転生したらモブ侍女のはずが…どうしてこうなった！？

罰則ですか！？2

「マナ、もっとくっつかないと落ちちゃうよ？」

「……っ」


いま私はなぜか、仕事中の王子様の膝の上に座らされています


とりあえずシャルさんは何も悪くないので、王子様にヒソヒソと耳打ちされてからすぐにどこかへ行っちゃいました

私の罰則はどんなのだろってビクビクして待ってたら…

“机越しじゃなくて、私の所まで来て”と言われ、怯えながらもとりあえず近くまで行きました
その瞬間にいきなり手を引っ張っられて、気づいたら王子様の膝の上に座らせられてた
驚いてすぐに飛び下りようとしたら、“これがマナへの罰則だよ”って止められて…


こんな恥ずかしいのが罰則ってどういう事ですか！？

　
「あ、あの…私がいると仕事しづらくないですか！？」

「手は空いてるから仕事はできるし、別に問題ないよ？」


いや、そう言う事じゃなくてですね…


「あの、私重いし、絶対きついと思うんです！」

「マナは軽すぎるよ、ちゃんと食べてる？」

「へ？あ…はい…」


何言ってもだめだ…

でも王子様の綺麗な顔が私のすぐ斜め後ろにあるし、息づかいとかも近くに聞こえてきて…

顔から火が出そうなほど恥ずかしいし、もうドキドキしすぎて心臓が爆発しそう！！


「あの…もういいですか！？」

「何言ってるの？
罰則だって言ったでしょ、それを決めるのは私だよ？」

「こんな罰則おかしいです！！」

「へぇ、マナは王太子である私が決めた事を否定するんだ？」


ひぃいい、前向いてるから顔は見えないけど、すっごい圧を感じる


書斎の中は2人っきりだけど、外からはたくさんの人の足音や話声が聞こえた


「あの、でもこんなとこ誰かに見られたら…」

「ん？見せておけばいいよ」


ええぇ！？
見せておけばいいって、私みたいな地味眼鏡を膝に乗せてるなんて、他の人に見られたら何言われるか分かったもんじゃないし、王子様の悪評が流れるかもしれない

こんなの絶対駄目ですよね！？


コンコンッ


「ひゃっ！？」


突然ドアがノックされる


やばいやばい、人が来ちゃった！？


流石に王子様の名誉のためにも退かないとと、立ち上がろうとした所を、左手だけでお腹をグッと抱えられて押さえつけられる


「何勝手に動こうとしてるの？」

「ちょっ、ひ、人が来ちゃってるんですよ！？」


この王子様こんな時に何考えてんですかね！？


「入れ！」


私の言葉なんかまるで聞いてない様で、無視されちゃいました…


ガチャッ


「失礼いたします、この書類に殿下のサインが…」


入って来た人は私達を見るなり、扉を開けたまま固まってしまいました


そりゃそうですよね…
どう考えても異様な光景ですもん


パタンッ


そして無言で扉を閉じられました


終わった…
絶対変な目で見られた、今すぐここから消えてしまいたい… 

あまりの羞恥にライフが0になりかけていた


ガチャッ


「…っ！？」


私が泣き言を思っていると、先程の人がまた戻って来た