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1-2 夏也side.

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暁久との久しぶりの勉強。毎日一緒に勉強していた時のことを思い出す。

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あの頃、彼と一緒に勉強し始めて少し経った頃から、暁久を見る度に心臓の鼓動が速くなるようになった。最初はこの速くなる鼓動の正体に気が付かなかった。
でも少し経って、「ああ、これは恋なんだ」と気づいた。
暁久を好きになるなんて最初は考えてもみなかった。だから正体がわからなかったんだ、と合点がいった。
正直、僕はそれまで好きな人ができたことがなかった。それも“恋”というものに気が付かなかった理由の1つだろう。僕は恋をして初めてその楽しさや辛さ、痛みを知った。

『自分の気持ちが伝えたい。でも、暁久に引かれたくない。』

そんな想いがずっと頭の中を駆け巡る。いっそ、伝えられないのなら心の奥に仕舞いこんでしまおうかとも考えた。でもできなかった。やっぱり好きだから、好きな人を好きだという気持ちは無かった事になんかできなかった。だからいつか、僕の気持ちが伝えられる心の準備が出来たら伝えようと思う。

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アイスを一緒に食べながら歩く帰り道。僕はやっぱりパピコを選んだ。僕にとってこのアイスは暁久との思い出そのものだ。

「俺とのパピコのエピソード聞いたから、これからパピコ見るたびに夏也のこと思い出せるわ!」
太陽のように眩しすぎるくらいの笑顔で暁久が言う。
「アイス見るたびに思い出してくれるとか嬉しいわ!」
僕は冗談交じりに少し皮肉めいて返答する。暁久を好いていることを悟られないように。
そしてお互い笑いあう。

僕にとっては、そんな関係があたたかくも切ない。


その後、僕たちはアイスを食べ終わった後少しだけ歩いてお互いの家に帰るべく帰路に着いた。
一人で歩いているといろいろなことが頭をよぎる。今日の晩御飯は何かなとか、課題が多いなとか、暁久のこととか。久しぶりに暁久と過ごした放課後がとても楽しかった。

ずっとこんな毎日だったらいいのに。そんなことを思う僕は贅沢過ぎるだろうか。
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