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鉢合わせですか?
しおりを挟むね、寝過ぎちゃった……
セツのモフモフな毛感触が寝心地良すぎて、気づけばお昼になっていた
早くパン屋さんに雇ってもらいに行かないと…
準備をして出かけようとすると、なんだか扉前が騒がしい
どうしたんだろう…?
ガチャッー・・・
「本当にこの辺りにいるのか…?
ん?………マナ!!」
・・・ーパタンッ
あれ、幻覚だよね…?
なんだかアルディス様のそっくりさんがいた気がする
ドンドンドンッ!!
「マナ!開けろ!!」
「…っ!?」
な、なんでなんで!?
アルディス様がいるの!?
反射で思わず鍵をかけてしまった
「マナが出てこないならドアを蹴破るからな!」
「へ…?」
「5.4.......」
謎のカウントダウンが始まり、私は人化したセツによってすぐ様引き寄せられた
ドカッー・・・
凄まじい音と共に、古いドアが吹っ飛ばされてしまった
「アルディス様やりすぎですよ
ウェルスニード様に当たったらどうするおつもりですか!?」
「せ、セバスチャンさん…」
アルディス様の隣にはセバスチャンさんと、その肩には見た事もない漆黒のオーラを纏った鳥さんが乗っていた
「な、なんだお前は…?
マナから離れろ!!」
「きゃっ!?」
アルディス様の手によって胸元に引っ張り込まれる
「アルディス様、乱暴はいけません!
それにそちらの男性は精霊です」
「こいつが精霊だと…?」
『マナに手荒な真似をするな!
例えセバスチャンが仕えている主だとしても許さんぞ』
スゥッと狼の姿に戻ったセツが、今にもアルディス様に飛びかかろうとしている
「ちょ、ちょっと待って下さい!
なんでアルディス様達がここに居るんですか!?」
「マナが俺に話も通さずに辞めるなどと言うからだろ!
こんな遠い所まで来てどう言うつもりなんだ!?
それともそこの精霊に何か唆されたのか?」
「いや、セツは関係なくて…
寧ろ私を助けてくれたんです」
「助けてくれた…?
やはり舞踏会で何かあったのか!?」
「あの…その…」
ど、どうしよう…
まさかこんな所までアルディス様が来るなんて思ってなかったし…
あ、あれ?
所でヒロインちゃんはどうしたんだろう…?
『マナを困らせるな
それに主には桃色の髪の女がいるはずだろ』
「桃色の髪…?
あぁ、マナが言ってた俺の運命の相手と言うやつか?
それっぽい女はいたが特に何も感じなかったが?」
そ、そんなはず…
「か、階段の所で良い雰囲気で喋ってたじゃないですか!!」
「良い雰囲気…?
マナを探していたらマナの居場所を知ってると言うから聞いていただけだ!」
う、うそ……
『はぁ…
おかしいと思った
あんな恐ろしい事をする女に惚れる男など、碌でもない奴だからな』
「まさか…
マナがその女に何かされたのか!?」
『刃物で脅されたそうだ
主や王太子に近づくなとな…
マナの頬にもかすり傷だがその跡があるぞ』
私が言い淀んでいると、セツがズバッと言ってしまった
「きゃっ!?」
いきなりアルディス様の方に顔を両手で持たれ、振り向かせられる
血も出てないし、赤くなってるだけですぐに治るはずなんだけど…
アルディス様はその部分を心配そうに見ている
「あの全然対した事なくて…
だ、大丈夫ですから離して下さい」
「何が大丈夫なんだ!?
えらく態度のでかい女だとは思っていたが、マナを傷つけるとは許せん!!
大体舞踏会で初めて会った女が何故俺や殿下に近づくななどと…」
『その女は主らに好意を抱いていたようだ』
「な、なんだと!?
ちっ…あの女も俺達に寄ってくる鬱陶しい女共の1人か、いやそれ以下だな
冗談じゃない、そんな屑みたいな女は願い下げだ!」
「私も女性に対してこんなに怒りを感じたのは初めてです」
ひっ……
今まで黙って聞いていたセバスチャンさんまで静かに怒りを滲ませている
「殿下に頼んでその女に指名手配を入れてもらおう」
「えぇ!?
指名手配って犯罪者じゃないですか!?」
「何言ってるんだ?
脅して刃物で傷つけるなど立派な犯罪だろう!」
「いや、あのでもそんな大事にしなくても…」
「大事なんかじゃない!
その女のせいでマナが傷つき、こんな所まで来て辞めるなどと血迷った事を言い出したんだ
必ずそれ相応の報いを受けさせる」
「私もお手伝いさせていただきます」
ひぃいい、もうアルディス様もセバスチャンさんも本気だ
このままじゃラブマジのヒロインちゃんなのに、前代未聞の犯罪者になっちゃうと思って必死に止めたけど…
私の精霊のはずなのに、セツも一緒にノリノリで話に加わってて止められなかった
うぅ、もうめちゃくちゃだ
色々とラブマジの事を考えて離れたはずが、なんだか余計に大変な事になってしまった
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本当にありがとうございます!!
えっ、なんだか悲しい展開に…
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いきなりシリアスになったので、今後どうなるか心配です。
いつも読んで下さり、本当にありがとうございます!
そうですね、色々と急展開の多い話ですが今回はちょっとシリアス回です!
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