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第5章雑談:千秋
仕事には“穴”を使っている?
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「そうだよ。よく気づいたね」
「気づいたのは、綾だと思います。
私は、綾が言ってることから……
想像しただけで」
「そっか。やっぱり鋭い子だなぁ」
「そうですよね。私もびっくりします」
「……仕事に穴を使う理由は、単純だよ。
それしかないから。
他に方法が無いからなんだ」
「そのまんまですね」
「そう、そのまんま。
時の中での作業は、いずれは
機械化されればいい……って
考えてる人も多いんだけど
前線の人達は反対意見が多数かな」
「……あんなに疲れそうな仕事なのに?」
「うん。“心の触れ合い”が大事なんだって。
だから、そこは機械に任せることが出来ない」
「……心の触れ合い…」
「……と言っても、方法は様々だけどね。
あまり触れすぎると、
相手の記憶に残ってしまうし。
それは夢のような曖昧なものらしいけど、
相手に影響を与えすぎるのは良くない」
「柊くんは、基本ノータッチで
元の世界に帰せてしまう、かなりのやり手。
一言くらいは声を掛けるらしいけど、
それも、本人を我に返らせるくらいの
どうでもいい、記憶に残りにくい言葉」
「逆に空山くんは相手に触るね、すごく。
それによく喋るんだこれが」
「よくないことじゃないんですか?」
「喋りすぎで、多分、
あれも記憶に残らないんじゃないかな。
“なんか疲れる夢を
見ていたような気がする”とか
その程度なんじゃない?」
「な、なるほど」
「どちらにしろ……
たとえ疲れても、人がやるべき仕事なんだって、
疲れている本人達が言ってる。
この意見を、無視するのはどうかと思うな」
「現場の意見ってやつですね」
「そうかもね」
「気づいたのは、綾だと思います。
私は、綾が言ってることから……
想像しただけで」
「そっか。やっぱり鋭い子だなぁ」
「そうですよね。私もびっくりします」
「……仕事に穴を使う理由は、単純だよ。
それしかないから。
他に方法が無いからなんだ」
「そのまんまですね」
「そう、そのまんま。
時の中での作業は、いずれは
機械化されればいい……って
考えてる人も多いんだけど
前線の人達は反対意見が多数かな」
「……あんなに疲れそうな仕事なのに?」
「うん。“心の触れ合い”が大事なんだって。
だから、そこは機械に任せることが出来ない」
「……心の触れ合い…」
「……と言っても、方法は様々だけどね。
あまり触れすぎると、
相手の記憶に残ってしまうし。
それは夢のような曖昧なものらしいけど、
相手に影響を与えすぎるのは良くない」
「柊くんは、基本ノータッチで
元の世界に帰せてしまう、かなりのやり手。
一言くらいは声を掛けるらしいけど、
それも、本人を我に返らせるくらいの
どうでもいい、記憶に残りにくい言葉」
「逆に空山くんは相手に触るね、すごく。
それによく喋るんだこれが」
「よくないことじゃないんですか?」
「喋りすぎで、多分、
あれも記憶に残らないんじゃないかな。
“なんか疲れる夢を
見ていたような気がする”とか
その程度なんじゃない?」
「な、なるほど」
「どちらにしろ……
たとえ疲れても、人がやるべき仕事なんだって、
疲れている本人達が言ってる。
この意見を、無視するのはどうかと思うな」
「現場の意見ってやつですね」
「そうかもね」
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