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本編
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傷の手当のために控室に下がる。しかし、決勝後に控室に下がるなどいつ以来だろうか…。
「おう、見事な戦いだった。しかし、意外だったな。そろそろ剣聖と呼ばれるお主がな」
「仕方がない。こういっては何だが最後の一撃に至るまでは不利ではなかった。あれに関しては運としか言いようがないな」
そう言って手元の剣を見る。最後の一撃がすべてだったと、あの瞬間に至っては私よりあ奴の方が上回っていたのだ。
「でも、どうしましょうか?まさか我ら騎士団が総出で警備隊員に負けたというのも…」
「ディーネよ。確かにそうだが、これを曲げるわけにはいくまい。お主は再戦すれば勝てるというか?」
「いやぁ…それはちょっと。さっきのあれを見ると私の時によく打たれなかったものだと」
「あれはあの時に思い付いたものだと思いますよ。奴の家でもあんな構えは見たことありませんから」
「うん?カイラスも知らない構えだったのか?」
「そもそも、ガイザル団長殿との戦いの突きからして見たことのない構えです」
「どこで覚えたんだろうね」
そうしているとガーランドがやってきた。律儀にもケガを心配してきてくれたらしい。これぐらいのケガなど慣れているのだが、手当が終わるまでは表彰式も始まらぬし、聞きたいことを聞いてしまおうと目配せする。
ギルバート殿の様子を見ようと控室に入ると話が弾んでいるようだった。思ったよりケガは軽そうだ。それにしても騎士団員たちはくつろいでいる感じだが、アルスたちはどうにも居心地の悪い感じだ。まあ、無理もないが。
「ギルバート殿、どうですか?」
手当を受けているギルバート殿に問いかける。
「ああ、特に問題はない。それよりも聞きたいことがあるのだがいいか?」
「ええ構いませんが?」
「ガイザルと戦った時の突きについてだが、カイラスに聞いても見たことがないというのだが…」
「ああ、あれですか。あれはティアナの突きを参考にしたものです」
「ティアナ…?」
「あいつの婚約者ですよ」
「ああ、観客席で応援していた令嬢だな。そんなに強いのか?」
「どうでしょうね。警備隊にはなんとか入れるでしょうが、騎士団となるとどうかと言うところだと思います。でも、突きに関してはかなりの腕前ですよ」
「ははは、これは参ったな。婚約者ができてやる気が上がっただけと思っていたら、技まで覚えるとは」
ギルバート殿もガイザル殿も大笑いしている。何がそんなに面白いのだろうか。
「ははっ、何はともあれおめでとうだガーランド。だが、次の勝負は俺も負けんぞ」
「ああ、カイラス。勿論だ」
そんな風に会話をしているとギルバート殿と会話して衛生兵が出ていく。どうやら手当も終わったようだ。
「それでは手当も終わったし出ていかんとな」
「順番どうします?」
「それはもちろん。勝者からだろう。勝ち残ったのは一人だが敗者は大勢いるからな」
ガイザル殿にそう言われては断ることもできず先頭を切って会場に戻ってゆく。後ろにはギルバート殿、ガイザル殿、カイラスと続いていく。会場の中心につくと一歩前に出るよう促される。その後ろにはギルバート殿が、残りの皆が一列に並ぶ。
「それでは準備もできましたので表彰式に移ります」
表彰式はあまり人が残らないと聞いていたがどうやらほとんどの観客が残っている様だ。頼むから帰ってくれとは言わなかったがそう言いたい気分だ。しばらくして数人が歩いてくる。国王陛下と王妃そして護衛だ。
「ただいまより騎士団戦トーナメントの表彰式を行います。まずは今回の各騎士の健闘を称え、国王陛下よりお言葉を頂きます」
「此度の騎士団戦に出場した騎士たちよ、ご苦労だった。そなたらの日ごろの成果、存分に私は見ることができて大変満足しておる。こうして観客も例年よりも多く残りさぞ見ごたえがあったと思う。さて、ここで長々と話をしていても仕方がない。観客たちも楽しみにしておる今大会の優勝者の感想を聞こうでは無いか」
そういうと陛下は壇上を降りてしまった。続いて上がるように促される。こういうことは苦手なのだがそうも言ってはいられない。
「では、今大会を制した王宮警備隊員ガーランドに上がってもらいましょう!」
言われた通りに上がると大きな歓声で迎えられる。手を振るように身振りで示されたので渋々ながら手を振る。しかし、途中でティアナの姿を見つけたのでそちらには心を込めて手を振る。
「それではこれから優勝者のガーランドに質問をして答えてもらいたいと思います。まずは、初めて出る騎士団戦でしたが、最初はどのようなお気持ちでしたでしょうか?」
「騎士団戦に出ること自体は光栄でしたが、これまで実績もない自分が出ると分かり緊張しました」
「では、戦う相手がいずれも団長でしたがそのことについては?」
「勝った自分が言うのは何ですが、皆さん素晴らしい腕をお持ちで、さすがは騎士団員をまとめられている方だと思いました」
「続いて、決勝ではそれまでと違い縦横無尽に動かれていましたが、何か作戦でも?」
「あれは…単純に押し負けていたので、捕まらないように動いただけですね」
「では、最後の決勝で勝てたのはどうしてでしょう?」
「そうですね…きっと運ですね…」
「運ですか?」
「今日より前でも後でも開催されていればきっと負けていたと思います。最後の技は追い詰められてふと出したものです。今すぐには再現できないでしょう。だからこそ、それを偶々思いつけた今日という日が運が良かったのだと思います」
「…なるほど運ですか。しかし、これにより新たな優勝者の名が刻まれることとなりました。その名は長くにわたって称えられることでしょう。最後に何か伝えられたいことはありますか?」
何かないかと言われ、ないと一瞬は思ったが頭に思い浮かんだことをそのまま言うことにした。
「今回出場するにあたってここまで真剣に、必死に取り組むことは最初は考えていませんでした。自分は警備隊ですし、特に何かのためにと思ってもいませんでした。ですが、観客の方はもちろんのこと自分の勝利を願ってくれる人のために剣を取ることにしました。私はこの負けられないという思いを抱かせてくれた人のために今後も剣を振るいたいと思います」
「ありがとうございます。皆様拍手を!優勝者ガーランドへのインタビューでした。続きましては国王陛下より今回の優勝者への褒章が与えられます」
壇上を去るときに歓声を受け、再度答えるように手を振る。それと入れ替わるようにまた陛下が登壇される。
「うむ、此度の優勝者ガーランドについては優勝杯とこれまで通り優勝賞金の金貨300枚、並びに本人が警備隊であることから騎士団への昇格を認める。昇格後の身分・配属については追って知らせるが、それとは別として爵位を授与する。現在は騎士爵であるが、この度の見事な試合を評価し今後も我が国に寄与すると認め、領地はないが子爵位を与えることとする!」
優勝の褒美が発表されると再び会場全体が歓声に包まれた。みんなが祝してくれているのが分かる。思いがけない褒美もあったがきっとティアナも喜んでくれるだろう。その後は出場者全体で観客席側をぐるりと回り退場した。
「おう、見事な戦いだった。しかし、意外だったな。そろそろ剣聖と呼ばれるお主がな」
「仕方がない。こういっては何だが最後の一撃に至るまでは不利ではなかった。あれに関しては運としか言いようがないな」
そう言って手元の剣を見る。最後の一撃がすべてだったと、あの瞬間に至っては私よりあ奴の方が上回っていたのだ。
「でも、どうしましょうか?まさか我ら騎士団が総出で警備隊員に負けたというのも…」
「ディーネよ。確かにそうだが、これを曲げるわけにはいくまい。お主は再戦すれば勝てるというか?」
「いやぁ…それはちょっと。さっきのあれを見ると私の時によく打たれなかったものだと」
「あれはあの時に思い付いたものだと思いますよ。奴の家でもあんな構えは見たことありませんから」
「うん?カイラスも知らない構えだったのか?」
「そもそも、ガイザル団長殿との戦いの突きからして見たことのない構えです」
「どこで覚えたんだろうね」
そうしているとガーランドがやってきた。律儀にもケガを心配してきてくれたらしい。これぐらいのケガなど慣れているのだが、手当が終わるまでは表彰式も始まらぬし、聞きたいことを聞いてしまおうと目配せする。
ギルバート殿の様子を見ようと控室に入ると話が弾んでいるようだった。思ったよりケガは軽そうだ。それにしても騎士団員たちはくつろいでいる感じだが、アルスたちはどうにも居心地の悪い感じだ。まあ、無理もないが。
「ギルバート殿、どうですか?」
手当を受けているギルバート殿に問いかける。
「ああ、特に問題はない。それよりも聞きたいことがあるのだがいいか?」
「ええ構いませんが?」
「ガイザルと戦った時の突きについてだが、カイラスに聞いても見たことがないというのだが…」
「ああ、あれですか。あれはティアナの突きを参考にしたものです」
「ティアナ…?」
「あいつの婚約者ですよ」
「ああ、観客席で応援していた令嬢だな。そんなに強いのか?」
「どうでしょうね。警備隊にはなんとか入れるでしょうが、騎士団となるとどうかと言うところだと思います。でも、突きに関してはかなりの腕前ですよ」
「ははは、これは参ったな。婚約者ができてやる気が上がっただけと思っていたら、技まで覚えるとは」
ギルバート殿もガイザル殿も大笑いしている。何がそんなに面白いのだろうか。
「ははっ、何はともあれおめでとうだガーランド。だが、次の勝負は俺も負けんぞ」
「ああ、カイラス。勿論だ」
そんな風に会話をしているとギルバート殿と会話して衛生兵が出ていく。どうやら手当も終わったようだ。
「それでは手当も終わったし出ていかんとな」
「順番どうします?」
「それはもちろん。勝者からだろう。勝ち残ったのは一人だが敗者は大勢いるからな」
ガイザル殿にそう言われては断ることもできず先頭を切って会場に戻ってゆく。後ろにはギルバート殿、ガイザル殿、カイラスと続いていく。会場の中心につくと一歩前に出るよう促される。その後ろにはギルバート殿が、残りの皆が一列に並ぶ。
「それでは準備もできましたので表彰式に移ります」
表彰式はあまり人が残らないと聞いていたがどうやらほとんどの観客が残っている様だ。頼むから帰ってくれとは言わなかったがそう言いたい気分だ。しばらくして数人が歩いてくる。国王陛下と王妃そして護衛だ。
「ただいまより騎士団戦トーナメントの表彰式を行います。まずは今回の各騎士の健闘を称え、国王陛下よりお言葉を頂きます」
「此度の騎士団戦に出場した騎士たちよ、ご苦労だった。そなたらの日ごろの成果、存分に私は見ることができて大変満足しておる。こうして観客も例年よりも多く残りさぞ見ごたえがあったと思う。さて、ここで長々と話をしていても仕方がない。観客たちも楽しみにしておる今大会の優勝者の感想を聞こうでは無いか」
そういうと陛下は壇上を降りてしまった。続いて上がるように促される。こういうことは苦手なのだがそうも言ってはいられない。
「では、今大会を制した王宮警備隊員ガーランドに上がってもらいましょう!」
言われた通りに上がると大きな歓声で迎えられる。手を振るように身振りで示されたので渋々ながら手を振る。しかし、途中でティアナの姿を見つけたのでそちらには心を込めて手を振る。
「それではこれから優勝者のガーランドに質問をして答えてもらいたいと思います。まずは、初めて出る騎士団戦でしたが、最初はどのようなお気持ちでしたでしょうか?」
「騎士団戦に出ること自体は光栄でしたが、これまで実績もない自分が出ると分かり緊張しました」
「では、戦う相手がいずれも団長でしたがそのことについては?」
「勝った自分が言うのは何ですが、皆さん素晴らしい腕をお持ちで、さすがは騎士団員をまとめられている方だと思いました」
「続いて、決勝ではそれまでと違い縦横無尽に動かれていましたが、何か作戦でも?」
「あれは…単純に押し負けていたので、捕まらないように動いただけですね」
「では、最後の決勝で勝てたのはどうしてでしょう?」
「そうですね…きっと運ですね…」
「運ですか?」
「今日より前でも後でも開催されていればきっと負けていたと思います。最後の技は追い詰められてふと出したものです。今すぐには再現できないでしょう。だからこそ、それを偶々思いつけた今日という日が運が良かったのだと思います」
「…なるほど運ですか。しかし、これにより新たな優勝者の名が刻まれることとなりました。その名は長くにわたって称えられることでしょう。最後に何か伝えられたいことはありますか?」
何かないかと言われ、ないと一瞬は思ったが頭に思い浮かんだことをそのまま言うことにした。
「今回出場するにあたってここまで真剣に、必死に取り組むことは最初は考えていませんでした。自分は警備隊ですし、特に何かのためにと思ってもいませんでした。ですが、観客の方はもちろんのこと自分の勝利を願ってくれる人のために剣を取ることにしました。私はこの負けられないという思いを抱かせてくれた人のために今後も剣を振るいたいと思います」
「ありがとうございます。皆様拍手を!優勝者ガーランドへのインタビューでした。続きましては国王陛下より今回の優勝者への褒章が与えられます」
壇上を去るときに歓声を受け、再度答えるように手を振る。それと入れ替わるようにまた陛下が登壇される。
「うむ、此度の優勝者ガーランドについては優勝杯とこれまで通り優勝賞金の金貨300枚、並びに本人が警備隊であることから騎士団への昇格を認める。昇格後の身分・配属については追って知らせるが、それとは別として爵位を授与する。現在は騎士爵であるが、この度の見事な試合を評価し今後も我が国に寄与すると認め、領地はないが子爵位を与えることとする!」
優勝の褒美が発表されると再び会場全体が歓声に包まれた。みんなが祝してくれているのが分かる。思いがけない褒美もあったがきっとティアナも喜んでくれるだろう。その後は出場者全体で観客席側をぐるりと回り退場した。
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