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第8章 冬が来ます
第185話 冬越しのため大移動です
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すっかり雪深くなった十二月下旬、冬越しのためアルビオン王国へ移ることになりました。
おじいさまに作って頂いたパーティードレスも無事出かける前に仕立て終わりました。
仕立て終わったパーティードレスを受け取りに行った際にはちょっとしたハプニングがありました。
おじいさまが肖像画家を呼んでいて、ドレスアップした私を描かせたのです。
「おお、何と美しい。よく似合っておるぞ、ロッテや。
そうした姿を見ているとアンネローゼが社交界デビューした時を思い出すわ。」
私の成長を喜んでか、亡き母を偲んでか、おじいさまは目に涙を浮かべていました。
肖像画を描くため三日も帝都に留まることになりましたが、おじいさまの涙をみたらイヤとは言えませんでした。
そして、今日アルビオン王国へ向かうのですが、今回は大所帯です。
私、リーナ、アリィシャちゃんといういつものメンバーに加えて、侍女のベルタさんとヘレーネさんが加わります。
この二人がいないと、私とリーナがパーティーに出席する際のドレスアップが出来ませんから。
ベルタさんを連れて行くとなると、フランシーヌさんとシャルちゃんを残しておく訳にも行きません。
二人には冬の間、アルビオン王国の屋敷の中で暮らしてもらうことにしました。
更に、今回はアガサさんとローザ先生、それに教員見習の十人を連れて行きます。
アガサさんの教え子が教鞭をとっているという女学校を視察するためです。
もちろん、見習いの十人には言霊の魔法で転移魔法を始め幾つかの秘密を口止めさせてもらいました。
**********
「ロッテ、おかえりなさい。待っていたわよ。
今回は大勢なのね、屋敷が賑やかになって嬉しいわ。」
アルビオンの館に着くとブラウニーのステラちゃんが出迎えてくれました。
私達の滞在を心待ちにしていたようでとても嬉しそうです。
「ステラちゃん、今回は二月末までここに滞在するつもりだから。
大人数になったけどよろしく頼むわね。」
「任せておいて!
人が多い方がお世話のし甲斐があるわ。
頑張っちゃうね!」
私とステラちゃんの会話を聞いていた、十人の見習いの間にざわめきが起こります。
あらかじめ、ステラちゃんを始めブラウニー達が留守を守っているとは教えてありました。
それでも、初めて見る十インチサイズの少女にみんな驚いているようです。
でも、そのざわめきに耳を澄ますと、「可愛い」という感想をもらしたものが多く、一様に好意的なものでした。
実際、見習い達とステラちゃんはすぐに打ち解けてくれたのです。
**********
そして、アルビオンの館に腰を落ち着けた数日後、ジョージさんからの遣いの方がやって来ました。
手渡されたのはパーティー当日の予定でした、年越しパーティーなので開始は夜なのですが。
その手紙には、娘さんと歓談して欲しいので昼過ぎに迎えに行くとありました。
早い時間なので、普段着で来るようにと記されています。
控えの間を用意するので、パーティードレスにはそこで着替えるようにとありました。
必要であれば侍女を伴うようにと添えられています。
十二月最後の日、私達はジョージさんの用意してくれた馬車で王宮へ向かいます。
「こういう服装は肩が凝りますね、私は苦手です。」
馬車に乗る早々、リーナが愚痴をこぼします。
普段着で来いと言われても、本当に普段着で行く訳には参りません。
やはり、大国の王宮へ行くのですから、きちっとした服装が必要です。
「カロリーネ様も普段からそのような服装をしてらっしゃれば良いのです。
そうすれば慣れてしまって、こういう時に苦になりませんよ。
私が毎朝、磨き上げて差し上げます。」
リーナの向かいに座るヘレーネさんがニコニコと笑って言いました。
「そうですわね。
それはシャルロッテ姫様にも言えることだと思います。
まだお若いのですから、もっとお洒落をされた方が良いですわよ。
私が腕によりを掛けて着飾らせて差し上げますのに。」
ヘレーネさんに同調したベルタさんが、ここぞとばかりに私に向かって言います。
ベルタさんは普段から私に着飾るように言ってます。
私は、山の中の一軒家で着飾るも何もないだろうと取りあわなかったのですが…。
馬車の中の会話が私達に不利な方向へ進もうとしていた時、王宮の入り口に停車しました。
馬車を降りるとそこには国王陛下であるジョージさんの姿がありました。
「やあ、レディー、来てくれて嬉しいよ。
今日はごく小さな集まりだ、あまり緊張しないで楽しんで行っておくれ。」
気さくに出迎えてくれたジョージさんは娘さんを紹介するから付いて来いと言います。
広い王宮の奥まったところまで長い廊下を歩き、一つの扉の前に立ち止まると。
「ヴィッキー、私だ。
お客様をお連れしたんだ、入って良いだろうか?」
扉をノックした後、ジョージさんは部屋に中に向かって問い掛けます。
すると、お付きの侍女らしき女性が扉を開けて中に招き入れてくれますが…。
「お父様、もう子供ではないのですからヴィッキーはやめてくださいと何度も申し上げているはずです。」
開口一番、ブロンズヘアを縦ロールにした私と同世代の女の子がジョージさんに不満をこぼしました。
「そう言いなさんな、今日はヴィッキーに紹介したい人をお連れしたのだよ。
こちらは、帝国のアルムハイム伯とクラーシュバルツ王国のカロリーネ姫。
お二方とも我が国にとって重要な人物なので粗相のないようにな。」
ジョージさんはそんな娘さんの不満を意に介した様子も見せず、私達に向かい。
「こちらが私の一人娘のヴィクトリアです。
ちょうど、お二方と同じ年なので懇意にして頂ければ幸いです。
どうぞ、パーティーの時間まで話し相手になってください。」
そう言うとジョージさんはすぐに立ち去ってしまいました。
「初めまして、プリンセス。
私は帝国皇帝から伯爵位を賜っていますシャルロッテ・フォン・アルムハイムです。
ロッテとお呼びください。」
「お初にお目にかかります、プリンセス・ヴィクトリア。
私はクラーシュバルツ王国のカロリーネ・フォン・アルトブルクです。
よろしくお願い致します。
親しい友人からはリーナと呼ばれていますので、よろしければそうお呼びください。」
ジョージさんの行動に呆れていたようですが、私とリーナの自己紹介を受けると。
「はじめして、アルビン王国へようこそ。
私はヴィクトリアと申します。
そうですね、私のことはトリアとお呼びください。
ヴィッキーと呼ばれますとお父様が調子に乗ってそう呼び続けるでしょうから。」
そう挨拶を返して、トリアはニッコリ笑いました。
ちなみに、アルビオン王国では王家の方は家名を名乗らないのだそうです。
**********
「ごめんなさいね。
お父様のわがままで退屈なパーティーに呼び出してしまって。
あんな、おじさん、おばさんばかりのパーティーで苦痛だろうと思ったのですけど。
どうしても、お二方のことを紹介したいって聞きませんの。」
トリアが申し訳なさそうに言います。
やはり、今夜のパーティーは王族と国の重鎮だけを招いたもので、若い方は全くいないそうです。
数年前からこのパーティーに出席しているトリアはとても退屈な時間を過ごしているようです。
きっと、そんなトリアの話し相手として呼ばれたのですね。
「ロッテさん、お父様から伺いました。
何度もこの国を助けてくれて有り難う。
ロッテさんがいてくださらなければ、どれだけ多くの民の命が奪われていたか。
心から感謝いたします。
実は、今日出席する人達はロッテさんの活躍を知っている人ばかりなの。
みんな、私と同じでロッテさんに感謝の気持ちを伝えたいのですって。」
違ったようです…。
どうやら、私をパーティーの出席者に披露するのが主目的のようでした。
おじいさまに作って頂いたパーティードレスも無事出かける前に仕立て終わりました。
仕立て終わったパーティードレスを受け取りに行った際にはちょっとしたハプニングがありました。
おじいさまが肖像画家を呼んでいて、ドレスアップした私を描かせたのです。
「おお、何と美しい。よく似合っておるぞ、ロッテや。
そうした姿を見ているとアンネローゼが社交界デビューした時を思い出すわ。」
私の成長を喜んでか、亡き母を偲んでか、おじいさまは目に涙を浮かべていました。
肖像画を描くため三日も帝都に留まることになりましたが、おじいさまの涙をみたらイヤとは言えませんでした。
そして、今日アルビオン王国へ向かうのですが、今回は大所帯です。
私、リーナ、アリィシャちゃんといういつものメンバーに加えて、侍女のベルタさんとヘレーネさんが加わります。
この二人がいないと、私とリーナがパーティーに出席する際のドレスアップが出来ませんから。
ベルタさんを連れて行くとなると、フランシーヌさんとシャルちゃんを残しておく訳にも行きません。
二人には冬の間、アルビオン王国の屋敷の中で暮らしてもらうことにしました。
更に、今回はアガサさんとローザ先生、それに教員見習の十人を連れて行きます。
アガサさんの教え子が教鞭をとっているという女学校を視察するためです。
もちろん、見習いの十人には言霊の魔法で転移魔法を始め幾つかの秘密を口止めさせてもらいました。
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「ロッテ、おかえりなさい。待っていたわよ。
今回は大勢なのね、屋敷が賑やかになって嬉しいわ。」
アルビオンの館に着くとブラウニーのステラちゃんが出迎えてくれました。
私達の滞在を心待ちにしていたようでとても嬉しそうです。
「ステラちゃん、今回は二月末までここに滞在するつもりだから。
大人数になったけどよろしく頼むわね。」
「任せておいて!
人が多い方がお世話のし甲斐があるわ。
頑張っちゃうね!」
私とステラちゃんの会話を聞いていた、十人の見習いの間にざわめきが起こります。
あらかじめ、ステラちゃんを始めブラウニー達が留守を守っているとは教えてありました。
それでも、初めて見る十インチサイズの少女にみんな驚いているようです。
でも、そのざわめきに耳を澄ますと、「可愛い」という感想をもらしたものが多く、一様に好意的なものでした。
実際、見習い達とステラちゃんはすぐに打ち解けてくれたのです。
**********
そして、アルビオンの館に腰を落ち着けた数日後、ジョージさんからの遣いの方がやって来ました。
手渡されたのはパーティー当日の予定でした、年越しパーティーなので開始は夜なのですが。
その手紙には、娘さんと歓談して欲しいので昼過ぎに迎えに行くとありました。
早い時間なので、普段着で来るようにと記されています。
控えの間を用意するので、パーティードレスにはそこで着替えるようにとありました。
必要であれば侍女を伴うようにと添えられています。
十二月最後の日、私達はジョージさんの用意してくれた馬車で王宮へ向かいます。
「こういう服装は肩が凝りますね、私は苦手です。」
馬車に乗る早々、リーナが愚痴をこぼします。
普段着で来いと言われても、本当に普段着で行く訳には参りません。
やはり、大国の王宮へ行くのですから、きちっとした服装が必要です。
「カロリーネ様も普段からそのような服装をしてらっしゃれば良いのです。
そうすれば慣れてしまって、こういう時に苦になりませんよ。
私が毎朝、磨き上げて差し上げます。」
リーナの向かいに座るヘレーネさんがニコニコと笑って言いました。
「そうですわね。
それはシャルロッテ姫様にも言えることだと思います。
まだお若いのですから、もっとお洒落をされた方が良いですわよ。
私が腕によりを掛けて着飾らせて差し上げますのに。」
ヘレーネさんに同調したベルタさんが、ここぞとばかりに私に向かって言います。
ベルタさんは普段から私に着飾るように言ってます。
私は、山の中の一軒家で着飾るも何もないだろうと取りあわなかったのですが…。
馬車の中の会話が私達に不利な方向へ進もうとしていた時、王宮の入り口に停車しました。
馬車を降りるとそこには国王陛下であるジョージさんの姿がありました。
「やあ、レディー、来てくれて嬉しいよ。
今日はごく小さな集まりだ、あまり緊張しないで楽しんで行っておくれ。」
気さくに出迎えてくれたジョージさんは娘さんを紹介するから付いて来いと言います。
広い王宮の奥まったところまで長い廊下を歩き、一つの扉の前に立ち止まると。
「ヴィッキー、私だ。
お客様をお連れしたんだ、入って良いだろうか?」
扉をノックした後、ジョージさんは部屋に中に向かって問い掛けます。
すると、お付きの侍女らしき女性が扉を開けて中に招き入れてくれますが…。
「お父様、もう子供ではないのですからヴィッキーはやめてくださいと何度も申し上げているはずです。」
開口一番、ブロンズヘアを縦ロールにした私と同世代の女の子がジョージさんに不満をこぼしました。
「そう言いなさんな、今日はヴィッキーに紹介したい人をお連れしたのだよ。
こちらは、帝国のアルムハイム伯とクラーシュバルツ王国のカロリーネ姫。
お二方とも我が国にとって重要な人物なので粗相のないようにな。」
ジョージさんはそんな娘さんの不満を意に介した様子も見せず、私達に向かい。
「こちらが私の一人娘のヴィクトリアです。
ちょうど、お二方と同じ年なので懇意にして頂ければ幸いです。
どうぞ、パーティーの時間まで話し相手になってください。」
そう言うとジョージさんはすぐに立ち去ってしまいました。
「初めまして、プリンセス。
私は帝国皇帝から伯爵位を賜っていますシャルロッテ・フォン・アルムハイムです。
ロッテとお呼びください。」
「お初にお目にかかります、プリンセス・ヴィクトリア。
私はクラーシュバルツ王国のカロリーネ・フォン・アルトブルクです。
よろしくお願い致します。
親しい友人からはリーナと呼ばれていますので、よろしければそうお呼びください。」
ジョージさんの行動に呆れていたようですが、私とリーナの自己紹介を受けると。
「はじめして、アルビン王国へようこそ。
私はヴィクトリアと申します。
そうですね、私のことはトリアとお呼びください。
ヴィッキーと呼ばれますとお父様が調子に乗ってそう呼び続けるでしょうから。」
そう挨拶を返して、トリアはニッコリ笑いました。
ちなみに、アルビオン王国では王家の方は家名を名乗らないのだそうです。
**********
「ごめんなさいね。
お父様のわがままで退屈なパーティーに呼び出してしまって。
あんな、おじさん、おばさんばかりのパーティーで苦痛だろうと思ったのですけど。
どうしても、お二方のことを紹介したいって聞きませんの。」
トリアが申し訳なさそうに言います。
やはり、今夜のパーティーは王族と国の重鎮だけを招いたもので、若い方は全くいないそうです。
数年前からこのパーティーに出席しているトリアはとても退屈な時間を過ごしているようです。
きっと、そんなトリアの話し相手として呼ばれたのですね。
「ロッテさん、お父様から伺いました。
何度もこの国を助けてくれて有り難う。
ロッテさんがいてくださらなければ、どれだけ多くの民の命が奪われていたか。
心から感謝いたします。
実は、今日出席する人達はロッテさんの活躍を知っている人ばかりなの。
みんな、私と同じでロッテさんに感謝の気持ちを伝えたいのですって。」
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