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間章 1000年前の記憶
19話
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〈※※※※※〉
更に数年後のある日。
2人組の先客が置いていった花束が置かれているボブ達の墓の前に、子連れのドラゴニュートと尻尾が9つある白い狐のビーストが居た。
「子作りで帰郷している間に二人共亡くなっていたでござるか…」
「なんとも御主らしい理由じゃの。それが息子か?」
「5人の内の1人でござる。」
「いくらなんでも多すぎるわ!」
「こちらでの禁欲生活が長かったものでつい…」
「常々、鱗のない女は好みでないと言っておったからのぅ…」
呆れる狐だが、竜人は豪快に笑ってみせた。
「我らの中で、ボブだけは普通に生き、普通に死んでみせた。少し羨ましいの。」
「そうでござるな。拙者はエルフ以上の長命種ゆえ、老いるのはまだまだ先でござるよ。」
「ちゃんと老いるのか?」
「オジジとオババの顔はシワシワ、鱗は真っ白でござる。」
「ククク。その時を楽しみにしておるぞ。」
クスクス笑う狐。子供が出来ても変わらないドラゴニュートの言葉が心底愉快だった。
「小さいの、名を何と言う?」
「ソウでございます!」
「ソウ?」
「今日の空の色でござるよ。拙者が陛下達と出会った時と同じでござる。」
「あの時の空の色か…」
もう詳細はボンヤリとしか覚えていないが、忘れられない事は山ほどある。
見上げた空の色は透き通るように蒼く、雲一つない快晴だった。
「あの石頭が逝った日も空が蒼く綺麗じゃった。憎たらしい程にの。」
狐はタメ息を吐くと、虚空から大きな花束を出して墓前に添える。
先に置いてあった花束と比べるとあまりにも大きさが違う為、隠れないように動かしてから置いていた。
「今年は大地の隅々まで巡って摘んで来たのじゃぞ。夫婦、親子で愛でてくれ。」
それは先に置いてあった物とは違い、『エルディー魔法国』には無い花で占められており、花の種類と量にドラゴニュートの親子も目を丸くする。
「出来ることなら皆と一緒に巡りたかったが、一人旅も悪くないの。」
「拙者とは逆になってしまったでござるな。」
そう言うと二人で笑い合い、思い出したかのように子供の頭を撫でるドラゴニュート。
「忘れてたでござるが、ソウは娘でござるよ。」
「は?」
そう言われ、驚いた顔で瞬きを繰り返す狐。
幼い上に性別の分かり難い異国装束という事もあり、勘違いしていたようである。
「そ、そうであったか。すまぬの。」
「いえ、こちらに来てからはよく間違えられますので…」
まだ幼いにも関わらず、父親よりずっとしっかりしているだけでなく、言葉が珍妙じゃない事にも驚いた。
「ところで、この後はどうするのじゃ?また『西の山』に戻るのか?」
「いえ、アズサ殿には申し訳ない事をしてしまいましたので…」
「その割に、しっかりやる事はやっておるの?」
「傷心で帰郷したらこうなってしまっていたでござる…
そして、また追い出されたでござる…」
「娘は巻き込まれたのか?」
情けない理由に狐は呆れてしまう。
「話に聞いた『大陸の向こう側』に興味がありましたので。」
「母親の許可も得ているでござるよ。」
「ふむ。外の事は見当つかぬが、得るものがあると良いの。」
「種族ごとに領土が綺麗に分かれていることに感動しました!あちらは曖昧で、特に職人気質の強いドワーフや、短命で秩序を重んじないビーストが国を持っているなんて信じられません!」
穏やかな笑みを浮かべながら狐が言うと、子供は両手で顔の前に握り拳を作りながらこれまで見てきた光景が己の知るものと違う事を熱弁する。
「陛下のおかげかもしれませぬな。」
「2割位じゃよ。元々、種族ごとに集まってこの地に散ったからの。
ただ、中央に建国した国が苛烈な粛清を行ったおかげで他種族の移動が阻害されたのは大きい。そして、働き盛りのヒュマスの多くを消す暴挙もな。」
200年経った今でもヒュマスの人口と土地は回復しておらず、肥沃な土地を求めての侵略が度々行われていた。
しかし、決戦で天空都市の遺産を破壊され尽くした事、召喚による逆転の目論見が上手くいかなかった事、土地が回復しないせいで大軍を率いられるだけの食糧を確保出来ないという問題が解決されずにいる。
「それは他種族も同様での。荒れ果てたヒュマス領も、影響を受けてしまった土地を統治下に置いたエルディーも、無理に掠め取るメリットが薄くなったわけじゃよ。」
「陛下の交易推進政策も効いておりますな?」
「冬は雪で埋もれてしまうからの。強引に奪っても維持が出来ん。
それなら、現状のままの方が賢いというもの。」
だが、タマモはそこで大きなタメ息を吐く。
「しかし、どの種族も派閥を作り、内部で争い合っておる。
エルフは4種に割れておるし、ディモスも都市間の争いが無くならない。ビースト領も詳細は分からぬが似たようなものらしいの。」
「エルフが4でござるか?3ではなく?」
ギンの知る限りエルフは白、長耳、褐色の3種しか住んでおらず、4種に増えていた事に驚く。
「半耳と呼ぶべきかの。そういう特徴のエルフが森の北部で排斥されたのを切っ掛けに、各地から森の西部へと集まって種族として都市を形成したのじゃ。
都市を一つ生み出す手際の良さは妾も驚いた。」
「そうでござったか…」
やった人物が気にはなるが、タマモもビースト領での人助けが忙しく、探して会いに行く暇が無い。
〈九尾白狐〉と呼ばれて信仰の対象とまでなり、亜神として魔法の苦手なビーストに代わって魔素払いに従事していた。
「それを成した当人は既に退いて隠居したと聞いておる。
当時は誰かさんと同じで本当に怖れられておったが、今は若い連中に慕われておるそうじゃ。」
そう言うと、遠い目をしながら目の前の墓を見る。
「〈魔国覇王〉は命を賭して守り切ったが、状況は違えどそれを真似てもっと上手くやってみせる者が現れた。それは、喜ぶ事なのかも知れぬの。」
「良い後継者が現れたのでござるな。」
タマモはその言葉に頷くと、墓に背を向け一際大きな木のそびえるエルフの森を指差した。
「巨大な蛇が現れたと思ったら次の日にはあの木が立っておった。
何処かの誰かが『また』とんでもない事をやったのかもしれんの…」
「えっ!?陛下が存命だったのでござるか!?」
巨木の成り立ちに驚くギンだが、タマモは首を振って否定する。
「確証が持てぬ。ビースト領からでは遠過ぎて何も出来なかったからの。」
「そうでござるか…」
かつての主以外に出来そうな人物は思い当たらないが、200年の間に次ぐ人材が出て来ても不思議ではなく、ボブやカレンに確認する事は最早出来ない。
重大事件と無縁な場所に居る事が、タマモ達には少し寂しく感じられた。
「昔話はもう良いじゃろ。
既に世は妾たちの手を離れ、次代が動かしておる。」
「…そうでござるな。して、どちらへ?」
尋ねられたタマモは立ち止まり、扇子を北方向へ突き付ける。
見える山脈の向こうは、冬が長く未だ猟と採取が生活を支えるビースト領。道の険しさから他の3種族と積極的な交流は行われていない。
「ビースト領じゃ。最近はドラゴンが大暴れして手を焼いておる。」
「それは楽しみでござる。拙者も何か【極致】への切っ掛けが掴めるかもしれぬでござるからな。」
「道が見えると良いの。」
「まだ隠居まで数百年はありますぞ。それまでに見つけるでござるよ!」
こうして二人と一匹の珍道中が始まった。
一人と一匹は多くのビーストと力を合わせてホワイト・ドラゴンを封じる事になるのだが、それはもうしばらく先の事である。
更に数年後のある日。
2人組の先客が置いていった花束が置かれているボブ達の墓の前に、子連れのドラゴニュートと尻尾が9つある白い狐のビーストが居た。
「子作りで帰郷している間に二人共亡くなっていたでござるか…」
「なんとも御主らしい理由じゃの。それが息子か?」
「5人の内の1人でござる。」
「いくらなんでも多すぎるわ!」
「こちらでの禁欲生活が長かったものでつい…」
「常々、鱗のない女は好みでないと言っておったからのぅ…」
呆れる狐だが、竜人は豪快に笑ってみせた。
「我らの中で、ボブだけは普通に生き、普通に死んでみせた。少し羨ましいの。」
「そうでござるな。拙者はエルフ以上の長命種ゆえ、老いるのはまだまだ先でござるよ。」
「ちゃんと老いるのか?」
「オジジとオババの顔はシワシワ、鱗は真っ白でござる。」
「ククク。その時を楽しみにしておるぞ。」
クスクス笑う狐。子供が出来ても変わらないドラゴニュートの言葉が心底愉快だった。
「小さいの、名を何と言う?」
「ソウでございます!」
「ソウ?」
「今日の空の色でござるよ。拙者が陛下達と出会った時と同じでござる。」
「あの時の空の色か…」
もう詳細はボンヤリとしか覚えていないが、忘れられない事は山ほどある。
見上げた空の色は透き通るように蒼く、雲一つない快晴だった。
「あの石頭が逝った日も空が蒼く綺麗じゃった。憎たらしい程にの。」
狐はタメ息を吐くと、虚空から大きな花束を出して墓前に添える。
先に置いてあった花束と比べるとあまりにも大きさが違う為、隠れないように動かしてから置いていた。
「今年は大地の隅々まで巡って摘んで来たのじゃぞ。夫婦、親子で愛でてくれ。」
それは先に置いてあった物とは違い、『エルディー魔法国』には無い花で占められており、花の種類と量にドラゴニュートの親子も目を丸くする。
「出来ることなら皆と一緒に巡りたかったが、一人旅も悪くないの。」
「拙者とは逆になってしまったでござるな。」
そう言うと二人で笑い合い、思い出したかのように子供の頭を撫でるドラゴニュート。
「忘れてたでござるが、ソウは娘でござるよ。」
「は?」
そう言われ、驚いた顔で瞬きを繰り返す狐。
幼い上に性別の分かり難い異国装束という事もあり、勘違いしていたようである。
「そ、そうであったか。すまぬの。」
「いえ、こちらに来てからはよく間違えられますので…」
まだ幼いにも関わらず、父親よりずっとしっかりしているだけでなく、言葉が珍妙じゃない事にも驚いた。
「ところで、この後はどうするのじゃ?また『西の山』に戻るのか?」
「いえ、アズサ殿には申し訳ない事をしてしまいましたので…」
「その割に、しっかりやる事はやっておるの?」
「傷心で帰郷したらこうなってしまっていたでござる…
そして、また追い出されたでござる…」
「娘は巻き込まれたのか?」
情けない理由に狐は呆れてしまう。
「話に聞いた『大陸の向こう側』に興味がありましたので。」
「母親の許可も得ているでござるよ。」
「ふむ。外の事は見当つかぬが、得るものがあると良いの。」
「種族ごとに領土が綺麗に分かれていることに感動しました!あちらは曖昧で、特に職人気質の強いドワーフや、短命で秩序を重んじないビーストが国を持っているなんて信じられません!」
穏やかな笑みを浮かべながら狐が言うと、子供は両手で顔の前に握り拳を作りながらこれまで見てきた光景が己の知るものと違う事を熱弁する。
「陛下のおかげかもしれませぬな。」
「2割位じゃよ。元々、種族ごとに集まってこの地に散ったからの。
ただ、中央に建国した国が苛烈な粛清を行ったおかげで他種族の移動が阻害されたのは大きい。そして、働き盛りのヒュマスの多くを消す暴挙もな。」
200年経った今でもヒュマスの人口と土地は回復しておらず、肥沃な土地を求めての侵略が度々行われていた。
しかし、決戦で天空都市の遺産を破壊され尽くした事、召喚による逆転の目論見が上手くいかなかった事、土地が回復しないせいで大軍を率いられるだけの食糧を確保出来ないという問題が解決されずにいる。
「それは他種族も同様での。荒れ果てたヒュマス領も、影響を受けてしまった土地を統治下に置いたエルディーも、無理に掠め取るメリットが薄くなったわけじゃよ。」
「陛下の交易推進政策も効いておりますな?」
「冬は雪で埋もれてしまうからの。強引に奪っても維持が出来ん。
それなら、現状のままの方が賢いというもの。」
だが、タマモはそこで大きなタメ息を吐く。
「しかし、どの種族も派閥を作り、内部で争い合っておる。
エルフは4種に割れておるし、ディモスも都市間の争いが無くならない。ビースト領も詳細は分からぬが似たようなものらしいの。」
「エルフが4でござるか?3ではなく?」
ギンの知る限りエルフは白、長耳、褐色の3種しか住んでおらず、4種に増えていた事に驚く。
「半耳と呼ぶべきかの。そういう特徴のエルフが森の北部で排斥されたのを切っ掛けに、各地から森の西部へと集まって種族として都市を形成したのじゃ。
都市を一つ生み出す手際の良さは妾も驚いた。」
「そうでござったか…」
やった人物が気にはなるが、タマモもビースト領での人助けが忙しく、探して会いに行く暇が無い。
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当時は誰かさんと同じで本当に怖れられておったが、今は若い連中に慕われておるそうじゃ。」
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何処かの誰かが『また』とんでもない事をやったのかもしれんの…」
「えっ!?陛下が存命だったのでござるか!?」
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「そうでござるか…」
かつての主以外に出来そうな人物は思い当たらないが、200年の間に次ぐ人材が出て来ても不思議ではなく、ボブやカレンに確認する事は最早出来ない。
重大事件と無縁な場所に居る事が、タマモ達には少し寂しく感じられた。
「昔話はもう良いじゃろ。
既に世は妾たちの手を離れ、次代が動かしておる。」
「…そうでござるな。して、どちらへ?」
尋ねられたタマモは立ち止まり、扇子を北方向へ突き付ける。
見える山脈の向こうは、冬が長く未だ猟と採取が生活を支えるビースト領。道の険しさから他の3種族と積極的な交流は行われていない。
「ビースト領じゃ。最近はドラゴンが大暴れして手を焼いておる。」
「それは楽しみでござる。拙者も何か【極致】への切っ掛けが掴めるかもしれぬでござるからな。」
「道が見えると良いの。」
「まだ隠居まで数百年はありますぞ。それまでに見つけるでござるよ!」
こうして二人と一匹の珍道中が始まった。
一人と一匹は多くのビーストと力を合わせてホワイト・ドラゴンを封じる事になるのだが、それはもうしばらく先の事である。
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