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化粧が終わった後に、朝食を取りに下に降りる。おねえちゃんに順番逆じゃないですかときいたら、ちょっとかしこまった格好や、化粧したままの食事などの練習にもなるからとニケ様が言い出したことらしい。

「結構お茶会とかあるんですか?」

「ライザ様が出席されるかはわかりませんが、仮にも伯爵家ですからそれなりにありますよ」

「…」

聞かなかったことにしよう。私はそのまま椅子に座って、ニケ様とヴェイン様を待つ。2分後、2人とも来られたので私は席を立って挨拶をする。

「おはようございます、ニケ様、ヴェイン様」

「おはようライザ」

「ああ」

挨拶を終えたところで早速料理が運ばれてくる。

「ライザ、昨日はよく眠れたかしら?」

「は、はい。ちょっと疲れてたのか、あの後すぐ寝ちゃいました」

恥ずかしそうにうつむき加減でいう。こういう時って基本は『それが緊張してあんまり…』っていうとこだもんね。

「あら、それはよかったわ。慣れない環境に戸惑って寝れていないんじゃないかと心配していたのよ」

「眠るのは大丈夫そうですニケ様」

「そうそう、おまえがいちいちそんなことで緊張するなんてないよな」

「ヴェイン様…」

私はジトーッとヴェイン様に視線を合わせる。さすがにそこまで言われては引き下がれない。

「な、なんだよ。悪かった、悪かったからそんなに見るな…」

なぜだかわからないけれど、ヴェイン様は顔をそらしてあっちを向けという仕草をする。何かやっちゃったかな。

「あらあら、二人とも今日は出かけるのですからちゃんと食べないとだめですよ」

手が止まっていた私たちに、ニケ様が注意をする。見ればニケ様は会話中もさりげなく食べられていて、もうほとんど残っていなかった。私たちはと言うと半分も食べてない。

「すみません」

急がず落ち着いて、食べ始める。化粧をしているため汚れないように気を付けながらなのでちょっと時間がかかってしまう。確かにこれは練習が要りそうだ。

「おう、もうちょっと早く食えるだろ、急げよ」

何も知らないヴェイン様が急かしてくるけど、こっちの事情的にはこれ以上早くは食べられない。

「ライザ。殿方はこういう者たちばかりだからこそ、普段からの練習がものを言うのよ」

さすがはニケ様ためになる。ヴェイン様には後で覚えていろ~と思いながらも話をする余裕もないので、黙って食べる。

食事も終わり、いよいよ学園へ行くことになった。道すがらいろいろと学園について教えられる。

「今日は手続きだけですよねお母様?」

「何を言っているのヴェイン。どのクラスに入るかは実力を確認してからに決まっているでしょう?今日はライザの件を話した後は、ちゃんと編入に関してその資格があるかテストですよ」

「ええっ!」

私も初めて聞いた。テストあるんだ…ちゃんと受かるかな。

「ライザは大丈夫よ。私の授業もまじめに受けていたし、何よりその魔力があれば多少筆記が悪くてもなんともないわ。それよりも…」

ニケ様がちらりとヴェイン様に視線を向ける。

「ヴェインは才能からいえば、多くはないけど毎年いるLVなんだから、筆記も実技もきちんと取らないとライザとは別クラスね」

「なっ、そんなことにはなりません!」

「そうならないように頑張りなさい」

それ以降は学園がいつ頃から在って、どういう機関なのかを説明してもらった。もうすぐ設立300年を迎える名門中の名門校らしい。ほんとに私なんかが通っていいのかなあと思いつつ馬車に揺られて学園へと向かったのだった。

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