1 / 1
あじさい作
しおりを挟む
あれは3月の終わり。
いつもと同じ帰り道で見かけたあじさい。雨に濡れて青いあじさいが凛と輝いて見えた。
「きれい...」
思わず見とれてしまった。
ただ、今は3月。あじさいが咲くのは梅雨あたりだから5月、6月あたりだろう。なぜ3月のまだ春が来ていない時期にあじさいが咲いているのだと疑問には思いはしたがあえて口には出さなかった。
「それ造花ですよ。」
きれいな透き通った声が後ろから聞こえた。
同じ制服を着た少し背の高い女子。後ろまで下げている黒髪はきれいに整えられている。
いかにも優等生といった感じだ。
「そうなの?すごい再現度ですね。...確かにそう言われれば。」
この娘はよくここを通るのだろうか、まぁ確かによく見たら本物じゃないのが分かる。
というかわざわざ造花だなんて言わないでほしいものだ。
「私この店の娘なもので。ちなみにそれ、私が置いたんですよ。」
中々、趣味がいいらしいなこの娘。私は青いあじさいが大好きなのだ。
「少し見ていきますか?」
「はい。」
手招きしながら彼女は店の中に入っていった。
「同じ学校の方ですよねそれ、春宮の制服。」
近くで話すと私より3センチ程高いのだろう、かなりの身長差を感じる。174ぐらいかな。
「ね!私も思いました!何年生です?」
「一年生です。」
「あ、じゃあ後輩だぁ。背高いね!」
「よく言われます。」
後輩だと聞いて、身長差で一方的に抱いていた劣等感が和らいだ。
「部活は?私帰宅部。」
「無所属です。」
「じゃ、同じだね。」
帰宅部では無い、と言いたげな視線が彼女から注がれているのが分かる。
「放課後忙しいので、部活をしている時間が無いんです。」
家の手伝いでもしているのかと思ったが、それならこんな遅い時間に帰宅するわけがない。
「先輩は?」
「私は遊び人だから。にー!」
にっと口角を上げて指でピースを作った。
「カラオケ...とかですか?」
「ん?まぁ、そんな感じ?」
いつもと同じ帰り道で見かけたあじさい。雨に濡れて青いあじさいが凛と輝いて見えた。
「きれい...」
思わず見とれてしまった。
ただ、今は3月。あじさいが咲くのは梅雨あたりだから5月、6月あたりだろう。なぜ3月のまだ春が来ていない時期にあじさいが咲いているのだと疑問には思いはしたがあえて口には出さなかった。
「それ造花ですよ。」
きれいな透き通った声が後ろから聞こえた。
同じ制服を着た少し背の高い女子。後ろまで下げている黒髪はきれいに整えられている。
いかにも優等生といった感じだ。
「そうなの?すごい再現度ですね。...確かにそう言われれば。」
この娘はよくここを通るのだろうか、まぁ確かによく見たら本物じゃないのが分かる。
というかわざわざ造花だなんて言わないでほしいものだ。
「私この店の娘なもので。ちなみにそれ、私が置いたんですよ。」
中々、趣味がいいらしいなこの娘。私は青いあじさいが大好きなのだ。
「少し見ていきますか?」
「はい。」
手招きしながら彼女は店の中に入っていった。
「同じ学校の方ですよねそれ、春宮の制服。」
近くで話すと私より3センチ程高いのだろう、かなりの身長差を感じる。174ぐらいかな。
「ね!私も思いました!何年生です?」
「一年生です。」
「あ、じゃあ後輩だぁ。背高いね!」
「よく言われます。」
後輩だと聞いて、身長差で一方的に抱いていた劣等感が和らいだ。
「部活は?私帰宅部。」
「無所属です。」
「じゃ、同じだね。」
帰宅部では無い、と言いたげな視線が彼女から注がれているのが分かる。
「放課後忙しいので、部活をしている時間が無いんです。」
家の手伝いでもしているのかと思ったが、それならこんな遅い時間に帰宅するわけがない。
「先輩は?」
「私は遊び人だから。にー!」
にっと口角を上げて指でピースを作った。
「カラオケ...とかですか?」
「ん?まぁ、そんな感じ?」
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私たち、博麗学園おしがまクラブ(非公認)です! 〜特大膀胱JKたちのおしがま記録〜
赤髪命
青春
街のはずれ、最寄り駅からも少し離れたところにある私立高校、博麗学園。そのある新入生のクラスのお嬢様・高橋玲菜、清楚で真面目・内海栞、人懐っこいギャル・宮内愛海の3人には、膀胱が同年代の女子に比べて非常に大きいという特徴があった。
これは、そんな学校で普段はトイレにほとんど行かない彼女たちの爆尿おしがまの記録。
友情あり、恋愛あり、おしがまあり、そしておもらしもあり!? そんなおしがまクラブのドタバタ青春小説!
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
先輩に振られた。でも、いとこと幼馴染が結婚したいという想いを伝えてくる。俺を振った先輩は、間に合わない。恋、デレデレ、甘々でラブラブな青春。
のんびりとゆっくり
青春
俺、海春夢海(うみはるゆめうみ)。俺は高校一年生の時、先輩に振られた。高校二年生の始業式の日、俺は、いとこの春島紗緒里(はるしまさおり)ちゃんと再会を果たす。彼女は、幼い頃もかわいかったが、より一層かわいくなっていた。彼女は、俺に恋している。そして、婚約して結婚したい、と言ってきている。戸惑いながらも、彼女の熱い想いに、次第に彼女に傾いていく俺の心。そして、かわいい子で幼馴染の夏森寿々子(なつもりすずこ)ちゃんも、俺と婚約して結婚してほしい、という気持ちを伝えてきた。先輩は、その後、付き合ってほしいと言ってきたが、間に合わない。俺のデレデレ、甘々でラブラブな青春が、今始まろうとしている。この作品は、「小説家になろう」様「カクヨム」様にも投稿しています。「小説家になろう」様「カクヨム」様への投稿は、「先輩に振られた俺。でも、その後、いとこと幼馴染が婚約して結婚したい、という想いを一生懸命伝えてくる。俺を振った先輩が付き合ってほしいと言ってきても、間に合わない。恋、デレデレ、甘々でラブラブな青春。」という題名でしています。
私が大人になった夏
初心なグミ@最強カップル連載中
青春
主人公の香菜は悩むことが無かった。何故ならそれは、物事に対して深く考えたことが無いからだ。そんな主人公は田舎の祖父母の家に、毎年夏になると家族で花火を観に帰省する。帰省した祖父母宅での一夏が、子どものままだった香菜を大人にした。
おしっこ我慢が趣味の彼女と、女子の尿意が見えるようになった僕。
赤髪命
青春
~ある日目が覚めると、なぜか周りの女子に黄色い尻尾のようなものが見えるようになっていた~
高校一年生の小林雄太は、ある日突然女子の尿意が見えるようになった。
(特にその尿意に干渉できるわけでもないし、そんなに意味を感じないな……)
そう考えていた雄太だったが、クラスのアイドル的存在の鈴木彩音が実はおしっこを我慢することが趣味だと知り……?
青き瞳のクリエイト
タトバリンクス
青春
本郷沙葉はどこにでもいる普通の顔が良い文学少女だ。
あの日、ぼくが心を惹かれたのは彼女の奏でる旋律だった。
彼女の奏でる旋律がぼくの心を駆り立たせ物語を紡がせる。
そんな彼女の名は月城沙音。
ぼくと同じ青き瞳を持つ金髪の美少女だった。
これはどこまでも平坦で平凡で日常的なありふれた在り来たりな青春の一ページ。
青い瞳が導くぼくたちの物語。
こちらの小説は『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載中
草ww破滅部活動日記!
koll.
青春
千葉県にある谷武高校の部活。草ww破滅部。そのメンバーによる、草wwを滅するためにつくった、部活。そして、そのメンバーのゆるい、そして、時には友情、恋愛。草ww破滅部が贈る日常友情部活活動日記である!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる