1 / 1
夢の天使と悪夢ちゃん
しおりを挟む
ある国の、ある地方に、幸せな夢を見せてくれる天使のリリスと、悪夢を見せて楽しんでる悪魔のリリムがいました。
けれど2人はケンカをしているワケではありません。
お互いをジャマするワケでもなく、鉢合わせる事もほとんどなく、だけれどお互いを全く知らないワケでもありませんでした。
2人はそれぞれ別々の事をしていながら、人々をよく見ています。
リリスは
「今日はこの人が良い事をしたなぁ。よし、ご褒美をあげよう。」
と飛んでいき、
リリムは
「こいつめ!悪い事をしたな。こいつにお仕置きしてやろう。」
と飛んでいきます。
2人が飛んでいくのはいつも別々の方なので、ほとんど鉢合わせる事がないのです。
良い事をすればリリスが来ます。
悪い事をすればリリムが来ます。
ある時、リリムが一人の男を見つけます。
「おや?こいつ、オレが悪夢を見せてるワケでもないのに、うんうん唸ってやがるぞ?どうなってんだ?よし、こいつの頭の中を覗いてやろう。」
するとビックリ!
男は恐ろしい病気にかかってるじゃありませんか。
リリムは言います。
「こいつはひでぇ。こりゃ助からねぇや。仕方ない。リリスを呼んできてやるか。」
リリムに呼ばれてリリスがやって来ました。
リリムは言います。
「こいつはもう助からねぇ。せめて最後に幸せな夢を見せてやれよ。」
リリスは言われた通りに、男に幸せな夢を見せてあげました。
男は静かにこの世を去りました。
リリスがリリムに言いました。
「いつも悪夢を見せて喜んでる悪趣味なあなたが、珍しい事もあるのね。」
リリムは口をとがらせて言い返します。
「フンッ。何でもねぇや。オレが悪夢を見せて、うんうん唸ってりゃ楽しいが、悪夢を見せてもないのに勝手に死なれちゃ迷惑なんだよ!」
リリスはクスッと笑って
「まぁ何でも良いわよ。私は私の好きな事をするだけ。」
リリムも笑って
「へっ、お互い様だね。」
と言い、またどこかへ飛んでいきました。
~完~
けれど2人はケンカをしているワケではありません。
お互いをジャマするワケでもなく、鉢合わせる事もほとんどなく、だけれどお互いを全く知らないワケでもありませんでした。
2人はそれぞれ別々の事をしていながら、人々をよく見ています。
リリスは
「今日はこの人が良い事をしたなぁ。よし、ご褒美をあげよう。」
と飛んでいき、
リリムは
「こいつめ!悪い事をしたな。こいつにお仕置きしてやろう。」
と飛んでいきます。
2人が飛んでいくのはいつも別々の方なので、ほとんど鉢合わせる事がないのです。
良い事をすればリリスが来ます。
悪い事をすればリリムが来ます。
ある時、リリムが一人の男を見つけます。
「おや?こいつ、オレが悪夢を見せてるワケでもないのに、うんうん唸ってやがるぞ?どうなってんだ?よし、こいつの頭の中を覗いてやろう。」
するとビックリ!
男は恐ろしい病気にかかってるじゃありませんか。
リリムは言います。
「こいつはひでぇ。こりゃ助からねぇや。仕方ない。リリスを呼んできてやるか。」
リリムに呼ばれてリリスがやって来ました。
リリムは言います。
「こいつはもう助からねぇ。せめて最後に幸せな夢を見せてやれよ。」
リリスは言われた通りに、男に幸せな夢を見せてあげました。
男は静かにこの世を去りました。
リリスがリリムに言いました。
「いつも悪夢を見せて喜んでる悪趣味なあなたが、珍しい事もあるのね。」
リリムは口をとがらせて言い返します。
「フンッ。何でもねぇや。オレが悪夢を見せて、うんうん唸ってりゃ楽しいが、悪夢を見せてもないのに勝手に死なれちゃ迷惑なんだよ!」
リリスはクスッと笑って
「まぁ何でも良いわよ。私は私の好きな事をするだけ。」
リリムも笑って
「へっ、お互い様だね。」
と言い、またどこかへ飛んでいきました。
~完~
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
デシデーリオ
ねこうさぎしゃ
児童書・童話
田舎の領主の娘はその美貌ゆえに求婚者が絶えなかったが、欲深さのためにもっと条件のいい相手を探すのに余念がなかった。清貧を好む父親は、そんな娘の行く末を心配していたが、ある日娘の前に一匹のネズミが現れて「助けてくれた恩返しにネズミの国の王妃にしてあげよう」と申し出る……尽きる事のない人間の欲望──デシデーリオ──に惑わされた娘のお話。
子猫マムの冒険
杉 孝子
児童書・童話
ある小さな町に住む元気な子猫、マムは、家族や友達と幸せに暮らしていました。
しかしある日、偶然見つけた不思議な地図がマムの冒険心をかきたてます。地図には「星の谷」と呼ばれる場所が描かれており、そこには願いをかなえる「星のしずく」があると言われていました。
マムは友達のフクロウのグリムと一緒に、星の谷を目指す旅に出ることを決意します。
茶臼山の鬼(挿絵つき)
Yoshinari F/Route-17
児童書・童話
いろいろな作品に挑戦しようと思っています。
茶臼山には、鬼がたくさん棲んでいます。その中でも、赤鬼の「アギョウサン」と、青鬼の「サギョウゴ」は、人間に変身できる、特別な鬼です。
2人の鬼は、人間に変身して、トラックに乗って、街にやって来ます。
何をしにやって来るのか、知っていますか?
原作 文 Yumi F
イラスト Yoshinari F
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる