白き時を越えて

蒼(あお)

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第3章雑談:千秋

綾には先に、事情を話していたこと

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「あれはですねぇ、混乱を避けるためです。
 ふたりが同時に真実を知ったら、
 きっと困るだろうなぁと」

「でも……知らない世界に来たばかりで
 それだけでも大変なのに……
 自分のせいで友達が死ぬなんて話を
 聞かされるなんて、
 あんまりだと思います。

 それに、嘘までついて」

「……華菜ちゃんは、優しいんだね」

「友達だから、当たり前です。
 優しいとかではありません」

「うーん、ごめんね。
 それでも…私は、混乱を避ける方が
 いいと思ってて。

 ちょっと、独りよがりだったかな」

「いえ、もういいんですけど。
 綾も気にしてないみたいでしたし」

「……ごめんね」
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