46 / 848
第三章 女騎士(クッころさん)奮闘記
第45話 クッころさん、またまたピンチ!
しおりを挟む
冒険者ギルド直営のお風呂屋さんの話を聞いて、未だに呆然としてるタロウと共に町に向かって歩いていると。
「キャァーーー!」
近くの森の方から、ただごとではない女の人の悲鳴が聞こえたの。
「うん、あれはクッころさんの声じゃねえか。
おい、クッころさんになんかあったみたいだぜ。
助けが必要かも知れん、行ってみようぜ。」
さっきの悲鳴を耳にし、呆けていたタロウが我に返っておいらに言ったんだ。
「そうだね、また魔物に襲われてるかもしれない。
早く行った方が良いね。」
おいらは、タロウと共に足早に森の方へ向かったんだ。
********
その森に入ってすぐのところにほんの少し開けた場所があったの。
そこには、クッころさんと冒険者らしいガラの悪い男が三人いたんだ。
クッころさんは、二人の男に押し倒されて、地面に押さえ付けられてた。
クッころさんを救い出すタイミングを窺って、おいら達が草陰に隠れて息を潜めていると。
「こら、おまえら、何をする。この無礼者めが!
ここにワイバーンがいるのではなかったのか!」
クッころさんは、男達に対してそんな怒声を上げてたよ。
そうとう怒っているようで、いつもと口調が違うね。
「何をするだって?
初心なお姫様は、この状況になっても何をされるか分かんねえのか。
こりゃ、モノホンの生娘だぜ。
貴族のお姫様の初モンを頂けるなって、こいつはついてるぜ。」
組み敷かれたクッころさんの正面に立つ男はそう言いながら、何故かズボンを脱いだの。
「しっかし、本当に頭の緩いお姫様だぜ。
こんな町から近い森にワイバーンのねぐらがあるわきゃないだろが。
まんまと、付いて来るなんて思わなかったぜ。
まっ、こっちは楽な仕事で助かったがよ。
さあ、アニキ、早くやっちまってくださいよ。
早く次に回してもらわねえと、俺っち、我慢できねえですぜ。」
「まったくだ。
アニキ、早く済まして、俺達に回してくださいよ。
俺、貴族の姫様を頂けると思ったらパンパンになっちまって。
はち切れそうなんですぜ。」
クッころさんを押さえ付けてる下っ端らしい男が口々にそんなことを言ってる。
どうやら、クッころさんはこの森にワイバーンが潜んでいると聞いてやって来たみたい。
小さな町だからね、クッころさんがワイバーン退治に来たことは知れ渡っているんだ。
それで、この三人はクッころさんをおびき出すのに、ワイバーンの偽情報を利用したみたい。
でもこいつら、いったい何を始める気だ、クッころさんを押し倒して?
「お、おまえら、まさか、わたくしを慰み者にするつもりですか!」
「なんだ、分かってるんじゃないか。
貴族のお姫様でもそのくらいの知識はあるってか。
そうよ、俺達の親分が姫様をご所望でな。
親分、初物は暴れるから面倒だと言って、俺達にお鉢が回ってきたんだ。
初物を譲ってくれる代わりに、大人しくなるまで躾けてこいってな。」
「くっ、おまえらのような奴らの慰み者にされて、クレーム子爵家の名を汚すことなど赦されませんわ。
そんなことをされるくらいなら、いっそ、一思いにわたくしを殺せばいいわ!」
クッころさんは、男達に組み敷かれながらも気丈にそう言い放ったんだ。
それを聞いたタロウが、おいらの隣でこぶしを握り絞めてプルプルと震えている。
「クッ…。」っとかなんとか、呟いていたけど…。
おいらは、無視してクッころさんと男達のやり取りに集中していたんだ。
「ああ、殺してやるぜ。
ただし、それは俺達が十分に楽しんでからだ。
親分が飽きた女は、ギルドの監禁部屋へおさがりになるからな。
そこで、おまえが壊れるまでギルドのみんなで使ってやるよ。
それで壊れちゃまったら、お望み通りトレントの餌にして殺してやらあな。」
アニキと呼ばれた男の言葉に続けて、
「最近、冒険者になって一旗揚げるんだと言う頭のおめでたい女が少なくてよ。
監禁部屋が空になっちまって、女日照りなんだよな。
しばらく、こいつを監禁部屋で使わせてもらえると有り難いぜ。」
「でもよ、これだけ上玉だからな…。
親分が風呂の方へ回すって言い出すんじゃねえか?
そしたら、俺っちの方へ回って来ねえぜ。」
下っ端二人もそんな事を言っていた。
「大丈夫だろうよ。
風呂へ回すのは、客の要望に従順に従える女だけだぜ。
客に反抗的な態度を取られたら商売あがったりだからな。
こいつのようにプライドの高いのは使えねえよ。
そのうち、監禁部屋に回って来るだろうぜ。」
こいつら、誰も聞いてないと思って、よくも悪事をべらべらとしゃべるもんだ。
可哀そうにクッころさん、怯えて顔を青くしてるのがここからでも分かるよ。
どうやら、冒険者ギルドの親玉がクッころさんをさらってこいって命令したみたいだね。
意味が良く理解できないことも多いけど…。
どうでも良いけど、タロウが言ってた女冒険者って実在したんだ…。
ギルドの連中がなんかの目的で全員を監禁してたみたい。
アニキと呼ばれている男は、悪事の披露に一段落ついたのか、しゃべるのをやめたんだ。
そして、
「そんじゃ、いただくとするか。
おい、おまえら、こいつが暴れないように、手足をしっかり押さえとくんだぞ。」
そう言って身を屈め、クッころさんに覆いかぶさろうとしている。
おいら、チャンスと思ったね、あいつ、今とっても無防備だ。
一気に近付いて股間を蹴り上げてやろうと思って、飛び出そうとしたんだ。
だけど、その瞬間…。
「リ、リアル、クッころさんシチュ、キターーーーーー!」
おいらの隣で、こぶしを震わせていたタロウが叫びやがった。
このおバカーーー!
「キャァーーー!」
近くの森の方から、ただごとではない女の人の悲鳴が聞こえたの。
「うん、あれはクッころさんの声じゃねえか。
おい、クッころさんになんかあったみたいだぜ。
助けが必要かも知れん、行ってみようぜ。」
さっきの悲鳴を耳にし、呆けていたタロウが我に返っておいらに言ったんだ。
「そうだね、また魔物に襲われてるかもしれない。
早く行った方が良いね。」
おいらは、タロウと共に足早に森の方へ向かったんだ。
********
その森に入ってすぐのところにほんの少し開けた場所があったの。
そこには、クッころさんと冒険者らしいガラの悪い男が三人いたんだ。
クッころさんは、二人の男に押し倒されて、地面に押さえ付けられてた。
クッころさんを救い出すタイミングを窺って、おいら達が草陰に隠れて息を潜めていると。
「こら、おまえら、何をする。この無礼者めが!
ここにワイバーンがいるのではなかったのか!」
クッころさんは、男達に対してそんな怒声を上げてたよ。
そうとう怒っているようで、いつもと口調が違うね。
「何をするだって?
初心なお姫様は、この状況になっても何をされるか分かんねえのか。
こりゃ、モノホンの生娘だぜ。
貴族のお姫様の初モンを頂けるなって、こいつはついてるぜ。」
組み敷かれたクッころさんの正面に立つ男はそう言いながら、何故かズボンを脱いだの。
「しっかし、本当に頭の緩いお姫様だぜ。
こんな町から近い森にワイバーンのねぐらがあるわきゃないだろが。
まんまと、付いて来るなんて思わなかったぜ。
まっ、こっちは楽な仕事で助かったがよ。
さあ、アニキ、早くやっちまってくださいよ。
早く次に回してもらわねえと、俺っち、我慢できねえですぜ。」
「まったくだ。
アニキ、早く済まして、俺達に回してくださいよ。
俺、貴族の姫様を頂けると思ったらパンパンになっちまって。
はち切れそうなんですぜ。」
クッころさんを押さえ付けてる下っ端らしい男が口々にそんなことを言ってる。
どうやら、クッころさんはこの森にワイバーンが潜んでいると聞いてやって来たみたい。
小さな町だからね、クッころさんがワイバーン退治に来たことは知れ渡っているんだ。
それで、この三人はクッころさんをおびき出すのに、ワイバーンの偽情報を利用したみたい。
でもこいつら、いったい何を始める気だ、クッころさんを押し倒して?
「お、おまえら、まさか、わたくしを慰み者にするつもりですか!」
「なんだ、分かってるんじゃないか。
貴族のお姫様でもそのくらいの知識はあるってか。
そうよ、俺達の親分が姫様をご所望でな。
親分、初物は暴れるから面倒だと言って、俺達にお鉢が回ってきたんだ。
初物を譲ってくれる代わりに、大人しくなるまで躾けてこいってな。」
「くっ、おまえらのような奴らの慰み者にされて、クレーム子爵家の名を汚すことなど赦されませんわ。
そんなことをされるくらいなら、いっそ、一思いにわたくしを殺せばいいわ!」
クッころさんは、男達に組み敷かれながらも気丈にそう言い放ったんだ。
それを聞いたタロウが、おいらの隣でこぶしを握り絞めてプルプルと震えている。
「クッ…。」っとかなんとか、呟いていたけど…。
おいらは、無視してクッころさんと男達のやり取りに集中していたんだ。
「ああ、殺してやるぜ。
ただし、それは俺達が十分に楽しんでからだ。
親分が飽きた女は、ギルドの監禁部屋へおさがりになるからな。
そこで、おまえが壊れるまでギルドのみんなで使ってやるよ。
それで壊れちゃまったら、お望み通りトレントの餌にして殺してやらあな。」
アニキと呼ばれた男の言葉に続けて、
「最近、冒険者になって一旗揚げるんだと言う頭のおめでたい女が少なくてよ。
監禁部屋が空になっちまって、女日照りなんだよな。
しばらく、こいつを監禁部屋で使わせてもらえると有り難いぜ。」
「でもよ、これだけ上玉だからな…。
親分が風呂の方へ回すって言い出すんじゃねえか?
そしたら、俺っちの方へ回って来ねえぜ。」
下っ端二人もそんな事を言っていた。
「大丈夫だろうよ。
風呂へ回すのは、客の要望に従順に従える女だけだぜ。
客に反抗的な態度を取られたら商売あがったりだからな。
こいつのようにプライドの高いのは使えねえよ。
そのうち、監禁部屋に回って来るだろうぜ。」
こいつら、誰も聞いてないと思って、よくも悪事をべらべらとしゃべるもんだ。
可哀そうにクッころさん、怯えて顔を青くしてるのがここからでも分かるよ。
どうやら、冒険者ギルドの親玉がクッころさんをさらってこいって命令したみたいだね。
意味が良く理解できないことも多いけど…。
どうでも良いけど、タロウが言ってた女冒険者って実在したんだ…。
ギルドの連中がなんかの目的で全員を監禁してたみたい。
アニキと呼ばれている男は、悪事の披露に一段落ついたのか、しゃべるのをやめたんだ。
そして、
「そんじゃ、いただくとするか。
おい、おまえら、こいつが暴れないように、手足をしっかり押さえとくんだぞ。」
そう言って身を屈め、クッころさんに覆いかぶさろうとしている。
おいら、チャンスと思ったね、あいつ、今とっても無防備だ。
一気に近付いて股間を蹴り上げてやろうと思って、飛び出そうとしたんだ。
だけど、その瞬間…。
「リ、リアル、クッころさんシチュ、キターーーーーー!」
おいらの隣で、こぶしを震わせていたタロウが叫びやがった。
このおバカーーー!
2
お気に入りに追加
295
あなたにおすすめの小説
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる