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第18章 冬、繫栄する島国で遭遇したのは
第517話 意外な解決方法がありました
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王都に着いた私は、最初に服屋に行きました。
そこで、女性四十二人分の服を下着から上着まで見繕って私の屋敷に届けるよう指示します。
次に向かったのは王宮です。
国王であるジョージさんのお部屋に入ると。
「ヴィクトリア、もう戻ったのか、早かったのだな。
飢饉の状況は、然程深刻ではなかったのかな?」
ジョージさんはトリアさんを目にしてそんな言葉を掛けました。
どうやら、大したことなかったので、早く帰ってこれたと思っている様子でした。
「逆です、お父様。
余りに惨状に早くご報告した方が良いと考え、急いで帰って来たのです。
村が壊滅しておりました。
百五十人以上の住民がいたと思われる村で生き残ったのは僅かに四十三人。
しかも、全員女子供で、成人男性は全滅です。
要救援者が多過ぎて、とても次の村など回っておれませんでした。
早急に支援しないと大惨事になりますよ。」
そんなジョージさんに、トリアさんはメイちゃんの村の惨状を伝えて支援が必要だと訴えました。
「まあ、ヴィクトリアちゃん、そんなに酷い状況でしたの。
これは、私も急いでみんなに働き掛けないといけませんわね。」
ジョージさんの部屋で相談していたメアリーさんが、トリアさんの言葉に表情を強張らせました。
メアリーさんは、朝から王都にいるナショナルトラストのメンバー達を中心に回って歩いたそうです。
小アルビオン島で飢饉が発生しているので炊き出しに協力して欲しいと。
メアリーさんの話では、小アルビオン島で飢饉が発生している事など誰も知らなかったと言います。
「大叔母様、炊き出しは今一番必要な物で、確かに緊急を要します。
ですが、とてもそれで済む状況ではございません。
両親を失い、身寄りを亡くした子供が多数発生しています。
今日訪れた村の子供達は当面の間、ロッテさんが保護してくださると言ってますが。
他の村でも、そうした子供が多数発生していると思われるのです。
とても、ロッテさんの好意に甘えられるような人数ではありません。
早急に子供達を保護する施設を作らないと。
子供だけで厳しい冬を乗り切るのは不可能です。」
トリアさんは、大人たちのケアなしには生活できない子供たちを保護することを訴えますが。
「ヴィクトリアよ、まあ、落ち着きなさい。
おまえの訴えていることはもっともだ。
だがな、それを国で行うとなると多大な予算が必要となるし、議会の承認も必要だ。
そんな短期間に出来るモノではないぞ。
仮に、王家が旗振り役となって慈善団体でやるとしてもだ。
最終的にどれだけの孤児を受け入れることになるかは分らんが。
多くの子供を受け入れるための広い建物は必要だし。
世話をする人手、食事の用意をする人手の確保も必要だ。
そんなすぐに出来るモノでもないぞ。
ロッテお嬢ちゃんの家のようにブラウニーが色々と世話してくれる訳では無いのだから。」
ジョージさんから返ってきたのは、馬車の中でトリアさん自身が想定してことと同じ言葉でした。
ですが、このジョージさんの言葉、良いことを言ってくれました。
私は見落としていたある事に気が付いたのです。
そして、メアリーさんの方に視線を送ると…。
メアリーさんも気付いた様子で、私にこのように尋ねてきました。
「ねえ、シャルロッテちゃん。
ナショナルトラストで、古い貴族のお屋敷を幾つか買い取ったのだけど。
ブラウニーが住んでいる屋敷がないか、見てくれないかしら。
どれも、貴族の屋敷ですから部屋数は十分にあるわ。
それにね、どれも空き家なのに保存状態がとても良いのよ。
ブラウニーが住んでいるのではないかと思って購入したのだけど。」
やはり、私と同じ考えのようで、メアリーさんはブラウニーの存在を確認して欲しいと希望しました。
「分かりました、早速、今日これからでも行ってみましょう。
メアリーさんが、そうおっしゃると言うことは。
もし、ブラウニーが住んでいるのであれば。
その建物を子供たちのために提供してくださると考えて良いのですね。」
「あっ、その建物を子供たちの保護施設にして。
ブラウニーさんに、食事の用意と建物の維持をお願いするのですね。
それ以外の子供達の世話は、生き残った大人を雇い入れてしてもらえば良いですものね。」
私がメアリーさんに建物の供出について確認すると、ノノちゃんが私の考えを言い当ててくれました。
「なるほど、ブラウニーさん達は、料理も得意ですものね。
ロッテさんのところのステラちゃんの作る料理はどれも美味しいですわ。
それに、掃除や片付けもお手の物ですものね。
後は、直接子供達を世話する仕事だけ、人を雇えば何とかなりそうですね。」
トリアさんも、私とノノちゃんの言葉に納得したようです。
**********
ヴァイスの引く馬車で、王都から南西に三十分ほど飛行した田園地帯にその屋敷はありました。
麦畑を見下ろすなだらかな丘の上、そこにある疎林のなかに佇む大きな貴族の屋敷。
その昔、とある貴族が別邸として建造した屋敷で。
その後所有者が転々としてここ十年ほど空き家になっていたそうです。
「この屋敷、築百年以上経っているようにはとても見えないでしょう。
それに、空き家となった理由がお化けが出ると言うのよね。
これって、ロッテちゃんのお屋敷そっくりだし。
ブラウニーさんが住んでいるんじゃないかと思って買い取ったの。」
屋敷を目の前にしてメアリーさんが言います。
「ロッテちゃんがいれば見つけられると思うけど…。
警戒して隠れちゃうと、探すのに時間がかかるね。
私が見て来てあげる、お仲間がいたら連れてくるね。」
ノノちゃんの肩に腰掛けていた、うちの家出娘のモモが姿を現して言いました。
ブラウニー同士であれば、この家に憑いているブラウニーも警戒を解いて姿を現してくれるかも知れませんね。
私は、まずはモモに任せてみようと思いました。
しばらく、玄関前で待っていると。
「ロッテちゃん、いたよ! お仲間、連れて来た。」
モモが戻って来ました、この家に住むブラウニーを六人引き連れて。
どうやら、一つ目で当たりを引いたようです。
「おやまぁ、珍しい人間が来たものだ。
お仲間をぞろぞろと連れているなんて、この地にもそんな民が残っていたんだね。」
一瞬ステラちゃんかと思いました。
モモが引き連れてきたのは、ステラちゃんと同じこの国の伝統的な衣装を身に付けた、ステラちゃん瓜二つのブラウニーです。
話してみると個性がある事が分かりますが、何故か見た目はとても似た姿をしています。
「こんにちは、シャルロッテ・フォン・アルムハイムと言います。
アルム山脈の麓で精霊達と一緒に暮らしています。
こちらは、この家を買い取った団体の代表メアリーさん、精霊が大好きなのですよ。
それと、もう一人の少女が今迎えに行ったモモと一緒に暮らしているノノちゃん。
今日は、あなた方にお願いしたいことがあって尋ねて来たのです。」
私は、この屋敷を身寄りのない子供の保護施設として使いたいと説明し。
子供たちのために食事を作ったり、掃除をしたりしてくれないかとお願いしました。
「ふーん、身寄りのない子供をここに住ませようと言うのかい。
良いんじゃないかい、家なんてモノは人が住むためにあるんだもの。
気の毒な子供のために役立つのなら、良いことじゃないかい。
でも、私らのことはちゃんと説明しておいてよ。
ここ最近の奴らはここをお化け屋敷だなんて失礼なことを言うからね。
私らがこの屋敷を気に入って綺麗にしているのに本当に失礼しちゃうよね。
子供たちが沢山来るんかい、賑やかになりそうで楽しみだわ。」
家が賑やかだと、ブラウニーも楽しくなるという習性なのでしょう。
ブラウニー達は快く、子供たちがここに住むことを受け入れてくれました。
そして、食事の用意をする事も。
その後、ブラウニー達の案内で、屋敷の中を実際に見て回りました。
流石、ブラウニー達がお手入れをしていただけあって、今すぐに住める状態になっています。
この屋敷の所有者一家の居住スペースを除いても、二百人以上収容できることが分かりました。
屋敷の所有者一家が住んでいた部屋は閉鎖することにしました。
裕福な貴族向けの設えで、身寄りのない子供を住まわせるような部屋ではなかったからです。
この部屋とそれ以外の部屋に住む子供で不公平が生じてしまいますから。
「それじゃあ、いつ子供たちが来ても大丈夫なようにしておくわね。
待っているわよ。
それと、子供たちに与える食材の用意を忘れないでね。」
そんな風に見送られて私達は屋敷を後にしました。
頭を悩ませていた子供たちの保護施設の件、なんとスピード解決してしまいました。
そこで、女性四十二人分の服を下着から上着まで見繕って私の屋敷に届けるよう指示します。
次に向かったのは王宮です。
国王であるジョージさんのお部屋に入ると。
「ヴィクトリア、もう戻ったのか、早かったのだな。
飢饉の状況は、然程深刻ではなかったのかな?」
ジョージさんはトリアさんを目にしてそんな言葉を掛けました。
どうやら、大したことなかったので、早く帰ってこれたと思っている様子でした。
「逆です、お父様。
余りに惨状に早くご報告した方が良いと考え、急いで帰って来たのです。
村が壊滅しておりました。
百五十人以上の住民がいたと思われる村で生き残ったのは僅かに四十三人。
しかも、全員女子供で、成人男性は全滅です。
要救援者が多過ぎて、とても次の村など回っておれませんでした。
早急に支援しないと大惨事になりますよ。」
そんなジョージさんに、トリアさんはメイちゃんの村の惨状を伝えて支援が必要だと訴えました。
「まあ、ヴィクトリアちゃん、そんなに酷い状況でしたの。
これは、私も急いでみんなに働き掛けないといけませんわね。」
ジョージさんの部屋で相談していたメアリーさんが、トリアさんの言葉に表情を強張らせました。
メアリーさんは、朝から王都にいるナショナルトラストのメンバー達を中心に回って歩いたそうです。
小アルビオン島で飢饉が発生しているので炊き出しに協力して欲しいと。
メアリーさんの話では、小アルビオン島で飢饉が発生している事など誰も知らなかったと言います。
「大叔母様、炊き出しは今一番必要な物で、確かに緊急を要します。
ですが、とてもそれで済む状況ではございません。
両親を失い、身寄りを亡くした子供が多数発生しています。
今日訪れた村の子供達は当面の間、ロッテさんが保護してくださると言ってますが。
他の村でも、そうした子供が多数発生していると思われるのです。
とても、ロッテさんの好意に甘えられるような人数ではありません。
早急に子供達を保護する施設を作らないと。
子供だけで厳しい冬を乗り切るのは不可能です。」
トリアさんは、大人たちのケアなしには生活できない子供たちを保護することを訴えますが。
「ヴィクトリアよ、まあ、落ち着きなさい。
おまえの訴えていることはもっともだ。
だがな、それを国で行うとなると多大な予算が必要となるし、議会の承認も必要だ。
そんな短期間に出来るモノではないぞ。
仮に、王家が旗振り役となって慈善団体でやるとしてもだ。
最終的にどれだけの孤児を受け入れることになるかは分らんが。
多くの子供を受け入れるための広い建物は必要だし。
世話をする人手、食事の用意をする人手の確保も必要だ。
そんなすぐに出来るモノでもないぞ。
ロッテお嬢ちゃんの家のようにブラウニーが色々と世話してくれる訳では無いのだから。」
ジョージさんから返ってきたのは、馬車の中でトリアさん自身が想定してことと同じ言葉でした。
ですが、このジョージさんの言葉、良いことを言ってくれました。
私は見落としていたある事に気が付いたのです。
そして、メアリーさんの方に視線を送ると…。
メアリーさんも気付いた様子で、私にこのように尋ねてきました。
「ねえ、シャルロッテちゃん。
ナショナルトラストで、古い貴族のお屋敷を幾つか買い取ったのだけど。
ブラウニーが住んでいる屋敷がないか、見てくれないかしら。
どれも、貴族の屋敷ですから部屋数は十分にあるわ。
それにね、どれも空き家なのに保存状態がとても良いのよ。
ブラウニーが住んでいるのではないかと思って購入したのだけど。」
やはり、私と同じ考えのようで、メアリーさんはブラウニーの存在を確認して欲しいと希望しました。
「分かりました、早速、今日これからでも行ってみましょう。
メアリーさんが、そうおっしゃると言うことは。
もし、ブラウニーが住んでいるのであれば。
その建物を子供たちのために提供してくださると考えて良いのですね。」
「あっ、その建物を子供たちの保護施設にして。
ブラウニーさんに、食事の用意と建物の維持をお願いするのですね。
それ以外の子供達の世話は、生き残った大人を雇い入れてしてもらえば良いですものね。」
私がメアリーさんに建物の供出について確認すると、ノノちゃんが私の考えを言い当ててくれました。
「なるほど、ブラウニーさん達は、料理も得意ですものね。
ロッテさんのところのステラちゃんの作る料理はどれも美味しいですわ。
それに、掃除や片付けもお手の物ですものね。
後は、直接子供達を世話する仕事だけ、人を雇えば何とかなりそうですね。」
トリアさんも、私とノノちゃんの言葉に納得したようです。
**********
ヴァイスの引く馬車で、王都から南西に三十分ほど飛行した田園地帯にその屋敷はありました。
麦畑を見下ろすなだらかな丘の上、そこにある疎林のなかに佇む大きな貴族の屋敷。
その昔、とある貴族が別邸として建造した屋敷で。
その後所有者が転々としてここ十年ほど空き家になっていたそうです。
「この屋敷、築百年以上経っているようにはとても見えないでしょう。
それに、空き家となった理由がお化けが出ると言うのよね。
これって、ロッテちゃんのお屋敷そっくりだし。
ブラウニーさんが住んでいるんじゃないかと思って買い取ったの。」
屋敷を目の前にしてメアリーさんが言います。
「ロッテちゃんがいれば見つけられると思うけど…。
警戒して隠れちゃうと、探すのに時間がかかるね。
私が見て来てあげる、お仲間がいたら連れてくるね。」
ノノちゃんの肩に腰掛けていた、うちの家出娘のモモが姿を現して言いました。
ブラウニー同士であれば、この家に憑いているブラウニーも警戒を解いて姿を現してくれるかも知れませんね。
私は、まずはモモに任せてみようと思いました。
しばらく、玄関前で待っていると。
「ロッテちゃん、いたよ! お仲間、連れて来た。」
モモが戻って来ました、この家に住むブラウニーを六人引き連れて。
どうやら、一つ目で当たりを引いたようです。
「おやまぁ、珍しい人間が来たものだ。
お仲間をぞろぞろと連れているなんて、この地にもそんな民が残っていたんだね。」
一瞬ステラちゃんかと思いました。
モモが引き連れてきたのは、ステラちゃんと同じこの国の伝統的な衣装を身に付けた、ステラちゃん瓜二つのブラウニーです。
話してみると個性がある事が分かりますが、何故か見た目はとても似た姿をしています。
「こんにちは、シャルロッテ・フォン・アルムハイムと言います。
アルム山脈の麓で精霊達と一緒に暮らしています。
こちらは、この家を買い取った団体の代表メアリーさん、精霊が大好きなのですよ。
それと、もう一人の少女が今迎えに行ったモモと一緒に暮らしているノノちゃん。
今日は、あなた方にお願いしたいことがあって尋ねて来たのです。」
私は、この屋敷を身寄りのない子供の保護施設として使いたいと説明し。
子供たちのために食事を作ったり、掃除をしたりしてくれないかとお願いしました。
「ふーん、身寄りのない子供をここに住ませようと言うのかい。
良いんじゃないかい、家なんてモノは人が住むためにあるんだもの。
気の毒な子供のために役立つのなら、良いことじゃないかい。
でも、私らのことはちゃんと説明しておいてよ。
ここ最近の奴らはここをお化け屋敷だなんて失礼なことを言うからね。
私らがこの屋敷を気に入って綺麗にしているのに本当に失礼しちゃうよね。
子供たちが沢山来るんかい、賑やかになりそうで楽しみだわ。」
家が賑やかだと、ブラウニーも楽しくなるという習性なのでしょう。
ブラウニー達は快く、子供たちがここに住むことを受け入れてくれました。
そして、食事の用意をする事も。
その後、ブラウニー達の案内で、屋敷の中を実際に見て回りました。
流石、ブラウニー達がお手入れをしていただけあって、今すぐに住める状態になっています。
この屋敷の所有者一家の居住スペースを除いても、二百人以上収容できることが分かりました。
屋敷の所有者一家が住んでいた部屋は閉鎖することにしました。
裕福な貴族向けの設えで、身寄りのない子供を住まわせるような部屋ではなかったからです。
この部屋とそれ以外の部屋に住む子供で不公平が生じてしまいますから。
「それじゃあ、いつ子供たちが来ても大丈夫なようにしておくわね。
待っているわよ。
それと、子供たちに与える食材の用意を忘れないでね。」
そんな風に見送られて私達は屋敷を後にしました。
頭を悩ませていた子供たちの保護施設の件、なんとスピード解決してしまいました。
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