69 / 848
第四章 魔物暴走(スタンピード)顛末記
第69話 ハイリスク・ハイリターン?
しおりを挟む
翌朝、おいら達はご近所に被害が出ていないか、手分けをして尋ねて歩いたの。
幸い、おいらの家がある住宅密集地では一軒の被害も出ていないようだった。
おいら達が尋ねて回るまでもなく、あのオバチャンが隣近所に話を聞いて歩いたみたいで。
町の外に向かって歩いていると…。
「おや、マロン、おはようさん。
昨日は、マロンのおかげで命拾いしたよ。
近所に声を掛けたら、誰も『蚊』なんか見てないって言うから。
マロンの話が間違ってたのかと思ったけどね。
冒険者ギルドのありさまを見て、マロンの言ったことに嘘は無いって分かったよ。
『蚊』に血を吸われて干乾びた奴や『ゴキブリ』にかじられた奴。
マロンの警告がなければ、こっちがああなってたとこだ、ホント、助かったよ。
しっかし、朝めし前からイヤなモノ見ちまったよ、メシが不味くなっちまうよ。」
例の噂好きのオバチャンに会って、そんな話を聞いたんだ。
「あのオバチャン、凄い肝が据わってるわね。
あの酒場の惨状を見て、朝ごはんが不味くなるですって。
普通の神経してたら、二、三日はモノが喉を通らないと思うけど…。」
オバチャンのセリフを聞いて、ノイエが感心していたよ。
でも、昨日の夜、ノイエが予想した通り、ギルドの酒場が魔物を引き付けてくれたみたい。
冒険者以外の町の住民には、一切被害が出なかったようで良かったよ。
********
そして、おいら達はそこにやって来たんだ。
おいらが、昨日の夜、ワイバーンの死肉を置いた場所へ。
「うっ、気持ち悪いですわ。
申し訳ないけど、わたくし、この手の虫は苦手なのですわ。」
そう言って顔をそむけたクッころさん。
そのまま、地面にへたり込んで、顔を真っ青にしてるよ。
目の前には、大きなワイバーンの死肉にびっしりと集っている茶色い物体が…。
なんか、うぞうぞと蠢いているし、ホント、キモいよ。
おいらも吐きそう…。
それだけでなく、ワイバーンの死肉の近くの地面に転がってピクピクと痙攣しているのもいるし。
「なんか、ゴキブリ団子を食った後のゴキブリみたいになってるのもいるな…。
なんだ、これ?」
ワイバーンの死肉のことを知らないタロウが尋ねてきたよ。
「これは、アルトお姉さまが、授けてくれた秘策よ。
名付けて、『ゴキブリ(型の魔物)ホイホイ』よ!
昨日の晩、相談に行ったら、アルトお姉さまがくださったの。
ワイバーンの死肉、大きくて『ゴキブリ』を引き寄せるのに丁度良かったのよ。
しかも、ワイバーンの死肉は猛毒だから、食べたらこんな風に動けなくなるしね。」
打ち合わせ通り、ノイエは、アルトから貰ったことにして大きな肉の正体を明かしたんだ。
昨日の晩、ワイバーンの死肉をばら撒く時に打ち合わせしておいたんだ。
おいらがワイバーンを倒したことは絶対に秘密にしたいって。
だから、ノイエはアルトから貰ったことにしてくれたの。
「ワイバーンの肉、スゲーな。
『ゴキブリ』をこんなに引き寄せて、一網打尽かよ。
元祖、ホイホイも真っ青だぜ。
で、どうするんだ、このまま放っといて死ぬのを待つのか?」
タロウがまた妙な関心の仕方をしている、なんだ元祖って…。
「まさか、こんな所に放置して人が見つけたら大騒ぎになるわ。
それに、こいつらこの状態でも『病原菌』をまき散らすから。
とっととトドメをさして、処分しちゃわないと。
もうほとんど動けない状態だから、トドメをさすだけの簡単なお仕事よ。」
「えっ、これにトドメをさすのですか?
わたくし、気分が優れないので遠慮させて頂きたいですわ。
簡単なお仕事なら、わたくしが欠けても大丈夫でございましょう。」
「何を甘いこと言っているのよ。
幾ら、簡単な仕事とはいえ、数が滅茶苦茶多いのよ。
これがあと十ヶ所近くあるんだからね。
みんなでやらないと時間が無いの。」
渋るクッころさんをノイエは叱咤して、無理やりやらせていたよ。
まっ、確かに、剣でチョンと頭を叩けばプチっと潰れて倒せるから簡単ではあるんだけど…。
「何ですの、凄く臭いですわ。
気持ち悪いですわ、やっぱり、わたくし、遠慮したいですわ。」
クッころさんが泣き言を言いながら、『ゴキブリ』にトドメをさしてる。
そう、この『ゴキブリ』、無茶苦茶臭いの、体液が特に。
病原菌を持っているので体液に触れないように注意してるけど、近くにいるだけで凄く臭うの。
頭をプチっとやる時に、もわっと臭いも吹き出るから大変。
おいらも、何度も吐きそうになったよ。
********
おいら達は朝のうちにワイバーンの死肉を撒いた場所を回って、『ゴキブリ』にトドメをさして歩いたの。
その数は五千にのぼって、おいらの『積載庫』だけでも二千以上、入ってる。
正直、想像したくない…。
『ゴキブリ』を退治した後の、食べ残されたワイバーン肉はそのまま放置したんだ。
今晩やってくる『ゴキブリ』に備えてね。
『ゴキブリ』の処理が終わる頃には、陽は高くなっていて、妖精の森の空がまた黒く覆われてた。
そう、『ハエ』の時間の到来、奴ら無茶苦茶数が多いからまだ後続があったみたい。
強くは無いけど、そのおびただしい数にウンザリしながら何とか凌ぐと、次は『蚊』の時間。
『蚊』の鋭い口ばしと集団攻撃に四苦八苦しがらも、何とか二日目も撃退に成功したおいら達。
ワイバーンの死肉を補充して町へ戻ると、もう夜中だった。
更に三日目、朝から『ゴキブリ』の退治をして回り、『ハエ』、『蚊』のローテーションを繰り返したよ。
そして、迎えた四日目の朝。
「あら、『ゴキブリ』が一匹も掛かってなかったわね。もうお終いかしら。」
ワイバーンの死肉を撒いた場所を回り終えて、ノエルが言ったんだ。
その言葉通り、十数ヶ所全部確認したけど、一匹も『ゴキブリ』はいなかったんだ。
そして、陽が高くなって…。
妖精の森の空が一転の穢れも無く澄み渡っていたの。
昨日まで、溢れかえる『ハエ』で黒く不気味に染まっていたのに。
「どうやら、スタンピードは乗り切ったようね。
一度、アルトお姉さまと相談に行くから、二人は町に戻って待機ね。
マロン、あなたはついて来てね。」
ノイエの指示に従って、タロウ達へ町へ戻り、おいらはノイエと共にアルトの許に向かったの。
「マロン、ノイエ、よく頑張ったわね。
もう大丈夫よ、さっき、別の森の妖精から連絡係がやって来たわ。
スタンピードは収まったって。」
出迎えてくれたアルトが、おいらとノイエを労ってくれたんだ。
どうやら、無事、スタンピードは乗り切れたみたいだね。
「ノイエ、今回は手を貸してくれて有り難う。
ノイエがいなければ、とても乗り切れなかったよ。
おいらや町のみんなが無事なのはノイエのおかげだよ。」
スタンピードの終結を聞いて、おいらは真っ先にノイエに感謝の気持ちを伝えたよ。
「良いのよ、別にあんたのためにやった訳じゃないから。
アルトお姉さまの指示だもの、期待を裏切る訳にはいかないわ。」
そんな風に素っ気なくいうノイエ。
「でも、クッころさんに貴重な『生命の欠片』をくれたじゃない。
ノイエが自分のために貯めておいて貴重なモノだったんでしょう。
申し訳ないよ。」
「それこそ、礼には及ばないわ。
あの底抜けなおバカさんには、しこたま笑わせてもらったからね。
それに、リターンは十分に貰ったわ。」
「リターン?」
「そうよ、『ハエ』、『蚊』、『ゴキブリ』、病気の蔓延防止のためだけど。
あの子達が狩った遺骸を、アタシが全部回収したでしょう。
けっこう、レベル持ちが多かったみたいでね。
確認してみたら全部で約百万枚あったわ、『生命の欠片』。
四日で五十倍に増えたんだもん、笑いが止まらないわ。」
さいですか…。『ハエ』とかは結構レベルが高いって聞いてはいたけど…。
おいらも、後で『ハエ』、『蚊』、『ゴキブリ』の遺骸をチェックしてみよう。
あんまり、気は乗らないけど…。
********
【お願い】
現在行われています『第14回ファンタジー小説大賞』にエントリーしています。
もし、まだ、投票がお済みでない方で、本作を気に入ってくださった方がいらっしゃれば投票して頂ければ幸いです。
PCであれば作品名近くのオレンジ色のアイコン、スマホアプリなら目次ページの中央付近のアイコンで投票できます。
幸い、おいらの家がある住宅密集地では一軒の被害も出ていないようだった。
おいら達が尋ねて回るまでもなく、あのオバチャンが隣近所に話を聞いて歩いたみたいで。
町の外に向かって歩いていると…。
「おや、マロン、おはようさん。
昨日は、マロンのおかげで命拾いしたよ。
近所に声を掛けたら、誰も『蚊』なんか見てないって言うから。
マロンの話が間違ってたのかと思ったけどね。
冒険者ギルドのありさまを見て、マロンの言ったことに嘘は無いって分かったよ。
『蚊』に血を吸われて干乾びた奴や『ゴキブリ』にかじられた奴。
マロンの警告がなければ、こっちがああなってたとこだ、ホント、助かったよ。
しっかし、朝めし前からイヤなモノ見ちまったよ、メシが不味くなっちまうよ。」
例の噂好きのオバチャンに会って、そんな話を聞いたんだ。
「あのオバチャン、凄い肝が据わってるわね。
あの酒場の惨状を見て、朝ごはんが不味くなるですって。
普通の神経してたら、二、三日はモノが喉を通らないと思うけど…。」
オバチャンのセリフを聞いて、ノイエが感心していたよ。
でも、昨日の夜、ノイエが予想した通り、ギルドの酒場が魔物を引き付けてくれたみたい。
冒険者以外の町の住民には、一切被害が出なかったようで良かったよ。
********
そして、おいら達はそこにやって来たんだ。
おいらが、昨日の夜、ワイバーンの死肉を置いた場所へ。
「うっ、気持ち悪いですわ。
申し訳ないけど、わたくし、この手の虫は苦手なのですわ。」
そう言って顔をそむけたクッころさん。
そのまま、地面にへたり込んで、顔を真っ青にしてるよ。
目の前には、大きなワイバーンの死肉にびっしりと集っている茶色い物体が…。
なんか、うぞうぞと蠢いているし、ホント、キモいよ。
おいらも吐きそう…。
それだけでなく、ワイバーンの死肉の近くの地面に転がってピクピクと痙攣しているのもいるし。
「なんか、ゴキブリ団子を食った後のゴキブリみたいになってるのもいるな…。
なんだ、これ?」
ワイバーンの死肉のことを知らないタロウが尋ねてきたよ。
「これは、アルトお姉さまが、授けてくれた秘策よ。
名付けて、『ゴキブリ(型の魔物)ホイホイ』よ!
昨日の晩、相談に行ったら、アルトお姉さまがくださったの。
ワイバーンの死肉、大きくて『ゴキブリ』を引き寄せるのに丁度良かったのよ。
しかも、ワイバーンの死肉は猛毒だから、食べたらこんな風に動けなくなるしね。」
打ち合わせ通り、ノイエは、アルトから貰ったことにして大きな肉の正体を明かしたんだ。
昨日の晩、ワイバーンの死肉をばら撒く時に打ち合わせしておいたんだ。
おいらがワイバーンを倒したことは絶対に秘密にしたいって。
だから、ノイエはアルトから貰ったことにしてくれたの。
「ワイバーンの肉、スゲーな。
『ゴキブリ』をこんなに引き寄せて、一網打尽かよ。
元祖、ホイホイも真っ青だぜ。
で、どうするんだ、このまま放っといて死ぬのを待つのか?」
タロウがまた妙な関心の仕方をしている、なんだ元祖って…。
「まさか、こんな所に放置して人が見つけたら大騒ぎになるわ。
それに、こいつらこの状態でも『病原菌』をまき散らすから。
とっととトドメをさして、処分しちゃわないと。
もうほとんど動けない状態だから、トドメをさすだけの簡単なお仕事よ。」
「えっ、これにトドメをさすのですか?
わたくし、気分が優れないので遠慮させて頂きたいですわ。
簡単なお仕事なら、わたくしが欠けても大丈夫でございましょう。」
「何を甘いこと言っているのよ。
幾ら、簡単な仕事とはいえ、数が滅茶苦茶多いのよ。
これがあと十ヶ所近くあるんだからね。
みんなでやらないと時間が無いの。」
渋るクッころさんをノイエは叱咤して、無理やりやらせていたよ。
まっ、確かに、剣でチョンと頭を叩けばプチっと潰れて倒せるから簡単ではあるんだけど…。
「何ですの、凄く臭いですわ。
気持ち悪いですわ、やっぱり、わたくし、遠慮したいですわ。」
クッころさんが泣き言を言いながら、『ゴキブリ』にトドメをさしてる。
そう、この『ゴキブリ』、無茶苦茶臭いの、体液が特に。
病原菌を持っているので体液に触れないように注意してるけど、近くにいるだけで凄く臭うの。
頭をプチっとやる時に、もわっと臭いも吹き出るから大変。
おいらも、何度も吐きそうになったよ。
********
おいら達は朝のうちにワイバーンの死肉を撒いた場所を回って、『ゴキブリ』にトドメをさして歩いたの。
その数は五千にのぼって、おいらの『積載庫』だけでも二千以上、入ってる。
正直、想像したくない…。
『ゴキブリ』を退治した後の、食べ残されたワイバーン肉はそのまま放置したんだ。
今晩やってくる『ゴキブリ』に備えてね。
『ゴキブリ』の処理が終わる頃には、陽は高くなっていて、妖精の森の空がまた黒く覆われてた。
そう、『ハエ』の時間の到来、奴ら無茶苦茶数が多いからまだ後続があったみたい。
強くは無いけど、そのおびただしい数にウンザリしながら何とか凌ぐと、次は『蚊』の時間。
『蚊』の鋭い口ばしと集団攻撃に四苦八苦しがらも、何とか二日目も撃退に成功したおいら達。
ワイバーンの死肉を補充して町へ戻ると、もう夜中だった。
更に三日目、朝から『ゴキブリ』の退治をして回り、『ハエ』、『蚊』のローテーションを繰り返したよ。
そして、迎えた四日目の朝。
「あら、『ゴキブリ』が一匹も掛かってなかったわね。もうお終いかしら。」
ワイバーンの死肉を撒いた場所を回り終えて、ノエルが言ったんだ。
その言葉通り、十数ヶ所全部確認したけど、一匹も『ゴキブリ』はいなかったんだ。
そして、陽が高くなって…。
妖精の森の空が一転の穢れも無く澄み渡っていたの。
昨日まで、溢れかえる『ハエ』で黒く不気味に染まっていたのに。
「どうやら、スタンピードは乗り切ったようね。
一度、アルトお姉さまと相談に行くから、二人は町に戻って待機ね。
マロン、あなたはついて来てね。」
ノイエの指示に従って、タロウ達へ町へ戻り、おいらはノイエと共にアルトの許に向かったの。
「マロン、ノイエ、よく頑張ったわね。
もう大丈夫よ、さっき、別の森の妖精から連絡係がやって来たわ。
スタンピードは収まったって。」
出迎えてくれたアルトが、おいらとノイエを労ってくれたんだ。
どうやら、無事、スタンピードは乗り切れたみたいだね。
「ノイエ、今回は手を貸してくれて有り難う。
ノイエがいなければ、とても乗り切れなかったよ。
おいらや町のみんなが無事なのはノイエのおかげだよ。」
スタンピードの終結を聞いて、おいらは真っ先にノイエに感謝の気持ちを伝えたよ。
「良いのよ、別にあんたのためにやった訳じゃないから。
アルトお姉さまの指示だもの、期待を裏切る訳にはいかないわ。」
そんな風に素っ気なくいうノイエ。
「でも、クッころさんに貴重な『生命の欠片』をくれたじゃない。
ノイエが自分のために貯めておいて貴重なモノだったんでしょう。
申し訳ないよ。」
「それこそ、礼には及ばないわ。
あの底抜けなおバカさんには、しこたま笑わせてもらったからね。
それに、リターンは十分に貰ったわ。」
「リターン?」
「そうよ、『ハエ』、『蚊』、『ゴキブリ』、病気の蔓延防止のためだけど。
あの子達が狩った遺骸を、アタシが全部回収したでしょう。
けっこう、レベル持ちが多かったみたいでね。
確認してみたら全部で約百万枚あったわ、『生命の欠片』。
四日で五十倍に増えたんだもん、笑いが止まらないわ。」
さいですか…。『ハエ』とかは結構レベルが高いって聞いてはいたけど…。
おいらも、後で『ハエ』、『蚊』、『ゴキブリ』の遺骸をチェックしてみよう。
あんまり、気は乗らないけど…。
********
【お願い】
現在行われています『第14回ファンタジー小説大賞』にエントリーしています。
もし、まだ、投票がお済みでない方で、本作を気に入ってくださった方がいらっしゃれば投票して頂ければ幸いです。
PCであれば作品名近くのオレンジ色のアイコン、スマホアプリなら目次ページの中央付近のアイコンで投票できます。
1
お気に入りに追加
295
あなたにおすすめの小説
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
訳あり王子の守護聖女
星名柚花
ファンタジー
下民の少女ステラは姉のように慕っていた巫女ローザに崖から突き落とされた。
死にかけたステラを助けたのは隣国アンベリスの第三王子ルカ。
――もう私を虐げるばかりのエメルナ皇国で巫女見習いなんてやってられない!
命を救われた恩義もあるし、これからは隣国のために働こう!
そう決意した少女の奮闘記。
※他サイトにも投稿しています。
頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。
音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。
その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。
16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。
後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる