせる訳にはいかないからね。
ということで、孤児達と同じ服に着替えて貰った。
「少しゴワゴワするけど、わたしが生まれた村で着ていた服より全然良いよ。
なによりも、どこも継ぎ当てがないのが良い。
でも、これ少し着慣らした方がゴワゴワが取れて良いかも。」
ハンナちゃんが孤児院の服の感想を言うとリリちゃんが相槌を打つ。
「うん、リリもこれで十分だよ。スラムにいたときよりこの服の方がずっと良いよ。
これに比べたらスラムで着ていた服はボロ切れだよ。
リリは、いつも着せてもらっているようなお貴族様みたいな服じゃなくてもいいんだよ。」
リリちゃんは遠慮しているのかそんな風に言うが、それは逆に色々と拙いから。
そういうことは、ゆっくり教えていかないといけないね。
わたしがそう考えていると、ハンナちゃんがリリちゃんに言う。
「リリちゃん、服って、時と場所にあわせないといけないんだよ。
お世話になっているからと遠慮して、ハンナやリリちゃんが粗末な服装をしているとターニャお姉ちゃんが恥をかいてしまうこともあるの。
お貴族様と一緒にいるのに粗末な服装している訳にはいかないでしょう。
ターニャお姉ちゃんやミーナお姉ちゃんは王族の人たちと行動することが多いから、ハンナたちも一緒にいておかしくない服装をしないといけないの。
何も贅沢や見栄のためにいつもの服装をしている訳じゃないんだよ。」
わたしが追々教えていこうとしていたことを全てハンナちゃんが言ってしまった。
しかも、わたしが教えようとしていたより、わかりやすい説明だし…。
「うん、わかった、時と場所を考えた服装をしないといけないんだね。
ハンナちゃん、リリはそういうのよく分からないから、少しずつ教えてね。」
リリちゃんはリリちゃんで理解しているっぽいし…。
わたしが軽く落ち込んでいるとリタさんが言った。
「何を落ち込んでいるんですか。
もう馬車の用意は出来ましたよ、孤児院に行くのでしょう。
サッサといきますよ。」
わかりましたよ、じゃあ、行きましょうか。
**********
「リリちゃん、元気そうで良かった。会いたかったよ。」
孤児院に着く早々リリちゃんと同じような背格好の女の子がリリちゃんに抱きついてきた。
きっと、スラムの中で一番年の近い子だったのだろう。
「うん、みんな良くしてくれるから心配しなくても大丈夫だよ。
今日は、一緒に住んでいる人たちと来たんだよ。
リリの隣にいるのはハンナちゃん、たぶん、リリより一つか二つ年上だと思う。」
リリちゃんが女の子にハンナちゃんを紹介している。そう、リリちゃんの年齢がわからないんだよね。
「こんにちは、ハンナです。
今日は、ハンナも仲間に入れてもらおうと思ってきました。
仲良くしてもらえると嬉しいな。」
対面する女の子に自己紹介したハンナちゃんはあっという間に打ち解けてしまったようで、三人で仲良く手を繋いで孤児院の中に入った行った。
「あいかわらず、凄いコミュ力ですね…。」
リタさんがハンナちゃんの対人能力に感心していた。そう言うリタさんだって、話し方はアレだけど人の懐に入り込むのは上手いよね。
リリちゃんのことはハンナちゃんに任せておけば大丈夫だろう。
わたし達は院長のステラさんに孤児院の運営に問題がないか聞きに行くことにした。
院長室に通され、わたしが孤児達に問題はないか聞くとステラさんが穏やかに語り始めた。
「ええ、今のところ全く問題ないわよ。
みんな王国語の取得に熱心で片言であれば王国語で会話が通じるようになってきたわ。
今はね、王国語を学ぶと同時に、帝国語を忘れないように帝国語の読み書きも教えているの。
あの子達は教育を受ける機会がなかったので文字の読み書きが出来る子がいなかったのよ。」
「じゃあ、帝国語で書かれた子供向けの本とか文字の練習用に紙やペンが必要になりますね。
予算は足りていますか、必要ならわたしが出しますので言ってください。」
「あらあら、子供はそんな事気を使わなくてもいいのよ。
ターニャちゃんは頑張ってここを用意してくれたのだから、それで十分、後は大人の仕事よ。
幸いなことにポルト公爵様が大量の本と紙、それにペンを寄付してくださったの。
子供達は食べ物の心配がなくなって心に余裕が出来たのね、驚くほど飲み込みが早いわ。
この調子で行けば、ターニャちゃんの計画通り来春には学校を開設できるわ。」
そう、初等国民学校だけど教員の確保の問題で急いでも来春にならないと開設出来なかったの。
それだけでなく、初等学校は教科書が王国語の物しかなかったので、来春までに王国語を話せるようになってもらわないといけなかったの。
そういえば、さっきの女の子も王国語で話していたね。
食べ物とか、生活習慣の上で問題になることはないかと尋ねると。
「食べ物の心配は全くしなくて大丈夫よ、その辺は王国の予算がしっかりしているから。
贅沢はさせられないけど、栄養のあるものをお腹いっぱい食べさせることは出来ているわ。
みんな一月前よりかなり顔色が良くなったし、少しふっくらしてきたわ。
みんなには町に馴染んでもらうため、毎朝精霊神殿前の広場の掃除をしてもらっているのよ。
熱心に掃除をしてくれるので、町の人の評判も良いわよ。
町の人も『ご苦労さん』って孤児達に声を掛けてくれるようになったわ。」
ステラさんの話を聞く限り、今のところ問題はないようだね。
それじゃあ、みんなの様子を見に行きましょうか。
**********
わたし達がステラさんに伴われてみんなが集まる談話室に行くと、なにやら光が漏れてきた。
「光の精霊?」
ミーナちゃんが疑問の声を上げた、確かに光のおチビちゃんが放つ光のようだ。
何事かと思って談話室の中に入ると、ハンナちゃんの声が聞こえた。
「怪我をしたら放っておいちゃダメだよ。
こんな擦り傷だってばい菌が入ったら酷いことになるよ。」
転んだのか膝に怪我をした男の子がいたらしい、ハンナちゃんが膝の手当てをして入るようだ。
さっきの光は傷口の消毒をしていたんだね、ハンナちゃんは続けて『癒しの水』を膝に施しながら言っている。
「こんな風に魔法で治す事が出来ないときは、傷口を必ずきれいな水で洗うの。絶対にそのままにしたらダメだよ。」
まあ、男の子だものね、その辺中を飛んだり跳ねたりしているから怪我もするわね。
ハンナちゃんが話している間にも膝の怪我は治っていき、傷跡を残すことなく完治した。
「はい、終了。他に怪我をしている子はいない?今なら治してあげるよ。」
ハンナちゃんがそう言うとステラさんに叱られると思って隠していたのだろう、怪我をした子が次々に出てきた。見事に男の子ばかりだ。
隠しておけるだけあって誰もが大した傷ではなく、ハンナちゃんは手際よく治療をしていった。
全員の治療が終わったとき、一人の男の子が言った。
「おまえ、俺と同じくらいの歳なのに凄いな。
こんな小さいのに治癒術師様だなんて。
治癒術師様は孤児なんか治療してくれないと聞いてたんだけど、おまえは違うんだな。
有り難う、助かったぜ。ヤンチャして怪我をすると院長先生から叱られるんで我慢してたんだ。」
ああ、それ、ここで言っちゃう?気付いてないだろうけどステラさんここにいるんだよ。
すると、ハンナちゃんは言ったの。
「リリちゃんも、ハンナと同じ力を持っているんだ。
でも、この力はちゃんと勉強しないと使えるようにならないの。
だから、リリちゃんはみんなと離れて特別な勉強をしないといけないの。
リリちゃんが、この力を使いこなせるようになれば、たくさんの人を助けることが出来るんだよ。
だから、リリちゃんだけ別のところに住むことになっちゃったけどみんなも許してあげてね。」
なるほど、リリちゃんだけが特別扱いされている訳を目に見える形で伝えていたんだ。
「リリちゃんも、治癒術師になれるの?じゃあ、みんなで応援しないとね。
わたしもリリちゃんと離れて寂しいけど我慢するよ。」
最初に飛びついてきた女の子がそう言うと、みんなリリちゃんに頑張れと言ってくれたよ。
みんなの理解が得られたようで良かった。
わたしがハンナちゃんに感心していると、わたしが来たことに気付いた小さな女の子がわたしに寄ってきて言ったの。
「ターニャお姉ちゃん、わたし達をここへ連れてきてくれて有り難う。
お姉ちゃんの言ったことは嘘じゃなかったよ。
毎日美味しいご飯をお腹いっぱい食べられるし、きれいな部屋で眠れて嬉しい。
ステラ先生達も優しくしてくれて、スラムみたいに酷いことする人がいないから安心できるの。
ここに来て良かったよ。」
この子は確か、船の中でポルトで邪険にされないかと不安を抱いていた子だ。
今日はそんな様子は全くなく満面の笑顔を見せてくれたよ。
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