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第十章 続・ハテノ男爵領再興記
第228話 ゼンベー爺ちゃんが困惑してたよ
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「おお、戻ったか、ライムよ。
イナッカへ行くと言ったおったが、もう帰ってくるとは。
流石、アルト様が空を飛ぶと早いものよのう。」
ハテノ男爵領へ戻ると、屋敷の玄関ホールでゼンベー爺ちゃんが出迎えてくれたんだ。
アルトは、侵攻の落とし前を付けに行くと言ってライム姉ちゃんを連れ出したものだから。
ゼンベー爺ちゃんは、イナッカの町へ行ったものだと思っていたみたい。
まさか王宮まで襲撃したとは、思いもしないだろうね。
「お父様、ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。
無事、『シタニアール国』と講和を結んで帰って参りました。
今後、シタニアール国より侵攻されることは無いのでご安心ください。
ついては、幾つかご報告したいことがあります。
腰を落ち着けて話が出来る部屋に参りましょうか。」
結婚相手を紹介するのに、玄関口で立ち話も無いものね。
ライム姉ちゃんは、自分の執務室に場所を移したんだ。
部屋に入ると、ライム姉ちゃんの依頼に応えてアルトはレモン兄ちゃんを出したの。
「お父様、紹介いたします。
この度、私の旦那様になったレモン・ド・トマリ様です。
勝手に決めてしまって申し訳ございませんが。
既に、王宮へ寄り貴族名簿の書き換え手続きも済ませてしまい。
私とレモン様は正式な夫婦となっています。」
「初めまして、お義父さん。レモンと申します。
女男爵と手を携えてハテノ家と領地の発展のために力を尽くしますので宜しくお願い致します。」
ライム姉ちゃんの紹介に続いて、レモン兄ちゃんが挨拶したんだけど…。
余りに唐突だったんで、ゼンベー爺ちゃんはポカンとした顔をしてたよ。
「まあ、儂が不甲斐ないせいで、ライムが行き遅れてしまったのであるから…。
儂は、ライムがレモン君を婿に取る決めたのなら不服を言うつもりはないが。
レモン君とは何処で知り合ったのかい、どちらの家のご子息なのだろうか。」
ハテノ男爵家は、今まで貧乏生活をしていたでしょう。
貴族の婚姻に必要な持参金が用意できなくて、ライム姉ちゃんは独身だったらしいの。
それで、ゼンベー爺ちゃんは肩身の狭い思いをしていたみたい。
なので婚姻自体に不服は無い様子だけど、さすがに戸惑うよね。
侵略された落とし前を付けに行くと言って出て行って、結婚して帰ってきたら。
しかも、出掛けてからまだ十日しか経っていないもの、電撃結婚極まれりだよ。
「はい、レモン様はシタニアール国の第三王子です。
レモン様には不本意でしょうが。
講和の条件として、私の婿となってもらうことにしました。」
「いやだな、不本意なんて。
私は全然不本意などではありませんよ。
ライムさんのようなキレイな奥さんを持つことが出来て、私は幸せ者ですよ。
私、実はライムさんに一目惚れだったのです。
人質としてここに婿に入った気はありませんので、手を携えて暮らしていきましょう。」
アルトの指示で、一方的に要求を突き付けて王子を差し出させたものね。
自分の婚姻を政治の道具とする事に乗り気でなかったライム姉ちゃんは、気が咎めていたようなんだけど。
レモン兄ちゃんは満更でもなかった様子だよ。
「はっ? シタニアール国の王子様だって?
ライムよ、おまえ、いったい、何処まで行ってきたのだ?」
何度も言うようだけどイナッカ辺境伯の騎士団の襲撃があってから、まだ十日と少ししか経ってないもの。
まさか、馬車を使えば片道一月以上かかるシタニアール国の王都まで言って来たとは思いもしないよね。
**********
「…ということで、アルト様の提案でシタニアール国の王に責任を取らせようと言うことになりまして。
偶々、式典を催していた謁見の間を急襲し、王と王族、それに有力貴族を一網打尽にしたのです。」
混乱しているゼンベー爺ちゃんに、ライム姉ちゃんは王宮制圧までの経緯を説明したんだ。
「また、アルト様は無茶をしなさる…。
それは、シタニアール国の王宮におられた方々もさぞかし驚かれた事でしょう。
でもよろしいのですか、そんな不意打ちのような形で屈服させられて。
挙句、こんな貧乏男爵家に婿に来るハメになってしまって。」
根が善良なゼンベー爺ちゃん、アルトの力を使った無茶苦茶な戦法を卑怯と感じたみたい。
レモン兄ちゃんを気遣うように言葉を掛けていたよ。
「いやあ、私も、まさか、途中一戦も交えることなく、いきなり王宮の中枢が襲撃を受けるなんて思いもしませんでした。
こちらは、イナッカ辺境伯の愚か者が戦を起こしたこと自体知りませんでしたものね。
王の首に剣を突き付けられた上に、主要な貴族の当主を人質に取られたんじゃ白旗を揚げるしかありません。
まあそれも、イナッカ辺境伯のような愚か者を野放しにした王族の責任と諦めました。」
でも、レモン兄ちゃんは意外とサバサバしていたよ。
うちの王様と違って、貴族が仕出かした不始末の責任は王族が取るものだと認識しているって言ってた。
だから、王族は国の隅々にまで目配せして、貴族が不正をしないよう注意してないといけないんだって。
イナッカ辺境伯の女癖の悪さは、王宮にまで届いていたらしいのだけど。
まあ、そのくらいはと、大目に見ていたのが仇になったみたい。
まさか自分の色欲を満たすために他国に攻め入るほど愚かだとは思わなかったって。
そこで、一旦言葉を切ったレモン兄ちゃんはライム姉ちゃんの手を握って言ったの。
「第一、私はハテノ男爵家への婿入りを嫌だとは思っていませんよ。
先ほど言ったように、私はライム男爵に一目惚れしましたので。
私を婿にと指名された時には、小躍りしたい気分でした。
今晩、ライム男爵と褥を共にするのが待ち遠しいです。」
ライム姉ちゃん、手を握り締められての求愛に顔を赤く染めていたよ。
「そこまで言ってもらえるなんて、ライムも幸せ者ですな。
ならば、儂は何も言いますまい。
これは、早々に初孫の顔が見られそうで楽しみですわ。
婿殿、娘をよろしくお願いしますぞ。」
こうして、レモン兄ちゃんは無事にハテノ男爵家に迎え入れられたの。
**********
「それから、領地の立て直しが順調に進んでいるものですから。
この方々を、新たに採用することになりました。
当面はセバスの下に就いてもらい、領地のことを学んでもらおうかと思います。」
レモン兄ちゃんの次は、元ウエニアール国の使節団の五人を紹介したんだ。
「えっ、子爵様にここで働いていただくのかい?
我が家には、子爵様を遇するような余裕はないのでは…。」
ゼンベー爺ちゃんは戸惑っていたよ。
使節の代表を務めていたパターツさんの父ちゃんが、子爵家の現当主だと聞かされたから。
身分に見合った待遇は出来ないんじゃないかと、ゼンベー爺ちゃんは不安に感じた様子だった。
すると…。
「いえ、先々代様。
我々は、王を僭称する簒奪者の下で不本意な仕事をさせられていました。
ライム男爵様は、そんな我々に新しい道を用意してくださったのです。
なあに、以前の王家に質素な生活を奨励されていましたので。
俸禄が少なければ、少ないなりに暮らしていく術は弁えております。
皆で力を併せてライム男爵様を支えていきましょうではないですか。」
パターツさんの父ちゃん、グラッセ子爵がゼンベー爺ちゃんの不安を払拭するように言ってたよ。
グラッセ子爵はこれから娘のパターツさんと一緒に暮らせるようになるからね。楽しみだと思うよ。
それでもゼンベー爺ちゃんは、五人も新たな人を召し抱えることに不安を拭えない様子だったの。
つい先日まで、屋敷の修繕も出来ないほどカツカツの生活をしていたものね。
「ゼンベーお爺ちゃんは心配性ね。
安心しなさい、ゼンベー爺ちゃんも、グラッセさんも悠々自適な余生が送れるわよ。
まあ、レモンはライムが気に入ったようだから、はなから文句は無いかも知れないけど…。
きっと、ここへ婿入りして良かったと思うことになるわ。」
そんなゼンベー爺ちゃんを安心させるように、アルトが口を挟んだの。
「はぁ…、アルト様のおかげで、大分この領地も持ち直しては来ましたが。
まだ何かお考えがあるのですか?」
自信満々のアルトにゼンベー爺ちゃんは尋ねたんだけど…。
「それはまだナイショ。楽しみにしておいて。」
アルトは教えてあげなかったの。
今回のイナッカ辺境伯の愚行のおかげで、アルトの考えている計画が大分前進したみたいだけど。
まだ、ナイショなんだね。
イナッカへ行くと言ったおったが、もう帰ってくるとは。
流石、アルト様が空を飛ぶと早いものよのう。」
ハテノ男爵領へ戻ると、屋敷の玄関ホールでゼンベー爺ちゃんが出迎えてくれたんだ。
アルトは、侵攻の落とし前を付けに行くと言ってライム姉ちゃんを連れ出したものだから。
ゼンベー爺ちゃんは、イナッカの町へ行ったものだと思っていたみたい。
まさか王宮まで襲撃したとは、思いもしないだろうね。
「お父様、ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。
無事、『シタニアール国』と講和を結んで帰って参りました。
今後、シタニアール国より侵攻されることは無いのでご安心ください。
ついては、幾つかご報告したいことがあります。
腰を落ち着けて話が出来る部屋に参りましょうか。」
結婚相手を紹介するのに、玄関口で立ち話も無いものね。
ライム姉ちゃんは、自分の執務室に場所を移したんだ。
部屋に入ると、ライム姉ちゃんの依頼に応えてアルトはレモン兄ちゃんを出したの。
「お父様、紹介いたします。
この度、私の旦那様になったレモン・ド・トマリ様です。
勝手に決めてしまって申し訳ございませんが。
既に、王宮へ寄り貴族名簿の書き換え手続きも済ませてしまい。
私とレモン様は正式な夫婦となっています。」
「初めまして、お義父さん。レモンと申します。
女男爵と手を携えてハテノ家と領地の発展のために力を尽くしますので宜しくお願い致します。」
ライム姉ちゃんの紹介に続いて、レモン兄ちゃんが挨拶したんだけど…。
余りに唐突だったんで、ゼンベー爺ちゃんはポカンとした顔をしてたよ。
「まあ、儂が不甲斐ないせいで、ライムが行き遅れてしまったのであるから…。
儂は、ライムがレモン君を婿に取る決めたのなら不服を言うつもりはないが。
レモン君とは何処で知り合ったのかい、どちらの家のご子息なのだろうか。」
ハテノ男爵家は、今まで貧乏生活をしていたでしょう。
貴族の婚姻に必要な持参金が用意できなくて、ライム姉ちゃんは独身だったらしいの。
それで、ゼンベー爺ちゃんは肩身の狭い思いをしていたみたい。
なので婚姻自体に不服は無い様子だけど、さすがに戸惑うよね。
侵略された落とし前を付けに行くと言って出て行って、結婚して帰ってきたら。
しかも、出掛けてからまだ十日しか経っていないもの、電撃結婚極まれりだよ。
「はい、レモン様はシタニアール国の第三王子です。
レモン様には不本意でしょうが。
講和の条件として、私の婿となってもらうことにしました。」
「いやだな、不本意なんて。
私は全然不本意などではありませんよ。
ライムさんのようなキレイな奥さんを持つことが出来て、私は幸せ者ですよ。
私、実はライムさんに一目惚れだったのです。
人質としてここに婿に入った気はありませんので、手を携えて暮らしていきましょう。」
アルトの指示で、一方的に要求を突き付けて王子を差し出させたものね。
自分の婚姻を政治の道具とする事に乗り気でなかったライム姉ちゃんは、気が咎めていたようなんだけど。
レモン兄ちゃんは満更でもなかった様子だよ。
「はっ? シタニアール国の王子様だって?
ライムよ、おまえ、いったい、何処まで行ってきたのだ?」
何度も言うようだけどイナッカ辺境伯の騎士団の襲撃があってから、まだ十日と少ししか経ってないもの。
まさか、馬車を使えば片道一月以上かかるシタニアール国の王都まで言って来たとは思いもしないよね。
**********
「…ということで、アルト様の提案でシタニアール国の王に責任を取らせようと言うことになりまして。
偶々、式典を催していた謁見の間を急襲し、王と王族、それに有力貴族を一網打尽にしたのです。」
混乱しているゼンベー爺ちゃんに、ライム姉ちゃんは王宮制圧までの経緯を説明したんだ。
「また、アルト様は無茶をしなさる…。
それは、シタニアール国の王宮におられた方々もさぞかし驚かれた事でしょう。
でもよろしいのですか、そんな不意打ちのような形で屈服させられて。
挙句、こんな貧乏男爵家に婿に来るハメになってしまって。」
根が善良なゼンベー爺ちゃん、アルトの力を使った無茶苦茶な戦法を卑怯と感じたみたい。
レモン兄ちゃんを気遣うように言葉を掛けていたよ。
「いやあ、私も、まさか、途中一戦も交えることなく、いきなり王宮の中枢が襲撃を受けるなんて思いもしませんでした。
こちらは、イナッカ辺境伯の愚か者が戦を起こしたこと自体知りませんでしたものね。
王の首に剣を突き付けられた上に、主要な貴族の当主を人質に取られたんじゃ白旗を揚げるしかありません。
まあそれも、イナッカ辺境伯のような愚か者を野放しにした王族の責任と諦めました。」
でも、レモン兄ちゃんは意外とサバサバしていたよ。
うちの王様と違って、貴族が仕出かした不始末の責任は王族が取るものだと認識しているって言ってた。
だから、王族は国の隅々にまで目配せして、貴族が不正をしないよう注意してないといけないんだって。
イナッカ辺境伯の女癖の悪さは、王宮にまで届いていたらしいのだけど。
まあ、そのくらいはと、大目に見ていたのが仇になったみたい。
まさか自分の色欲を満たすために他国に攻め入るほど愚かだとは思わなかったって。
そこで、一旦言葉を切ったレモン兄ちゃんはライム姉ちゃんの手を握って言ったの。
「第一、私はハテノ男爵家への婿入りを嫌だとは思っていませんよ。
先ほど言ったように、私はライム男爵に一目惚れしましたので。
私を婿にと指名された時には、小躍りしたい気分でした。
今晩、ライム男爵と褥を共にするのが待ち遠しいです。」
ライム姉ちゃん、手を握り締められての求愛に顔を赤く染めていたよ。
「そこまで言ってもらえるなんて、ライムも幸せ者ですな。
ならば、儂は何も言いますまい。
これは、早々に初孫の顔が見られそうで楽しみですわ。
婿殿、娘をよろしくお願いしますぞ。」
こうして、レモン兄ちゃんは無事にハテノ男爵家に迎え入れられたの。
**********
「それから、領地の立て直しが順調に進んでいるものですから。
この方々を、新たに採用することになりました。
当面はセバスの下に就いてもらい、領地のことを学んでもらおうかと思います。」
レモン兄ちゃんの次は、元ウエニアール国の使節団の五人を紹介したんだ。
「えっ、子爵様にここで働いていただくのかい?
我が家には、子爵様を遇するような余裕はないのでは…。」
ゼンベー爺ちゃんは戸惑っていたよ。
使節の代表を務めていたパターツさんの父ちゃんが、子爵家の現当主だと聞かされたから。
身分に見合った待遇は出来ないんじゃないかと、ゼンベー爺ちゃんは不安に感じた様子だった。
すると…。
「いえ、先々代様。
我々は、王を僭称する簒奪者の下で不本意な仕事をさせられていました。
ライム男爵様は、そんな我々に新しい道を用意してくださったのです。
なあに、以前の王家に質素な生活を奨励されていましたので。
俸禄が少なければ、少ないなりに暮らしていく術は弁えております。
皆で力を併せてライム男爵様を支えていきましょうではないですか。」
パターツさんの父ちゃん、グラッセ子爵がゼンベー爺ちゃんの不安を払拭するように言ってたよ。
グラッセ子爵はこれから娘のパターツさんと一緒に暮らせるようになるからね。楽しみだと思うよ。
それでもゼンベー爺ちゃんは、五人も新たな人を召し抱えることに不安を拭えない様子だったの。
つい先日まで、屋敷の修繕も出来ないほどカツカツの生活をしていたものね。
「ゼンベーお爺ちゃんは心配性ね。
安心しなさい、ゼンベー爺ちゃんも、グラッセさんも悠々自適な余生が送れるわよ。
まあ、レモンはライムが気に入ったようだから、はなから文句は無いかも知れないけど…。
きっと、ここへ婿入りして良かったと思うことになるわ。」
そんなゼンベー爺ちゃんを安心させるように、アルトが口を挟んだの。
「はぁ…、アルト様のおかげで、大分この領地も持ち直しては来ましたが。
まだ何かお考えがあるのですか?」
自信満々のアルトにゼンベー爺ちゃんは尋ねたんだけど…。
「それはまだナイショ。楽しみにしておいて。」
アルトは教えてあげなかったの。
今回のイナッカ辺境伯の愚行のおかげで、アルトの考えている計画が大分前進したみたいだけど。
まだ、ナイショなんだね。
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