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第17章 夏、季節外れの嵐が通り過ぎます
第436話 手渡された書簡は…
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六月ももう終わりというある日、私はミィシャさんを迎えに皇宮を訪れました。
もうすぐ、本格的な夏休みシーズンとなる七月、ホテルの予約状況も連日満室に近くなっています。
ミィシャさんの歌のレッスンも大分捗った様子で、お預けしたヨハン先生からも合格がもらえたそうです。
なので、七月からホテルのディナータイムに歌って貰おうと考えています。
皇宮の最奥にある私の部屋で、ミィシャさんが部屋を引き払うのを待っていると…。
「おおう、ロッテや良いところに来た。
先ほど、侍女からそなたが部屋に来ていると耳にしてな。
今日は仕事なのでゆっくりしていられないと、私に知らせなかったそうだな。
でも、少しくらいなら良いであろう、これも仕事だからのう。」
そう言って、おじいさまが私の部屋にやって来ました。
今日はおじいさまもお仕事モードのようです。
何時ものように喜び勇んで、私の部屋に駆け付けた様子ではありませんでした。
おじいさまのおっしゃる通り、今日はミィシャさんを引き取ったらすぐに帰るつもりでした。
ミィシャさんを引き取ることは、前もってご報告しましたし、その時に預かって頂いたお礼も言いました。
なので、今日はおじいさまに、ここへ来たことはお伝えしなかったのです。
つい数日前に、一緒に夜の帝都をお散歩したばかりですしね。
「私の仕事ですか? 何かありましたっけ?」
仕事と言われても思い当たることが無いので、尋ねると。
「ほれ、これを渡そうと思ってな。
中を見てもらえれば、用件はすぐに分かる。」
おじいさまは、にこやかに一通の封書を手渡してきました。
そう、待ちわびたモノを手にしたような嬉しそうな笑顔を浮かべて。
受け取って封筒の表書きを見るとそこに記されていたのは…。
「臨時帝国議会招集状?」
思わず口に出して呟いてしましました。
帝国議会は毎年冬場、十一月から二月にかけて定期召集されます。
領邦君主である私の一族にも議席はあるのですが、祖母の時代から欠席を続けており。
私も母から領邦を引き継いで四年、一度も出席したことはありません。
こんなものを渡されても、私は出席する気は無いのですが…。
そう考えていると。
「なんだ、ロッテ、そんな乗り気でない顔をして。
まあ、中身を見てみなさい。」
相変わらず、おじいさまは上機嫌で言いました。
おじいさまに促されて、私は封書を開封して目を通すことにしました。
そこに書かれていたのは、七月の下旬から臨時の帝国議会が開催されることとその議題でした。
その議題というのは、…。
「おじいさま、あのタヌキがとうとう動きましたか。」
「ああ、時期と言い、手段と言い、こっちの想定通りに動いてくれて助かったわい。
これで、私も肩の荷が降りると言うものだ。」
なるほど、だからそんなに上機嫌なのですか。
しかし、この議題、歴代の帝国皇帝であれば熱を出して寝込んでしまってもおかしくない内容ですよ。
普通なら頭を抱える事だと思います。
何と言っても、帝国を構成する領邦の中で一番強大な軍隊を保有するプルーシャ公国が帝国からの離脱を表明したのですから。
そう今回の臨時帝国議会の議題は、プルーシャ公国の帝国からの離脱を承認するか否かです。
********
繰り返しになりますが、帝国とは三百にも及ぶ中小の領邦の連合体です。
帝国と銘打っていますが、帝国皇帝に帝国全体を統治するような絶大な権力がある訳ではありません。
帝国は構成する各領邦の独立性が極めて強く、課税の権利や軍隊、通貨発行権すら独自に各領邦が持っているのですから。
では、帝国の意味合いはと言うと、一つは国防です。
帝国の領域は西にセルベチア王国、南に異教徒の国という大国に接し、絶えず侵略の危険性に晒されてきました。
セルベチアや異教徒の国から侵攻があった際に、帝国として一致団結して応戦する枠組みを維持してきたのです。
実際、おじいさまの領邦も過去二度にわたって異教徒の国に攻められ帝都が包囲される事態にもなりましたが。
帝国諸侯の援軍により、二回とも危機を脱しています。
このように、外敵からの侵攻に対抗する枠組みとして『帝国』があるのです。
もう一つは、国防にも関係しますが、平時の外交です。
一つ一つの領邦はとても小さなモノもあり、領邦単独では帝国周辺の国々との交渉がとても不利になります。
この不利を克服するため、『帝国』という一つの国として、諸外国との交渉にあたるのです。
いわば、『帝国」は多くの領邦による『利益共同体』なのです。
他にも帝国に共通するインフラの維持整備などもあります。
例えば、『帝国郵便』、帝国全土に網の目に様に張り巡らされた郵便網により、規定の料金を払えば帝国の何処へでも書簡が送れます。
他にも帝国の主要都市を結ぶ街道の整備も帝国の仕事です。
大切な街道が、途中通過する中小領邦の資金不足で荒れてしまうと困りますから。
そんな帝国にあって、その時々の帝国の運営の方針を定めたり、帝国を構成する領邦間の利害調整を話し合うのが帝国議会です。
帝国議会で定まった帝国の運営方針に従って、日々の帝国を切り盛りするのが皇帝であるおじいさまの仕事なのです。
ですから、皇帝に求められる資質は強力なリーダーシップではなく、領邦間の利害調整能力と行政の実務能力なのです。
それで、帝国への加入、及び帝国からの離脱は、帝国議会の承認に基づくものとなっています。
ですが、これがすんなりいったことは、ないようです。
加入の方は置いておくとして、離脱を表明する領邦があると大概にして戦争が起こります。
普段は独立色が強く、『帝国』と言う枠組みをあまり意識しない領邦が多いのですが、こと離脱に関しては非常にナーバスなのです。
過去においては、それだけセルベチアや異教徒の国が脅威だったのでしょう。
『帝国』の枠組みが壊れることを、帝国諸侯はとても恐れるのです。
実際、帝国を離脱した領邦がセルベチアや異教徒の国に寝返ったら困りますからね。
過去において、戦争の果てに離脱を勝ち取ったのは、リーナの国クラーシュバルツ王国くらいです。
他にも離脱を表明した領邦もありますが、実力行使という説得に応じるか、離脱を阻止しようとする領邦に飲み込まれていまいました。
********
そして、今回、プルーシャ公国が帝国からの離脱を表明しました。
プルーシャ公国の帝国離脱を承認するか否かを諮るために、臨時の帝国議会が開催されることになったのです。
「ロッテは帝国議会など興味はなさそうであるが。
プルーシャ公国のタヌキおやじが仕掛けた茶番がどうなるかに関心があるのではないか。
会議に出席して、そなたが懇意にしているクラーシュバルツの姫にも詳しい経緯を説明した方が良かろう。」
おじいさまは、議会が招集されるのを心待ちにしている様子で、楽しげに言いました。
私のアルムハイム公国は、帝国の諸侯との間にリーナのクラーシュバルツ王国を挟んでいて飛び地になっています。
そのため、十五歳の初夏にセルベチア共和国軍を撃退するまでは、『帝国』を意識したことはありませんでした。
実際、十五年間アルムハイムに引き籠っていたのですから、帝国の一員などと言う認識がある訳ありません。
私がおじいさまの孫であることや四歳になるまで帝都で過ごしたことなど、十六歳の春まで知らなかったのですから。
なので、当然、帝国議会など興味があるはずもなく、私が伯爵位をついでからも一度も出席してなかったのです。
まっ、凍てつくような真冬の帝都で、何が悲しくてむさいおっさん達との会議に出ないといけないのかという本音もありましたが。
「そうですね。
あのタヌキ、自分としてはチェックメイトをかけたつもりで出席するのでしょうから。
当てが外れて吠え面をかくところを、是非見てみたいものですね。
今回は、私も出席させて頂きますわ。
これが、最初で最後の出席になるかも知れませんしね。」
「おお、そうか、それは楽しみだ。
では、私も精一杯その茶番劇で与えられた道化師の役を演じることにしようかな。」
などとおじいさまは道化て言いました。
でも、道化師を演じるのはおじいさまではなく、あのタヌキですよね。
********
*並行して新作を投稿しています。
『ゴミスキルだって、育てりゃ、けっこうお役立ちです!』
ゴミスキルとバカにされるスキルをモグモグと育てた女の子の物語です。
12時10分、20時30分の投稿です。
お読み頂けたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
↓ ↓ ↓ (PCの方の向け)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/255621303/784533340
もうすぐ、本格的な夏休みシーズンとなる七月、ホテルの予約状況も連日満室に近くなっています。
ミィシャさんの歌のレッスンも大分捗った様子で、お預けしたヨハン先生からも合格がもらえたそうです。
なので、七月からホテルのディナータイムに歌って貰おうと考えています。
皇宮の最奥にある私の部屋で、ミィシャさんが部屋を引き払うのを待っていると…。
「おおう、ロッテや良いところに来た。
先ほど、侍女からそなたが部屋に来ていると耳にしてな。
今日は仕事なのでゆっくりしていられないと、私に知らせなかったそうだな。
でも、少しくらいなら良いであろう、これも仕事だからのう。」
そう言って、おじいさまが私の部屋にやって来ました。
今日はおじいさまもお仕事モードのようです。
何時ものように喜び勇んで、私の部屋に駆け付けた様子ではありませんでした。
おじいさまのおっしゃる通り、今日はミィシャさんを引き取ったらすぐに帰るつもりでした。
ミィシャさんを引き取ることは、前もってご報告しましたし、その時に預かって頂いたお礼も言いました。
なので、今日はおじいさまに、ここへ来たことはお伝えしなかったのです。
つい数日前に、一緒に夜の帝都をお散歩したばかりですしね。
「私の仕事ですか? 何かありましたっけ?」
仕事と言われても思い当たることが無いので、尋ねると。
「ほれ、これを渡そうと思ってな。
中を見てもらえれば、用件はすぐに分かる。」
おじいさまは、にこやかに一通の封書を手渡してきました。
そう、待ちわびたモノを手にしたような嬉しそうな笑顔を浮かべて。
受け取って封筒の表書きを見るとそこに記されていたのは…。
「臨時帝国議会招集状?」
思わず口に出して呟いてしましました。
帝国議会は毎年冬場、十一月から二月にかけて定期召集されます。
領邦君主である私の一族にも議席はあるのですが、祖母の時代から欠席を続けており。
私も母から領邦を引き継いで四年、一度も出席したことはありません。
こんなものを渡されても、私は出席する気は無いのですが…。
そう考えていると。
「なんだ、ロッテ、そんな乗り気でない顔をして。
まあ、中身を見てみなさい。」
相変わらず、おじいさまは上機嫌で言いました。
おじいさまに促されて、私は封書を開封して目を通すことにしました。
そこに書かれていたのは、七月の下旬から臨時の帝国議会が開催されることとその議題でした。
その議題というのは、…。
「おじいさま、あのタヌキがとうとう動きましたか。」
「ああ、時期と言い、手段と言い、こっちの想定通りに動いてくれて助かったわい。
これで、私も肩の荷が降りると言うものだ。」
なるほど、だからそんなに上機嫌なのですか。
しかし、この議題、歴代の帝国皇帝であれば熱を出して寝込んでしまってもおかしくない内容ですよ。
普通なら頭を抱える事だと思います。
何と言っても、帝国を構成する領邦の中で一番強大な軍隊を保有するプルーシャ公国が帝国からの離脱を表明したのですから。
そう今回の臨時帝国議会の議題は、プルーシャ公国の帝国からの離脱を承認するか否かです。
********
繰り返しになりますが、帝国とは三百にも及ぶ中小の領邦の連合体です。
帝国と銘打っていますが、帝国皇帝に帝国全体を統治するような絶大な権力がある訳ではありません。
帝国は構成する各領邦の独立性が極めて強く、課税の権利や軍隊、通貨発行権すら独自に各領邦が持っているのですから。
では、帝国の意味合いはと言うと、一つは国防です。
帝国の領域は西にセルベチア王国、南に異教徒の国という大国に接し、絶えず侵略の危険性に晒されてきました。
セルベチアや異教徒の国から侵攻があった際に、帝国として一致団結して応戦する枠組みを維持してきたのです。
実際、おじいさまの領邦も過去二度にわたって異教徒の国に攻められ帝都が包囲される事態にもなりましたが。
帝国諸侯の援軍により、二回とも危機を脱しています。
このように、外敵からの侵攻に対抗する枠組みとして『帝国』があるのです。
もう一つは、国防にも関係しますが、平時の外交です。
一つ一つの領邦はとても小さなモノもあり、領邦単独では帝国周辺の国々との交渉がとても不利になります。
この不利を克服するため、『帝国』という一つの国として、諸外国との交渉にあたるのです。
いわば、『帝国」は多くの領邦による『利益共同体』なのです。
他にも帝国に共通するインフラの維持整備などもあります。
例えば、『帝国郵便』、帝国全土に網の目に様に張り巡らされた郵便網により、規定の料金を払えば帝国の何処へでも書簡が送れます。
他にも帝国の主要都市を結ぶ街道の整備も帝国の仕事です。
大切な街道が、途中通過する中小領邦の資金不足で荒れてしまうと困りますから。
そんな帝国にあって、その時々の帝国の運営の方針を定めたり、帝国を構成する領邦間の利害調整を話し合うのが帝国議会です。
帝国議会で定まった帝国の運営方針に従って、日々の帝国を切り盛りするのが皇帝であるおじいさまの仕事なのです。
ですから、皇帝に求められる資質は強力なリーダーシップではなく、領邦間の利害調整能力と行政の実務能力なのです。
それで、帝国への加入、及び帝国からの離脱は、帝国議会の承認に基づくものとなっています。
ですが、これがすんなりいったことは、ないようです。
加入の方は置いておくとして、離脱を表明する領邦があると大概にして戦争が起こります。
普段は独立色が強く、『帝国』と言う枠組みをあまり意識しない領邦が多いのですが、こと離脱に関しては非常にナーバスなのです。
過去においては、それだけセルベチアや異教徒の国が脅威だったのでしょう。
『帝国』の枠組みが壊れることを、帝国諸侯はとても恐れるのです。
実際、帝国を離脱した領邦がセルベチアや異教徒の国に寝返ったら困りますからね。
過去において、戦争の果てに離脱を勝ち取ったのは、リーナの国クラーシュバルツ王国くらいです。
他にも離脱を表明した領邦もありますが、実力行使という説得に応じるか、離脱を阻止しようとする領邦に飲み込まれていまいました。
********
そして、今回、プルーシャ公国が帝国からの離脱を表明しました。
プルーシャ公国の帝国離脱を承認するか否かを諮るために、臨時の帝国議会が開催されることになったのです。
「ロッテは帝国議会など興味はなさそうであるが。
プルーシャ公国のタヌキおやじが仕掛けた茶番がどうなるかに関心があるのではないか。
会議に出席して、そなたが懇意にしているクラーシュバルツの姫にも詳しい経緯を説明した方が良かろう。」
おじいさまは、議会が招集されるのを心待ちにしている様子で、楽しげに言いました。
私のアルムハイム公国は、帝国の諸侯との間にリーナのクラーシュバルツ王国を挟んでいて飛び地になっています。
そのため、十五歳の初夏にセルベチア共和国軍を撃退するまでは、『帝国』を意識したことはありませんでした。
実際、十五年間アルムハイムに引き籠っていたのですから、帝国の一員などと言う認識がある訳ありません。
私がおじいさまの孫であることや四歳になるまで帝都で過ごしたことなど、十六歳の春まで知らなかったのですから。
なので、当然、帝国議会など興味があるはずもなく、私が伯爵位をついでからも一度も出席してなかったのです。
まっ、凍てつくような真冬の帝都で、何が悲しくてむさいおっさん達との会議に出ないといけないのかという本音もありましたが。
「そうですね。
あのタヌキ、自分としてはチェックメイトをかけたつもりで出席するのでしょうから。
当てが外れて吠え面をかくところを、是非見てみたいものですね。
今回は、私も出席させて頂きますわ。
これが、最初で最後の出席になるかも知れませんしね。」
「おお、そうか、それは楽しみだ。
では、私も精一杯その茶番劇で与えられた道化師の役を演じることにしようかな。」
などとおじいさまは道化て言いました。
でも、道化師を演じるのはおじいさまではなく、あのタヌキですよね。
********
*並行して新作を投稿しています。
『ゴミスキルだって、育てりゃ、けっこうお役立ちです!』
ゴミスキルとバカにされるスキルをモグモグと育てた女の子の物語です。
12時10分、20時30分の投稿です。
お読み頂けたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
↓ ↓ ↓ (PCの方の向け)
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