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両国合同祝勝会 弐 *(微?)

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 晋さんが予想していた通り、ヴァレリーに抱き上げられ移動中の俺。

 うん、この匂い。……ヴァルだよなぁ。無事で良かった……!

 俺もやっぱり心配だったんだろう。ヴァルに触れて安心し、思わず首にぎゅっと抱きつくと、グウウと喉を鳴らすヴァレリー。

 「トオヤ?嬉しいが、流石に今は汚れている」
 
 「ん。だと思って、晋さんに温泉付き個室借りているんだ」

 なんとなくカレッド殿下の後に付いて来ていたヴァレリーに、晋さんから教えて貰った部屋へと案内する。

 到着してカララララと格子戸の戸を開けるとーーー

 そこは日本様式の二間続きの和室。襖で分けられていた手前が座敷、奥の部屋にはもう大きなサイズの布団が二つ、並べて敷かれている。

 「ふむ、コレは気が効く」

 ヴァレリーはチラッと奥の部屋を見て、俺を抱いたまま曇りガラス戸で仕切られた座敷の隣の露天風呂に向かう。

 「ね?ヴァルを俺に洗わせてくれる?」

 少し固まった毛がヴァレリーが頑張った事を物語っているようで、俺は労りたくて提案をしたんだけどさ。

 脱衣場で降ろして貰ってヴァレリーの装備を外していると、浴衣から俺の乳首が見えたらしい。

 「うあっ、ちょっ!ヴァル、舐めないでって!」

 俺の浴衣の襟元を、鼻でグリグリ押し広げて乳首に吸い付くヴァレリーの舌は、感度が上がった俺の身体には刺激がちょっと強い。

 「あっ……ん……もうっ……!」

 乳首を舐めて俺を感じさせながら、首筋、頬、そして唇を舐め回すヴァレリーに口を開いて応じると、始まるのは互いを味わう長い長いキス。

 「んぅ……ん……」

 その最中に俺の浴衣の中に手を入れて、太ももから尻へと手を伸ばすヴァレリーが、カワタ旅館の仕込みに気付く。

 「ほう……なんと準備の良い」

 「だって……!履くのがコレしか置いてなかったんだ……!」

 ……実は、今履いているのは、履いているのが心許ない布面積のTバックなんだよ……!クリィ曰く、コレも俺達には必要だろうって晋さんも同じのを履かされていた。

 キスをしながら両方の手で尻の形を探るようになで回すヴァレリーに、もどかしくて、もっと強い刺激がほしくて……

 「んっ……は……ヴァルぅ、欲しい……!」

 ヴァレリーの首に抱きつき、着物がめくれTバックが丸見えになったまま、ヴァレリーの昂った陰茎と俺自身を腰を振って擦り合わせる。

 だって俺の穴は、ヴァレリーを迎え入れるのにいつでも準備万端なんだ。トロトロ愛液が溢れてくる程、ヴァレリー自身を欲してしまっている。

 「トオヤッ……!!」
 
 ヴァレリーもギリギリだったんだろう。俺を壁に向かせ尻を突き出す体勢にさせると、いきなりズンッと中へとヴァレリーが入ってくる。

 「ああ“ア”っ!ヴァルぅっ!」

 後ろから俺に被さるように抱きしめ、激しく腰を振ってくるヴァレリーは、いつもより余裕がなさそうだった。俺の腰を掴み、自身の感情を発散させるかのように動くヴァレリー。

 だけど、そこでもやはり俺の穴は有能だった。

 「あっあっ、ヴァルっ!もっと、もっとっ!あぅんっ!」

 激しくされても感じやすい俺の身体は、キュウキュウとヴァレリーを締め付けて離さない。そんな俺の身体をズチュズチュズチュと音を立てつつ俺を攻め立てるヴァレリー。

 ヴァレリーに激しく抱かれるのって、それだけ求められている感じで好きなんだ。……俺ってMだったんだなぁ(言わないけど)。

 なんてふと思った途端に、ズンッと更に奥へと突き入れられる。

 「ひぅっっ!あ“っ、おっ、ああ”っ」

 「トオヤ!俺の、俺だけのトオヤ!」

 「あんっ!ヴァルっ、ヴァル!」

 声を我慢しないセックスは、毎回獣の交尾のように激しく長い。だけどヴァレリーが達しても止まらず、更に抱き抱えられながらの2回戦が始まり出すと、俺は少し焦った……!

 「ヴァルっ!お願いっ!止まってぇっ!」

 「無理だっ!トオヤがほしくて堪らんっ!」

 「ご褒美っっっ!あ、んっ!用意っ、したんぁっ、だって!」

 それを聞いて、何故か一層激しく腰を振り、自身を高めることに集中したヴァレリー。

 「ああ“っっっ!」

 「クッ……!」

 ビュウウッと俺の中に出しつつ、更に腰をグラインドさせて俺の中に精液を塗り付けるのは、ヴァレリーが一旦切り上げる合図。

 良かった……!準備したのが無駄にならない……!

 ホッとした俺の中からズルリッと抜いたヴァレリー自身、未だゆるく立ち上がっているのが見て取れたけど、それでもフーフー言いながら俺の身体を離すヴァレリー。

 その姿にどうしようもなくキュンとし、せめていっぱい綺麗にしてあげようと思ったんだ。……まあ、洗っている最中にお互い兜合わせをして、一回は抜いたけどさ。

 でもその後は、しっかり乾かしてブラッシングさせて貰って、艶々ふわふわヴァレリーさんが出来上がった。

 更に俺を満足させたのは、ヴァレリーが紺色の浴衣に着替えた時。

 ~~!!!ヴァレリー、似合いすぎる……!

 俺も浴衣でお揃いにしたかったけど、浴衣が着崩れるのはヴァレリー的にアウトらしく、中に半袖Tシャツを来て浴衣の上に半纏(はんてん)を着てようやくOKが出た。

 ……ちょっと暑いです、ヴァレリーさん。いやまあ、心配は嬉しいけどさ。

 そんな感じで、ようやく他の団員達が楽しんでいる屋台へと合流出来た俺達。

 「ほお、コレはまた凄いな」

 温泉施設を出たヴァレリーが見つめる先には……

 夜空を照らす多くの電球に彩られ、繁盛する数々の屋台の姿。それぞれの屋台の看板や屋台の作業場も明るく歩道を照らし、日本の祭りを彷彿させる出来となったんだ。

 そして、両サイドの屋台の間で両国の騎士獣人さん達も浴衣を着て寛ぎ、屋台の店主の皆さんの威勢の良い呼び声と笑い声と共に軽快なバックミュージックも加わり、ウキウキとした気分にさせてくれる。

 その雰囲気に、満足した俺も自慢気に頷くけど……

 「だろ?……でもさ、俺を抱き上げているとヴァル楽しめないだろ?俺、自分で歩くよ?」

 「俺がトオヤから離れたくないんだ。……駄目か?」

 ヴァレリーにキュウ?と喉を鳴らされて、頬をスリッとされて、駄目と言える人が居るだろうか?俺には無理だ……!

 それに、浴衣を着たヴァレリーのフサフサの胸元にスリスリできる機会を俺が逃すわけもなく、二人でイチャイチャしていると後ろからディグラン様の声が聞こえて来たんだ。

 「おい、コラ。そこのバカップル。場所をわきまえろ」

 振り向くと、黒の唐獅子模様を着こなす粋なライオン獣人がそこに……!

 「ディグラン様、ジャンボ焼きイカお持ちしました。……って団長じゃないですか。よく祝勝会の最中に戻って来れましたね」

 粋なディグラン様の後ろから紺と白のしじら織がしっくりくる、黒虎のスタッグさんが焼きイカを持って歩いてくると、二人から目が離せなくなった俺。

 うおお!二人とも似合う!!!少し着崩した感じが、またワイルド!

 二人の姿に悶える俺の表情を見て「また始まった……」とため息と共に呆れるヴァレリー。

 うん、禁止しないあたりが、俺の性格をよくご存知で嬉しいですよ?ヴァレリーさん。

 また胸があったかくなって、キュッとヴァレリーの首筋に抱きつきつつ、ふと思う。

 「そういえばディグラン様、スタッグさん。今回の祝勝会、どうでした?」

 「ああ、コレは面白いな。それに食べ物の種類が多いし、遊びも多いのには驚いたぞ」

 「ディグラン様は射的に夢中になってましたね。何せ景品が全部凄いですよ。まさか一眼レフカメラがあるとは……!」

 「ああ、アレは逃せなかった……!でもスタッグも即座にウィスキー3本を撃ち落としていたよな」

 「当然です。缶ビール一ケースの方は牙狼部隊に取られましたけどね。次の射的屋台の開催時間には間に合わせますよ!」

 イカ焼きに食いつきながら楽しそうに語るディグラン様と、本気で酒狙いにいっているスタッグさんの姿にホッとする。

 実は食べ物の屋台の他に、豪華景品の射的、ビンゴ、謎解き宝探しと、広場でアニメの放映もしているんだ。

 ん?異世界で何を見せているのかって?それは、身体は子供、頭脳は大人の国民的アニメだな。晋さんがコレにしようって言いだしたんだ。

 「映画版なら手間がなくて良いだろ?それにウチのスタッフのおススメがあってさ」

 そう言って何を流すか聞いてなかったから、ディグラン様達と一緒に広場に向かって歩いて行く。

 「ステーキ串は喰いごたえあるぞ?」
 「貝の姿焼きもまた美味しかったですよね」
 「スタッグが枡で飲む日本酒にハマって動かないのには参ったがな」
 「仕方ないですよ。つまみの干しホタテがコレまた絶品で、飲み食いが止まらなかったんですから!それに、ディグラン様もらーめん屋台の味、全種類制覇してたじゃないですか」
 「あれは美味かった。しかも餃子とビールの組み合わせが最高でな」

 広場へ行く道中、歩き喰いをしたり、ディグラン様とスタッグさんのおススメを聞いたり、ヴァレリーの足がチョコバナナで止まったりと、時間かけて移動してたどり着いた会場広場。

 先に来ていたカレッド殿下と晋さんを見つけて、全員で声をかけに向かった時ーーーー

 「うおおおお!」「やっちまったー!」「不味い……!」「おいおいおい……!」「うわー、後二人しかいねえ!」

 会場広場に広がる、悲鳴とも言える叫びの数々。カレッド殿下もグッと力を入れて魅入っていた為、俺達が近づいたのに気付いたのは晋さんだった。

 「お?トオヤ、解放されるの早かったな?」

 「晋さんこそ早いじゃん。というか、おススメって人口知能の方舟との対決かぁ」

 「まあな、っていうか黙って見てろって。面白いぜ?」

 晋さんがスクリーンを指差すと、丁度ヒロインが暴走列車から殺人犯を道連れに身を投げたところだったらしい。

 そして主人公が諦めかけた時は……

 「諦めんな!」
 「仲間の命を預かっているだろうが!」
 「まだもう一人残っている!」
 「まだ手はあるはずだ!」

 と熱く声援を送る両国の騎士達。そして、お助けキャラの登場に一瞬場が湧くも、真剣に悩み出す観客席。

 「何言ってんだ、アイツ?」
 「助けるどころか謎増やしやがった」
 「血まみれって何だ?」
 「!!わかった!赤ワインじゃね?」
 「どこに赤ワインがあるんだよ?」

 なんてワイワイ好き勝手に言い始める騎士達に、ニヤニヤ顔の晋さん。

 そして本当に赤ワインだった時、立ち上がり喜ぶ狼獣人に「わかったから座れ!」「見えん!」と野次やゴミを投げる観客達。

 その後、たまたま白と青のしじら織を着ていた推理を当てた狼獣人に、「やるなぁ」と持っていた赤ワインを溢れる程注ぎ、一気飲みをさせる虎獣人さんが現れる等、俺は観客席を見ていた方が面白かった。

 そして最終局面を乗り越えて、アニメの中の現実世界で子供達が助かった時の場面になった時には、「うおおおおおおお!」と本気で喜ぶ騎士達。

 そしてエンディング曲が流れ最後のオチが終わった時、しばらく席から離れず映画について話しあっていたのは、晋さんも嬉しそうだった。

 まあ、アレって俺達の世界では賛否両論の激しかった作品だからなあ。でも先入観のない獣人達にとっては良かったんだろうな。

 なんて思いながら、ヴァレリーにフライドポテトを食べさせながら楽しんだ広場を後にして、今日の本命へと俺とヴァレリーは二人だけで移動したんだ。

 ヴァレリーが喜んでくれたらいいな、と思いながら……

 ーーーーーー

 本当に有言実行できなくて失礼しました。
 うん、ストック無しで一日に二回更新は私には無理でした……!
 反省し、コツコツやっていきます。←……多分。

 さて、リクエストも含めた今回の話。アクションシーンが多い作品じゃなく、個人的な好みで決めたのでコレじゃない感ありましたかね?でも個人的には楽しみました(^^)←実は景品をかけた宝探しコーナーにも反映させようとしてたんですけどね。ちょっと嵌められなかったんです…!(残念)

さてさて、次回はトオヤがヴァレリーに用意したご褒美回です。明日の夕方更新になります。アクセスしてくだされば嬉しいです!
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