転生したらモブ侍女のはずが…どうしてこうなった！？

氷結の貴公子に会いました2

　
「顔を見せてみろ」

「嫌です！！」

「ご主人様命令だ」

「わ、私の仕えるご主人様はヴィヴィお嬢様です！！」


ジリジリと迫ってくるアルディス様に後退りで逃げる


「アルディス様、嫌がっている女性にそのような無理意地はいけません」

「うるさい、この女は俺が最も呼ばれたくない名を呼んだのだ、しかも口答えもするしな…これぐらいの仕置は当然だろう？」　　　　


な、なんいう俺様思考…
これはまずい、セバスチャンさん助けて！！
チラッとセバスチャンさんの方を見る


「セバスチャンが助けてくれると思ってるな？」

「っ！？」

な、なんでバレたの？！
やっぱりここの家の人ってエスパーなの？！

「セバスチャン下がれ」

「しかし、女性と2人っきりになどさせられません！」

「はっ…私がこいつに手を出すとでも？
万が一にもいや、億が一にもありえんだろ」


な、なんて失礼な奴！？
そりゃあ私は地味だしブスだけど、この世界の人達は女性に対して紳士な人が多いと思ってたのに…
さすが悪役令嬢の兄ね、根本的な嫌味な性格なんかは一緒ね


「命令だ、下がれ」

「かしこまりました…」

「そんな…」


あぁ、うそうそ！！
最後の防波堤であるセバスチャンさんが追い出されてしまった


パタンっと無常にも扉が閉まる


「さぁ、見せてもらおうか？」


ジリジリと壁際に追い詰められて壁ドン状態になってしまった


「やです！本当に見せられないんです！
お願いだからやめてください！！」

「お前の地味な顔を見るだけだ、何をそんなに勿体ぶる必要がある？
そこまで焦らされるとますます見たくなるぞ」


ひぃいい、この氷結の貴公子様強引すぎやしませんかね！？
推しが強すぎて泣きそう…


「あぁ、焦ったい！！」

「きゃあっ！？」


顎を持ち上げられて上に向かされる
氷結の貴公子様の綺麗な顔がアップになる


「や、無理です無理無理！！」


顔がすごく暑い
だから、私男の子に免疫ないんだってば！！
こんな美形のどあっぷ顎くいなんか心臓潰れちゃうよ！！


「ふっ…お前…反応は可愛いらしいな…」

「なっ…！？」


こ、こんの垂らしがぁああっ
エロ神様といい、アルディス様といい、美形な人ってすぐ可愛いとか言って垂らしばっかりなんですか！？
免疫のない地味眼鏡喪女をからかって楽しいんですかねぇ？？？


「すぐ終わる
一瞬だ、見れないような顔なら一度見たら二度と見らん」

「うぅ…約束ですからね…」

「あぁ」


どうあってもこの垂らし貴公子様は引く気がないみたいなので諦めることにした


スッと自分の手で眼鏡を取る


「よしよし、じゃあご尊顔を…」


ついに、サラッと長い私の前髪を垂らし貴公子様自らの手であげられてしまった