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シンさんと『宮殿』。
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目の前に広がる中庭には中央に大きな噴水があり、まっすぐ宮殿に向かう石畳の通路周りを配置よく木々や花が植えられ、さながらここは……
「凄え、これ某仏国の宮殿じゃね……?」
「あ、シンさん正解!此処それをベースに作られたらしいんだ。俺一度は行ってみたいと思って調べていたから、どうやらギフトに反映されたみたい」
「あ!それ俺も一緒だな。温泉が好きでなあ。そしたらギフトで温泉もらって、やってみたら温泉施設付きだったからなぁ」
「うわ、もしかして……転移して早々、温泉入りました?」
「当たり!俺、ラノベ良く読んでてさあ、ステータスっつったら、温泉ってあるじゃん。来てすぐ出して、ゆったり温泉入ってたら、カレッド達が俺を迎えに来たわけ」
「シンさん、凄え……その度胸……!」
「俺ピッチピチの17歳だったし」
「うーわ……何にも羨ましくないわ」
って、失礼。誰と話しているんだって思うよな。
今、俺と話しているシンさん事、河田 晋(カワタ シン)さん29歳は、カレッド殿下の番で日本からの転移者。俺より少し背の高い175cmで、黒髪黒目のイケメンさんだ。
さっきカレッド殿下に連れられて来て会ったばかりなのに、同じ日本人って事ですぐに意気投合して、一緒に俺のギフトの中を歩いているとこなんだ。
「ぶっちゃけ、晋さん獣人に驚きませんでした?」
「いや、俺むしろ興奮してたわ。獣人きたあああ!って」
「あ、同じですね!俺の場合はケモナーでしたから、めっちゃ触りたかったですもん」
「うわ、なに手ワキワキしてんだよ……引くわ」
「いや、これくらいで引かんで下さい。ってか、俺の場合このおかげでヴァレリーの番だってすぐ受け入れたんですけど、晋さんはどうやってカレッド殿下の番って受け入れたんです?」
「俺?人間ってさ、この世界生き辛いだろ?誰かのマーキング必要なら、大事にしてくれる奴が良いって思ったからなぁ」
「うわ、柔軟すぎ」
「速攻で堕ちたお前が言うな」
なんて俺と晋さんが歩きながらじゃれあっていたら、後ろでは……
「ヴァレリーよ……!人間同士のじゃれあいとは、あんなに可愛いものなのか……!」
「カレッド殿下……!全くもって同感です!トオヤが更に可愛く見えます」
「いや、シンも可愛さが溢れている……!」
「いや、トオヤの方が!」「シンの方だろうが!」
なんて言い合いしていたのを、スタッグさんとラクーンさんに止められていたとか……何やってんだよ、ヴァル。
まあ、そんなこんなで、なっっがーい中庭を抜けてようやく宮殿に着いた俺達一行。漢字の八をちょっと伸ばした感じの宮殿は、左翼棟と中央棟と右翼棟があるんだ。
因みに、騎士達が止まっている左翼棟だけで客室数3百もあるんだぜ。各部屋には、大型ベッドとソファーとクローゼット、個室トイレとシャワー付きの豪華版だし。
勿論、騎士さん達は一人一部屋使って優雅に過ごしている。朝は一階の舞踏会でも開くのかっていう煌びやかな大食堂もあるし、料理の苦手な人達が多い騎士さん達は大喜びだ。
で、中央棟は……
「はああああ?これウチの王宮より豪華だろ……!」
「あ、晋さんも王宮住まいなんだ。俺もそうだけど、ほらこの宮殿のベースで誰が住んでいたか思い出して」
「ああ……パンがなければお菓子を食べれば良いじゃない、の人が住んでたっけか……納得」
「おい!シン!なんだそのおかしな奴は!王家の風上にも置けん!」
「あーハイハイ。カレッドは知らなくて良いからな」
「何?」
ちょっとムッとした表情のカレッド殿下は、ぐいっとシンさんを抱き寄せ顎クイをすると……
「シンよ。連れない事を言うな。愛しいお前の全てを知りたいと思っている俺は、その言葉が辛い……!本当に、俺には話せない事なのか?」
カレッド殿下はキューンと喉を鳴らし、ヘショっと耳を伏せて、晋さんの頬に頬を合わせてスリスリしている。この姿には俺の胸の方がキューンとなり、「はぅっ!」とまたもや変な言葉が口から出てしまった。で、ため息を吐いたヴァレリーに抱き上げられました。
当の晋さんと言えば……
「馬鹿だなぁ、カレッド。俺がお前に話せない事なんてある訳ないだろう?しっかり教えてやるよ。夜に……な?」
「ああ、シン……!俺の最愛、唯一の伴侶よ……!」
むしろカレッド殿下の首に腕を回してキスをする熱々振り。そんでもってカレッド殿下の本気のキスが始まったもんだから、正直困った。
「あーあー……すいませんねぇ、ウチのバカップルが。これが始まると長いから、何処か部屋を貸してくれませんか?」
申し訳なさそうにラクーンさんが、俺に頼み込んできたけど……確かにカレッド殿下が晋さんの服をぬがそうとしている辺りヤバい……!
すると、この中央棟に配置されている執事獣人(わざわざ犬獣人になって出て来た)が、スッと俺達より先に動き、近くの部屋へと二人を案内して行った。うむ、やはり出来るな……!このギフト。
「あー……ラクーンさん、この中央棟案内しましょうか?」
なんとなく微妙な雰囲気を紛らわせたくて、残されたラクーンさんに提案する俺。
「いやあ、ちょっと場違い感が半端ないですよ。むしろ騎士達が言ってた場所?泳ぐとか携帯食とかが気になりますね」
「ああ、右翼棟のことですね。じゃ、そっち行きましょうか。どうせディグラン様もスタッグさんもそっちに用がありますし」
という事で全員で移動して来ました!右翼棟!
「えーと……?此処は大広間見たいだけど」
ラクーンさんが戸惑うのも当然だろう。此処はいわば俺のギフトが集約された場所。
1000人は収容出来るであろう大空間の大広間。勿論、シャンデリアや絨毯、家具は高級感漂う宮殿の名に相応しい物ばかりだけど……
「いろんな種類の入り口や扉があるんだけど……?」
ラクーンさんがいうように、その壁には各種様々な扉、自動ドアだったり、テーマパークの入り口のようなスライドドアだったり、木目調のドアだったりと違和感満載。
そこを楽しそうに出入りしている騎士さん達が抱えているのは、お菓子だったり、家電だったり、服だったり、アウトドア用品だったりと様々。
そうなんだ!俺の召喚出来る店舗が、宮殿に勢ぞろいしているんだよ!これには、騎士さん達始めディグラン様も大喜び。
「ほお。今日もまた、ほぼ全員が此処に来ているみたいだな」
「ディグラン様。そりゃそうですよ。俺や騎士達は遠征の間しかトオヤ様のギフトに入れないんですから。って事で、俺はビッカーカメラ行って来ます」
「お、スタッグはそっちか。トオヤ、俺は今日は温泉でゆったりするわ」
「あ、はい。ディグラン様一人で大丈夫ですか?」
「俺は慣れたもんよ。それより、そこの間抜けな表情のクレッシェルド国団長の接待任せるぞ」
「あ、はい(……どうせスタッフがつくから俺要らないだろうけど)」
楽しそうに騎士達の中に一人入っていくディグラン様を見て、慌て出すラクーンさん。
「ちょちょ!王太子一人にして大丈夫なんですか⁉︎ 自国の騎士だけとはいえ、危険はあるだろうし!」
「ラクーン。トオヤのギフトの中は、悪意のある奴は入って来れない。万が一、内部で悪意が芽生えようとも、その時点で強制送還される仕組みだ」
「は?何その万能感。シンさんの能力超えまくっているじゃないか……!」
「凄いだろう?ウチのトオヤは」
驚くラクーンさんの姿に、おヒゲピン、耳ピクピク、尻尾ピーンの自慢気なヴァレリーが可愛くて、俺はまたスリスリと顔を首筋に当てる。
「あー!団長、若い奴らにそのトオヤさんの姿は目に毒ですよ!」
「此処より中央棟に戻った方がいいですって」
「あ、でもスパ・リゾート『宮』でもいいよなぁ」
「とりあえずビッカーカメラのカフェにでも行って下さいよ」
「あ、でも、団長!『ケーキのクガ』で季節のスイーツやってましたよ?」
「それより、野営で使えそうなものまた見つけたんですけど……!」
それを見ていた騎士さん達がワヤワヤと集まって来て、ラクーンさんを見つけると……
「お!クレッシェルド国団長さん!俺案内するっすよ?」
「ああ、いいな!俺も俺も!」
「ばーか。トオヤさんのギフトがこんなスペシャルゲストを放って置くかよ」
なんて、もはや常連のような口振りの騎士さん達。そして当然、俺や騎士さんの予想通りに、犬獣人に扮したスタッフがラクーンさんの側にスッと現れ、お辞儀をしてスマートにラクーンさんを連れ出したんだよ。
俺も行こうか?と聞いたら「ヴァレリーに恨まれるから」と笑ってスタッフと共に歩き出すラクーンさん。
だから、俺とヴァレリーは結局いつも通り二人で過ごしたけどさ……
「頼む!また来れるようにさせてくれ!」(カレッド)
「何ここ!地球のもの揃ってるじゃん!」(晋)
「時間が時間が足りない……!」(ラクーン)
翌朝、3人に詰め寄られた俺。今回の俺は王家の依頼で来ている為、ディグラン様に助けを目で訴えたんだけどさ。
「瘴気の渦が消えたらな」
と、正論を言うディグラン様。
どうやらこの3人、クレッシェルド国側から何回も迎えに来てたのを無視して心配させてたらしいからなぁ。
仕方ないけど、晋さんだけ後でこっそり許可貰おうかな。
「凄え、これ某仏国の宮殿じゃね……?」
「あ、シンさん正解!此処それをベースに作られたらしいんだ。俺一度は行ってみたいと思って調べていたから、どうやらギフトに反映されたみたい」
「あ!それ俺も一緒だな。温泉が好きでなあ。そしたらギフトで温泉もらって、やってみたら温泉施設付きだったからなぁ」
「うわ、もしかして……転移して早々、温泉入りました?」
「当たり!俺、ラノベ良く読んでてさあ、ステータスっつったら、温泉ってあるじゃん。来てすぐ出して、ゆったり温泉入ってたら、カレッド達が俺を迎えに来たわけ」
「シンさん、凄え……その度胸……!」
「俺ピッチピチの17歳だったし」
「うーわ……何にも羨ましくないわ」
って、失礼。誰と話しているんだって思うよな。
今、俺と話しているシンさん事、河田 晋(カワタ シン)さん29歳は、カレッド殿下の番で日本からの転移者。俺より少し背の高い175cmで、黒髪黒目のイケメンさんだ。
さっきカレッド殿下に連れられて来て会ったばかりなのに、同じ日本人って事ですぐに意気投合して、一緒に俺のギフトの中を歩いているとこなんだ。
「ぶっちゃけ、晋さん獣人に驚きませんでした?」
「いや、俺むしろ興奮してたわ。獣人きたあああ!って」
「あ、同じですね!俺の場合はケモナーでしたから、めっちゃ触りたかったですもん」
「うわ、なに手ワキワキしてんだよ……引くわ」
「いや、これくらいで引かんで下さい。ってか、俺の場合このおかげでヴァレリーの番だってすぐ受け入れたんですけど、晋さんはどうやってカレッド殿下の番って受け入れたんです?」
「俺?人間ってさ、この世界生き辛いだろ?誰かのマーキング必要なら、大事にしてくれる奴が良いって思ったからなぁ」
「うわ、柔軟すぎ」
「速攻で堕ちたお前が言うな」
なんて俺と晋さんが歩きながらじゃれあっていたら、後ろでは……
「ヴァレリーよ……!人間同士のじゃれあいとは、あんなに可愛いものなのか……!」
「カレッド殿下……!全くもって同感です!トオヤが更に可愛く見えます」
「いや、シンも可愛さが溢れている……!」
「いや、トオヤの方が!」「シンの方だろうが!」
なんて言い合いしていたのを、スタッグさんとラクーンさんに止められていたとか……何やってんだよ、ヴァル。
まあ、そんなこんなで、なっっがーい中庭を抜けてようやく宮殿に着いた俺達一行。漢字の八をちょっと伸ばした感じの宮殿は、左翼棟と中央棟と右翼棟があるんだ。
因みに、騎士達が止まっている左翼棟だけで客室数3百もあるんだぜ。各部屋には、大型ベッドとソファーとクローゼット、個室トイレとシャワー付きの豪華版だし。
勿論、騎士さん達は一人一部屋使って優雅に過ごしている。朝は一階の舞踏会でも開くのかっていう煌びやかな大食堂もあるし、料理の苦手な人達が多い騎士さん達は大喜びだ。
で、中央棟は……
「はああああ?これウチの王宮より豪華だろ……!」
「あ、晋さんも王宮住まいなんだ。俺もそうだけど、ほらこの宮殿のベースで誰が住んでいたか思い出して」
「ああ……パンがなければお菓子を食べれば良いじゃない、の人が住んでたっけか……納得」
「おい!シン!なんだそのおかしな奴は!王家の風上にも置けん!」
「あーハイハイ。カレッドは知らなくて良いからな」
「何?」
ちょっとムッとした表情のカレッド殿下は、ぐいっとシンさんを抱き寄せ顎クイをすると……
「シンよ。連れない事を言うな。愛しいお前の全てを知りたいと思っている俺は、その言葉が辛い……!本当に、俺には話せない事なのか?」
カレッド殿下はキューンと喉を鳴らし、ヘショっと耳を伏せて、晋さんの頬に頬を合わせてスリスリしている。この姿には俺の胸の方がキューンとなり、「はぅっ!」とまたもや変な言葉が口から出てしまった。で、ため息を吐いたヴァレリーに抱き上げられました。
当の晋さんと言えば……
「馬鹿だなぁ、カレッド。俺がお前に話せない事なんてある訳ないだろう?しっかり教えてやるよ。夜に……な?」
「ああ、シン……!俺の最愛、唯一の伴侶よ……!」
むしろカレッド殿下の首に腕を回してキスをする熱々振り。そんでもってカレッド殿下の本気のキスが始まったもんだから、正直困った。
「あーあー……すいませんねぇ、ウチのバカップルが。これが始まると長いから、何処か部屋を貸してくれませんか?」
申し訳なさそうにラクーンさんが、俺に頼み込んできたけど……確かにカレッド殿下が晋さんの服をぬがそうとしている辺りヤバい……!
すると、この中央棟に配置されている執事獣人(わざわざ犬獣人になって出て来た)が、スッと俺達より先に動き、近くの部屋へと二人を案内して行った。うむ、やはり出来るな……!このギフト。
「あー……ラクーンさん、この中央棟案内しましょうか?」
なんとなく微妙な雰囲気を紛らわせたくて、残されたラクーンさんに提案する俺。
「いやあ、ちょっと場違い感が半端ないですよ。むしろ騎士達が言ってた場所?泳ぐとか携帯食とかが気になりますね」
「ああ、右翼棟のことですね。じゃ、そっち行きましょうか。どうせディグラン様もスタッグさんもそっちに用がありますし」
という事で全員で移動して来ました!右翼棟!
「えーと……?此処は大広間見たいだけど」
ラクーンさんが戸惑うのも当然だろう。此処はいわば俺のギフトが集約された場所。
1000人は収容出来るであろう大空間の大広間。勿論、シャンデリアや絨毯、家具は高級感漂う宮殿の名に相応しい物ばかりだけど……
「いろんな種類の入り口や扉があるんだけど……?」
ラクーンさんがいうように、その壁には各種様々な扉、自動ドアだったり、テーマパークの入り口のようなスライドドアだったり、木目調のドアだったりと違和感満載。
そこを楽しそうに出入りしている騎士さん達が抱えているのは、お菓子だったり、家電だったり、服だったり、アウトドア用品だったりと様々。
そうなんだ!俺の召喚出来る店舗が、宮殿に勢ぞろいしているんだよ!これには、騎士さん達始めディグラン様も大喜び。
「ほお。今日もまた、ほぼ全員が此処に来ているみたいだな」
「ディグラン様。そりゃそうですよ。俺や騎士達は遠征の間しかトオヤ様のギフトに入れないんですから。って事で、俺はビッカーカメラ行って来ます」
「お、スタッグはそっちか。トオヤ、俺は今日は温泉でゆったりするわ」
「あ、はい。ディグラン様一人で大丈夫ですか?」
「俺は慣れたもんよ。それより、そこの間抜けな表情のクレッシェルド国団長の接待任せるぞ」
「あ、はい(……どうせスタッフがつくから俺要らないだろうけど)」
楽しそうに騎士達の中に一人入っていくディグラン様を見て、慌て出すラクーンさん。
「ちょちょ!王太子一人にして大丈夫なんですか⁉︎ 自国の騎士だけとはいえ、危険はあるだろうし!」
「ラクーン。トオヤのギフトの中は、悪意のある奴は入って来れない。万が一、内部で悪意が芽生えようとも、その時点で強制送還される仕組みだ」
「は?何その万能感。シンさんの能力超えまくっているじゃないか……!」
「凄いだろう?ウチのトオヤは」
驚くラクーンさんの姿に、おヒゲピン、耳ピクピク、尻尾ピーンの自慢気なヴァレリーが可愛くて、俺はまたスリスリと顔を首筋に当てる。
「あー!団長、若い奴らにそのトオヤさんの姿は目に毒ですよ!」
「此処より中央棟に戻った方がいいですって」
「あ、でもスパ・リゾート『宮』でもいいよなぁ」
「とりあえずビッカーカメラのカフェにでも行って下さいよ」
「あ、でも、団長!『ケーキのクガ』で季節のスイーツやってましたよ?」
「それより、野営で使えそうなものまた見つけたんですけど……!」
それを見ていた騎士さん達がワヤワヤと集まって来て、ラクーンさんを見つけると……
「お!クレッシェルド国団長さん!俺案内するっすよ?」
「ああ、いいな!俺も俺も!」
「ばーか。トオヤさんのギフトがこんなスペシャルゲストを放って置くかよ」
なんて、もはや常連のような口振りの騎士さん達。そして当然、俺や騎士さんの予想通りに、犬獣人に扮したスタッフがラクーンさんの側にスッと現れ、お辞儀をしてスマートにラクーンさんを連れ出したんだよ。
俺も行こうか?と聞いたら「ヴァレリーに恨まれるから」と笑ってスタッフと共に歩き出すラクーンさん。
だから、俺とヴァレリーは結局いつも通り二人で過ごしたけどさ……
「頼む!また来れるようにさせてくれ!」(カレッド)
「何ここ!地球のもの揃ってるじゃん!」(晋)
「時間が時間が足りない……!」(ラクーン)
翌朝、3人に詰め寄られた俺。今回の俺は王家の依頼で来ている為、ディグラン様に助けを目で訴えたんだけどさ。
「瘴気の渦が消えたらな」
と、正論を言うディグラン様。
どうやらこの3人、クレッシェルド国側から何回も迎えに来てたのを無視して心配させてたらしいからなぁ。
仕方ないけど、晋さんだけ後でこっそり許可貰おうかな。
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