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王都に移動中。
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さて、しっかり朝ご飯を頂きましょう。人間も獣人も栄養たっぷり取らないと!食は身体(毛並み)を作るからな!
とはいえ……
「え?もう食べちゃったの?」
どうやら、みんなもう既にあの携帯食を食べてしまったらしい。うっ!朝ヴァレリーの毛並みを堪能し過ぎたか⁉︎
皆さんの毛艶改革が!と落ち込む俺にポンと頭に手を置いて慰めてくれるヴァレリーに、ちょっと癒された現金な俺。
ヴァレリーの手ってあったかいよなぁ。
そう思った俺は、無意識のうちにヴァレリーの手を両手で掴み、肉球に頬を擦り付けていたらしい。
「無意識でしょうか?あれ……」
「ヴァレリーも忍耐の時だな……」
スタッグさんとディグラン様の声にハッと正気に戻った俺だが、気がつくとヴァレリーに片手抱っこされていた。おお、景色が違って見えて面白い。
「……出発をもう1日伸ばしてくれ」
呑気な俺を抱き上げたまま、ヴァレリーはスタスタとリビングを出ようとしていたんだけどさ。
「いやいやいや!ヴァレリー!落ち着け!」
「団長!今は駄目ですって!しっかり手順踏まないと!」
ディグラン様とスタッグさんが、更に素早く周り込んでヴァレリーの動きを止めていたんだ。素早い動きに思わず拍手しちまったぜ。
そんな俺の様子にため息を吐く一同。なんだよ、仲良いな。
まあ結局、ヴァレリーはディグラン様から命令されて、ようやく俺を降ろしてくれた。いや、ちょっと残念とか思ってないぞ?
「クッ!この苦しみをみんな乗り越えてきたのか……!」
「いや、ヴァレリー。トオヤは別格だ」
「団長、天然って大変ですよね……」
膝をついて四つん這いになっているヴァレリーに、なんかディグラン様もスタッグさんも憐れみの目を向けているけど……
え?俺なんかしたっけ?
考えてもわからないから、とりあえず「元気出せよ」と俺もポンポンとヴァレリーの肩を叩いたら「「お前(トオヤさん)が言うな」」と二人に突っ込まれた。……解せぬ。
「トオヤ、朝食は馬車の中で食べてくれ。一刻も早く王都に連れて行かないと、ヴァレリーが流石に持たんだろう」
「え?何?ヴァレリー具合が悪いの?」
ここでお前のせいだと3人の思いが一つになったかどうかは定かじゃないが、何やらそんな目で訴えられたからなぁ。
よし!もふもふはしばらく見るだけで我慢だ!
◇
と決意したのは数分前。
「あの……?ヴァレリー??」
「どうした?トオヤ?」
どうしたもこうしたも……何故、馬車の中でも横抱きにされているのか??しかもガッチリ腰掴まれて動けねえ……
あ、そういえば馬車とは言ってるけど、正直当てはまる言葉がみつかんねえんだ。
なんせ、ホワホワの白い毛に包まれたフェザーラプラスって言う、いわば毛の生えた恐竜ラプトルが車体を引っ張っているんだ。
いんやぁ~この異世界、俺をどうしたいの?「ギャワ?」とか言って首傾げる可愛さよ……!!しかも懐っこいときたもんだ!そうなると、触りまくるだろ??
そしたら、気がつけば車体の中にヴァレリーと二人。しかもヴァレリーのお膝の上に、俺がちょこんといましたとさ。
ん?いつの間に車内に移動した?あ、出発するからか。
そうそう、ディグラン様やスタッグさん、他の騎士さんは、馬車?の横でフェザーラプラスに乗って移動しているぞ。
それと、キャンプ用品やらログハウスは、きっちり収納もしくは送還してきたぞ。
これ、ログハウス再召喚の時、購入した物がどうなっているのか検証も込めて、騎士団の一部荷物も一緒に送還したんだけどさ。
荷物万が一消えてたらどうすんの?ってヴァレリーに聞いたら、「万が一の時も、ログハウスを貸してくれるだろ?」だって。ええ、皆様の毛艶維持の為出させて頂きますとも!
って、話がズレた……
「いやいや、ヴァレリー。俺一人で座れるって」
「気にするな。トオヤの腰が持たんだろう?」
「ウッ……」
確かに…!フェザーラプラス君の車内は、結構揺れるんだ。現状ヴァレリーのお膝も硬いけど、もふもふがクッションになってちょっと助かっている。
しかも、嬉しい事に抱きつく理由も出来て、ちゃっかりヴァレリーの首のもふもふ堪能しているけどな。
「……ヴァレリーは重くないのか?」
「トオヤが重い訳がない。むしろ役得だ」
「……そっか」
……しかし、獣頭っていうのか?うん、まんま雪豹でも色気というか、めちゃくちゃ甘い表情はわかるんだな、と実感する俺。
いや、正直こっちが役得だが、俺、一般的な普通人だぞ?人間ってそんなに良く見えるもんかな?と思うんだが……まあ、気にしないでおこう。それより……
「なあ、ヴァレリー。王都までどこにもよらずに行くのか?」
「ああ、途中休憩を挟むだけだな。ん?どうした」
「んー、ちょっとみんなを労おうと思って。休憩時間はどんくらい?」
「大体、半刻(1時間)だな。……俺のトオヤは優しいな」
ヴァレリーが甘い空気を醸しだしながら、俺の頬を指で撫でてくるけど、どうもその雰囲気になれなくてムズムズする。
「ふふっ、ヴァレリー。くすぐったいって」
笑って誤魔化す俺に、ヴァレリーは「グウウ」と喉を鳴らし、更にぎゅっと抱きしめてきた。
「……王都まで長いな……」
「え?王都まで4刻だろ?結構近いじゃん」
「……道のりは険しいか……?」
「??」
俺の頭の上の疑問符がわかったのか、更に顔をスリスリするヴァレリー。おお!役得、役得♪
そんな感じで戯れあっていたら、あっという間に休憩所についたらしい。コンコンとノックと共にスタッグさんの声が聞こえてきた。
『団長、トオヤさん。着きましたよ』
「ほら、ヴァレリー着いたって」
「……わかった」
そう言いながらも、やっぱり俺を抱えながら外に出るヴァレリーに、もはや好きにさせようと諦め気味の俺。
だけど、俺達が外に出た途端に、スタッグさんの目が据わった気がしたんだよ。
「……団長。貴方、もう少し加減をしたらいかがでしょう?」
どうやら、俺を見てスタッグさんがヴァレリーに注意したらしい。んあ?そういえば、ヴァレリーに舐められ過ぎて服乱れてたな?
「ヴァレリー、……お前。後半の移動、俺と交換して欲しいか?」
ディグラン様まで俺の格好をみて、目が据わった気がする。ん?戯れ過ぎるなって事か?
「トオヤは当てにならんな」
「殿下、私も一緒に乗った方が良いでしょうかね?」
「スタッグ、番(トオヤ)との時間を邪魔してくれるな」
「ええ、ええ。貴方がもう少し忍耐強い方なら邪魔しませんよ」
「ヴァレリー、お前我慢できるのか?」
「グウ……」
なんて、また3人で何やら仲良く話出したから、俺はぴょんとヴァレリーから飛び降りて、準備をする事にしたんだ。
うん、今度は飯テロ行くぜ!(もふもふの為に!)
と、横で気合いを入れている俺の様子をみて、ヴァレリーの両肩にポンポンと手を置くディグラン様とスタッグさん。
今度はなんか憐れみの目で見られてんだけど……
まあ、気にせずやるか!
とはいえ……
「え?もう食べちゃったの?」
どうやら、みんなもう既にあの携帯食を食べてしまったらしい。うっ!朝ヴァレリーの毛並みを堪能し過ぎたか⁉︎
皆さんの毛艶改革が!と落ち込む俺にポンと頭に手を置いて慰めてくれるヴァレリーに、ちょっと癒された現金な俺。
ヴァレリーの手ってあったかいよなぁ。
そう思った俺は、無意識のうちにヴァレリーの手を両手で掴み、肉球に頬を擦り付けていたらしい。
「無意識でしょうか?あれ……」
「ヴァレリーも忍耐の時だな……」
スタッグさんとディグラン様の声にハッと正気に戻った俺だが、気がつくとヴァレリーに片手抱っこされていた。おお、景色が違って見えて面白い。
「……出発をもう1日伸ばしてくれ」
呑気な俺を抱き上げたまま、ヴァレリーはスタスタとリビングを出ようとしていたんだけどさ。
「いやいやいや!ヴァレリー!落ち着け!」
「団長!今は駄目ですって!しっかり手順踏まないと!」
ディグラン様とスタッグさんが、更に素早く周り込んでヴァレリーの動きを止めていたんだ。素早い動きに思わず拍手しちまったぜ。
そんな俺の様子にため息を吐く一同。なんだよ、仲良いな。
まあ結局、ヴァレリーはディグラン様から命令されて、ようやく俺を降ろしてくれた。いや、ちょっと残念とか思ってないぞ?
「クッ!この苦しみをみんな乗り越えてきたのか……!」
「いや、ヴァレリー。トオヤは別格だ」
「団長、天然って大変ですよね……」
膝をついて四つん這いになっているヴァレリーに、なんかディグラン様もスタッグさんも憐れみの目を向けているけど……
え?俺なんかしたっけ?
考えてもわからないから、とりあえず「元気出せよ」と俺もポンポンとヴァレリーの肩を叩いたら「「お前(トオヤさん)が言うな」」と二人に突っ込まれた。……解せぬ。
「トオヤ、朝食は馬車の中で食べてくれ。一刻も早く王都に連れて行かないと、ヴァレリーが流石に持たんだろう」
「え?何?ヴァレリー具合が悪いの?」
ここでお前のせいだと3人の思いが一つになったかどうかは定かじゃないが、何やらそんな目で訴えられたからなぁ。
よし!もふもふはしばらく見るだけで我慢だ!
◇
と決意したのは数分前。
「あの……?ヴァレリー??」
「どうした?トオヤ?」
どうしたもこうしたも……何故、馬車の中でも横抱きにされているのか??しかもガッチリ腰掴まれて動けねえ……
あ、そういえば馬車とは言ってるけど、正直当てはまる言葉がみつかんねえんだ。
なんせ、ホワホワの白い毛に包まれたフェザーラプラスって言う、いわば毛の生えた恐竜ラプトルが車体を引っ張っているんだ。
いんやぁ~この異世界、俺をどうしたいの?「ギャワ?」とか言って首傾げる可愛さよ……!!しかも懐っこいときたもんだ!そうなると、触りまくるだろ??
そしたら、気がつけば車体の中にヴァレリーと二人。しかもヴァレリーのお膝の上に、俺がちょこんといましたとさ。
ん?いつの間に車内に移動した?あ、出発するからか。
そうそう、ディグラン様やスタッグさん、他の騎士さんは、馬車?の横でフェザーラプラスに乗って移動しているぞ。
それと、キャンプ用品やらログハウスは、きっちり収納もしくは送還してきたぞ。
これ、ログハウス再召喚の時、購入した物がどうなっているのか検証も込めて、騎士団の一部荷物も一緒に送還したんだけどさ。
荷物万が一消えてたらどうすんの?ってヴァレリーに聞いたら、「万が一の時も、ログハウスを貸してくれるだろ?」だって。ええ、皆様の毛艶維持の為出させて頂きますとも!
って、話がズレた……
「いやいや、ヴァレリー。俺一人で座れるって」
「気にするな。トオヤの腰が持たんだろう?」
「ウッ……」
確かに…!フェザーラプラス君の車内は、結構揺れるんだ。現状ヴァレリーのお膝も硬いけど、もふもふがクッションになってちょっと助かっている。
しかも、嬉しい事に抱きつく理由も出来て、ちゃっかりヴァレリーの首のもふもふ堪能しているけどな。
「……ヴァレリーは重くないのか?」
「トオヤが重い訳がない。むしろ役得だ」
「……そっか」
……しかし、獣頭っていうのか?うん、まんま雪豹でも色気というか、めちゃくちゃ甘い表情はわかるんだな、と実感する俺。
いや、正直こっちが役得だが、俺、一般的な普通人だぞ?人間ってそんなに良く見えるもんかな?と思うんだが……まあ、気にしないでおこう。それより……
「なあ、ヴァレリー。王都までどこにもよらずに行くのか?」
「ああ、途中休憩を挟むだけだな。ん?どうした」
「んー、ちょっとみんなを労おうと思って。休憩時間はどんくらい?」
「大体、半刻(1時間)だな。……俺のトオヤは優しいな」
ヴァレリーが甘い空気を醸しだしながら、俺の頬を指で撫でてくるけど、どうもその雰囲気になれなくてムズムズする。
「ふふっ、ヴァレリー。くすぐったいって」
笑って誤魔化す俺に、ヴァレリーは「グウウ」と喉を鳴らし、更にぎゅっと抱きしめてきた。
「……王都まで長いな……」
「え?王都まで4刻だろ?結構近いじゃん」
「……道のりは険しいか……?」
「??」
俺の頭の上の疑問符がわかったのか、更に顔をスリスリするヴァレリー。おお!役得、役得♪
そんな感じで戯れあっていたら、あっという間に休憩所についたらしい。コンコンとノックと共にスタッグさんの声が聞こえてきた。
『団長、トオヤさん。着きましたよ』
「ほら、ヴァレリー着いたって」
「……わかった」
そう言いながらも、やっぱり俺を抱えながら外に出るヴァレリーに、もはや好きにさせようと諦め気味の俺。
だけど、俺達が外に出た途端に、スタッグさんの目が据わった気がしたんだよ。
「……団長。貴方、もう少し加減をしたらいかがでしょう?」
どうやら、俺を見てスタッグさんがヴァレリーに注意したらしい。んあ?そういえば、ヴァレリーに舐められ過ぎて服乱れてたな?
「ヴァレリー、……お前。後半の移動、俺と交換して欲しいか?」
ディグラン様まで俺の格好をみて、目が据わった気がする。ん?戯れ過ぎるなって事か?
「トオヤは当てにならんな」
「殿下、私も一緒に乗った方が良いでしょうかね?」
「スタッグ、番(トオヤ)との時間を邪魔してくれるな」
「ええ、ええ。貴方がもう少し忍耐強い方なら邪魔しませんよ」
「ヴァレリー、お前我慢できるのか?」
「グウ……」
なんて、また3人で何やら仲良く話出したから、俺はぴょんとヴァレリーから飛び降りて、準備をする事にしたんだ。
うん、今度は飯テロ行くぜ!(もふもふの為に!)
と、横で気合いを入れている俺の様子をみて、ヴァレリーの両肩にポンポンと手を置くディグラン様とスタッグさん。
今度はなんか憐れみの目で見られてんだけど……
まあ、気にせずやるか!
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