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1日目

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「それでは本当にもう大丈夫ですのね?」

「そうだといっているだろう?どうしたんだエディン。お前らしくもない」

「いえ。これまで、いくら言っても私の言うことなどには耳も傾けてくださらなかった殿下が、素直になられるなんて、信じきれなかったのですわ」

昨日あれだけ騒いでおいて、今日もさめざめと泣きながらエディンはそう話した。どうでもいいけどこれ不敬罪じゃないのか?

「では、もう大丈夫ですわね。学園に参りましょう!」

「エ、エディン様。殿下はまだ容体が…」

「そのようなことは私にもわかっています!ですが、この機会を逃して卒業できなかった時には、誰が責任を取るのですか?」

「そ、それは…」

「侍女たちとしては学園に行って何かあると困る。エディンとしては婚約者を卒業させられなかったという悪評が立つ。どちらも譲れないな」

「何を他人事のように言っているのですか殿下?さあ、参りましょう!」

学園のことなどろくに覚えていない俺からしたら行きたくはなかったが、いかんせんこの貧弱な体では抵抗できない。この世界の令嬢に力で劣るとか本当に大丈夫なのかこいつの体。ずるずると引っ張られるのも癪だし、歩いて馬車まで向かう。

「では、学園までご一緒いたしましょう!」

「ん?エディンは別に卒業できるんだろう?」

「それはそうですが…」

「まあ、いいか。お前がいてくれると心強い。他に大した知り合いもいないからな」

「はい!」

実際、目が覚めてからまともに会話したのエディンだけなんだよな。学園の知り合いといっても、遊び相手しか知らないし。流石に今の状況で付き合うわけにはいかないからな。


----

「さあ、着きましたわ」

「みたいだな。手を…」

「えっ、は、はい」

んん?何かおかしかったか?馬車から降りるときはこうするものだと思っていたが。手を差し伸べるのは間違ってるのか?いや、マナー系統はきちんとできるから間違ってないな。とりあえず学園には着いたし、行くとするか。

「おおっ、殿下!来られましたか。では、早速昨日の分も含めてやりますかな」

「先生、殿下は病み上がりです。少しは…」

「なりませんぞエディン様。これで学園を出たのかと笑われては王立学園の全卒業生に関わることですからな」

「そうだぞエディン。これまでサボっていた分、卒業までとはいえやらんとな」

「アーダン様…」

こうして始まった授業だったが、さっぱり分からん。そもそもこいつには基礎力がかけている。

「ちょっとストップ!今日は歴史にしてくれ」

「もう根を上げられたのですかな?」

「準備が必要なだけだ」

流石にいきなり魔法関連はキツイ。予備知識ゼロの前世経験役に立たない筆頭だ。帰りに本屋にでも寄ろう。何とか今日の分の授業をこなすと貴族向けの商店へと俺は消えていった。
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