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第17章 夏、季節外れの嵐が通り過ぎます
第473話 二つの町を結ぶ橋
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初代エルゼス公爵となったリーナですが、年に二回ほど顔を出すなんてのんびりはしていられませんでした。
戦争終結後、半月ほどはリーナも色々と多忙で、後回しになっていることがあったからです。
それは。
「じゃあ、セピアちゃん、打ち合わせ通りにお願いね。」
リーナが傍らで姿を消しているセピアにそっと話しかけます。
「任せといて!
洪水があっても、地震があってもびくともしない橋を架けるから。」
その願いに応えて、セピアがリーナに耳打ちをしました。
そう、プルーシャ軍との初戦、リーナはエルゼス地方の中核都市シュトロースと対岸の町キールを結ぶ橋を落としてしまいました。
戦争の間は、プルーシャ軍が渡河するのを防ぐため橋の再建をしなかったのですが。
戦争が集結して半月、何時までも橋を落としたままにはしておけなかったのです。
シュトロースは豊かなエルゼス地方の中心となる町で、周辺の村や町から物資が集まって来ます。
他方、対岸にあるプルーシャ公国の町キールは小さな田舎町です。
平時に於いては、キール周辺の農地で取れた農産物などの物品をシュトロースへ売って生計を立てている人も多いと聞きます。
また、田舎町キールでは手に入らないものをシュトロースへ買いに行く住民も多いようです。
エルゼス地方の領有権を主張して、今まで幾度ともなくプルーシャ公国はシュトロースへ攻め込みましたが。
そんな国の事情など関係なく、地元に住む人々にとってシュトロースとキールは良き隣人であったのです。
二つの町に住む人たちにとっては、ルーネス川に架かる橋は生活に欠かすことのできない橋でした。
橋が無い今、双方の町の人達は渡し船を使って往来しているようですが。
何時までも町の人達に不便な思いをさせていることに、リーナは気を病んでいたのです。
今回降って湧いたエルゼス地方の領主就任は、リーナにとって絶好の機会でした。
リーナは領主就任の初仕事として、この橋を再建することにしたのです。
********
「町のみなさん、永らく不便な思いを強いてしまい申し訳ありませんでした。
今から、橋を再建したいと思います。」
シュトロース側の橋のたもとに立って、詰め掛けた民衆の前で橋の再建を宣言したリーナ。
すると。
ズ、ズ、ズ
地響きのようのな音と共に地面が振動し始めます。
「おっ、いったい何が起こっているんだ。」
いきなり、細かく地面が振動し始めたたことから、見物人の中に不安の声が上がります。
「おい、あれを見ろよ。川底が盛り上がって来たぞ。
おい、おい、あれじゃあ、川が堰き止められちまう。」
見物人が叫んだように、川を横断する形で川底から地盤が隆起してきました。
ですが、見物人の懸念は、見ている間に払拭されることになります。
その岩は川の両岸を繋ぐ橋となり、その本体が水面から顔を出すと。
その後は、川をせき止めることなく橋脚がニョキニョキと伸びてせり上がって来たからです。
そして、その隆起はリーナの立つ路面の高さでピタリと止まります。
遠巻きに見守る民衆が目にしたのは、以前にかかっていた橋よりも大分幅広で堅固な石の橋でした。
「やっぱり、姫様はスゲーな!
橋を一瞬で落としたかと思えば、今度はあっという間に橋を架けちまう。」
「しかも、安っぽい橋じゃなくて、今までより数段頑丈そうな橋だもんな。
こんな奇跡のような、力が使える姫様がこの地の領主になってくれるなんて心強いぜ。」
堅固な石の橋を目にした人々から、そんな声が漏れ聞こえますが、これで終わりではありません。
「じゃあ、ノミーちゃん、仕上げをお願いできるかしら。」
私は、リーナとの打ち合わせ通り、大地の精霊ノミーちゃんにお願いします。
「任しといて!お易い御用だよ!」
私の耳元で姿を消したままそう囁くと、ノミーちゃんは出来たばかりの橋へ向かいます。
そして、次の瞬間。
シュトロース側の橋の袂からキール側に向けて、欄干が生えてきました。
橋の幅が少し狭まったと思ったら、その部分の石を利用するように橋の両側に転落防止用の欄干が出来ていくのです。
それはシュトロースからキールに向けて走るような速さで出来ていき、あっという間に瀟洒な外観の欄干が出来上がりました。
それまでは武骨な外観の唯々頑丈なだけの橋だったものが、とてもオシャレな景観の橋に生まれ変わったのです。
「まあ、素敵な橋、これだけでお客さんが呼べそうだわ。」
見物人の中から、橋の景観に見惚れたような女性の声の声が聞こえます。
元々、この橋の再建はリーナが一人で行う予定でしたが。
「おいら、力業は得意だから。
頑丈な橋を作れって言われたら、幾らでも造って上げるけど…。
オシャレな外観とか言われても困っちゃうな。
どんなのが、オシャレかなんておいらには分かんないし。
第一、絵にかいてもらっても、細かい細工は苦手なんだ。」
例によって、リーナの契約する大地の精霊セピアはとんでもなく大雑把な性格で。
オシャレな意匠など分らないというので、リーナが見本に欄干の絵を描いて見せるとそんな答えが返って来たのです。
なので、橋の本体は、セピアに頑丈に造ってもらい。
仕上げはもう少し繊細な作業が出来るノミーちゃんに頼むことになったのです。
「ノミーちゃん、ごめんなさいね。
お手を煩わせちゃって。」
打ち合わせの際に、ノミーちゃんの手を借りることになってしまったのをリーナが詫びると。
「良いのよ、気にしないで。
こんなことくらい、手間でもないから。
あの男なんて、山の中から帝都まで八十マイルもトンネルをぶち抜けなんて言ってくるもの。
それに比べたら可愛いモノよ。」
ノミーちゃんは、オークレフトさんを引き合いに出して、どうってことないと言ってたのです。
********
「さあ、みなさん、これで橋は完成です。
みんなで、渡り初めをしようではありませんか。」
リーナが集まった観衆を渡り初めに誘うと。
ワーッ!
人々の中から大歓声が上がりました。
そして、シュトロースからキールに向けてリーナを先頭に橋の上を歩き始めると。
待ちかねたように、キール側からも町の人達が渡り始めます。
その中から、小さな子供が何人か、我先にと走り始めて…。
リーナが橋の中ほどまで歩いて行くと、アリィシャちゃんくらいの女の子が満面の笑みを湛えて走って来て。
「姫様!有り難う!」
大きな声で感謝の言葉を口にしながら抱き付いたのです。
そして、
「姫様、兵隊さんに斬られたお母さんを助けてくれて有り難う。
あの時、血がいっぱい出て、お母さん、死んじゃうんじゃないかと心配だったんだ。
お母さん、すっかり良くなって、前よりも元気になったくらいなの。
今日も、あっという間にこんなすごい橋を造っちゃうし。
姫様って、ホントに女神様みたい。
姫様、大好き!」
どうやら、キールの町で司令官の男に斬り付けられたご婦人の娘さんのようです。
血溜りを作って横たわる女性に縋りついて泣いていた子ですね。
後からやって来たキールの町の人達は、この女の子がリーナの不興をかうのではと心配しているようでした。
平民の女の子が、いきなりいきなり王家の姫君に抱き付いたのですから。
すると、リーナは少女の頭を撫でて。
「そう、元気になったのなら良かったわ。
私も、あなたのお母さんが心配だったの、酷いケガだったからね。
それを聞いて安心したわ。」
リーナが気を悪くしたそぶりも見せず、少女に優しく接したので周囲の人から安堵の様子が窺えました。
橋の中央部、二つの町の人々が集まる前でリーナが宣言しました。
「私は、この度、エルゼス地方の領主に就任しました。
国は違えど、ルーネス川を挟んだ二つの町は兄弟のような町です。
今後とも、この二つの町が友好的な関係を保てるように力を尽くしたいと思います。
みなさん、よろしくお願いしますね。」
そして、集まった民衆から湧きあがった拍手と喝采。
「姫様が領主様なんて、シュトロースの人がうらやましいね。
姫様、また、暇が出来たらキールの町に遊びに来ておくれよ。」
キールの町の広場でリーナと親し気に話していたおばさんの声が聞こえました。
「姫様、シュトロースにいるの?
それじゃあ、また、キールに来てください!」
ずっとリーナの側をキープしていたさっきの少女が嬉しそうに言います。
「「「「カロリーネ姫様、バンザイ!」」」」
ルーネス川を挟んだ二つの町の住民からそんな歓喜の声が上がりました。
リーナは、エルゼス領の領主として、領民のみならず、対岸の隣国の民からも多大な好意をもって受け入れられたのです。
戦争終結後、半月ほどはリーナも色々と多忙で、後回しになっていることがあったからです。
それは。
「じゃあ、セピアちゃん、打ち合わせ通りにお願いね。」
リーナが傍らで姿を消しているセピアにそっと話しかけます。
「任せといて!
洪水があっても、地震があってもびくともしない橋を架けるから。」
その願いに応えて、セピアがリーナに耳打ちをしました。
そう、プルーシャ軍との初戦、リーナはエルゼス地方の中核都市シュトロースと対岸の町キールを結ぶ橋を落としてしまいました。
戦争の間は、プルーシャ軍が渡河するのを防ぐため橋の再建をしなかったのですが。
戦争が集結して半月、何時までも橋を落としたままにはしておけなかったのです。
シュトロースは豊かなエルゼス地方の中心となる町で、周辺の村や町から物資が集まって来ます。
他方、対岸にあるプルーシャ公国の町キールは小さな田舎町です。
平時に於いては、キール周辺の農地で取れた農産物などの物品をシュトロースへ売って生計を立てている人も多いと聞きます。
また、田舎町キールでは手に入らないものをシュトロースへ買いに行く住民も多いようです。
エルゼス地方の領有権を主張して、今まで幾度ともなくプルーシャ公国はシュトロースへ攻め込みましたが。
そんな国の事情など関係なく、地元に住む人々にとってシュトロースとキールは良き隣人であったのです。
二つの町に住む人たちにとっては、ルーネス川に架かる橋は生活に欠かすことのできない橋でした。
橋が無い今、双方の町の人達は渡し船を使って往来しているようですが。
何時までも町の人達に不便な思いをさせていることに、リーナは気を病んでいたのです。
今回降って湧いたエルゼス地方の領主就任は、リーナにとって絶好の機会でした。
リーナは領主就任の初仕事として、この橋を再建することにしたのです。
********
「町のみなさん、永らく不便な思いを強いてしまい申し訳ありませんでした。
今から、橋を再建したいと思います。」
シュトロース側の橋のたもとに立って、詰め掛けた民衆の前で橋の再建を宣言したリーナ。
すると。
ズ、ズ、ズ
地響きのようのな音と共に地面が振動し始めます。
「おっ、いったい何が起こっているんだ。」
いきなり、細かく地面が振動し始めたたことから、見物人の中に不安の声が上がります。
「おい、あれを見ろよ。川底が盛り上がって来たぞ。
おい、おい、あれじゃあ、川が堰き止められちまう。」
見物人が叫んだように、川を横断する形で川底から地盤が隆起してきました。
ですが、見物人の懸念は、見ている間に払拭されることになります。
その岩は川の両岸を繋ぐ橋となり、その本体が水面から顔を出すと。
その後は、川をせき止めることなく橋脚がニョキニョキと伸びてせり上がって来たからです。
そして、その隆起はリーナの立つ路面の高さでピタリと止まります。
遠巻きに見守る民衆が目にしたのは、以前にかかっていた橋よりも大分幅広で堅固な石の橋でした。
「やっぱり、姫様はスゲーな!
橋を一瞬で落としたかと思えば、今度はあっという間に橋を架けちまう。」
「しかも、安っぽい橋じゃなくて、今までより数段頑丈そうな橋だもんな。
こんな奇跡のような、力が使える姫様がこの地の領主になってくれるなんて心強いぜ。」
堅固な石の橋を目にした人々から、そんな声が漏れ聞こえますが、これで終わりではありません。
「じゃあ、ノミーちゃん、仕上げをお願いできるかしら。」
私は、リーナとの打ち合わせ通り、大地の精霊ノミーちゃんにお願いします。
「任しといて!お易い御用だよ!」
私の耳元で姿を消したままそう囁くと、ノミーちゃんは出来たばかりの橋へ向かいます。
そして、次の瞬間。
シュトロース側の橋の袂からキール側に向けて、欄干が生えてきました。
橋の幅が少し狭まったと思ったら、その部分の石を利用するように橋の両側に転落防止用の欄干が出来ていくのです。
それはシュトロースからキールに向けて走るような速さで出来ていき、あっという間に瀟洒な外観の欄干が出来上がりました。
それまでは武骨な外観の唯々頑丈なだけの橋だったものが、とてもオシャレな景観の橋に生まれ変わったのです。
「まあ、素敵な橋、これだけでお客さんが呼べそうだわ。」
見物人の中から、橋の景観に見惚れたような女性の声の声が聞こえます。
元々、この橋の再建はリーナが一人で行う予定でしたが。
「おいら、力業は得意だから。
頑丈な橋を作れって言われたら、幾らでも造って上げるけど…。
オシャレな外観とか言われても困っちゃうな。
どんなのが、オシャレかなんておいらには分かんないし。
第一、絵にかいてもらっても、細かい細工は苦手なんだ。」
例によって、リーナの契約する大地の精霊セピアはとんでもなく大雑把な性格で。
オシャレな意匠など分らないというので、リーナが見本に欄干の絵を描いて見せるとそんな答えが返って来たのです。
なので、橋の本体は、セピアに頑丈に造ってもらい。
仕上げはもう少し繊細な作業が出来るノミーちゃんに頼むことになったのです。
「ノミーちゃん、ごめんなさいね。
お手を煩わせちゃって。」
打ち合わせの際に、ノミーちゃんの手を借りることになってしまったのをリーナが詫びると。
「良いのよ、気にしないで。
こんなことくらい、手間でもないから。
あの男なんて、山の中から帝都まで八十マイルもトンネルをぶち抜けなんて言ってくるもの。
それに比べたら可愛いモノよ。」
ノミーちゃんは、オークレフトさんを引き合いに出して、どうってことないと言ってたのです。
********
「さあ、みなさん、これで橋は完成です。
みんなで、渡り初めをしようではありませんか。」
リーナが集まった観衆を渡り初めに誘うと。
ワーッ!
人々の中から大歓声が上がりました。
そして、シュトロースからキールに向けてリーナを先頭に橋の上を歩き始めると。
待ちかねたように、キール側からも町の人達が渡り始めます。
その中から、小さな子供が何人か、我先にと走り始めて…。
リーナが橋の中ほどまで歩いて行くと、アリィシャちゃんくらいの女の子が満面の笑みを湛えて走って来て。
「姫様!有り難う!」
大きな声で感謝の言葉を口にしながら抱き付いたのです。
そして、
「姫様、兵隊さんに斬られたお母さんを助けてくれて有り難う。
あの時、血がいっぱい出て、お母さん、死んじゃうんじゃないかと心配だったんだ。
お母さん、すっかり良くなって、前よりも元気になったくらいなの。
今日も、あっという間にこんなすごい橋を造っちゃうし。
姫様って、ホントに女神様みたい。
姫様、大好き!」
どうやら、キールの町で司令官の男に斬り付けられたご婦人の娘さんのようです。
血溜りを作って横たわる女性に縋りついて泣いていた子ですね。
後からやって来たキールの町の人達は、この女の子がリーナの不興をかうのではと心配しているようでした。
平民の女の子が、いきなりいきなり王家の姫君に抱き付いたのですから。
すると、リーナは少女の頭を撫でて。
「そう、元気になったのなら良かったわ。
私も、あなたのお母さんが心配だったの、酷いケガだったからね。
それを聞いて安心したわ。」
リーナが気を悪くしたそぶりも見せず、少女に優しく接したので周囲の人から安堵の様子が窺えました。
橋の中央部、二つの町の人々が集まる前でリーナが宣言しました。
「私は、この度、エルゼス地方の領主に就任しました。
国は違えど、ルーネス川を挟んだ二つの町は兄弟のような町です。
今後とも、この二つの町が友好的な関係を保てるように力を尽くしたいと思います。
みなさん、よろしくお願いしますね。」
そして、集まった民衆から湧きあがった拍手と喝采。
「姫様が領主様なんて、シュトロースの人がうらやましいね。
姫様、また、暇が出来たらキールの町に遊びに来ておくれよ。」
キールの町の広場でリーナと親し気に話していたおばさんの声が聞こえました。
「姫様、シュトロースにいるの?
それじゃあ、また、キールに来てください!」
ずっとリーナの側をキープしていたさっきの少女が嬉しそうに言います。
「「「「カロリーネ姫様、バンザイ!」」」」
ルーネス川を挟んだ二つの町の住民からそんな歓喜の声が上がりました。
リーナは、エルゼス領の領主として、領民のみならず、対岸の隣国の民からも多大な好意をもって受け入れられたのです。
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