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新婚旅行編
幸せ者※
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明日は遊園地に行くのに、旅館に着いて早々体力を奪われた僕は今、ベッドの上で龍惺が買って来てくれた唐揚げを食べてる。
結局お食事処は閉まっちゃったみたいで、一度外に出て近くのお店で買って来てくれたらしい。一応女将さんには許可は取ったって言ってたからお咎めはないはず。
「それ食ったら露天風呂入るか」
「先入ってもいいよ? たぶんもう動けるし」
「ふらついて転んだらどうすんだ。俺が責任持って隅から隅まで綺麗に洗ってやるから」
「もうしないからね」
「分かってるよ」
降参するように両手を挙げる龍惺に本当かなと探るように見ると、苦笑しつつベッドの端に腰掛け手の甲で頬を撫でられる。ねだるみたいに口が開かれたから唐揚げを入れれば咀嚼しながら頷いた。
「うめぇな、これ」
「うん、お肉も柔らかくて食べやすい」
「詩月が作ったもんには敵わねぇけどな」
「そんな事ないよ」
「俺がどんだけお前に胃袋掴まれてると思ってんだ。もうちょい自信持てって」
「……ありがとう」
僕がマイナスな事を言うと、こうしていつもプラスに変えて甘やかしてくれる。龍惺の方が一つ年上ではあるけど、この甘やかしと包容力は桁違いだと思うんだ。おまけにイケメンだし、背が高くてスタイルもいいし、センスもいい。
それに、お仕事も出来てみんなに慕われてて…………あれ、こんなにも素敵な人が恋人って、僕ってもしかしなくてもすごく幸せ者なんじゃ……。
しかも何もかもが初めての……。
「ん?」
じっと顔を見ていると気付いた龍惺が首を傾げる。僕は唐揚げの空箱をゴミ袋に入れて布団から出ると、這って傍まで行き彼の首に抱き着いた。
すぐに大きな手が頭を撫でてくれる。
「どした?」
「龍惺はすごいなぁって」
「何だそれ」
耳元で吐息が笑い腰を引かれて膝に横向きで乗せられる。シャツ以外は下着しか身に着けてないから素足なんだけど、龍惺の手に太腿をサワサワと撫でられて擽ったい。
というか、そんな触り方をされるとムズムズしてくるんだけど……。
「俺はお前の方がすげぇっていつも思ってるけどな」
「龍惺の方が出来る事たくさんあるのに?」
「俺のはやろうと思えば誰でも出来んだよ。でもお前が俺にしてくれる事はお前にしか出来ねぇから。だから詩月の方がすげぇよ」
龍惺の言葉は魔法みたいに僕の心を暖かくしてくれる。
僕が龍惺に何をしてあげられてるかは分からないけど、それでも龍惺が喜んでくれる事が出来てるならすごく嬉しい。
……あ、どうしよう。もうしないって言ったのに、今すっごくイチャイチャしたい気分。
「好きだよ、龍惺」
「ん、俺も………っ…!?」
伸びをして言葉を遮るように口付ければ龍惺が珍しくビクッとした。気にせず体重を掛けて押し倒し、龍惺の唇を食みながら角度を変えて何度も触れ合わせていると、シャツの裾から骨張った手が入り込み脇腹を撫で上げ胸元にまでくる。
「ん、ふぁ……ン…っ」
「……これ、俺は悪くねぇよな?」
「…龍惺もちょっと悪い」
「そうか。じゃあ責任取らねぇとな」
胸の尖りを弄り始める手とは反対の手が下着の中に差し込まれ、中指が奥の窄まりへと入ってくる。具合を確かめるように抜き差しされ腰が震えた。
「んん……っ」
「さっきまで散々してたし、すぐ挿入りそうだけど……どうする?」
「……じゃあお風呂行こ?」
このままするのは構わないんだけど、どうせ後でお風呂に入るんだからもう行ってしまった方が早い。たぶん次は完全に動けなくなるから、そんな僕を龍惺に運んで貰うのも悪いし。
そう思ってたのに、上から降りて笑いかけた僕に片眉を上げた龍惺は難なく僕を抱き上げ露天風呂へと向かう。
結局は運んで貰う事に変わりはなくて僕は一人苦笑した。
掛け流しの湯の音に紛れて肌と肌がぶつかる音が響いてる。外気に晒されながらも身体を包む熱さと快感で頭が働かない。
「あ…っ、りゅうせ…っ…ぁ、ん…っ」
「離れの一番奥とは言え外だからな…声、なるべく抑えろよ」
服が脱がされるなり濃厚なキスをされ腰が砕けそうな僕の手を壁につけさせた龍惺は、まだ柔かい後孔に岐立した自身を挿入してきた。間髪入れずに律動が始まり腸壁全部が擦られる。
自分から誘っておいてなんだけど、ここまで人が通る可能性ってあるのかな。
「…もっと、ゆっくり……っや、ぁ……グリグリ、しないで……っ」
「中、すげぇ蕩けてんな……」
「ゃ…ッ…だ、め、だめ…、イっちゃ……ゃ、ん……ッ…──!」
「…っ……まだへばんなよ」
「……! あっ、やぁっ…今イって…っ…止まって、ダメっ、また…っ」
達したばっかりなのに激しく抽挿されて僕の膝はもうガクガクだ。崩れ落ちそうになるのを必死で耐えていると思いっきり奥を突かれた。
目の奥がチカチカして壁に爪を立てる。
「あっ、んっ、んっ……───ひぁ、んんぅ…ッ!」
「…っ、く……!」
中に熱いものが注がれ龍惺の昂りがドクドクと脈打つ。少ししてから抜かれ、膝が落ちそうになる前に後ろから抱き止められた。出された物が流れ出て太腿を伝いブルリと震える。
疲れで落ちそうになる目蓋を擦りながら龍惺を見上げると、目元を覆われてこめかみに口付けられた。
「…りゅうせい……」
「おやすみ」
身長差とか体格差があっても男一人を抱えてお風呂なんて大変なはずだから起きてたいのに、真っ暗な視界と龍惺の優しい声に導かれるように、僕は意識を手放した。
次の日、朝食は部屋食のため運ばれてきた食事を摂った僕たちは開園時間に間に合うように早めに出発した。もう二日この旅館に泊まるから、荷物は纏めて板の間に置き掃除の邪魔にならないようにはしておいた。
「約束、覚えてるか?」
「約束?」
「欲しいもんがあったらちゃんと言うって約束」
そういえば、旅行の前日にそんな話をした気がする。確か、遠慮したらした分だけ龍惺が……だったっけ。
どうしてもっと違う条件にしてくれなかったんだろう。
「言わなかったら、その、本当に?」
「別にするしねぇはどっちでもいいんだよ。でも詩月は何か条件付けねぇと言おうともしねぇだろ?」
「…………」
そんな事ないともうんとも言えない。僕の我儘で龍惺が破産するなんて有り得ないって分かってるけど、やっぱり申し訳ないなって思っちゃうんだよね。それに、僕の夢の事だってあるし。
チラリと龍惺を見て、運転の邪魔にならないよう脇腹部分の服を親指と人差し指で摘む。
「龍惺は、その方が嬉しい?」
「そりゃ嬉しいよ。俺はお前に我儘言って貰いてぇんだから」
「……じゃあちゃんと言う」
「ま、言わねぇなら遠慮なく抱き潰すけど」
「もう、すぐそういう事言うんだから」
本当に、もう三十歳も近いのに何でそんなに元気なのか。
服を摘んでいた手を離して軽く肩を叩くと、龍惺は楽しそうに声を上げて笑った。
目的地である遊園地は小動物がモチーフってあったけど、メインは兎と猫らしく看板娘は〝うさ子〟ちゃんと〝ねこ美ちゃん〟と言うらしい。何だか某ファミリーみがあって可愛らしく、ゲートをくぐった先で手を振りながら来園客をお迎えしていた。
小さな子供が二人(?)に挨拶している姿が微笑ましくてにこにこと見ていると頭に何かが被せられる。
「?」
「兎もいいな、可愛い」
「え、何?」
「どれも詩月に似合いそうだと思って買ってきた」
いつの間に……というか、どれだけ買ってるの?
近くのお店のガラスに映った自分を見ると頭に兎の耳が生えてて、龍惺の手には猫と犬とハムスターの耳が着いたカチューシャがある。
まだ入口だし、頭は一つしかないのに……と思いつつ犬耳のカチューシャを取ると、龍惺に手招きし屈んだところでそれを装着した。
「似合ってるよ、龍惺」
「俺が着けたところでじゃね?」
「そんな事ないよ。可愛い」
「俺を可愛いっつーのはお前くらいだよ」
それはみんなが龍惺の魅力を知らないだけだよって言いたいけど、知って欲しくはないから黙っておく。龍惺の可愛い部分は僕だけが知っていればいいんだから。
でもこの猫とハムスターはどうしよう……とりあえず、ショルダーバッグに入れとこうかな。
「で、最初はどれ乗るんだ?」
「えっと……じゃあ空中ブランコ行こ」
入場の際に渡された園内地図を確認し、まずは軽いものから乗る事にして龍惺の手を握ると、空中ブランコがある場所へと意気揚々と向かった。
結局お食事処は閉まっちゃったみたいで、一度外に出て近くのお店で買って来てくれたらしい。一応女将さんには許可は取ったって言ってたからお咎めはないはず。
「それ食ったら露天風呂入るか」
「先入ってもいいよ? たぶんもう動けるし」
「ふらついて転んだらどうすんだ。俺が責任持って隅から隅まで綺麗に洗ってやるから」
「もうしないからね」
「分かってるよ」
降参するように両手を挙げる龍惺に本当かなと探るように見ると、苦笑しつつベッドの端に腰掛け手の甲で頬を撫でられる。ねだるみたいに口が開かれたから唐揚げを入れれば咀嚼しながら頷いた。
「うめぇな、これ」
「うん、お肉も柔らかくて食べやすい」
「詩月が作ったもんには敵わねぇけどな」
「そんな事ないよ」
「俺がどんだけお前に胃袋掴まれてると思ってんだ。もうちょい自信持てって」
「……ありがとう」
僕がマイナスな事を言うと、こうしていつもプラスに変えて甘やかしてくれる。龍惺の方が一つ年上ではあるけど、この甘やかしと包容力は桁違いだと思うんだ。おまけにイケメンだし、背が高くてスタイルもいいし、センスもいい。
それに、お仕事も出来てみんなに慕われてて…………あれ、こんなにも素敵な人が恋人って、僕ってもしかしなくてもすごく幸せ者なんじゃ……。
しかも何もかもが初めての……。
「ん?」
じっと顔を見ていると気付いた龍惺が首を傾げる。僕は唐揚げの空箱をゴミ袋に入れて布団から出ると、這って傍まで行き彼の首に抱き着いた。
すぐに大きな手が頭を撫でてくれる。
「どした?」
「龍惺はすごいなぁって」
「何だそれ」
耳元で吐息が笑い腰を引かれて膝に横向きで乗せられる。シャツ以外は下着しか身に着けてないから素足なんだけど、龍惺の手に太腿をサワサワと撫でられて擽ったい。
というか、そんな触り方をされるとムズムズしてくるんだけど……。
「俺はお前の方がすげぇっていつも思ってるけどな」
「龍惺の方が出来る事たくさんあるのに?」
「俺のはやろうと思えば誰でも出来んだよ。でもお前が俺にしてくれる事はお前にしか出来ねぇから。だから詩月の方がすげぇよ」
龍惺の言葉は魔法みたいに僕の心を暖かくしてくれる。
僕が龍惺に何をしてあげられてるかは分からないけど、それでも龍惺が喜んでくれる事が出来てるならすごく嬉しい。
……あ、どうしよう。もうしないって言ったのに、今すっごくイチャイチャしたい気分。
「好きだよ、龍惺」
「ん、俺も………っ…!?」
伸びをして言葉を遮るように口付ければ龍惺が珍しくビクッとした。気にせず体重を掛けて押し倒し、龍惺の唇を食みながら角度を変えて何度も触れ合わせていると、シャツの裾から骨張った手が入り込み脇腹を撫で上げ胸元にまでくる。
「ん、ふぁ……ン…っ」
「……これ、俺は悪くねぇよな?」
「…龍惺もちょっと悪い」
「そうか。じゃあ責任取らねぇとな」
胸の尖りを弄り始める手とは反対の手が下着の中に差し込まれ、中指が奥の窄まりへと入ってくる。具合を確かめるように抜き差しされ腰が震えた。
「んん……っ」
「さっきまで散々してたし、すぐ挿入りそうだけど……どうする?」
「……じゃあお風呂行こ?」
このままするのは構わないんだけど、どうせ後でお風呂に入るんだからもう行ってしまった方が早い。たぶん次は完全に動けなくなるから、そんな僕を龍惺に運んで貰うのも悪いし。
そう思ってたのに、上から降りて笑いかけた僕に片眉を上げた龍惺は難なく僕を抱き上げ露天風呂へと向かう。
結局は運んで貰う事に変わりはなくて僕は一人苦笑した。
掛け流しの湯の音に紛れて肌と肌がぶつかる音が響いてる。外気に晒されながらも身体を包む熱さと快感で頭が働かない。
「あ…っ、りゅうせ…っ…ぁ、ん…っ」
「離れの一番奥とは言え外だからな…声、なるべく抑えろよ」
服が脱がされるなり濃厚なキスをされ腰が砕けそうな僕の手を壁につけさせた龍惺は、まだ柔かい後孔に岐立した自身を挿入してきた。間髪入れずに律動が始まり腸壁全部が擦られる。
自分から誘っておいてなんだけど、ここまで人が通る可能性ってあるのかな。
「…もっと、ゆっくり……っや、ぁ……グリグリ、しないで……っ」
「中、すげぇ蕩けてんな……」
「ゃ…ッ…だ、め、だめ…、イっちゃ……ゃ、ん……ッ…──!」
「…っ……まだへばんなよ」
「……! あっ、やぁっ…今イって…っ…止まって、ダメっ、また…っ」
達したばっかりなのに激しく抽挿されて僕の膝はもうガクガクだ。崩れ落ちそうになるのを必死で耐えていると思いっきり奥を突かれた。
目の奥がチカチカして壁に爪を立てる。
「あっ、んっ、んっ……───ひぁ、んんぅ…ッ!」
「…っ、く……!」
中に熱いものが注がれ龍惺の昂りがドクドクと脈打つ。少ししてから抜かれ、膝が落ちそうになる前に後ろから抱き止められた。出された物が流れ出て太腿を伝いブルリと震える。
疲れで落ちそうになる目蓋を擦りながら龍惺を見上げると、目元を覆われてこめかみに口付けられた。
「…りゅうせい……」
「おやすみ」
身長差とか体格差があっても男一人を抱えてお風呂なんて大変なはずだから起きてたいのに、真っ暗な視界と龍惺の優しい声に導かれるように、僕は意識を手放した。
次の日、朝食は部屋食のため運ばれてきた食事を摂った僕たちは開園時間に間に合うように早めに出発した。もう二日この旅館に泊まるから、荷物は纏めて板の間に置き掃除の邪魔にならないようにはしておいた。
「約束、覚えてるか?」
「約束?」
「欲しいもんがあったらちゃんと言うって約束」
そういえば、旅行の前日にそんな話をした気がする。確か、遠慮したらした分だけ龍惺が……だったっけ。
どうしてもっと違う条件にしてくれなかったんだろう。
「言わなかったら、その、本当に?」
「別にするしねぇはどっちでもいいんだよ。でも詩月は何か条件付けねぇと言おうともしねぇだろ?」
「…………」
そんな事ないともうんとも言えない。僕の我儘で龍惺が破産するなんて有り得ないって分かってるけど、やっぱり申し訳ないなって思っちゃうんだよね。それに、僕の夢の事だってあるし。
チラリと龍惺を見て、運転の邪魔にならないよう脇腹部分の服を親指と人差し指で摘む。
「龍惺は、その方が嬉しい?」
「そりゃ嬉しいよ。俺はお前に我儘言って貰いてぇんだから」
「……じゃあちゃんと言う」
「ま、言わねぇなら遠慮なく抱き潰すけど」
「もう、すぐそういう事言うんだから」
本当に、もう三十歳も近いのに何でそんなに元気なのか。
服を摘んでいた手を離して軽く肩を叩くと、龍惺は楽しそうに声を上げて笑った。
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小さな子供が二人(?)に挨拶している姿が微笑ましくてにこにこと見ていると頭に何かが被せられる。
「?」
「兎もいいな、可愛い」
「え、何?」
「どれも詩月に似合いそうだと思って買ってきた」
いつの間に……というか、どれだけ買ってるの?
近くのお店のガラスに映った自分を見ると頭に兎の耳が生えてて、龍惺の手には猫と犬とハムスターの耳が着いたカチューシャがある。
まだ入口だし、頭は一つしかないのに……と思いつつ犬耳のカチューシャを取ると、龍惺に手招きし屈んだところでそれを装着した。
「似合ってるよ、龍惺」
「俺が着けたところでじゃね?」
「そんな事ないよ。可愛い」
「俺を可愛いっつーのはお前くらいだよ」
それはみんなが龍惺の魅力を知らないだけだよって言いたいけど、知って欲しくはないから黙っておく。龍惺の可愛い部分は僕だけが知っていればいいんだから。
でもこの猫とハムスターはどうしよう……とりあえず、ショルダーバッグに入れとこうかな。
「で、最初はどれ乗るんだ?」
「えっと……じゃあ空中ブランコ行こ」
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