召喚者は一家を支える。

RayRim

文字の大きさ
上 下
106 / 307
第1部

94話

しおりを挟む
【ヴォイド・ブラスト】

  放った挨拶代わりの一発は、取り巻き掃除くらいにしかならない。だったら!

【ファイルストライク】

 ミスコンを投げ付け、ボムとして利用する。
 魔法攻撃が嫌なのか、オーガロードはひたすら逃げに徹した。
 巻き込まれてはいるが、高い機動力で逃れたせいでダメージを与えたとは言い難い。取り巻きはほぼ消し飛んだが。
 と、状況把握をしていると取り巻きオーガを掴んで投げ付けてくる。それは流石に受けてやれない。

「くっ!」

 横に大きく移動し、軌道から逸れると一瞬で距離を詰め、拳を振り下ろして来る。
 これだから俊敏な巨体は!
 盾を構えながら後ろに跳び退くが、衝撃と地面を割った事による礫が盾を叩いた。
 着地と同時にこちらも一気に距離を詰めて、肘を切り裂く。だが、距離が開いたせいか浅く、切り落とせない。

【エア・ストライク】

 剣から放った風魔法の反動で、軌道を変えて地面の影に落ち、逆の手の平手打ちを避けた。
 その速度のまま影から空に落ち、切り裂いた腕を今度は縦に切り裂いていく。

【バースト】

 止まる寸前でエンチャントを破棄、反動で吹っ飛び、転がりながら離脱する。
 反動に次ぐ反動で身体がバラバラになりそうだ…
 ヒールで応急処置を施す。ポーションを飲む余裕までは無い。

 相手は腕が使い物にならないと悟ったようで、掴んで引き千切る。そして、一気に踏み込み、腕を武器代わりに叩き付けてきた。だと思ったよ!
 影移動で懐に入ると、放たれた跳び膝蹴りを盾で受け止める。反応が速い!
 落ちれる影がなく、そのまま弾き飛ばされ、オーガの群れに突っ込んだ。
 痛いが、地面よりはマシなクッションだ。

【ヴォイド・ブラスト】

 クッション達を消し飛ばし、ヒールで治療してから戦術を切り替える。

【アーススパイク】

 剣を掲げ、地面から尖った槍を生み出し、オーガロードの腹に突き刺した。

『ぐおおおおおっ!!』

 痛みなのか怒りなのか、咆哮してから槍を打ち壊し、こちらに向かってくる。
 貫通はしないが魔法が通った感触がある。ならば、

【アーススパイク】

 今度は一発じゃない。周囲のオーガ共々、無数の巨大な槍が地面から地獄の針山の様に生え、魔物を刈り取っていく。

【ヴォイド・ダブルストライク】

 例の魔法を真っ直ぐ向かって来るオーガロードにぶち当てる。残った腕で防ぐが、二段攻撃は防ぎ切れなかったようで持っていた腕ごともう一本吹き飛んだ。

『グオオオオッ!!』

 更に咆哮すると闘気を纏う。
 それは悪手だ、元人間。

【ソウルブレイク】

 一瞬で闘気が消え、オーガが困惑する。
 これで理解する。こいつらにとっての強者は神下で、それを模倣するしかなかったのだと。
 どんなに優れた能力が有ろうと、『システム』に対し理解が無い者は強者になり得ない。
 神下はやはり未熟だった、と改めて思い知らされた。
 それを模倣するこいつらもだ。

「ユキ、フロストノヴァだ。」
『わっかりやした!』

【フロストノヴァ】

 オレのフロストノヴァが対峙するオーガロードを包み込む。極地の如き低温化の猛吹雪。
 丈夫なHPが高いだけで魔法耐性の著しく低いこいつに、抗う術は無かった。
 身体を抱えて踞り、ひたすら猛吹雪に耐える。
 そのまま凍死まで待つつもりはない。

【エンチャント・ヴォイド】

 跳躍し、無言で強靭な首を切り落とす。
 凍り付いた身体は砕け散り、魔石だけが残された。
 さっさと回収し、急いで遥香達の元へ行く。

『どうして…どうしてあなたが生きてるの…あのひと』

 ユキのフロストノヴァで凍え、身動きの取れないオーガロードの首を、遥香がはねた。
 散々手を焼かせてくれた、亜人ですらない魔物の言葉は聞かない、という事だろう。 
 オーガロードの身体は塵となり、こちらも魔石だけとなった。

「すまんな。基本の形に拘り過ぎた様だ。」

 遥香の頭を撫でながら言う。

「今回は許しましょう。」

 腰に手を当て、ドヤ顔で許してくれた。
 末っ子が優しくて助かるよ。

「二人とも、解放を急ぎやしょう。」
「ああ。」

 既に祭壇の位置は目星を付けていた様で、すぐに見つけて埋葬を済ませた。ちゃんと慰霊碑も作っている。
 元同胞たちの骨もあったのかもしれないが、こうなってしまってはもう確認のしようがない。

「あたしが先を行きやす。」
「ああ、任せる。」

 次の発生源は既にリポップが始まっており、進むのに苦労する。
 それでもユキが温存していたミスコン砲で道を拓きつつ、なんとか儀式場を探り当てた。
 ここもおびただしい数の骨があり、散らかった分も集めてユキとジュリアが埋葬をしてくれる。

「旦那、もうくたくたじゃねぇですか…」
「諸々のリチャージが始まってるからな…
 全く、厄介な相手だったよ…」

 気を抜くと寝てしまいそうなので、まだ気は抜けない。

「急いで戻りやしょう。ハルカ様も寝てしやいそうなんで。」
「そ、そんなことないから。」

 自分の顔を赤くなるくらい叩き、気合いを入れる。余程、眠かったんだな…
 急いで昨日の解放地点へと戻ると、エディさんとアリスたちが迎えてくれた。

「全部聴いてたから…二人とも、無事で良かった…」

 今にも泣き出しそうな顔で、オレたちを順番に抱き締めていく。
 遥香もぶっ飛ばされたようで、背負っている盾が深刻な状態になっていた。
 二人揃って改めてアリスに回復してもらい、明日は休養日とする。
 とは言え、解放地点とこの場の整備もしないといけないので、戦わないだけというだけの休養日になりそうだが。

「ヒガンたちのおかげで一気に解放が進む。我々も頑張らねばな。」

 他の攻略班も順調に進めているようで、解放地域は一気に広がったようだ。
 やはり、大きな発生源を潰すとそれだけ他が楽になるようで、戦果が他に良い影響を与えるのは誇らしい。
 とは言え、戦線の拡大も限度があるだろう。ここで切り上げても良いかもしれない。

「エディさん、どこまで解放して良いですか?」
「…これ以上は厳しいようだ。準備にも防衛にも人員が要る。限られた人員で制圧も、拠点も、とはなかなかいかぬ。ヒガンのおかげで苦はないがな。」
「ここらが切り上げ時か…」

 そう呟くと、エディさんは残念そうに微笑む。

「本当はもっと手伝ってもらいたいが、兵や他の冒険者にも矜持がある。十分やってくれたぞ。
 メイプルの活躍も素晴らしかった。」
「直接言えば、あいつも喜びますよ。」
「戻ってきた者達に阻まれて近付けぬ…」

 それは気の毒に…
 わちゃわちゃにされてるメイプルとボディーガード役のアクア。女性に人気が高いようで、男性の姿が見えない。と、思ったが離れてこの様子をニコニコと眺めている。民度が高くて安心だ。

「握手会はそこまでだ。すまんが、メイプルも休ませてやりたい。」

 オレが手を叩いて言うと、驚いた表情で全員が引いてくれる。聞き分けが良くて助かるよ。

「旦那様ぁ…私には無理ですよぅ…」

 半べそのアクア。揉みくちゃにされて髪も服も乱れまくっていた。

「順番に並ばせられなかったのか?」
「最初は出来てたんですが…」
「嬉しくなってちょっと歌ったらこんなことに…」
「あぁ、そりゃ熱狂するわな…」

 本人がやらかしたようだ。
 一度やってしまったのだから、今後もやらないとダメだろう。まあ、ここ限定というなら、皆も命を張っているから労う為に少しくらいは良いかもしれない。

「一旦、攻略はこれで終わりになりそうだ。
 とは言え、ここと解放地点の整備があるから、すぐには帰れないが。」
「まだ、ライブできるんですね。良かった。」
「ほどほどに…ほどほどにお願いします…」

 キラキラなメイプルとしおしおのアクア。
 ボディーガードも大変だな…

「旦那様、よく見たら血が…」
「ああ、洗浄も浄化もしてなかった…」
「えぇっ!?ハルカ!ハルカーッ!!」

 アリスが自分とオレたちに洗浄と浄化を掛けてすっ飛んでいった。
 しんどい戦いで、後始末を急ぐと忘れてしまうな…

「お身体は?」
「死ぬかと思った一撃をもらったが、大丈夫だよ。」
「凄い音が何度もしてましたもんね…ちょっと想像できないです…」
「歌うだけなのが申し訳なくなってきました…」

 申し訳なさそうにしょんぼりする二人。

「それに助けられているんだからそんな顔をしないでくれ。メイプルはそんなしょぼくれキャラじゃないだろ?」
「ええ。いつも、明るく!元気に!楽しく!がモットーですから。」

 ポーズを決めながら言う23歳のお嬢さんだが、本当に顔が若返ってる気がする。イグドラシル水ヤバい。
 アクアはその姿を見て、パチパチと笑顔で拍手を送っていた。良いマネージャーにもなれそうな絵描きである。

「オレもそろそろ休むよ。メイプルもほどほどにな。」
「あ、装備をはずすのお手伝いしますね。」
「頼む。」

 アクアに手伝って貰いながら装備をはずし、着替えて横になっていると、あっという間に睡魔がオレを制圧してしまった。
 ダメージや疲労が溜まっていたのだろう。その日はそのまま起きる事はなく、目が覚めたらいつも通りの朝だった。




 目の前でアリスが寝息を立てていた。
 起こさないように、静かにテントから這い出て、いつも通りの朝はいつも通りに身体を動かす。風景は違うが、朝から慌ただしいのは変わらないようだ。
 遥香の視線を感じるのも変わらない。盗めるものがあるなら、どんどん盗んでくれたまえ。

 制圧、整備で人員が減った事もあって仕事も減り、オレたちの様子を眺める者が何人か居た。
 話掛けると同業者のようで、外ではなく拠点での仕事を請け負っているらしい。
 兵は拠点任務と制圧を交代でやっているようだが、冒険者はどちらか片方のようだ。オレたちが例外なのだろう。
   話を終えると、冒険者たちは朝食に向かっていった。
 横を見ると、遥香が盾とにらめっこをしている。ひしゃげてしまい、もう盾として使うのは無理だろう。

「もうこの子ダメかなぁ…」
「毎度、盾は悲惨なことになるな。それだけ熾烈だという事だが…」
「そうだね。もう掴む所とバンドくらいしか残ってないもん。」

 そこはずっと使い回しているらしい。

「それもかなり痛んでいるな。」
「そうだね…」
「最初のレイド、イグドラシル、今回とどれも大変だったからな。交換も仕方ない。」

 タメ息を吐いて盾を亜空間収納に片付けた。

「飯にしよう。アリスを起こしてやってくれ。」
「わかった。」

 洗浄を掛けて送り出す。オレも洗浄を掛けて、準備をするアクアの方へと向かった。



 滞在する事になった二日間は何かと慌ただしかった。
 オレ、アリス、ユキは基本的にエディさんに付いて回る事になり、遥香、ジュリア、アクアはメイプルに付く事になった。アクアだけでは整理がしにくいだろうしな。
 高さや傾斜の調整、外壁の利便性向上など色々と学べる事があった。
 慰霊碑には色々と飾られたり、お供え物が増えている。団子の様な何かを備えたのは誰だ?
 鑑定するとパンらしいが…器用なことをするヤツが居るな。

 昨日の解放地点は片方を同じように、もう片方は簡易拠点で良いと言われた。両方同じは人員が足りない、と切実な表情で懇願されては仕方ない。
 今日は拠点をぐるっと周回するだけだったが、要望が多かったおかげで、仕事が終わる頃には日が暮れ始めていた。
 メイプルたちは一時間演奏、一時間休憩を繰り返し、日に4度の公演という事になった。
 メイプルほど凝ったものではないが、遥香の衣装を用意しており、最後は後ろで他の冒険者と一緒に踊っていたらしい。娘の可能性の大きさに鼻が高い。
 一日目はこんな感じで終わり、二日目は移動が中心となった。



 メイプル公演は今日も時間通りに行われ、移動式ステージの上で演奏をする。確かに山車のような感じである。
 山が近い女オーガロードが居たところは簡易砦にし、男オーガロードが居た所を五稜郭っぽいものと言われた形にする事にした。
 道中で素材の補充は済ませておいたので、もう幾つか作れそうだ。
 流石に十分程で完成させたのはドン引きされたが。

 簡易砦でもそうだったが、到着して最初にしたことが慰霊碑の整備で、この姿勢がエディさんの信頼される所以かも知れない。
 二つ目の五稜郭っぽいものは一つ目の修正を踏まえているので、要求はそれほど出なかった。使っている内に不満が出るだろうが、そこは自分達でなんとかしてもらいたい。

 最終日という事で他に要望は無いか問うと、エディさんにオレの作ったスープが飲みたい、と所望されたので、皆に振る舞う。
 全員が一口目で驚き、おかわりを要求されまくり、一人スープ工場となる事態にまでなった。ユキとジュリアはまた飲めて良かったと泣きながらおかわりしていたが、それは大袈裟じゃないか?

「ヒガン、貴殿らには感謝してもし切れない。
 我々だけではここまで成す事は出来なかった。成せても、被害が甚大になっていたはずだ。」
「いえ、散々お世話になりましたので、そのお礼を少し返せたようで嬉しいです。」

 半分、ヒュマスの戦力を壊滅させたオレのやらかしの後始末みたいな所もあるからな…

「もう十分に戦ってくれた…と言いたいが、やはり大きな所は貴殿らの力無くては解放できぬという証明ともなってしまった…」
「承知しております。ですが、これ以上は装備が持ちませんので…」
「ああ。分かっている。装備だけではない。身も、心もしっかり休養して欲しい。ここからは我々の仕事だからな。」

 そう言って、エディさんがオレの手を握る。

「カトリーナは私にとって姉同然。これからも仲良くしてやってくれ。」
「知っていたのですね。」
「手紙をもらっていた。アリス、ユキの事も存じている。 式を挙げるようならちゃんと駆け付けるからな。」
「楽しみにしています。」

 手を離し、笑顔でアリスとユキを見る。

「どんな子供が生まれてくるのだろうな。アリスやユキに似ればきっと可愛いのだろう。」
「カトリーナは?」
「…頭の上がらなさそうなのが一人増える気がする。」

 どういう関係なのか気になるが、言及しないでおこう。散々、お金を搾り取ってたしな…

「エディさん、今の住まいは?」
「貴殿らの住んでいた所だ。今はソニアに任せているがな。」
「そうですか。では、寄ってからエルフ領に戻ります。」
「まだ、エルディーには住まぬのか?」
「やることがありますので。それに、きっと遥香達のこの姿はこれが最後ですから。」

 離れた所で手伝いをする遥香を見る。
 出会った頃、エディさんがいれば犬のようにはしゃいでいたの懐かしい。

「そうか。遥香もそのつもりなんだな。」
「ソニアと歳が離れるのが気になるそうで…」
「…分かる。私はカトリーナに置いていかれたからな。」
「そうでしたね…」

 最後に握手をする。

「短い間でしたが得るものが多かったです。
 次に会えるのはいつになるかは分かりませんが、その時は一家勢揃いだと約束します。」
「わかった!楽しみにしておるぞ!」

 すぐに移動できるかと思いきや、お喋り揃いのせいかその後もしばらくエディさんを中心に話が続く。
 アクア、メイプルもすっかり打ち解け、馴染んでいた。
 とても大変な依頼だったが、今回の事で皆に得るものがあったなら幸いである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す

佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。 誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。 また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。 僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。 不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。 他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

女神様から同情された結果こうなった

回復師
ファンタジー
 どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件

月風レイ
ファンタジー
 普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。    そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。  そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。  そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。  そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。  食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。  不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。  大修正中!今週中に修正終え更新していきます!

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます

ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。 何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。 何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。 それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。 そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。 見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。 「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」 にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。 「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。 「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。

処理中です...