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第四章 獣人と魔人
野営
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レフト村の村長宅、あてがわれた部屋で夜を明かした健太郎達は翌朝、村長たちに挨拶をして早速、案内役のケビンの家へと向かった。
家ではケビンが毛皮で出来たベストに弓と矢を装備し、準備万端で待ち受けていた。
「ロガエストまでの道程は山の中を進むルートだ。あんたらは冒険者だろうが、山では俺に指示に従ってくれ」
「了解だよ、あたしもミシマもダンジョンが主だった稼ぎ場だったから、頼りにしてるよ」
「コホーッ!!」
よろしくねッ!!
健太郎がビッと親指を立てるとケビンは張り詰めた表情を緩め、不思議そうに彼を見つめた。
「コホー?」
どしたの?
首を傾げた健太郎を見てケビンは苦笑を浮かべた。
「変な奴だ……だが、そのゴーレムを見てると何だか気持ちが軽くなるな」
「一々、反応が大袈裟で変で能天気だからね。あたしも不安な時、助けられたよ」
「そうか……いいな、それ……行こうか?」
「ああ」
「コホーッ」
村を出発し周辺に広がる小麦畑を抜け、草原を超えて山岳地帯へと足を踏み入れる。
ロボットである健太郎はもとより、冒険者として迷宮を常日頃から歩き回っているミラルダも魔法使いながら健脚だ。
そんな訳で二人は猟師であるケビンの足にも遅れる事無くついて行く事が出来た。
そしてその日の夕暮れ間近、三人は王国と獣人の国ロガエストの境である国境へと辿り着いた。
ただ国境と言っても三千メートル級の山が連なっている為か、人の姿はなく砦の様な物も作られてはいなかった。
「今日はここまでだな。野営の準備をしよう」
山の頂上は三千メートルを超えているが、現在いる場所は森林限界よりかなり下である為、周囲は鬱蒼とした森に囲まれている。
そんな森の少し開けた場所でケビンは立ち止まり健太郎達を振り返った。
「あいよ。ミシマ、テントを張るから手伝っておくれ」
「コホーッ」
ミラルダが鞄から取り出したテントは、昔ながらの三角の形をした丈夫な布製の物だった。
これでカレーとかあれば、完全に林間学校だ。
少し興奮気味の健太郎を他所にテントを立てたミラルダはケビンに話しかける。
「ケビン、あんたテントは?」
「問題無い、山に籠る時用の物を持ってきている」
「そうかい、じゃあ飯にしようかね。色々買い込んできたんだ」
「俺も仕留めた獲物の肉を持って来た……今後の予定を食いながら話そう」
「了解だよ」
地面に腰を下ろしその辺に転がっていた石で作ったかまどを囲み、簡単な食事を終えるとケビンは自身の鞄を探り何か取り出した。
「今いる山を超えれば獣人の国ロガエストだ……俺が潜入した時は警備なんかは無かったが、臭いで感づかれた。そこでだ……これを体に振りかけろ」
ケビンは小さな陶器の小瓶を取り出し、健太郎達に掲げて見せた。
「なんだい、こりゃ?」
「鹿から取った香料だ。多少臭うが奴らの鼻を誤魔化す事が出来る」
「香料ねぇ……はぁ、最近臭い物に妙に縁があるねぇ……」
「そうなのか?」
「ああ、最初に出会った時、そこのミシマも随分臭かったもんだよ」
「コホー……」
あの時の事は言わないでくれ、ミラルダ……忘れたい記憶が甦っちゃうから。
沈んだ呼吸音を聞いてミラルダは苦笑を浮かべる。
「フフッ、ごめんごめん。でもその後も黄金コガネとか、色々臭い目にあったもんだよ」
「そうか……やはり冒険者と言っても、英雄譚のような冒険ばかりという訳では無いのだな」
「当り前さ、ドラゴンなんかを倒せるのは一握りの英雄だけだよ……そういえばミシマもドラゴン倒してたけど、あんたは英雄って感じじゃないねぇ……フフフッ、英雄はドラゴン倒した後、洞窟の天井に突き刺さったりはしないもんねぇ」
ミラルダはその時の事を思い出したのか、クスクスと楽しそうに笑った。
「コッ、コホーッ!!」
アッ、アレは言う事を聞かないスラスターの所為だよッ!!
両手を振り上げた健太郎に再度、ごめんごめんと微笑みながら謝罪したミラルダに、ケビンが困惑気味に問い掛ける。
「天井に突き刺さる? どういう状況だ?」
「何だい? 聞きたいのかい?」
「意味が分からないからな。そもそも、そのゴーレム、ミシマだったか、そいつはドラゴンを倒せる程強いのか?」
「ああ、ミシマの体は戦闘用のメイスやウォーピックで殴られても傷一つ付かないのさ。それに体には色々仕掛けがあるみたいでねぇ。空を飛んだりも出来るんだよ」
「空を……そいつは凄いな」
「コホー」
フフフッ、まぁ俺はこの夢物語の主人公だからねぇ。
驚きの表情で自分を見たケビンにダブルバイセップスのポーズを取りながら、健太郎は顎を突き出した満面のドヤ顔を心の中で浮かべた。
「…………本当にそんなに強い奴なのか? いまいち信用出来ないな」
「コホーッ!?」
何でだよ!? ドラゴンだって倒したし俺はこの世界ではそこそこ強い筈……ねぇ、ミラルダ、俺はそれなりに強いよねぇ……?
そう言ってミラルダに視線を送ると、彼女は柔らかく微笑んだ。
「フフッ、まぁ、そういうトコがミシマの良い所さ」
肩を竦めて微笑んだミラルダを見て、ケビンは苦笑を浮かべる。
「で、何で天井に突き刺さったんだ?」
「さっき空が飛べるって言ったろ。よく分からないけど、ミシマは背中から炎みたいなもんを噴き出して飛べるのさ。でも勢いがあり過ぎて止まれないみたいでね。竜の頭に突進してそのまま突き抜けて天井に……ククッ、その後、何でかピカピカ光ってねぇ……ありゃ眩しかったよ」
「光る? 何が光るんだ?」
「よく分かんないけど、ミシマがモンスターを倒すと時折、体から真っ白な光を出すんだよぉ、ねぇミシマ、ありゃ何で光ってるんだい?」
ミラルダがそう言うと、ケビンも興味深そうな目を健太郎に向けた。
「コホーッ……」
知らないよ……そいつはこの体に聞いて欲しいよ……。
青い金属の体が発した呼吸音が静かな森の中に悲し気に響いた。
家ではケビンが毛皮で出来たベストに弓と矢を装備し、準備万端で待ち受けていた。
「ロガエストまでの道程は山の中を進むルートだ。あんたらは冒険者だろうが、山では俺に指示に従ってくれ」
「了解だよ、あたしもミシマもダンジョンが主だった稼ぎ場だったから、頼りにしてるよ」
「コホーッ!!」
よろしくねッ!!
健太郎がビッと親指を立てるとケビンは張り詰めた表情を緩め、不思議そうに彼を見つめた。
「コホー?」
どしたの?
首を傾げた健太郎を見てケビンは苦笑を浮かべた。
「変な奴だ……だが、そのゴーレムを見てると何だか気持ちが軽くなるな」
「一々、反応が大袈裟で変で能天気だからね。あたしも不安な時、助けられたよ」
「そうか……いいな、それ……行こうか?」
「ああ」
「コホーッ」
村を出発し周辺に広がる小麦畑を抜け、草原を超えて山岳地帯へと足を踏み入れる。
ロボットである健太郎はもとより、冒険者として迷宮を常日頃から歩き回っているミラルダも魔法使いながら健脚だ。
そんな訳で二人は猟師であるケビンの足にも遅れる事無くついて行く事が出来た。
そしてその日の夕暮れ間近、三人は王国と獣人の国ロガエストの境である国境へと辿り着いた。
ただ国境と言っても三千メートル級の山が連なっている為か、人の姿はなく砦の様な物も作られてはいなかった。
「今日はここまでだな。野営の準備をしよう」
山の頂上は三千メートルを超えているが、現在いる場所は森林限界よりかなり下である為、周囲は鬱蒼とした森に囲まれている。
そんな森の少し開けた場所でケビンは立ち止まり健太郎達を振り返った。
「あいよ。ミシマ、テントを張るから手伝っておくれ」
「コホーッ」
ミラルダが鞄から取り出したテントは、昔ながらの三角の形をした丈夫な布製の物だった。
これでカレーとかあれば、完全に林間学校だ。
少し興奮気味の健太郎を他所にテントを立てたミラルダはケビンに話しかける。
「ケビン、あんたテントは?」
「問題無い、山に籠る時用の物を持ってきている」
「そうかい、じゃあ飯にしようかね。色々買い込んできたんだ」
「俺も仕留めた獲物の肉を持って来た……今後の予定を食いながら話そう」
「了解だよ」
地面に腰を下ろしその辺に転がっていた石で作ったかまどを囲み、簡単な食事を終えるとケビンは自身の鞄を探り何か取り出した。
「今いる山を超えれば獣人の国ロガエストだ……俺が潜入した時は警備なんかは無かったが、臭いで感づかれた。そこでだ……これを体に振りかけろ」
ケビンは小さな陶器の小瓶を取り出し、健太郎達に掲げて見せた。
「なんだい、こりゃ?」
「鹿から取った香料だ。多少臭うが奴らの鼻を誤魔化す事が出来る」
「香料ねぇ……はぁ、最近臭い物に妙に縁があるねぇ……」
「そうなのか?」
「ああ、最初に出会った時、そこのミシマも随分臭かったもんだよ」
「コホー……」
あの時の事は言わないでくれ、ミラルダ……忘れたい記憶が甦っちゃうから。
沈んだ呼吸音を聞いてミラルダは苦笑を浮かべる。
「フフッ、ごめんごめん。でもその後も黄金コガネとか、色々臭い目にあったもんだよ」
「そうか……やはり冒険者と言っても、英雄譚のような冒険ばかりという訳では無いのだな」
「当り前さ、ドラゴンなんかを倒せるのは一握りの英雄だけだよ……そういえばミシマもドラゴン倒してたけど、あんたは英雄って感じじゃないねぇ……フフフッ、英雄はドラゴン倒した後、洞窟の天井に突き刺さったりはしないもんねぇ」
ミラルダはその時の事を思い出したのか、クスクスと楽しそうに笑った。
「コッ、コホーッ!!」
アッ、アレは言う事を聞かないスラスターの所為だよッ!!
両手を振り上げた健太郎に再度、ごめんごめんと微笑みながら謝罪したミラルダに、ケビンが困惑気味に問い掛ける。
「天井に突き刺さる? どういう状況だ?」
「何だい? 聞きたいのかい?」
「意味が分からないからな。そもそも、そのゴーレム、ミシマだったか、そいつはドラゴンを倒せる程強いのか?」
「ああ、ミシマの体は戦闘用のメイスやウォーピックで殴られても傷一つ付かないのさ。それに体には色々仕掛けがあるみたいでねぇ。空を飛んだりも出来るんだよ」
「空を……そいつは凄いな」
「コホー」
フフフッ、まぁ俺はこの夢物語の主人公だからねぇ。
驚きの表情で自分を見たケビンにダブルバイセップスのポーズを取りながら、健太郎は顎を突き出した満面のドヤ顔を心の中で浮かべた。
「…………本当にそんなに強い奴なのか? いまいち信用出来ないな」
「コホーッ!?」
何でだよ!? ドラゴンだって倒したし俺はこの世界ではそこそこ強い筈……ねぇ、ミラルダ、俺はそれなりに強いよねぇ……?
そう言ってミラルダに視線を送ると、彼女は柔らかく微笑んだ。
「フフッ、まぁ、そういうトコがミシマの良い所さ」
肩を竦めて微笑んだミラルダを見て、ケビンは苦笑を浮かべる。
「で、何で天井に突き刺さったんだ?」
「さっき空が飛べるって言ったろ。よく分からないけど、ミシマは背中から炎みたいなもんを噴き出して飛べるのさ。でも勢いがあり過ぎて止まれないみたいでね。竜の頭に突進してそのまま突き抜けて天井に……ククッ、その後、何でかピカピカ光ってねぇ……ありゃ眩しかったよ」
「光る? 何が光るんだ?」
「よく分かんないけど、ミシマがモンスターを倒すと時折、体から真っ白な光を出すんだよぉ、ねぇミシマ、ありゃ何で光ってるんだい?」
ミラルダがそう言うと、ケビンも興味深そうな目を健太郎に向けた。
「コホーッ……」
知らないよ……そいつはこの体に聞いて欲しいよ……。
青い金属の体が発した呼吸音が静かな森の中に悲し気に響いた。
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