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欲望のお楽しみ編_ネコの章

これもアイのカタチ?

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「ダメだよ、顔を逸らしたら。恥ずかしくても、照れくさくても、愛するんだったら向き合わないと」
「あ、愛って……そんなんじゃないだろ、こんなの……。お、オレは、こんなん着けてるんだし」
「うん、そうだね。これは本物のセックスじゃない。でも、愛じゃないかどうかはまた別の話だよ。セックスよりも激しい行為じゃないと愛を感じ取れない人もいれば、ただ手を繋ぐだけで愛を感じる人もいる。だから、例え本物じゃなくてもセックスをしてくれるんだったら、ネコちゃんがフリだけでも激しくお姉さんを求めて犯してくれたら、嬉しいな」
「っ、ほ、本当のはさせてくれないくせに……身勝手すぎだろ……!」
「だって本当のをしたら、お姉さんキミに本気になっちゃうかもしれないし♡」

 リサの右手人差し指が翔斗の唇を撫でる。右端から緩やかなM字を描いて左端まで滑らせると、その細い指先に紅が付着した。リサは指先の赤を眺めながら微笑むと、自らの唇に押し付けて線を引き、そして、はにかみながらぺろりと唇を舐めた。

 それは多分、大人の魅力というやつだったのだと思う。子供では逆らうことのできない誘惑。

「~~~~っ!」

 翔斗はどうしていいのかわからずに、ただただ恥ずかしくてリサの胸に顔を埋めた。顔が熱くて、耳まで真っ赤になっていることが簡単に予想できてしまうほどに心臓が早鐘を打っている。

「よしよし♪」

 リサの手が翔斗の後頭部を撫でる。優しく、自らの胸に誘い込むように。その手は頭から首筋に移り、背中まで落ち、やがて腰を撫で始めた。指先で円を描くようにくるくると、翔斗の腰の上で指が踊る。

「んっ♡ あぅっはっ……♡」

 むずがゆくて、もどかしくて、腰がぴくぴくと跳ねる。その小さな痙攣が性器にまで伝わって、声が漏れる。

 リサの吐息が耳に当たる。視界が塞がれているせいか触覚がとても敏感になっていて、リサが身じろぎするだけで快感が体中を走ってしまう。

「……ねえ、いつまで焦らすの?」
「っ!」

 それは耳元で囁かれた翔斗にしか聞こえない声。恋人の距離からのリサからのおねだり。

「お姉さん、もう我慢できないよ……だから、ねえ、早く……♡」
「あっ、んっ……ふぅっ……!」

 翔斗の腰が緩やかにストロークをし始める。リサの言葉に操られるているかのように、オナホを装着した性器でリサの下腹部を擦りあげる。

「あんっ♡ すごい……ネコちゃん、初めてなのに上手だね♡ お姉さんの敏感な所に当たって、とっても気持ちいい……♡」

 リサが嬌声を漏らし始める。普段とは違う、上擦った声が翔斗の耳の中に反響する。

 リサが気持ちいいはずがない。下腹部を外側から擦られているだけなのだから、喘ぎ声なんて出るはずがない。翔斗をからかっているだけなんてことは、翔斗自身が一番はっきりとわかっている。

 だというのに、リサの甘い声を聴くと体が熱くなってしまう。もっとその声を聴きたいと張り切ってしまう。リサに気持ちよくなってほしいと頑張ってしまう。

 わかりきった感じてるフリなんかに踊らされる自分が情けなくて涙が出そうになっても、腰は止まるどころかどんどんと加速していった。

「あっ♡ んっ♡ ネコちゃん激しすぎるよぉ……♡ そんなにしたら、お姉さんすぐイっちゃうからぁ♡」
「あっ、はぁっ、ん……♡ はぁっ、んぅ、っくぅ……♡」

 段々とリサの声よりも翔斗の声の方が大きくなっていく。

 オナホのぐにゅぐにゅとした肉で擦られる性器が熱くなりすぎて、感覚が薄れていっている。熱でぼやけた触覚では性器がまだ体の一部としてくっついているのかも確かじゃなくて、それでも腰を沈める度に走り回る快感がくっついていることを教えてくれる。

 もう動きたくない。息が苦しくて、動きっぱなしで疲れていて、強すぎる快感から逃げ出したい。
 それでも動いてしまう。呼吸の度に動く胸が、動く度に上がる声が、翔斗を捉えて離さない。相反する感情が胸中で渦巻いて、もう何がなんだかわからなくて、ただただ腰を動かすことしかできない。いつの間にか、翔斗はリサの胸を涙で濡らしていた。

「んー? ネコちゃん泣いてるの? 気持ちよすぎて泣いちゃってるの?」
「ひっ、ひぃっ♡ い、いふぅっ、い、イくぅ……♡」
「いいよー♡ お姉さんの中にびゅーびゅー精液出して、いっしょにイこう?」
「ひっ、いっ、ひいぃぃ~~♡」

 リサの服をぎゅーっと握り込んで、体をきゅーっと強張らせて、翔斗はイった。リサに抱き留められながら、頭を撫でられながら、精液が勢いよく漏れ出ていく。

「あっ……はっ♡ ぁっ……♡」

 余韻による痙攣で体ががくがくと震える。体が浮いてしまいそうなほどの快楽で身をよじりたくても、リサに埋もれた体ではそれも適わず。痙攣で逃がしたはずの快感はリサの柔らかい肉に反射されて、何度でも翔斗を蝕む。

「えっ? あ~~っ♡ ネコちゃんたらいけないんだー♡ お姉さんの体に粗相しちゃうなんて……♡ ふふっ、お姉さん、ネコちゃんにマーキングされちゃった♡」

 精液が呼び水となったのか、射精の快感で翔斗はお漏らししてしまっていた。体中の緩みきってしまった筋肉では尿道を締めることもできずに、ふわふわと浮いた脳では考えることもできない。翔斗は余韻による吐息を零しながら、ちょろちょろと水音を立てることしかできなかった。
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