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謁見と初めての…… *

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 「クックック……そうか。ディグランまでマリッサの説教を受けたか……!」

 「獣人に好印象なトオヤの態度を見て、後に回していたのが仇になりました……」

 「それは珍しく判断を間違えたな、ディグラン。で、『番の証明』を強行しようとしていた、ヴァレリー騎士団長?良かったではないか。マリッサのおかげで、招かれ人から本当の意味で許可が出たのだろう?」

 「ハッ!初めての番と言う存在に少々事を急いてしまいましたが、愛しいトオヤの寛大さから改めて言葉を貰い、出来れば早くお暇させて頂きとうございます」

 「……相変わらず、お前(ヴァレリー)は我をなんと思っているのやら?我が二人の承認をして初めて番の証明は成り立つのだぞ?」

 「ええ、ですから王よ。お早く願います」

 ……ヴァレリーってば、王様の前でも強気な姿勢崩さないのか……!

 そう、ようやく俺とヴァレリーとディグラン様は、王の間にて謁見中。かなり遅れたけど、マリッサのおかげで、王様お妃様のお怒りもなく進行中なんだ。いや、良かった良かった。

 ん?なんで俺一人話してないかって?それは、俺のいつもの悪い癖が出ている訳で……

 なんて!なんて……!迫力のあるライオン様なんだ!これぞ百獣の王の貫禄……!そして艶のあるフッサフサの鬣……!これは跪く気持ちがわかる!

 ついでに言えば、その毛皮も是非触らせて欲しいけど……

 「まあ、あの冷徹な騎士団長が惚れ込むのもわかりますわ!なんて、可愛い方なのでしょう……!」

 いえ、可愛いのは貴方(王妃様)です……!!だって小顔だし、小さくて可愛い!(とは言え、俺くらいはありそう)それに毛並み艶っ々だし、俺が思うに、王妃様オセロットの獣人さんじゃね?あの豹柄でイエネコ顔は絶対だ!……さ、触りたい……!!

 まあ、こんな感じで真面目な表情の下で葛藤中の俺。ちょっと、横からヴァレリーの視線も感じないでもないけど。

 なんて思っている俺の前では、王様が仲の良さを見せつけてきている。

 「……可愛いのは王妃よ、其方の方であろう?しかし、獣人にとっては番こそが唯一の愛しい存在。余りこう言うと、騎士団長が黙ってはおるまい」

 「当然でございます。トオヤの可愛いさは底なしでございますから」

 ……ヴァレリーも負けてないのが、居た堪れないけど。

 「うふふ、ならば『番の証明』をそろそろ行いませんか?愛しい貴方(王よ)」

 「そうだな、私の妃よ。色々招かれ人殿の情報が入って居るが、それを確かめさせてもらうのは、事が落ち着いてからにしよう」

 何やら今後画策をしていそうな王様が片手を上げると、奥から石板と丸い水晶が台に乗せられて、神官らしい獣人が俺たちの前に持って来てくれたんだ。

 神官の獣人が何かをするのか?と思っていたら、王様が玉座から降りて俺達の前まで歩いて来たんだ。

 威厳っていうのはこうもわかるんだな、なんてちょっと近づく王様の迫力に圧倒されたけどさ。

 王様は水晶の前まで来て立ち止まり、俺とヴァレリーに立つ事を許可し、俺達は同時に立ち上がる。(あ、さっきまで跪いていたんだ)

 すると、周りでザワザワしていた声がピタッと止まり、王様が良く通る声で話しだした。ん?俺を見てる?

 「さて、招かれ人トオヤよ。よくぞ、我がセレリオ国に降りて来てくれた。其方が願った通り、これからの人生をヴァレリー・ベルシェンドの番として、我が国セレリオ国の国民として生きる事を誓ってくれるか?」

 「はい、誓います」

 結婚式みたいだな、と思いながら俺が決意を伝えると、フッと優しく笑った王様。うおおお!格好良い!

 「さて、……我を睨むでない、ヴァレリーよ。不可抗力だ」

 あ、やべ。王様を見る俺の目がキラキラしていたらしく、ヴァレリーの機嫌が低下してら。……王を睨んじゃ駄目だろ。

 「……コホン。ではヴァレリー・ベルシェンドよ。招かれ人トオヤ・クガを生涯の伴侶とし、守り抜く事を誓うか?」

 「我が命にかけて誓います」

 「ふむ、では二人の手をコレへ」

 王に促されて目の前の水晶に二人同時に手を置くと、不思議な事に石板に俺達の名が記されたんだ。そして、スッと石板の文字が吸い込まれるように消えていったのを見届けた王様が、声を上げて宣言した。

 「これにて、招かれ人トオヤは我が国民、ヴァレリー騎士団長の番として登録された!以後、招かれ人を煩わすものがいれば、王家に敵対する事になる!」

 貫禄のある声が王座の間に響き、王の間に居た廷臣達や騎士達から一斉に拍手と歓声が上がる。

 ……そっか、王家が俺の後ろ盾になるのか。うん、ギフトの事もあるし、色々助かるな。

 なんて改めて感謝していたら、ヒョイッとヴァレリーに抱き上げられる俺。え?王の前で何してんの?

 「では、王よ。これより退室をさせて頂きます」

 「ああ、わかっておる。まずは招かれ人の身に存分にお前の存在を刻むが良い」

 「御意」

 ……ん?ヴァレリーの存在を刻む?俺の身体に?……って、うえええ!もう事に及ぶんかい!

 スタスタと扉へ向かうヴァレリーの後ろ姿と、俺の焦った表情を見ていたディグラン様と王様が、こんな会話をしていたのはその時の俺の耳には入ってこなかったけどさぁ……

 「ところでディグラン。ヴァレリーは何日休暇申請をしていたのだ?」

 「……二週間です。でも最初1ヶ月を申請してきました、あの馬鹿。雪豹の1日の回数は多いってのに……」

 「まあ、そう簡単に番の身体は壊れないと思うが……しかし、今回の招かれ人の『番の証明』は最速だったな」

 「そういえば、前回の招かれ人は何日かかったんです?」

 「確か半月で根負けしたと言っていたな。まぁ、王宮で保護して居るとはいえ、番無しの状態は厳しく奴の求愛も重かったからな」

 「あらぁ。今回は会ってまだ2日目でしたわよね?なんて素敵なの!!」

 「お前との出会いとは比べものにならんよ」

 「うふふ、そうですわね」

 「ハイハイ、子の前で惚気ないで下さいよ。夫婦仲良くて結構ですが、そう言う事は自室でお願いします」

 なんて王族の親睦があったとか。これをあの時聞いていたら、俺正直逃げてたわ……逃げきれなかったとは思うけど。

 ◇
 
 ……さて。そんな俺と言えば、また部屋に連れてこられてからメイドさん達に捕まっている。

 「さあ、気合いを入れて磨き上げますわよ!」
 「ふふふ、大丈夫ですわ。隅から隅まで綺麗にして差し上げます」
 「騎士団長様を驚かせましょう!」
 「腕がなるわぁ!」

 ……もはや何も言うまい。俺は諦めて抵抗もせずにされるがままだったが、この時ほど食事を先にしといて良かったと思う。メイドさん達は、この後の事態を予測していたんだろうなぁ(恥ずい……)

 因みに、ヴァレリーも用意された部屋に戻って、伝達やら仕事の最終調整をしているらしい。

 この時は呑気に騎士団長も大変だなぁ、って思ってたけどさ。

 メイドさん達に風呂とオイルマッサージを再び念入りにされ、俺の尻の穴に洗浄ボール(腸内を綺麗にする小さな魔導具/使い切り型)を入れられた時には、流石に抵抗したさ……いや、必要な事は頭ではわかるが……(かなり恥ずかしかった)

 しかし、メイドさん達による試練は、コレで終わりではなかったんだ……!

 「コレ……なんですか?」

 いや、わかる、わかるぞ……!男なら夢だよな!っていうか、この世界にあったんかい!(怒り)

 「あら?コレは先代の招かれ人様が教えて下さったのですよ?確かあちらでは常識だとか?」

 うおおおおい!何してんだ!先代の!しかも種類がいっぱいありやがる!!

 「何がトオヤ様に似合うかしら?」
 「あら、コレは?」(やめてくれ!紐のTバックは!)
 「ふふ、可愛くする方がいいですわ」(俺に何を認めているんだ!ピンクのフリフリのスケスケなんぞ!)
 「あら攻めるならこちらでなくて?」(なんで紐から離れない……!乳首と前しか隠してねえじゃん……!)

 メイドさん達との攻防?に、いっそ、潔く素っ裸で!と言った俺の案も通る事なくーーー

 「トオヤ?」

 はい、遂にヴァレリー登場!メイドさん達はとっっくに部屋から退去してますよ!(ヤケ)

 俺?今シーツに包まって隠れています。

 「トオヤ、顔を見せてくれないか?」

 めっちゃ甘い声でヴァレリーが俺に近づいてくる。

 くっそお!逃げきれないなら腹を括るまで!

 「あのさ、ヴァレリー。……笑わないでくれよ?」

 「ん?トオヤ何で身体を隠している?」

 「……っ」

 男は度胸!見ているのはヴァレリーだけだ!

 パラリ……とシーツをベッドに落として、メイドさん力作の俺の姿をヴァレリーの前に晒したんだ。

 フリルの乳首ブラジャーと白の際どいTバック姿の俺をな!!

 「あのさ……どうしても断れなくて……」
 
 そう言ってヴァレリーを見上げると、ヴァレリーはラフな白シャツ(前はかなり開いている)と黒のスラックスという格好だっただけに、恥ずかしくて思わず身体を手で隠してしまった俺。



 ……………………アレ?反応が無い?



 そろそろとヴァレリーを見ると、目の瞳孔が開いてフーフーと息が荒くなっていらっしゃる。

 「ああ、トオヤ……!なんて綺麗なんだ……!隠さないでもっと見せてくれ」

 ギシッとベッドに乗ってきたヴァレリーに、思わず後退りする俺。だって、声は甘いけど顔は獲物を捕らえた猛獣の顔しているんだもんよ!

 ……でもそれが良くなかった。結局後ろに手をついて足を膝立ちさせている俺は、いわばご開帳しているようなものだ。

 「あ、あのヴァレリー?俺、初めてだからな?」

 「ああ、当然だ。ああ、トオヤ……生涯大事にする」

 なんか言葉と表情があってないんですけどーー!

 あっさりベッドの上で追い詰められた俺は、ヴァレリーに優しくキスをされ………る訳もなく、荒々しく口元を舐められ、大きな舌で口内を蹂躙される。

 「んっ、はっ、ヴァ、ヴァル……!」

 気がつけば俺は押し倒され、激しくキスされ喘いでいた。その間もヴァレリーの手が布の上から乳首を捉えて、器用に撫で始めるじゃないか……!

 乳首なんて感じないのに……!って思っていると、段々と舐め回すヴァレリーの舌が首筋から胸に降り、乳首に降りてくると、ザラつく舌で乳輪から乳首から丹念に舐め回してきた。

 「んっ、ちょっ、ヴァル!くすぐったいってぇ、あうっ!」

 そのまま両乳首を舐め回しながら、ヴァレリーの不埒な手は布の上から俺の陰茎を扱き始める。……これには最近ご無沙汰だった俺は、ヴァレリーの頭を掴み喘ぎ声をあげるしかない。

 「あっ、そこっ、ンっ、ちょっ、と、待っ、てえ」

 正直コレが俺の声か?と疑いたくなる鼻にかかった声だったが、……布の上からがもどかしい……!

 「ヴァッル……!直接ッ触ってぇっ……!」

 荒い息を吐きながら頼み込むと、グルル……と喉を鳴らすヴァレリーの手が本格的に俺をイカせるために動き出した。

 「ああっ、うんっ……!ヴァルッ!ヴァルッ!」

 絶妙な手の動きに、感じすぎた俺はあっという間にイカされたんだ。吐き出した白濁で汚れたTバックに、イッた直後の恍惚とした俺のあられも無い姿に、ようやく服を脱ぎ出したヴァレリー。

 「絶景だな……ずっと見ていたいが、俺も限界だ……!さあ、トオヤ……これからが本番だからな?」

 そう言ってスラックスから昂ったヴァレリー自身を取り出して、口を舐める姿に、やっぱり猛獣なんだよなぁ……と思った俺。

 そんな俺は、この後獣人のセックスに翻弄され続ける事になる。
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