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第35話 「ちょっと日焼けしてるな」

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 簡素なパイプのフレームに、薄いマットとシーツが敷かれたベッド。
 そんな狭いベッドの上で、青葉先輩と向かい合って座っている。
 二人とも靴を脱いでいて、先輩はあぐら、僕は正座のような姿勢をとっていた。身じろげばベッドはギシっと軋んで、緊張で早くなっている心臓がさらに心拍数を上げる。どっどっどっという心臓の音が聞こえてしまわないだろうか。

 せめて電気を消してほしい、と伝えれば、机上のデスクライトの灯りだけ残された。橙色の光は狭い部屋だったら、十分互いを視認できるほどの明るさで。「真っ暗だったら意味ないだろ」と言われれば、そうですね、としか言えない。

「そんな緊張すんなよ」
「そう、なんです、けど」
「それに昼間、もう見てるし」

 そう、湖で遊んで濡れてシャツを脱いだ姿を見られている。
 だから今更なことくらいわかっている。シャツ一枚脱ぎ捨てる。それだけでいい。
 だけど。これまでかたくなに先輩に見られないようにしてきたのだ。
 先輩は見ても平気だと言うけど。
 見て、愛想をつかさないことと、性的な対象になるかは別の話で。
 ごくり、と緊張と不安をつめこんだ唾液を飲み込む。
 第一、友人の前では平気でも。
 青葉先輩の前で裸になるというのは――とてつもなく、恥ずかしかった。

「……コーヨー」

 小さく名前を呼ばれて引き寄せられる。崩れた正座では体をまっすぐ保てなくて、先輩に寄りかかる形になってしまう。
 慌てて体勢を整えようとする前に、頭の後ろに手を回されて、互いの顔の距離がゼロになる。

「……っ」

 そういえば、キスなんて合宿前の飲み会以来だな、なんて現実逃避しそうになる。
 でも集中していないことをとがめるように、唇の輪郭をついばまれた後、薄い舌が押し入ってくる。驚いて引っ込んでいる僕の舌を、先輩の舌先がノックする。そうすると、条件反射で舌を差し出してしまう。
 食べるように舌を絡められて、吸われる。強引なほどの力でそうされると、逆に体の力は抜けていって、すがるように先輩の肩をつかむ。
 二人分の唾液が混ざって、蜂蜜のような甘さになって。どんどん僕の脳を溶かしていく。
 合間の息継ぎの吐息すら先輩に奪われて。下顎から上顎まで尖らせた舌先でなぞられたら、びくりと体が震えた。

 じわりじわりと、身体の中心から背中にかけて、くすぶる熱が生まれてくる。熱が大きくなっていくほどに、体は敏感になっていく。

 どんどん力が抜けて、先輩がくれるものをすべて感じようと必死になっていたら、いつの間にか体は仰向けの姿勢で横になっていた。
 覆いかぶさる先輩が唇を離して、ゆるく僕の頬を撫でる。
 はぁ、と熱のこもった息が零れた。

 ぼんやりと自分の上にいる青葉先輩を眺めていたら、先に青葉先輩が自分のシャツを脱いだ。
 薄明りの中でもよくわかる、なめらかな肌と適度な筋肉。デスクライトの灯りでかすかに陰影が浮かび上がって、なんだか、それが、とてつもなく色っぽく見えて。かあっと身体が熱くなる。
 ポイッと脱いだシャツを放り投げた後、先輩は、僕のほうのシャツの裾をくいっと引っ張った。

「……自分で脱げる?」

 先輩の手は腰あたりに置かれたままで、動かない。
 僕はしばらく逡巡して、ただじっと静かに見下ろす先輩の目を見ながら、息をつめて、頷いた。
 少し暗くて、でも蝋燭のような橙色の影の下で、熱くなっている体を持て余していたら、脱がないほうが不自然な気がした。

 なによりも、そんな目をするから。
 うかがうように、それでも、乞うように見つめるから。

 おそるおそる自分のシャツに手をかける。もしも幻滅されたら、という恐怖が脳裏をかすめる。けれど、それでも。
 絶対に、女の体のほうがいいなんて思わない、と言い切ってくれた。
 証明すると、言ってくれたから。

 その言葉にすがりながら、呼吸を止めて、震える指でシャツをめくりあげていく。
 耳の横に心臓があるみたいに、どくどくと鳴る鼓動。
 頭をくぐらせて、用をなさなくなったシャツを枕元に力なく落とす。
 露わになった素肌が、冷えた外気を感じ取る。

 ああ、ついに。脱いでしまった。見せてしまった。

 見苦しいほど顔が赤くなっているに違いない。目をぎゅっとつぶった。先輩がどんな表情をしているのかを知るのが怖くて。
 薄っぺらいこの身体を見て、先輩は何を思うんだろう。
 静かな部屋で、鳴りやまない心音だけがうるさい。それ以外の音は聞こえない。

 数秒の沈黙が、一時間にも感じられて、息ができない。

 やっぱり先輩は、こんな体、イヤなんじゃないか。今すぐ服を着直したほうがいいんじゃないか。先輩が黙ったままなのは、どんな言葉なら僕を傷つけずにいられるかを考えているんじゃないか。
 たった数秒の無言の時間に、そこまで考えて泣きそうになる。
 ぎゅ、と唇を引き結ぶ。やっぱり脱いだばかりのシャツを着直そう、そうしよう、と意を決して目を開こうとした。その時。
 つ、と。
 無防備な胸の真ん中、鳴りっぱなしの心臓の真上を、指先だけで、撫でられた。

「――っ」
「ちょっと日焼けしてるな」

 予想外の言葉と接触に驚いて目を開けば、真剣な表情で露わになった肌をじっくりと眺めている青葉先輩がいて。
 少なくとも、イヤそうな顔はしていないことに安心する。だけど安堵の息をつく余裕もすぐになくなってしまう。

「ここのとこから、肌、白い」

 鎖骨の周りを半円を描くように指でなぞられる。
 昨日から外でずっと日光を浴びていたのだから、日焼けくらいする。それでもほんの少し肌色が濃くなっているだけで、服を着て普通にしていたら日焼けしていることにも気づかない程度だ。
 ただ。今は、その服がなくなって、素肌を見せているから、日焼けの跡に気づかれている。
 服で隠されて白いままの肌と、濃くなっている肌の境目は、きっと一目瞭然だろう。

「……っ、そこまで、は、日焼け、してないと、思うんですけど」
「うん。そんな濃くないし、皮がむけてるわけでもないから、肌もキレイだけど」

 日焼けで濃くなったところと、白い肌の境目をなぞっていた指が、身体の真ん中をまっすぐ降りて、また心臓近くに指を止められる。

「……日焼けしてないとこなら、あとつけても周りから見えないってことだよな」

 先輩に気づかれるんじゃないかと思うほど、ドキッと心臓が跳ねる。
 本気なのか、ふざけているかどうか判断がつかない微妙な声音。

「青葉せんぱっ、それは」
「うーん、やっぱ合宿中は、服で隠れるからってキスマークだらけにしたらマズイか?」

 「何かの拍子で見られたら困るか」と残念そうに言うけれど。これは半分本気だ、と察した。
 もし合宿中でなければ、もしかしたら、いたるところにつけられていたかもしれない。キスマーク、を。
 先輩は名残惜しそうに、日焼けしていない、服で隠されていた肌を撫でる。
 くすぐったいような、無性に胸がざわざわするような感覚に襲われる。先輩はひとつひとつ確かめるように、羽で触れているような軽さで、鎖骨や肋骨をたどり、肌の薄い腹部に触れる。
 ただ撫でられているだけなのに、ぞくぞくとした感覚は高まって、内側の熱がじわじわ大きくなっていく。

 だけれども、持て余す感覚とは別に緊張が襲ってくる。
 触られている肌のすぐ下は骨だ。決して弾力のあるふくらみなんてない。
 触られれば触られるほど、じわりと熱が高くなりながら、面白みのない身体に愛想をつかされないかという不安が胸のうちで大きくなっていく。
 そんな真逆の感情が混ざり合って、呼吸が荒くなる。気づかれないように、声を抑えて、必死に息をゆっくりと吐き出そうとする。
 だけど、その努力はあっさりと無に帰す。
 手とは違う、やわらかくて、湿った別のものが胸元に落とされる。反射的に声が出た。

「ひゃっ! あ、え、え?」

 先輩の唇が、僕の肌に、吸いついている。
 触れたらすぐに離れる、とても軽い唇の接触。触れたことすら離れたらわからなくなる、そんな粉雪みたいなキスを、青葉先輩は心臓を中心として、周囲の胸に何度も落とす。
 指とはまるで違う。どれだけ軽くても、一瞬でも、そこには確かに熱と水気の感覚があって。実在感が強くて。

 なにより、先輩が、僕の胸元に顔を寄せているという事実に、追いつけない頭はくらくらする。

 だんだんと唇が肌に吸いつく時間が長くなっていく。
 ぺろりと舌で舐められたら、びくりと体が跳ねる。
 ほんの少しだけ歯を立てられたら、あっと高い声が出る。

 内側にある熱が身体中へ広がっていく。

 鎖骨から肋骨の位置を唇で確かめるようにたどる唇は、そんな中で、きっとあえて避けられているところがあった。
 知識として、そこが性感帯になりうる部分だということは知っている。だとしても男の身体に本当に必要なのか、とずっと不思議だった。
 胸の両側にある、無用な飾りもの。色の薄い乳首。

 けれど。周りにはキスをしながらも、決して触らないようにされているせいか、普段はまる意識していないのに、逆に意識が向いて胸の両端がむずがゆくなってくる。
 わかりやすく焦らすように、片手でその周囲をなぞられる。唇を落としながら、胸の片側で円を描いていく軌跡は少しずつ狭まって、だんだんと中心にある部分へと向かう。
 ばくばくと心臓が鳴る。触っている先輩にこの高い心拍数はつつぬけだろう。それでもどんどんと近づいてくる指に、いつ、触られるのかと緊張で体がこわばる。
 ぎゅう、と頼りないシーツを握りしめる。
 ふいに先輩の指が離れた。
 突然なくなったぬくもりに、え、と驚いて、わずかに力を抜いた瞬間。
 
 ぱくり、と食まれる。

「――ん、はぁっ…」

 唐突に訪れた刺激に声が漏れる。慌てて口を両手で押さえた。
 けれど先輩は意に介さずに、唇でやわらかく挟んで、舌先で乳首の先端をちろりと舐める。その小さな刺激に身体が震えて、声が漏れないように押さえている手の力を強める。

 やわらかい感触がもたらす刺激は微弱なものだ。もともとそんなところ、男の身体には不要なもので、鈍感すぎて刺激なんて感じるわけじゃない。

 だけど。むずがゆくなるような、よくわからないもどかしさが募っていく。わかりやすく焦らされたせいで、意識が高ぶって普段じゃ考えられないくらい敏感になったせいだ。

 不快感ではない、けれど。じわじわと侵蝕してくる感覚は、ぐずぐずと頭をゆっくりと溶かしていくようだった。弱い刺激は心地いいぬるま湯に浸るように、力が抜けていく。

 このままじゃいけない。よくわからないけれど、いけない気が、する。

 だからなんとか青葉先輩の行動を止めようと、唇をかみしめながら、先輩に手を伸ばそうとする。
 でも、僕がそうしようとしたときに。空いていたもう片方の胸に先輩の指が触れた。

「せんぱ、いっ、あ、っ!」

 やわらかい指の腹で撫でられると、ぴりりとわかりやすい刺激が襲ってくる。
 思わず伸ばした手で先輩の腕をつかむ。それは先輩の行為を止めたいというよりも、ただ単にすがる先を探しただけだった。
 声が漏れないように片手で口を押えているけれど、くぐもった息が出てしまう。こんな声、先輩に聞かれたくないのに。

 先輩は僕の胸元に頭をうずめたまま、チラリと僕のほうを見上げる。きっと真っ赤な顔が見えているに違いない。
 ふっと先輩は目を細める。それから口を開いて、見せつけるように舌先だけを乳首に伸ばす。
 猫のようにちろちろと舐める、赤くて、濡れた粘膜が僕の胸でそんな動きをしているなんて信じられなくて。触られる刺激とは別の、視覚からの暴力的な刺激。

 指は反応を確かめるようにゆっくりと周りをなぞったりつまんだりしていた。けれど、硬くなりつつある乳首を、下から弾くように転がされた途端、僕の体は素直すぎるほどに反応した。甘ったるい刺激は確かな快感になって。指の隙間から熱い息がこぼれて、びくっと身体が震えてしまう。
 あっという間に僕だって知らなかった、僕の弱みを知った先輩は何度もそれを繰り返す。痛くならないように、でも何度も乳首を指先で弾かれる。
 そうされるとどんどん息が途切れて、力が抜けて、涙腺も緩みそうだった。

 このまま先輩のことだけを考えて、ベッドの底に沈んでいきたい。
 だけどなんとかつなぎとめた理性で、まだつかんだままだった先輩の腕に力をこめる。
 それが伝わったのか、熱心に僕の胸を舐めていた動きを止めて、顔を上げる。
 滲んだ瞳のまま、ふるふると首を横に振った。

「せんぱい、あの、これ以上、は」

 自分すら知らないでいた場所の意外な発見に翻弄されていっぱいっぱいになってしまって、一旦止めてほしかった。
 いや、先輩が望むなら、それは、もちろん、応えたい、けれど。せめて声を出さないように、口をふさぐ布とかを用意してからじゃダメだろうか。さっき脱いだ自分のシャツを噛んでいればまだマシだろうか。
 ものすごく真面目にそのことを検討していると、「ああー……」と先輩は悩むような、惜しむような顔をする。

「んー……確かに、ここであんまり大きな声だすと、外に聞こえるかもしんないしな」
「……え?」

 一瞬、何を言われたかわからなかった。
 けれど意味を理解した途端。羞恥と不安と自分の馬鹿さ加減に、顔が赤くなってから青ざめて、また赤くなる。

 そうだ。考えてみれば――思い出せば、この部屋は、合宿に使っているコテージの、一室で。
 扉一枚挟んで、廊下を進んだ先には、ほかの映研メンバーがいる。
 あまりにも宴会の喧騒が遠かったから、というのも、あるかも、しれないけれど。でも。

 この短い間に、他人が近くにいることなんてすっかり頭から抜け落ちていて。
 先輩の言葉でようやく思い出したくらいで。
 それほどまでに、裸になる緊張と、先輩からもたらされるものを享受することで余裕をなくしていたということで。

 改めて考えれば、合宿の最中に二人だけでこんなことをしているなんて、見られたらどうしよう、とか。
 それ以上に、こんな状態になっていること自体が恥ずかしくなっていく。

「うーん……でも、悪いけど、オレもちょっと欲が出てんだよな」

 ちゅっと音を立てて先輩が額に、目尻に、頬に、顎へと唇を落としていく。
 そのまま首筋から鎖骨、体の真ん中を通って、唇が下へ下へと降りていく。臍の上でカプリと甘噛みされて、ぞくりと身体が震える。

「……こっちもさ、脱げる?」

 そういって示されたのは、いまだ脱いでいない、下半身にまとったままの服。
 どくどくと血流が激しくなる。
 そっちは。
 上半身を脱ぐこととは違う。
 だって。はっきりと、そこには、男の象徴がある。
 なんなら、先輩にさんざん触られて生まれた熱のせいで、そこは硬くなり始めていて。
 そんなものを、先輩の目の前にさらしていいのか。

 すぐうなずけない僕に、先輩は安心させるように、だけど苦笑しながらキスをして、小さな声でつぶやく。

「大丈夫。なんなら、今、オレもうこんなんなってるし」

 体を寄せて密着した先輩が、僕の太ももに自分の腰を押し当てる。
 そうされて感じるのは、先輩の固いベルトと、着たままのボトムスと、それと。

「え、あ、え?」

 明らかに服とは別のかたいもの。ソレが何かなんて、わざわざ聞かなくてもわかる。
 先輩のそこがかたくなっている――たっている。

「ホントはオレも脱ぎたいけど。ちょっと、そうすると理性を保つ自信ないから」

 困ったように笑う先輩になんの言葉も返せない。
 先輩は、僕の上半身を見てもイヤにはなってなくて。なんなら、何もしていないのに、ただ体を撫でられて、舐められていただけなのに、服越しでもわかるほどに昂っていて。
 つまり性的な興奮を、先輩はしてくれている、ということで。

 だから、残っている服を脱いでも大丈夫だと、暗に言っていて。
 どくどくと脈打つ血流が一層激しくなる。
 ダメ押しのように、先輩が僕の目を見つめながらささやく。

「上も下も、コーヨーの全部が見たいし、触りたい。――ダメ?」

 そんな、先輩のほうが不安げな、だけど願うような目を見て、どうして断れるだろう。
 何も言えないまま、ただ、自分のベルトに向かっておずおずと震える手を伸ばす。
 かちゃかちゃと音が鳴る。震えてうまく動かせない手ではうまく外せない。普段着替えするときの10倍は時間をかけて、なんとかベルトを外す。
 そこから、ボトムスの縁に手をかけて、おろそうとする。でも先輩が目の前にいて、覚悟を決めきれなくて、どうしてももたついてしまう。
 そうして手間取っていたら、震える手にあたたかい手のひらが重なる。
 うかがうように、目だけで「いい?」と先輩が聞いてくる。
 それに対して、僕は全てを先輩にゆだねるように、赤面した顔でこくんと頷いた。

 うまく動かなかった僕の手とは違い、先輩は丁寧に、ゆっくりと、僕の服を脱がしていく。
 爪先から抜き取られて、きちんと畳まれてベッドの脇に置かれる。
 残ったのは下着のボクサーパンツ一枚で。

「ちょっとだけ腰あげて」

 言葉の意味を考える余裕もなくて素直に従う。
 浮かした腰を確認した途端、先輩はするりと僕の体に唯一残されていた下着を抜き取った。

 あっという間に、すべてが裸になった姿を、さらけだす。

 顔どころか、体中赤くなっているんじゃないかというくらい熱い。
 窮屈なところから解放されて、男だという証拠である部分が上向くのがわかる。
 ああ、こんなの、本当に、先輩に見せていいのか。
 男のこんなもの、見たいものじゃないだろう。
 今にも泣き出しそうな不安が胸いっぱいに広がって、何も言わない先輩がこわくて。
 おそるおそる、先輩を見上げる。

「――っ」

 思わず言葉を失う。
 だって、そんな顔しているなんて、思ってなかった、から。
 ――ずっと探し続けていた宝物を、ようやく見つけたみたいな嬉しそうな目をしていたから。
 ――そんな目をしながら、口元は、求めていた獲物を前にした喜びを抑えきれないように、赤い舌先で弧を描く唇を舐めていたから。

 歓喜と興奮がはっきりとわかるその表情は、見惚れるくらい、艶めかしかった。

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