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第10章 動き出す時間
第224話 街に明かりが灯りました
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さて、シューネフルトの街に街灯を設置する契約が取れて半月ほどして、やっと部材が揃ったようです。
オークレフトさんから、地下工事をしたいのでブリーゼちゃんを貸して欲しいと依頼がありました。
工事を開始する日、工房側の地下道の入り口に行くと、見習いの悪ガキ共がせっせと資材を運搬していました。
心なしか従来よりもキビキビと真面目に動いているように見えます。
「ごきげんよう、オークレフトさん。
見習い達、今日は随分と気合いが入っているじゃない。
真面目に働くように、目の前にニンジンでもぶら下げたの?」
この方の事です、何か悪ガキ共が食いつくようなご褒美を匂わせたのでしょう。
おおかた、アルビオン王国で評判の良い娼館を紹介するとか言ったのでしょう。
悪ガキ共の所持金くらいでは手が出ないとか、そんなところに行く時間が無いほど働かせるとか。
どうせそんなオチなのでしょうが、あの悪ガキ共には落とし穴に気付く頭がないのでしょう。
もはや、憐れみまで感じます。
「いやだな、僕だって同じ手は何度も使いませんよ。
同じ手を何度も使うと、サルほどの頭しかない悪ガキ共だって流石に学習しちゃいますよ。
そういう手段は、忘れた頃に使うものです。
あれはね、さっそく、カーラさんの思惑通りに事が運んでいるのです。
カーラさんからの助言で予想はしていたのですが…。
まさか、初日からやらかしたのには、本当に呆れましたよ。」
私の言葉を軽く否定したオークレフトさんは事情を説明してくれました。
私が女子見習いを工房のみんなに紹介した、あの日の晩に事件は起こったそうです。
悪ガキ共、女子見習いを紹介していた時、あれだけ怯えていたというのに。
有り余る性欲には勝てなかったようです。…ホント、サルみたいですね。
その晩、新たに造った女子用の寄宿舎の明かりが消えるのを見計らって、悪ガキ共が襲撃を掛けたそうです。
工房で雇い入れている男性見習い、二十人総勢で。
情けないことに、一対一では敵わないと考えた悪ガキ共は、数に任せて複数で一人の女の子を襲おうとしたようです。
もやは、ならず者の発想ですよね、それ…。どう考えても犯罪です。
ですが、事前にカーラから悪ガキ共の情報を得ていた女子見習い達は、この集団夜這いを予測していたそうです。
明かりを消して、寝静まった振りをして、迎撃態勢を整えていたとのこと。
そうとも知らずに、欲望の赴くまま、女子の寄宿舎に飛び込んだ悪ガキ共は手酷いしっぺ返しを受けたそうです。
ボコボコにされた挙句、工房の敷地内にある木に吊るされていたそうです。下半身スッポンポンで…。
翌朝、出勤してきた職人達が見習い達に気付いて、木から降ろしたそうです。
職人達は、事の経緯を聞いて、あまりのバカさ加減に呆れていたとのことでした。
確かに、良く見ると今でも目の周りに青アザを付けた悪ガキが見られます。
「その一件で、この工房の見習い達の間でヒエラルキーが固まりました。
女子見習いの方が、悪ガキ共の上に来るという階級構造が。
あそこで陣頭指揮している少女がいるでしょう。
今では、悪ガキ共は彼女の言う事には絶対服従なのですよ。」
そう言った、オークレフトさんの指さす先を見ると。
まだあどけない雰囲気の少女がしきりに指示を飛ばしています。
あの少女は、悪ガキ共に『オーガ殺し』と恐れられていた子ですね。
「悪ガキ共は誰も、あの少女に敵わなかったそうです。
猿山のサルの行動と同じですね。
一番強い者がボスになり、ボスには絶対服従という。
あいつら、行動までサル並みなので、見ていて情けなくなってきます。
あの少女、話をしてみると非常に頭の良い子でして。
本当は精密機械の組み立てに充てたいのですが、僕よりも悪ガキ共の扱いが上手なんです。
ですから、今はああして現場監督を任せているんです。」
悪ガキ共も、やっと彼我の戦力差を自覚したようです。
彼女が陣頭指揮を執るようになってから、作業が捗るようになって助かっているそうです。
オークレフトさんのような線が細い青二才タイプは、悪ガキ共に甘く見られているようです。
力が全てという環境で育ったみたいですからね、ホント、サルのようです。
それはともかく、彼女のおかげもあって、シューネフルトまでの送電線の敷設は非常に順調だったそうです。
そして、今日、シューネフルトの地下工事に漕ぎつけました。
**********
地下道を歩いてシューネフルトまで辿り着くと、そこにはセピアちゃんを肩に乗せたリーナが待っていました。
「それじゃ~、私の言う通りに掘ってね~!
りょ~かいとか言いながら、反対方向へ掘るなんてボケをかましたら~。
ダメだからね~!」
私の肩の上で風の精霊ブリーゼちゃんが地図を広げながら言います。
相手はもちろん、今回の主役、大地の精霊セピアちゃんです。
「分かってるって、おいら頑張っちゃうよ。
指示をよろしくね。」
セピアちゃんが返事をすると、ブリーゼちゃんはさっそく指示を出します。
ブリーゼちゃんの指示に従い、セピアちゃんは私達の数歩前で地下を掘り始めました。
私?何故か、穴掘りに付き合わされています。
ブリーゼちゃんは地図を見ながら指示を飛ばしますが、宙に浮きながらだと地図が見難いそうです。
加えて、地下は真っ暗で私の光の魔法がないと、ブリーゼちゃんは地図が見えないと言います。
ぶっちゃけ、オークレフトさんの肩に乗っけて、彼にランタンでも持たせれば済む話ですが。
何故かブリーゼちゃんが私の肩から離れようとしなかったので、付き合わされることになったのです。
という事で、私は照明兼腰掛けとして、穴掘りに付き合うことになりました。
大地の精霊の力とはすごいモノで、セピアちゃんが力を振るうと目の前の土がまるで退くように無くなっていきます。
以前、ノミーちゃんが工房とシューネフルトを結ぶ地下道を掘った時はもの凄い速さでしたが、今回はゆっくりです。
別に、セピアちゃんの能力が、ノミーちゃんに劣る訳ではありません。
街の地下を道路に沿って掘り進めるために、地上にある道に沿って曲がったり、分岐させたりしているからです。
一直線にダアッと掘るのと違い慎重に掘らないといけません、そのため、歩くような速度で掘ることになるのです。
まあ、これでも人力で掘るよりも数十倍速いのですけどね。
「は~い、そこでいったん止まって~、そこから右に向かって掘り進んでね~。
ちが~う!そっちは左でしょう~、反対だって!」
地下道の中をブリーゼちゃんの元気の良い声が響き渡ります。
途中、こんな事を何度も繰り返しながら、朝から夕方まで私は穴掘りに付き合わされたのです。
夕方、地上に出てきた時には、私はヘトヘトに疲れていました。
私は深窓の令嬢、自慢ではありませんが、こんなに歩いたのは初めてです。
ですが、シューネフルトが如何に田舎町といっても、人が歩いて回るとそれなりの広さがあります。
一日で穴掘りが終わる訳もなく…、結局、私は三日間も穴掘りに付き合わされるハメになりました。
私は三日間歩き回った疲れで数日寝込むことになりましたが。
その間も、掘り終わった地下道の中に電線を引く作業や地上部に街灯を設置する作業などが進められて行きました。
セピアちゃんは、地上の街灯設置場所から地下道まで配線するための細い縦穴を掘る等、その後も大活躍だったそうです。
**********
そして、シューネフルトの地下を掘り始めてから一月ほどして。
ここは、町の中央広場。
昼間は市が立って屋台が並ぶのですが、日も暮れかかった今は屋台も姿を消し、歩く人の姿もまばらです。
そんな中、集めた町の世話役達を前に、リーナが話し始めます。
「今日は、このシューネフルトの街にとって、記念すべき日になります。
世界中で初めて、この町に電灯が灯ります。
みなさん、暗い夜道を歩くのは心細いと思います。
特に、ご婦人方はそうでしょう。
ですが、その心細さとも今日でお別れです。
電灯は暗い夜道を昼間の様に照らしてくれます。
遠からず、この電灯は世界中で灯ることとなるでしょう。
その時、この町は一番最初に電灯が灯った町として語り継がれることになるのです。
今日は、その記念すべき瞬間に立ち会ってもらうために集まってもらいました。
さあ、記念すべき瞬間です。電灯を点灯させてください。」
リーナの言葉を受けて私は物陰からオークレフトさんがいる操作室に転移して、街灯の点灯を指示します。
スイッチを入れたのを確認して、再び転移で中央広場に戻ると…。
「すごい!こんなに明るいなんて!」
「本当に昼間のようだ!」
「これなら、夜道も怖くないわ。」
口々に感嘆の言葉を漏らす人々の喧騒がそこにありました。
中央広場の縁に沿うように二十ヤードおきに立てられた街灯は、すべて正常に点灯し、広場を明るく照らしています。
街灯は、町にある広場や主要な街路に二十ヤード間隔で設置しました。
また、領館をはじめとする役場や聖教の教会の前にも設置してあります。
夜でも人通りがありそうな場所は、概ね街灯を張り巡らしたのです。
この街灯は、夜道がとても歩き易くなったと、とても住民に喜ばれました。
この町は元々治安が良い町でした。
ですが、夜陰に紛れてコソ泥を働く者や婦女子に不埒な真似をする者がゼロではありませんでした。
この街灯が灯って以降、これが限りなくゼロに近づいたのです。
辺鄙な田舎町の出来事でした。
ですが、行商人をはじめとして、こんな町にも訪れている人はいるのです。
電灯を用いた街灯の噂は、瞬く間に周辺の町に伝わりました。
シューネフルトは一躍注目の的となったのです。
オークレフトさんから、地下工事をしたいのでブリーゼちゃんを貸して欲しいと依頼がありました。
工事を開始する日、工房側の地下道の入り口に行くと、見習いの悪ガキ共がせっせと資材を運搬していました。
心なしか従来よりもキビキビと真面目に動いているように見えます。
「ごきげんよう、オークレフトさん。
見習い達、今日は随分と気合いが入っているじゃない。
真面目に働くように、目の前にニンジンでもぶら下げたの?」
この方の事です、何か悪ガキ共が食いつくようなご褒美を匂わせたのでしょう。
おおかた、アルビオン王国で評判の良い娼館を紹介するとか言ったのでしょう。
悪ガキ共の所持金くらいでは手が出ないとか、そんなところに行く時間が無いほど働かせるとか。
どうせそんなオチなのでしょうが、あの悪ガキ共には落とし穴に気付く頭がないのでしょう。
もはや、憐れみまで感じます。
「いやだな、僕だって同じ手は何度も使いませんよ。
同じ手を何度も使うと、サルほどの頭しかない悪ガキ共だって流石に学習しちゃいますよ。
そういう手段は、忘れた頃に使うものです。
あれはね、さっそく、カーラさんの思惑通りに事が運んでいるのです。
カーラさんからの助言で予想はしていたのですが…。
まさか、初日からやらかしたのには、本当に呆れましたよ。」
私の言葉を軽く否定したオークレフトさんは事情を説明してくれました。
私が女子見習いを工房のみんなに紹介した、あの日の晩に事件は起こったそうです。
悪ガキ共、女子見習いを紹介していた時、あれだけ怯えていたというのに。
有り余る性欲には勝てなかったようです。…ホント、サルみたいですね。
その晩、新たに造った女子用の寄宿舎の明かりが消えるのを見計らって、悪ガキ共が襲撃を掛けたそうです。
工房で雇い入れている男性見習い、二十人総勢で。
情けないことに、一対一では敵わないと考えた悪ガキ共は、数に任せて複数で一人の女の子を襲おうとしたようです。
もやは、ならず者の発想ですよね、それ…。どう考えても犯罪です。
ですが、事前にカーラから悪ガキ共の情報を得ていた女子見習い達は、この集団夜這いを予測していたそうです。
明かりを消して、寝静まった振りをして、迎撃態勢を整えていたとのこと。
そうとも知らずに、欲望の赴くまま、女子の寄宿舎に飛び込んだ悪ガキ共は手酷いしっぺ返しを受けたそうです。
ボコボコにされた挙句、工房の敷地内にある木に吊るされていたそうです。下半身スッポンポンで…。
翌朝、出勤してきた職人達が見習い達に気付いて、木から降ろしたそうです。
職人達は、事の経緯を聞いて、あまりのバカさ加減に呆れていたとのことでした。
確かに、良く見ると今でも目の周りに青アザを付けた悪ガキが見られます。
「その一件で、この工房の見習い達の間でヒエラルキーが固まりました。
女子見習いの方が、悪ガキ共の上に来るという階級構造が。
あそこで陣頭指揮している少女がいるでしょう。
今では、悪ガキ共は彼女の言う事には絶対服従なのですよ。」
そう言った、オークレフトさんの指さす先を見ると。
まだあどけない雰囲気の少女がしきりに指示を飛ばしています。
あの少女は、悪ガキ共に『オーガ殺し』と恐れられていた子ですね。
「悪ガキ共は誰も、あの少女に敵わなかったそうです。
猿山のサルの行動と同じですね。
一番強い者がボスになり、ボスには絶対服従という。
あいつら、行動までサル並みなので、見ていて情けなくなってきます。
あの少女、話をしてみると非常に頭の良い子でして。
本当は精密機械の組み立てに充てたいのですが、僕よりも悪ガキ共の扱いが上手なんです。
ですから、今はああして現場監督を任せているんです。」
悪ガキ共も、やっと彼我の戦力差を自覚したようです。
彼女が陣頭指揮を執るようになってから、作業が捗るようになって助かっているそうです。
オークレフトさんのような線が細い青二才タイプは、悪ガキ共に甘く見られているようです。
力が全てという環境で育ったみたいですからね、ホント、サルのようです。
それはともかく、彼女のおかげもあって、シューネフルトまでの送電線の敷設は非常に順調だったそうです。
そして、今日、シューネフルトの地下工事に漕ぎつけました。
**********
地下道を歩いてシューネフルトまで辿り着くと、そこにはセピアちゃんを肩に乗せたリーナが待っていました。
「それじゃ~、私の言う通りに掘ってね~!
りょ~かいとか言いながら、反対方向へ掘るなんてボケをかましたら~。
ダメだからね~!」
私の肩の上で風の精霊ブリーゼちゃんが地図を広げながら言います。
相手はもちろん、今回の主役、大地の精霊セピアちゃんです。
「分かってるって、おいら頑張っちゃうよ。
指示をよろしくね。」
セピアちゃんが返事をすると、ブリーゼちゃんはさっそく指示を出します。
ブリーゼちゃんの指示に従い、セピアちゃんは私達の数歩前で地下を掘り始めました。
私?何故か、穴掘りに付き合わされています。
ブリーゼちゃんは地図を見ながら指示を飛ばしますが、宙に浮きながらだと地図が見難いそうです。
加えて、地下は真っ暗で私の光の魔法がないと、ブリーゼちゃんは地図が見えないと言います。
ぶっちゃけ、オークレフトさんの肩に乗っけて、彼にランタンでも持たせれば済む話ですが。
何故かブリーゼちゃんが私の肩から離れようとしなかったので、付き合わされることになったのです。
という事で、私は照明兼腰掛けとして、穴掘りに付き合うことになりました。
大地の精霊の力とはすごいモノで、セピアちゃんが力を振るうと目の前の土がまるで退くように無くなっていきます。
以前、ノミーちゃんが工房とシューネフルトを結ぶ地下道を掘った時はもの凄い速さでしたが、今回はゆっくりです。
別に、セピアちゃんの能力が、ノミーちゃんに劣る訳ではありません。
街の地下を道路に沿って掘り進めるために、地上にある道に沿って曲がったり、分岐させたりしているからです。
一直線にダアッと掘るのと違い慎重に掘らないといけません、そのため、歩くような速度で掘ることになるのです。
まあ、これでも人力で掘るよりも数十倍速いのですけどね。
「は~い、そこでいったん止まって~、そこから右に向かって掘り進んでね~。
ちが~う!そっちは左でしょう~、反対だって!」
地下道の中をブリーゼちゃんの元気の良い声が響き渡ります。
途中、こんな事を何度も繰り返しながら、朝から夕方まで私は穴掘りに付き合わされたのです。
夕方、地上に出てきた時には、私はヘトヘトに疲れていました。
私は深窓の令嬢、自慢ではありませんが、こんなに歩いたのは初めてです。
ですが、シューネフルトが如何に田舎町といっても、人が歩いて回るとそれなりの広さがあります。
一日で穴掘りが終わる訳もなく…、結局、私は三日間も穴掘りに付き合わされるハメになりました。
私は三日間歩き回った疲れで数日寝込むことになりましたが。
その間も、掘り終わった地下道の中に電線を引く作業や地上部に街灯を設置する作業などが進められて行きました。
セピアちゃんは、地上の街灯設置場所から地下道まで配線するための細い縦穴を掘る等、その後も大活躍だったそうです。
**********
そして、シューネフルトの地下を掘り始めてから一月ほどして。
ここは、町の中央広場。
昼間は市が立って屋台が並ぶのですが、日も暮れかかった今は屋台も姿を消し、歩く人の姿もまばらです。
そんな中、集めた町の世話役達を前に、リーナが話し始めます。
「今日は、このシューネフルトの街にとって、記念すべき日になります。
世界中で初めて、この町に電灯が灯ります。
みなさん、暗い夜道を歩くのは心細いと思います。
特に、ご婦人方はそうでしょう。
ですが、その心細さとも今日でお別れです。
電灯は暗い夜道を昼間の様に照らしてくれます。
遠からず、この電灯は世界中で灯ることとなるでしょう。
その時、この町は一番最初に電灯が灯った町として語り継がれることになるのです。
今日は、その記念すべき瞬間に立ち会ってもらうために集まってもらいました。
さあ、記念すべき瞬間です。電灯を点灯させてください。」
リーナの言葉を受けて私は物陰からオークレフトさんがいる操作室に転移して、街灯の点灯を指示します。
スイッチを入れたのを確認して、再び転移で中央広場に戻ると…。
「すごい!こんなに明るいなんて!」
「本当に昼間のようだ!」
「これなら、夜道も怖くないわ。」
口々に感嘆の言葉を漏らす人々の喧騒がそこにありました。
中央広場の縁に沿うように二十ヤードおきに立てられた街灯は、すべて正常に点灯し、広場を明るく照らしています。
街灯は、町にある広場や主要な街路に二十ヤード間隔で設置しました。
また、領館をはじめとする役場や聖教の教会の前にも設置してあります。
夜でも人通りがありそうな場所は、概ね街灯を張り巡らしたのです。
この街灯は、夜道がとても歩き易くなったと、とても住民に喜ばれました。
この町は元々治安が良い町でした。
ですが、夜陰に紛れてコソ泥を働く者や婦女子に不埒な真似をする者がゼロではありませんでした。
この街灯が灯って以降、これが限りなくゼロに近づいたのです。
辺鄙な田舎町の出来事でした。
ですが、行商人をはじめとして、こんな町にも訪れている人はいるのです。
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