19 / 38
猫科の皆さん、水は平気ですか?
しおりを挟む
あの後、話しをなんとか逸らす事に成功!……ふう、まいったぜ。
ん?ヴァレリーの膝には乗りっぱなしだぞ?それはそれ、もふもふはもふもふだ。
で、その状態で聞き出したのは、院長先生のお悩み……ではなくて孤児院のお風呂状況。いつもはタライに水やお湯を入れてタオルで拭くだけという、簡単なものだった。
「意外……!王家がバックに居るから、お風呂あると思ってたけど」
「トオヤ様。お風呂に入れるのは基本貴族だけですわ。それにウチの職員には、イエーナをはじめイエネコ種が多くいますし……」
院長先生が言うには、何故かイエネコ種だけは先天的に水が苦手だそうで、職員や孤児達もイエネコ種が多い為取り付けてないらしい。
「えーと、イエーナさん。もし、今お風呂に入れるとしたら……?」
「!!(ガタガタブルブル……!)」
「あ、その、マッサージやケアはどうですか?」
「!(ほっ……)それなら是非!」
「成る程」
そりゃそうか……!人間、それもとりわけ日本人が風呂好きなだけであって、全ての種族が風呂が好きとはいえないもんなぁ。さて、どうするか……?
ステータスウィンドウを出して、スパ・リゾート『宮』をタップしようとしていた俺。うーん、と唸っていたらステータスウィンドウからパラリ……と現れた一枚のチラシ。
なんだと思って手に取ってみると、そこにはスパ・リゾート『宮』の概要と様々なコースや特集全身エステコースの概要がついているじゃねえか!
……おい、遂に宣伝までするようになったのか……!俺のギフトよ……!
なんて思ってチラシを広げている俺の手元を覗きこむヴァレリーが、気になるコースを見つけたらしい。
「ほう……!『番限定!個室露天風呂パック』は良いな。『高級個室で存分に番と愛を深めましょう!』とは。ふむ!」
なんともヴァレリーらしい選択。……そういや、ヴァレリーやスタッグさん達はお風呂平気だったよなぁ。
そう思ってヴァレリーに聞いてみたら、猫科の大型種は平気らしいんだ。因みにスナドリネコ種やヤマネコ種は大丈夫だってさ(院長先生談)
そしていつの間にか、ヴァレリーからチラシを受け取ったメイドさん達。
「あら?うぉーたーぱーく?水遊びが好きな子供達が好きそうですわ」
「まあ!『貴方の美を追求する露天エステコース』って素敵ですわ!」
「まあ!『スウィーツ宮』のスウィーツ本日全品半額ですって!」
「きゃあ!『ビュッフェレストラン・宮』で銀貨1枚で食べ放題ですって!それに、スタッグ様!見て下さいませ!『ドリンクバーにてワイン貯蔵庫解禁!貴方のお好きなワインを見つけて下さいませ』ですって!」
「ぬ!見せてくれ!……うおっ、『仕事にお疲れの貴方を応援!温泉と飲み比べツアーパック銀貨二枚』!!!こ、これは!」
「スタッグ様、私にもよろしいですか?……まあ!『お得な団体割引実地中!初回割限定、先着一組50名様までお一人銅貨3枚でフリーパス券(エステ/ウォーターパーク/ビュッフェレストラン『宮』一日使い放題)を販売』!!!!イエーナ!」
「ええ、院長先生!皆を起こして来ますわ!」
「あ、イエーナ!今大人子供合わせて42名で宜しいですわね!」
「まあ、全員一度に出かけられるなんて!」
「「「「「「「トオヤ様!」」」」」」」
おおう……!順繰りにチラシが回って行ったと思いきや、みんな目がキラッと光って俺に頼み込んできたよ……!
「ええと……全員で行きましょうか」
「「「「「「ええ!」」」」」」「「おお!」」
まあ、元々連れていく気だったから良いけど、決定してから動きの速い事速い事。
院長先生やスタッグさんやウチのメイドさん達も手伝い、不思議がる子供達や職員さんを丸めこみ、整列させて食堂に待機させることおよそ30分(半々刻っていうのか?)。
俺はヴァレリーにずっと抱かれた状態で待機。そして食堂に移動した現在も、ヴァレリーに縦抱っこされております。孤児院の全員に俺がヴァレリーの番だと認知させる為だってさ。
うん、ずっとヴァレリーをモフれるから大歓迎だ!……まあ、孤児院の年長さんには刺激が強いので、ある程度は我慢してるけどさ。
「皆さん、準備いいですか~?出しますよー?」
俺の間抜けな声に、子供より大人がいい返事をかえしてくるのは気にしないようにしよう。子供達は不思議そうな顔で大人を見上げているからなぁ。(しかし、可愛い!)
そして俺の声を合図として食堂の壁に召喚されたのは、椰子の木がレリーフとして刻まれた大型スイングドア(熱感知開閉式)。
驚きの大歓声が食堂に響く中、まずは慣れた俺達が先陣を切って入って行くと……そこはまるで常夏の島!
照りつける暑さに立派な椰子の木。空気が香水のように程よく甘く俺達を包み込み、スチールギターをベースにしたウクレレミュージックが俺達を歓迎してくれる。
そしてキョロキョロと子供達や職員さん達が戸惑う中、この施設の獣人型スタッフさん達(AI搭載)が歓迎に出て来てくれた。
「ようこそ!スパ・リゾート『宮』へ!皆さんに夢のような一日へご案内致します!」
ーーーーーーーーーーーー
すみません!忙しくて短めですm(__)m明日はもっと長めに更新予定です( ̄▽ ̄;)タブン……
ん?ヴァレリーの膝には乗りっぱなしだぞ?それはそれ、もふもふはもふもふだ。
で、その状態で聞き出したのは、院長先生のお悩み……ではなくて孤児院のお風呂状況。いつもはタライに水やお湯を入れてタオルで拭くだけという、簡単なものだった。
「意外……!王家がバックに居るから、お風呂あると思ってたけど」
「トオヤ様。お風呂に入れるのは基本貴族だけですわ。それにウチの職員には、イエーナをはじめイエネコ種が多くいますし……」
院長先生が言うには、何故かイエネコ種だけは先天的に水が苦手だそうで、職員や孤児達もイエネコ種が多い為取り付けてないらしい。
「えーと、イエーナさん。もし、今お風呂に入れるとしたら……?」
「!!(ガタガタブルブル……!)」
「あ、その、マッサージやケアはどうですか?」
「!(ほっ……)それなら是非!」
「成る程」
そりゃそうか……!人間、それもとりわけ日本人が風呂好きなだけであって、全ての種族が風呂が好きとはいえないもんなぁ。さて、どうするか……?
ステータスウィンドウを出して、スパ・リゾート『宮』をタップしようとしていた俺。うーん、と唸っていたらステータスウィンドウからパラリ……と現れた一枚のチラシ。
なんだと思って手に取ってみると、そこにはスパ・リゾート『宮』の概要と様々なコースや特集全身エステコースの概要がついているじゃねえか!
……おい、遂に宣伝までするようになったのか……!俺のギフトよ……!
なんて思ってチラシを広げている俺の手元を覗きこむヴァレリーが、気になるコースを見つけたらしい。
「ほう……!『番限定!個室露天風呂パック』は良いな。『高級個室で存分に番と愛を深めましょう!』とは。ふむ!」
なんともヴァレリーらしい選択。……そういや、ヴァレリーやスタッグさん達はお風呂平気だったよなぁ。
そう思ってヴァレリーに聞いてみたら、猫科の大型種は平気らしいんだ。因みにスナドリネコ種やヤマネコ種は大丈夫だってさ(院長先生談)
そしていつの間にか、ヴァレリーからチラシを受け取ったメイドさん達。
「あら?うぉーたーぱーく?水遊びが好きな子供達が好きそうですわ」
「まあ!『貴方の美を追求する露天エステコース』って素敵ですわ!」
「まあ!『スウィーツ宮』のスウィーツ本日全品半額ですって!」
「きゃあ!『ビュッフェレストラン・宮』で銀貨1枚で食べ放題ですって!それに、スタッグ様!見て下さいませ!『ドリンクバーにてワイン貯蔵庫解禁!貴方のお好きなワインを見つけて下さいませ』ですって!」
「ぬ!見せてくれ!……うおっ、『仕事にお疲れの貴方を応援!温泉と飲み比べツアーパック銀貨二枚』!!!こ、これは!」
「スタッグ様、私にもよろしいですか?……まあ!『お得な団体割引実地中!初回割限定、先着一組50名様までお一人銅貨3枚でフリーパス券(エステ/ウォーターパーク/ビュッフェレストラン『宮』一日使い放題)を販売』!!!!イエーナ!」
「ええ、院長先生!皆を起こして来ますわ!」
「あ、イエーナ!今大人子供合わせて42名で宜しいですわね!」
「まあ、全員一度に出かけられるなんて!」
「「「「「「「トオヤ様!」」」」」」」
おおう……!順繰りにチラシが回って行ったと思いきや、みんな目がキラッと光って俺に頼み込んできたよ……!
「ええと……全員で行きましょうか」
「「「「「「ええ!」」」」」」「「おお!」」
まあ、元々連れていく気だったから良いけど、決定してから動きの速い事速い事。
院長先生やスタッグさんやウチのメイドさん達も手伝い、不思議がる子供達や職員さんを丸めこみ、整列させて食堂に待機させることおよそ30分(半々刻っていうのか?)。
俺はヴァレリーにずっと抱かれた状態で待機。そして食堂に移動した現在も、ヴァレリーに縦抱っこされております。孤児院の全員に俺がヴァレリーの番だと認知させる為だってさ。
うん、ずっとヴァレリーをモフれるから大歓迎だ!……まあ、孤児院の年長さんには刺激が強いので、ある程度は我慢してるけどさ。
「皆さん、準備いいですか~?出しますよー?」
俺の間抜けな声に、子供より大人がいい返事をかえしてくるのは気にしないようにしよう。子供達は不思議そうな顔で大人を見上げているからなぁ。(しかし、可愛い!)
そして俺の声を合図として食堂の壁に召喚されたのは、椰子の木がレリーフとして刻まれた大型スイングドア(熱感知開閉式)。
驚きの大歓声が食堂に響く中、まずは慣れた俺達が先陣を切って入って行くと……そこはまるで常夏の島!
照りつける暑さに立派な椰子の木。空気が香水のように程よく甘く俺達を包み込み、スチールギターをベースにしたウクレレミュージックが俺達を歓迎してくれる。
そしてキョロキョロと子供達や職員さん達が戸惑う中、この施設の獣人型スタッフさん達(AI搭載)が歓迎に出て来てくれた。
「ようこそ!スパ・リゾート『宮』へ!皆さんに夢のような一日へご案内致します!」
ーーーーーーーーーーーー
すみません!忙しくて短めですm(__)m明日はもっと長めに更新予定です( ̄▽ ̄;)タブン……
955
お気に入りに追加
1,805
あなたにおすすめの小説
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 独自設定、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!
天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。
なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____
過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定
要所要所シリアスが入ります。
異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!
鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。
この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。
界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。
そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。
ブラッドフォード卿のお気に召すままに~~腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する~~
ゆうきぼし/優輝星
BL
異世界転移BL。浄化のため召喚された異世界人は二人だった。腹黒宰相と呼ばれるブラッドフォード卿は、モブ扱いのイブキを手元に置く。それは自分の手駒の一つとして利用するためだった。だが、イブキの可愛さと優しさに触れ溺愛していく。しかもイブキには何やら不思議なチカラがあるようで……。
*マークはR回。(後半になります)
・ご都合主義のなーろっぱです。
・攻めは頭の回転が速い魔力強の超人ですがちょっぴりダメンズなところあり。そんな彼の癒しとなるのが受けです。癖のありそうな脇役あり。どうぞよろしくお願いします。
腹黒宰相×獣医の卵(モフモフ癒やし手)
・イラストは青城硝子先生です。
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる