5 / 7
第五章
しおりを挟む
「いいな」
「凄く嫌な現実だけれど認識しました」
「その様にな、ではだ」
ここまで話してだ、銅像は勝手に告げた。
「私は別の場所に行く、ジープがある」
「車で移動されるんですか」
「私自身が運転してな」
「元帥でもご自身で」
「昔は運転させていたが」
それがと言うのだ。
「私は今は自分で運転するのが好きでな」
「だからですか」
「それで今は自分で運転してだ」
「基地の中を運転されていますか」
「そうだ、ではな」
「はい、じゃあ私これで寝ますんで」
「また会おう」
「いや、出来るなら夜遅くには来ないで下さい」
そこはしっかりと言ってだった、勝手は銅像が事務所を出るのを見送ってから眠りに入った。そして翌日の朝事務所に来た坪川達にこのことを話すと。
するとだ、坪川は勝手にこう言った。
「ああ、昨日来たか」
「厚木の人ならだれでも知ってるって言ったましたけれど」
「有名な話だよ」
それこそという返事だった。
「俺が当直の時も時々来てな」
「そうしてですか」
「ああ、そしてな」
「事務所の中で色々話してきてですか」
「帰ってるんだよ、それでな」
「厚木のあちこち巡ってるそうですね」
「そうだよ、自分でジープを運転してな」
そうしてというのだ。
「パトロールとかしてるんだよ」
「あの人ご自身が言ってたみたいに」
「そうだよ、大抵夜に動いてるけれどな」
「映画館とか図書館にも出入りしてるって言ってました」
「そこで会う時もあるからな」
「会った時はですか」
「挨拶位しろよ」
坪川は勝手にこう話した。
「何しろ基地では一番偉い人なのは事実だしな」
「だからですね」
「ああ、しっかりとな」
そこはと言うのだった。
「しておけよ」
「わかりました」
こうしてだった、勝手は銅像のことを受け入れた。というか厚木にいる限り受け入れるしかないことを理解した。
それで銅像を見る機会があれば見たが。
昼は確かに大抵その場所にいるがいない時がたまにあり彼はそうした時は同僚達に考える顔で言った。
「今はいないですね」
「ああ、図書館か?」
「それか映画館か」
「何処かに行ったか?」
「そうしたか?」
「そうなんですね」
その今は主のいない座を見て言った。
「実際にお昼にいない時もあるんですね」
「ああ、別に大したことじゃないさ」
「厚木じゃ普通だよ」
「いる時があればいない時もあるんだよ」
「いない時はパトロールか娯楽だよ」
そうしたことをしているというのだ。
「パトロールはしっかりしてるからな」
「それでアメリカ軍や自衛隊の人を結構助けてもいるからな」
「あれで有り難い人なんだよ」
「元帥で生まれた時から偉そうだったそうだけれどな」
ぞの人格は傲岸不遜だったと言われている。
「凄く嫌な現実だけれど認識しました」
「その様にな、ではだ」
ここまで話してだ、銅像は勝手に告げた。
「私は別の場所に行く、ジープがある」
「車で移動されるんですか」
「私自身が運転してな」
「元帥でもご自身で」
「昔は運転させていたが」
それがと言うのだ。
「私は今は自分で運転するのが好きでな」
「だからですか」
「それで今は自分で運転してだ」
「基地の中を運転されていますか」
「そうだ、ではな」
「はい、じゃあ私これで寝ますんで」
「また会おう」
「いや、出来るなら夜遅くには来ないで下さい」
そこはしっかりと言ってだった、勝手は銅像が事務所を出るのを見送ってから眠りに入った。そして翌日の朝事務所に来た坪川達にこのことを話すと。
するとだ、坪川は勝手にこう言った。
「ああ、昨日来たか」
「厚木の人ならだれでも知ってるって言ったましたけれど」
「有名な話だよ」
それこそという返事だった。
「俺が当直の時も時々来てな」
「そうしてですか」
「ああ、そしてな」
「事務所の中で色々話してきてですか」
「帰ってるんだよ、それでな」
「厚木のあちこち巡ってるそうですね」
「そうだよ、自分でジープを運転してな」
そうしてというのだ。
「パトロールとかしてるんだよ」
「あの人ご自身が言ってたみたいに」
「そうだよ、大抵夜に動いてるけれどな」
「映画館とか図書館にも出入りしてるって言ってました」
「そこで会う時もあるからな」
「会った時はですか」
「挨拶位しろよ」
坪川は勝手にこう話した。
「何しろ基地では一番偉い人なのは事実だしな」
「だからですね」
「ああ、しっかりとな」
そこはと言うのだった。
「しておけよ」
「わかりました」
こうしてだった、勝手は銅像のことを受け入れた。というか厚木にいる限り受け入れるしかないことを理解した。
それで銅像を見る機会があれば見たが。
昼は確かに大抵その場所にいるがいない時がたまにあり彼はそうした時は同僚達に考える顔で言った。
「今はいないですね」
「ああ、図書館か?」
「それか映画館か」
「何処かに行ったか?」
「そうしたか?」
「そうなんですね」
その今は主のいない座を見て言った。
「実際にお昼にいない時もあるんですね」
「ああ、別に大したことじゃないさ」
「厚木じゃ普通だよ」
「いる時があればいない時もあるんだよ」
「いない時はパトロールか娯楽だよ」
そうしたことをしているというのだ。
「パトロールはしっかりしてるからな」
「それでアメリカ軍や自衛隊の人を結構助けてもいるからな」
「あれで有り難い人なんだよ」
「元帥で生まれた時から偉そうだったそうだけれどな」
ぞの人格は傲岸不遜だったと言われている。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
暁に散る前に
はじめアキラ
キャラ文芸
厳しい試験を突破して、帝とその妃たちに仕える女官の座を手にした没落貴族の娘、映。
女官になれば、帝に見初められて妃になり、女ながらに絶大な権力を手にすることができる。自らの家である宋家の汚名返上にも繋がるはず。映は映子という名を与えられ、後宮での生活に胸を躍らせていた。
ところがいざ始まってみれば、最も美しく最もワガママな第一妃、蓮花付きの女官に任命されてしまい、毎日その自由奔放すぎる振る舞いに振り回される日々。
絶対こんな人と仲良くなれっこない!と思っていた映子だったが、やがて彼女が思いがけない優しい一面に気づくようになり、舞の舞台をきっかけに少しずつ距離を縮めていくことになる。
やがて、第一妃とされていた蓮花の正体が実は男性であるという秘密を知ってしまい……。
女官と女装の妃。二人は禁断の恋に落ちていくことになる。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
傷女、失踪ノ先デ、
みつお真
キャラ文芸
心の傷が身体に現れたら、あなたは生きていけますか?
何気ない毎日を送る未来。
彼女はとてもポジティブで自称楽観主義者。
ところがある日、哀しいライフイベントの為に人生の歯車が狂い始めます。
耐えきれなくなった未来は、遠い遠い島へと逃亡するのですか、そこには様々な心の病や身体の病を抱えた人々が住んでいたのです。
誇大妄想に悩まされる男。
虚言癖の青年。
アルコール中毒症の女。
アルビノの女性。
自閉症の青年。
性に悩む男性。
末期癌の少女。
彼らと関わりながら未来が出した決断は!?
ふとした出来事から日常は変化します。
疲れ果てた現代人に贈る可笑しくて切ないファタジーの世界を覗いてみませんか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる