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親睦偏
シャワーの後も可愛いままでした
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「はー♪ お酒を飲んだ後のシャワーって、なぜか気持ちいいですよねー♪」
シャワーを浴び終わったツキが部屋へと戻ってきた。
素肌にバスローブを羽織った姿で、壁に半身を隠したりはせずに堂々と。
「次、アキラさんどうぞ」
「…………」
「アキラさん? どうかしましたか?」
風呂に入ってしまえば、また一歩ラブに近づいてしまう。
それがなんだか嫌で、
翠はベッドから腰を上げられず、
ツキとの会話で時間稼ぎを試みることにした。
「いや……なんていうか……やっぱり化粧は落とさないんだな」
シャワーを浴びたツキ。
薄化粧なのか、それともそう見えるだけのナチュラルメイクというやつなのか。
化粧に疎い翠ではよく見ないとわからないが、それでもシャワーを浴びた後であるツキがすっぴんでないことは確かだった。
「むっ……」
やはり、その場しのぎだったとはいえ女性にすっぴんのことを訊くのはタブーだっただろうか。
ツキは女性では無いけれど、風呂上りでご機嫌だった顔をしかめてしまった。
「いいじゃないですか、すっぴんじゃなくたって。アキラさんだって、可愛いツキちゃんとセックスしたくないですか?」
「別に、ツキが可愛いからしたいわけじゃないけど……」
「ふーん……?」
「なんだよ」
「別にー? 初めて会った時は、こんな可愛い子初めて見た……って顔でじろじろ見てたくせに、そういうこと言うんですねー……?」
「ぐっ……それはそうだろうけど……」
女性も胸への視線はすぐにわかると言うし、見られている側というのはそういう視線には敏感なのだろう。
翠にはそんな経験はあまりないけれど、確かにツキがこちらの股間に目をやっているのには気付きやすいかもしれない。
ツキの場合は、見ているというアピールでわかりやすくしている可能性もありそうだけれど。
「でも、可愛いってだけでしたくなるわけではないだろ」
ツキの見目は可愛い。
計算された演技をしている時なんて、可憐という文字がそのまま人の形になったかのような有様だ。
初めて会った日も。
そして今も。
いつだって、翠はツキの可愛さに心を動かされている。
しかしだからといってツキとラブをしたいわけでもない。
どれだけ可愛い人が相手でもラブはしたくないということもあるだろうし、その逆もまた然りだろう。
童貞が語ったところで説得力はないかもしれないけれど。
「可愛いだけじゃセックスしたくはならなくても、可愛ければより興奮しませんか?」
「それは否定しないけど……」
「顔が可愛い、または綺麗。胸が大きい、または小さい。お尻が大きい、または小さい。容姿の好みは人それぞれですけれど……アキラさんは、どんな女の子だとおちんちんを硬くしちゃいますか?」
「……綺麗系で、巨乳で、尻も大きい子だな」
「つまりー……ツキちゃんがドストライクってことですね♪」
「……」
意地を張っていることまで、ツキには見通されていた。
シャワーを浴び終わったツキが部屋へと戻ってきた。
素肌にバスローブを羽織った姿で、壁に半身を隠したりはせずに堂々と。
「次、アキラさんどうぞ」
「…………」
「アキラさん? どうかしましたか?」
風呂に入ってしまえば、また一歩ラブに近づいてしまう。
それがなんだか嫌で、
翠はベッドから腰を上げられず、
ツキとの会話で時間稼ぎを試みることにした。
「いや……なんていうか……やっぱり化粧は落とさないんだな」
シャワーを浴びたツキ。
薄化粧なのか、それともそう見えるだけのナチュラルメイクというやつなのか。
化粧に疎い翠ではよく見ないとわからないが、それでもシャワーを浴びた後であるツキがすっぴんでないことは確かだった。
「むっ……」
やはり、その場しのぎだったとはいえ女性にすっぴんのことを訊くのはタブーだっただろうか。
ツキは女性では無いけれど、風呂上りでご機嫌だった顔をしかめてしまった。
「いいじゃないですか、すっぴんじゃなくたって。アキラさんだって、可愛いツキちゃんとセックスしたくないですか?」
「別に、ツキが可愛いからしたいわけじゃないけど……」
「ふーん……?」
「なんだよ」
「別にー? 初めて会った時は、こんな可愛い子初めて見た……って顔でじろじろ見てたくせに、そういうこと言うんですねー……?」
「ぐっ……それはそうだろうけど……」
女性も胸への視線はすぐにわかると言うし、見られている側というのはそういう視線には敏感なのだろう。
翠にはそんな経験はあまりないけれど、確かにツキがこちらの股間に目をやっているのには気付きやすいかもしれない。
ツキの場合は、見ているというアピールでわかりやすくしている可能性もありそうだけれど。
「でも、可愛いってだけでしたくなるわけではないだろ」
ツキの見目は可愛い。
計算された演技をしている時なんて、可憐という文字がそのまま人の形になったかのような有様だ。
初めて会った日も。
そして今も。
いつだって、翠はツキの可愛さに心を動かされている。
しかしだからといってツキとラブをしたいわけでもない。
どれだけ可愛い人が相手でもラブはしたくないということもあるだろうし、その逆もまた然りだろう。
童貞が語ったところで説得力はないかもしれないけれど。
「可愛いだけじゃセックスしたくはならなくても、可愛ければより興奮しませんか?」
「それは否定しないけど……」
「顔が可愛い、または綺麗。胸が大きい、または小さい。お尻が大きい、または小さい。容姿の好みは人それぞれですけれど……アキラさんは、どんな女の子だとおちんちんを硬くしちゃいますか?」
「……綺麗系で、巨乳で、尻も大きい子だな」
「つまりー……ツキちゃんがドストライクってことですね♪」
「……」
意地を張っていることまで、ツキには見通されていた。
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