上 下
11 / 38

蜜月って甘くねえ……! *

しおりを挟む
 俺は、ちゃんと言った筈……初めてだって……!

 「んっ、あっああっ、そこっ、駄目っ、だってっ!」

 「ああ、ここが気持ちいいのか。大丈夫だ、もっと気持ち良くなれ……!」

 「んあああっ!」

 ……正直、この状態だと挿入しているって思うだろ?
 信じられるか?未だ俺、未開通なんだぜ……?

 現在腰を高く上げた状態で、ジュボジュボと俺のアナルを出し入れしているのはヴァレリーの舌。俺の身体でヴァレリーに舐められていない箇所はないほど、ヴァレリーに執拗に舐められているんだ。

 「あ、ああっ、ヴァルっ、ヴァルっ!」

 「堪らないな……!だが、まだ狭い……」

 キュポンと舌をアナルから離し、親指を入れて確かめるも、まだだというヴァレリーに俺自身もイキ過ぎて辛い。

 ……頼む、できれば早く突っ込んでくれ……!

 ありとあらゆるところを舐められても、股を広げたり、足を持ち上げられて、アナルや陰茎をじっくり見られるのは恥ずかしいんだって……!

 「あ、あうっ!んん“っ、摘むなってぇっ!ああんっ、そこも駄目っ、だっ!」

 それに、この短時間でヴァレリーは俺の身体を開発しまくっているため、乳首はぽってりして美味しく膨れ上がり、俺のアナルも性感帯を見つけられて、性器と化して来ているんだ。

 片手で乳首をコリコリしながら、もう片方の手で前立腺を押してくるヴァレリーに、俺は喘ぐばかり。

 でもな。幾ら惚けた状態の俺だって、ヴァレリーがまだ達してないのは覚えているんだ。男なら昂ったままの辛さはわかる……!

 そしてこの時の俺は、ヴァレリーを早くイカせないと……としか考えられなかったんだよ……!

 だから、俺の乳首を弄っているヴァレリーの手をぎゅっと掴み、なんとか振り向いてお願いしたんだ。

 「んっ!ヴァル……ヴァルも…俺でイッて……?」

 そう言ったら、グウウっと喉を鳴らしたヴァレリーは、俺に足を閉じさせて後ろから体重をかけてきたんだ。同時に足の付け根の間からは、ニュルっとヴァレリー自身が飛び出してきた。

 「う、んっ!あ、ヴァル!俺は、いいって!」

 「ツレない事を。一緒に気持ち良くなろう?」

 ヴァレリーは自身の太くて長い陰茎を出し入れを開始し、俺自身も扱き上げてきたんだ。

 「あっ、あ、ああっ、あ、んっ!」

 「トオヤ……!トオヤ……!」

 段々と荒い腰使いになり、肌とヴァレリーの腰がぶつかりだす。ヴァレリー自身からの先走りあり、グチュッグチュッと卑猥な音とベッドの軋む音が響く中……

 「あ、ああああっっ……!」

 やっぱり先に達したのは俺だったが、更に激しく動き出したヴァレリーによって余韻に浸る暇も無い。

 「んっ!あ、あんっ!ヴァル……!ヴァルっ!」

 休む間も無く与えられる快感と刺激に喘ぎつつも、ヴァレリーから散々開発されたアナルも疼き出して何とももどかしい。

 「トオヤッ……!」

 そんな中、ヴァレリーがようやく一回達してくれた。

 達する寸前、俺のアナルにヴァレリー自身を擦り付けて、熱い白濁を俺にぶっかけるヴァレリー。直前までヒクヒク物欲しそうにしていたアナルの中にも、ヴァレリーの熱い精液が入ってきているのが分かり、ようやくイッてくれたとホッとする俺。

 ……少し休める、か……?

 なんて思っていた俺は甘かった、と言っておこう。

 「え?あうっ、ん!待って、あっ!うん“っ、……っ!」

 体勢を今度は正常位にされ、グチュグチュとヴァレリーの指が精液を潤滑剤にしてアナルを広げていく。

 俺の苦情はヴァレリーの舌によって止められ、舌を絡ませ、口内を舐め回しながら、快感を与えられていく。

 ……息苦しいけど、キスしながら指でイイところ攻められるの気持ちいい……!

 夢中になってヴァレリーにしがみついていると、ジュポッと指が抜かれ、代わりに熱くて硬いものが俺のアナルに当てられた。

 「トオヤ、ちょっと苦しいかも知れないが……」

 未だ俺を気遣い遠慮するヴァレリーが可愛くて、俺はヴァレリーの首に抱きつき、ずっと触りたかったヴァレリーの耳をハムハムと咥えながら、耳元で懇願したんだ。

 「ん、大丈夫……!ヴァレリー、……ヴァルを俺にちょうだい?」

 俺の言葉にグルルッと喉を鳴らし、ズプッと俺の中に入ってきたヴァレリー自身。

 「んあ”っ!ああああっっ!」

 「クッ、まだキツイ……!だがもう限界だ……!」

 ズプププ……とヴァレリー自身を奥に進ませながらも、労わるように俺の顔を舐め回すヴァレリー。

 「あ“ぐっ……!あ”あっ、あああ……!」

 ズプププッとヴァレリーの全てが入る頃には、俺の締め付けがキツイのか「グウゥ」と辛そうに声を上げるも、俺が苦しい息遣いをしているのを見て、動かず待っていてくれたんだ。

 ……結構、クルけど……もっとガツガツきても良いのに……!

 俺を優先してくれるヴァレリーにも気持ち良くなって貰いたくて、俺はヴァレリーの腰に足をかけ、自ら腰を揺らす。

 「んっ、あっ!んん“っ……!あっ、ん!……ヴァル、も来て?」
 
 この言葉と俺の行動で、理性という糸がプツッと切れたらしいヴァル。「ガルル……!」と唸り声を上げ、俺の名を呼び腰を激しく使い出したんだ。

 「あ”っ、お“っ、ん”っあ、ああっ!あ、あっ!」

 「トオヤ!トオヤ!俺の、もの、だ!」

 圧迫感と快感が一挙に押し寄せてきた俺は、もはやヴァレリーのなすがまま。しかも……

 「あ!ああんっ!そこっ、ばっか、攻め、るなぁっ!」

 腰使いが上手いのか、ピンポイントで俺の良いところを突き上げてくるんだ。そうなると、痛みより快感が先になって、俺はただ喘ぐだけしか出来ない。

 気がつくとヴァレリーと対面座位の状態で突き上げられて、ヴァレリーの濃密な舌によって上も蹂躙されていて、快感を与えられてられすぎていた俺は、この時何を言ったのかわからない。

 けれど、その言葉でヴァレリーは2回目の吐精をしたらしい。今度は俺の中にたっぷり精を吐き出した。

 ……初めてがこんなに激しくなるなんて、聞いてない……

 俺はヴァレリーに寄りかかって息を整えようとするも、ヴァレリー自身は俺の中で何故か昂ったまま。

 ……嘘だろ⁉︎まだ続くのか?

 そう思ったこの時の俺は、まだまだ甘かった。後日メイドさんに聞いたが、豹の獣人は1日のセックス回数は最低約7回という強者。セックスはねちっこくて長いと定評があるらしい。

 それが、騎士団長で身体も鍛えているヴァレリーなら……

 「うあっ、あ、ああっ!ま、だっ、やる、のっ⁉︎」

 「ああ、トオヤを愛し尽くすには、まだまだっ、足りない!」

 俺の片足を肩にかけてズチュズチュと腰を打ちつけるヴァレリーは、2回達したくらいじゃ疲れる筈がない。

 喘ぎながらも、俺は出来るだけ早くヴァレリーに達してもらえるために言葉を尽くす。

 「ヴァルっ、愛っ、してる!からぁっ!(休ませて)」

 「お願いっ!はっ、やく、ちょうだいっ!(だから終わって)」

 「ああんっ!ヴァルっ!気持ちっ、よく、なってぇっ!(はやくイケ!)」

 「もうっ、駄目ぇっ!あ”うっ、あっ、あん!(いい加減にしろ!)」

 ……皆さん、わかるだろうか?俺の言葉のチョイスが間違っている事を。そして、何故か俺もヴァレリーの体力についていけることを。

 後日、俺はマリッサに聞いて驚愕した。

 「あら?招かれ人の身体は、獣人との愛の行為に十二分についていける身体になっているって、ご説明致しませんでしたかしら?」

 ……道理でなかなか意識を失わない訳だよ……!と納得したのは、二週間後。

 その間、それはもう俺は愛された。食べるのも、風呂に入るのも全て、ヴァレリーが世話をしてくれるが、挿入されたままだったり、すぐに行為に及ぶ為お互い服を着ないで過ごしていたり。

 そう、この期間で唯一俺の癒しになったのは、ヴァレリーのもふもふを堪能出来たこと。勿論、ブラッシングをさせて貰ったさ!

 途中で俺の乳首やら俺自身にちょっかい出されて、最後までできなかったけどさ……

 それは、風呂でも同様。俺がヴァレリーを洗ってやるって言っても、不埒なヴァレリーの手が俺の尻を揉み出し、アナルを綺麗にしよう、と俺に指を挿入してくるんだ。

 正直、堪能するより喘がせられた気がするが……

 怒涛の二週間が終わり、ヴァレリーが仕事を復帰して初めて解放された俺は、しばらくベッドの住人となっていた。

 そして聞いた衝撃の言葉……!

 「え!メイドさん達、隣の部屋で待機してたの?」

 「ええ、勿論ですわ。シーツの交換はタイミングを図り、お部屋やお風呂の掃除はトオヤさまが寝ている間に行いましたし、食事の用意も勿論タイミングよくさせて頂きましたもの」
 「ふふ、お熱い期間でしたわね」
 「この分だとお子も授かるのも早いかも知れませんわ」
 「まあ、素敵!トオヤ様とヴァレリー様のお子でしたら、絶対可愛いですもの!」

 堂々と覗きをされていた事が判明し、俺は羞恥で死にそうになったのは言うまでもない……
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 独自設定、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?

寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。 ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの高校一年生。 ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。 その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。 そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。 それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。 女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。 BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の主人公への好感度がバグレベルで上がっていくということ。 このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう! 男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!? 溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中

risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。 任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。 快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。 アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——? 24000字程度の短編です。 ※BL(ボーイズラブ)作品です。 この作品は小説家になろうさんでも公開します。

【完結】もふもふ獣人転生

  *  
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。 本編完結しました! おまけをちょこちょこ更新しています。 第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!

最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!

天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。 なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____ 過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定 要所要所シリアスが入ります。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

処理中です...