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第18章 冬、繫栄する島国で遭遇したのは
第524話 冬に黄金色に染まる麦畑
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クリントさんは、私の説明に納得するとさっそく自分の領内に住む農村の人達に声を掛けに出かけて行きました。
さすがに今日すぐとはいかないとのことで、明日の朝一番に領民の皆さんを子爵邸の前庭に集めてもらうようにお願いしました。
「いやあ、吃驚しましたよ。
まさか、うちの領地から王都まで一瞬で来ちまうとは信じられんですな。
麦を一時間かそこいらで、収穫まで育てちまうのも仰天しましたが。
大公様の魔法というのは凄いもんですな。」
クリントさんを計画に巻き込んだのは良いのですが。
明日の朝に実行として、今日どこに寝るかが差し当たって問題になりました。
急に押し掛けて泊めろと言うのも失礼な話ですし。
現実問題として食うや食わずの子爵家には迷惑この上ないでしょう。
そこで、クリントさんご夫妻を王都の私の館にお招きしたのです。
ナンシーさんもご両親とゆっくりお話ししたいでしょうから。
そのために、子爵邸に転移魔法の発動媒体の敷物を一時的に設置させてもらいました。
今日すぐには出来ないことを予想して所持していたのです。
今は、ご夫妻にお風呂に入ってもらい、夕食の準備が整ったところです。
「あの風呂ってモノも初めて入りました。
朝から麦踏みをして汗をかいていたので、助かりましたよ。
野良仕事をすると泥で汚れるし、汗はかくしで体を拭かないといけないですが。
この季節、寒いものですから、どうしても億劫になっちまいまして。
あんな、温かいお湯にゆっくり浸かれるなら、寒い冬に体を洗うのも苦になりませんな。」
初めて入ったお風呂をとても喜びながら、夕食に手を付けるクリントさん。
「あんた、このお肉食べてごらんよ。
こんなに分厚いローストビーフなんざ、口にするのは初めてなんじゃないかい。
それに、こんなに分厚いのに肉が柔らかいんだよ。」
ステラちゃんご自慢のローストビーフに舌鼓を打つナンシーさんのお母さん。
「大公様、申し訳ございません。
急に押し掛けたのに、こんな大そうなおもてなしをして頂きまして。
本来なら、子爵邸にお泊り頂いて、こちらがおもてなししないといけないのに。」
料理を前にして、クリントさんは恐縮しているようですが。
「お気になさらないでください。
元々、何の先触れもせずに訪問したのは私の方ですから。
私が常日頃から助けてもらっているナンシーさんのご両親ですもの。
お持て成しさせて頂くのは当然のことですわ。」
私が、お世辞抜きの本音でそう答えると。
「ナンシーは、大公様に出会えて本当に幸運でした。
正直申し上げて、女学校を良い成績で卒業しても…。
うちがこんな有様ですから、良い勤め先はないのではと心配していたのです。
お家の立て直しに奔走する中で、貴族の付き合いも蔑ろにしていますから。
紹介状の一つも貰えるアテがありませんで。」
ナンシーさんの卒業した女学校は、この国一番の名門女学校です。
卒業時には良い勤め先を紹介してくれると聞いていますし、紹介状も書いてくださると言います。
そこを文句なしの首席で卒業したナンシーさんですから、引く手数多だったと思います。
ちゃんと卒業できれば…。
ナンシーさんの場合、金銭的な面で卒業まで学校に通うことが一番難しかったのです。
それでも、ご両親としては、紹介状の一枚も用意できないことを気に病んでいた様子です。
そんな風に感謝の気持ちを伝えてくださるクリントさんですが。
ナンシーさんが私にもとに仕えると知らされた時、正直心配だったそうです。
アルムハイム伯国など聞いたことが無かったそうですから。
「ですが、ナンシーが良くして頂いているようで安心しました。
ナンシーが、あんまりにも垢抜けた身なりをしているので何処のご令嬢かと思いましたよ。
使用人の実家の事にまで気を配ってくださるとは、本当に慈悲深い。
さすがに、魔法使いだと言われた時には面喰いましたが。」
実際に今日、ナンシーさんの様子を見て、私とこうして対面してみて、やっと安心できたようです。
**********
そして、翌日。
子爵邸に戻った私達は、クリントさんの領地内に住む農民の方々を前にします。
クリントさんは、これから何をするのかを伝えずに、皆さんを集めました。
そして、今も、私を紹介した上で。
今日集まったもらったのは、私が村の皆さんに用事があるからとしか伝えませんでした。
今私達の前に集まっている方は三百人くらいでしょうか。
ここに集まったのが、クリントさんの領地で働く全ての農民だそうです。
「おはようございます。
皆さん、朝早くからお集まりいただき有り難うございます。
私は、シャルロッテ・フォン・アルムハイムと申します。
皆さんには、今日から小麦の収穫をして頂きます。
今日から、ノースウッヅ子爵領の全ての小麦畑で三回収穫をする予定ですので。
皆さん、頑張ってくださいね。
子爵のお話では、通常の収穫と同じ比率で皆さんの収入になるそうですから。
数日で、三年分の稼ぎになりますよ。」
私が集まった方々にそう告げると、ざわめきが生じました。
今は、年の瀬、麦の植え付けはとうに終わって、麦踏みをする時期なのです。
そこへ、収穫作業をすると言われても何の事やらでしょうね。
事によると、皆さん、私の事を頭が気の毒な人かと思っているかも知れません。
「皆さん、信じられないかも知れませんが。
この屋敷を出てすぐの麦畑はご覧になりませんでしたか。
たわわに実った麦畑を。」
私がそれを口にすると…。
「あっ、そうか! 何か変だと思ったんだよ!
あの畑、麦が実っていたんだ。
麦畑なんて見慣れた風景なんで、何が変なのか気付かなかったよ。
考えてみれば、この冬の最中に麦が実っている訳ないよね。」
野良着姿の中年女性が、思い出したように言います。
それに続くように、ここに集まる途中に見たと言う声が幾つも上がりました。
頃合いを見て。
『これから、見聞きすることは他言無用です。
私のこと、私がどうやって麦を実らせるのか、全て秘密です。』
私は、これからするとを『言霊』を用いて口止めさせてもらう事にします。
流石に、これが広く知られてしまうと、私に対する排斥運動が起こりかねませんから。
そして、私は子爵邸に近い場所から順繰りに麦畑の小麦を実らせていきます。
もちろん、実際に実らせるのは、植物の精霊ドリーちゃんですが。
「おおおおお!何じゃこりゃー!
小麦がニョキニョキ伸びていくぞ!」
「ありゃ、まあ、もう穂を出しているじゃないかい。」
「すげー、小麦畑が黄金色に染まっちまったぜ!」
などと、人々が見ている前で小麦はたわわに実り、さっそく収穫です。
実際に行って見るとドリーちゃんが一時間くらいで促成栽培しても、収穫には結構な時間を要しました。
結局、午前中に収穫できた小麦畑は一ヶ所だけ、午後も一ヶ所で子爵領全ての小麦を一日で実らすことは出来ませんでした。
ですが、
「これは、凄い、この畑だけでこれだけの収穫が出来るなんて信じられない。
これじゃあ、単位面積当たりの収量が、今の最先端を行く産地に負けてないぞ…。
俺が、いくら努力しても水を開けられる一方で収量が上がらなかったというのに。」
クリントさんはとても悔しがっていましたが、ドリーちゃんのおかげで大豊作だったようです。
結局、私は十日間子爵領に通うこととなり、全ての小麦畑で三回の収穫を終えた時には暮れに差し掛かっていました。
「大公様、有難うございました。
これから、脱穀とかしないとなりませんが。
何とか、年内には一部出荷できそうです。
それで、領民ともども、良い新年を迎えられそうです。
大公様の言い付け通り、収穫した小麦は領民への分配と私の備蓄を除いて全て市場に流します。
一月中にはなんとかなると思いますので、確認にお越しください。」
全ての収穫を終えた時、クリントさんはそう言って喜んでくれました。
「協力してくれたお礼と言っては何ですが。
小麦畑の土壌を小麦の栽培に最適なものに変えておきましたので。
来年も良い実りが期待できると思いますよ。」
ドリーちゃんにお願いして、土壌の調整をしてもらいました。
十日ほどで三回も収穫するという無茶をしましたので、畑に負担を掛けちゃいましたんでアフターフォローです。
これで、少しは最先端の小麦産地に追い付ければ良いですが。
さすがに今日すぐとはいかないとのことで、明日の朝一番に領民の皆さんを子爵邸の前庭に集めてもらうようにお願いしました。
「いやあ、吃驚しましたよ。
まさか、うちの領地から王都まで一瞬で来ちまうとは信じられんですな。
麦を一時間かそこいらで、収穫まで育てちまうのも仰天しましたが。
大公様の魔法というのは凄いもんですな。」
クリントさんを計画に巻き込んだのは良いのですが。
明日の朝に実行として、今日どこに寝るかが差し当たって問題になりました。
急に押し掛けて泊めろと言うのも失礼な話ですし。
現実問題として食うや食わずの子爵家には迷惑この上ないでしょう。
そこで、クリントさんご夫妻を王都の私の館にお招きしたのです。
ナンシーさんもご両親とゆっくりお話ししたいでしょうから。
そのために、子爵邸に転移魔法の発動媒体の敷物を一時的に設置させてもらいました。
今日すぐには出来ないことを予想して所持していたのです。
今は、ご夫妻にお風呂に入ってもらい、夕食の準備が整ったところです。
「あの風呂ってモノも初めて入りました。
朝から麦踏みをして汗をかいていたので、助かりましたよ。
野良仕事をすると泥で汚れるし、汗はかくしで体を拭かないといけないですが。
この季節、寒いものですから、どうしても億劫になっちまいまして。
あんな、温かいお湯にゆっくり浸かれるなら、寒い冬に体を洗うのも苦になりませんな。」
初めて入ったお風呂をとても喜びながら、夕食に手を付けるクリントさん。
「あんた、このお肉食べてごらんよ。
こんなに分厚いローストビーフなんざ、口にするのは初めてなんじゃないかい。
それに、こんなに分厚いのに肉が柔らかいんだよ。」
ステラちゃんご自慢のローストビーフに舌鼓を打つナンシーさんのお母さん。
「大公様、申し訳ございません。
急に押し掛けたのに、こんな大そうなおもてなしをして頂きまして。
本来なら、子爵邸にお泊り頂いて、こちらがおもてなししないといけないのに。」
料理を前にして、クリントさんは恐縮しているようですが。
「お気になさらないでください。
元々、何の先触れもせずに訪問したのは私の方ですから。
私が常日頃から助けてもらっているナンシーさんのご両親ですもの。
お持て成しさせて頂くのは当然のことですわ。」
私が、お世辞抜きの本音でそう答えると。
「ナンシーは、大公様に出会えて本当に幸運でした。
正直申し上げて、女学校を良い成績で卒業しても…。
うちがこんな有様ですから、良い勤め先はないのではと心配していたのです。
お家の立て直しに奔走する中で、貴族の付き合いも蔑ろにしていますから。
紹介状の一つも貰えるアテがありませんで。」
ナンシーさんの卒業した女学校は、この国一番の名門女学校です。
卒業時には良い勤め先を紹介してくれると聞いていますし、紹介状も書いてくださると言います。
そこを文句なしの首席で卒業したナンシーさんですから、引く手数多だったと思います。
ちゃんと卒業できれば…。
ナンシーさんの場合、金銭的な面で卒業まで学校に通うことが一番難しかったのです。
それでも、ご両親としては、紹介状の一枚も用意できないことを気に病んでいた様子です。
そんな風に感謝の気持ちを伝えてくださるクリントさんですが。
ナンシーさんが私にもとに仕えると知らされた時、正直心配だったそうです。
アルムハイム伯国など聞いたことが無かったそうですから。
「ですが、ナンシーが良くして頂いているようで安心しました。
ナンシーが、あんまりにも垢抜けた身なりをしているので何処のご令嬢かと思いましたよ。
使用人の実家の事にまで気を配ってくださるとは、本当に慈悲深い。
さすがに、魔法使いだと言われた時には面喰いましたが。」
実際に今日、ナンシーさんの様子を見て、私とこうして対面してみて、やっと安心できたようです。
**********
そして、翌日。
子爵邸に戻った私達は、クリントさんの領地内に住む農民の方々を前にします。
クリントさんは、これから何をするのかを伝えずに、皆さんを集めました。
そして、今も、私を紹介した上で。
今日集まったもらったのは、私が村の皆さんに用事があるからとしか伝えませんでした。
今私達の前に集まっている方は三百人くらいでしょうか。
ここに集まったのが、クリントさんの領地で働く全ての農民だそうです。
「おはようございます。
皆さん、朝早くからお集まりいただき有り難うございます。
私は、シャルロッテ・フォン・アルムハイムと申します。
皆さんには、今日から小麦の収穫をして頂きます。
今日から、ノースウッヅ子爵領の全ての小麦畑で三回収穫をする予定ですので。
皆さん、頑張ってくださいね。
子爵のお話では、通常の収穫と同じ比率で皆さんの収入になるそうですから。
数日で、三年分の稼ぎになりますよ。」
私が集まった方々にそう告げると、ざわめきが生じました。
今は、年の瀬、麦の植え付けはとうに終わって、麦踏みをする時期なのです。
そこへ、収穫作業をすると言われても何の事やらでしょうね。
事によると、皆さん、私の事を頭が気の毒な人かと思っているかも知れません。
「皆さん、信じられないかも知れませんが。
この屋敷を出てすぐの麦畑はご覧になりませんでしたか。
たわわに実った麦畑を。」
私がそれを口にすると…。
「あっ、そうか! 何か変だと思ったんだよ!
あの畑、麦が実っていたんだ。
麦畑なんて見慣れた風景なんで、何が変なのか気付かなかったよ。
考えてみれば、この冬の最中に麦が実っている訳ないよね。」
野良着姿の中年女性が、思い出したように言います。
それに続くように、ここに集まる途中に見たと言う声が幾つも上がりました。
頃合いを見て。
『これから、見聞きすることは他言無用です。
私のこと、私がどうやって麦を実らせるのか、全て秘密です。』
私は、これからするとを『言霊』を用いて口止めさせてもらう事にします。
流石に、これが広く知られてしまうと、私に対する排斥運動が起こりかねませんから。
そして、私は子爵邸に近い場所から順繰りに麦畑の小麦を実らせていきます。
もちろん、実際に実らせるのは、植物の精霊ドリーちゃんですが。
「おおおおお!何じゃこりゃー!
小麦がニョキニョキ伸びていくぞ!」
「ありゃ、まあ、もう穂を出しているじゃないかい。」
「すげー、小麦畑が黄金色に染まっちまったぜ!」
などと、人々が見ている前で小麦はたわわに実り、さっそく収穫です。
実際に行って見るとドリーちゃんが一時間くらいで促成栽培しても、収穫には結構な時間を要しました。
結局、午前中に収穫できた小麦畑は一ヶ所だけ、午後も一ヶ所で子爵領全ての小麦を一日で実らすことは出来ませんでした。
ですが、
「これは、凄い、この畑だけでこれだけの収穫が出来るなんて信じられない。
これじゃあ、単位面積当たりの収量が、今の最先端を行く産地に負けてないぞ…。
俺が、いくら努力しても水を開けられる一方で収量が上がらなかったというのに。」
クリントさんはとても悔しがっていましたが、ドリーちゃんのおかげで大豊作だったようです。
結局、私は十日間子爵領に通うこととなり、全ての小麦畑で三回の収穫を終えた時には暮れに差し掛かっていました。
「大公様、有難うございました。
これから、脱穀とかしないとなりませんが。
何とか、年内には一部出荷できそうです。
それで、領民ともども、良い新年を迎えられそうです。
大公様の言い付け通り、収穫した小麦は領民への分配と私の備蓄を除いて全て市場に流します。
一月中にはなんとかなると思いますので、確認にお越しください。」
全ての収穫を終えた時、クリントさんはそう言って喜んでくれました。
「協力してくれたお礼と言っては何ですが。
小麦畑の土壌を小麦の栽培に最適なものに変えておきましたので。
来年も良い実りが期待できると思いますよ。」
ドリーちゃんにお願いして、土壌の調整をしてもらいました。
十日ほどで三回も収穫するという無茶をしましたので、畑に負担を掛けちゃいましたんでアフターフォローです。
これで、少しは最先端の小麦産地に追い付ければ良いですが。
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