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追及偏
性欲をアピールされました
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「無視しないので、変なことするのは止めてください」
「聞こえませーん♡」
「ちょっと!? 止めてくださいって!!」
胸板に頬を擦りながらずり落ちていこうとするツキを、何とか手で制止する。
止めるのが間に合っていなかったら、ツキは股間まで落ちていくつもりだったのだろう。
「無理やりそういうことはしないんじゃなかったんですか!?」
「アキラさんも言っていたじゃないですか。性欲と恋愛は別の話だって♡ アキラさんには自分から落ちていただきたいですけど、あんまり焦らされたら私だって我慢できないですよ……♡」
「焦らしたつもりなんてありませんけど……」
これではツキに落ちようと落ちまいと、結果としては変わらないのではないか。
ツキの思考回路は色恋に染まりすぎていて、あまりにも性的すぎるように思う。
「それで? 何をそんなに黙っていたんですか?」
「……」
「えへへっ♡ 物覚えの悪いお口は、私がほぐしてあげないとだめなんでしょうか? それとも、わざと誘っているんですか?」
「いやっ、話しますよ! ただ、私もそこまで思考を整理できているわけではないので……どう話したものかと迷っているだけで……」
「何でも話していただいていいですよ? つらつらと思考が回るままに話していただいても……端的に、簡潔に、思考を漏らしていただいても……。アキラさんのことなら、どんな些細なことでも知りたいですから♡」
「……まるで恋する少女のようなセリフですね」
「皮肉ですか? アキラさんのことを女にしてあげてもいいんですよ?」
「いや、遠慮しときます……」
「まあ、恋しているというのは合ってますけれどね。アキラさんに純情な乙女心を射抜かれてしまったという点では間違ってないですから♡」
「出会って二日目でそんなセリフが吐ける時点で、純情な乙女とはかけ離れてませんか?」
「かけ離れてないですよ♡ 私はアキラさんの童貞くさいところに純粋に惹かれて、年頃の乙女のように欲情してるだけですから♡」
「…………そうですか」
「照れてるんですか?」
「その前向きさと気楽さだけは尊敬してますよ……」
ツキからすれば翠が今抱えている悩みなど些事なのだろう。
そういう意味では、論理的思考を必要とする職に就いているはずの翠よりも、よっぽどツキの方が論理的だ。
損得がはっきりしているというのに動き出せない有様は、あまりに不合理で感情的すぎる。
「聞こえませーん♡」
「ちょっと!? 止めてくださいって!!」
胸板に頬を擦りながらずり落ちていこうとするツキを、何とか手で制止する。
止めるのが間に合っていなかったら、ツキは股間まで落ちていくつもりだったのだろう。
「無理やりそういうことはしないんじゃなかったんですか!?」
「アキラさんも言っていたじゃないですか。性欲と恋愛は別の話だって♡ アキラさんには自分から落ちていただきたいですけど、あんまり焦らされたら私だって我慢できないですよ……♡」
「焦らしたつもりなんてありませんけど……」
これではツキに落ちようと落ちまいと、結果としては変わらないのではないか。
ツキの思考回路は色恋に染まりすぎていて、あまりにも性的すぎるように思う。
「それで? 何をそんなに黙っていたんですか?」
「……」
「えへへっ♡ 物覚えの悪いお口は、私がほぐしてあげないとだめなんでしょうか? それとも、わざと誘っているんですか?」
「いやっ、話しますよ! ただ、私もそこまで思考を整理できているわけではないので……どう話したものかと迷っているだけで……」
「何でも話していただいていいですよ? つらつらと思考が回るままに話していただいても……端的に、簡潔に、思考を漏らしていただいても……。アキラさんのことなら、どんな些細なことでも知りたいですから♡」
「……まるで恋する少女のようなセリフですね」
「皮肉ですか? アキラさんのことを女にしてあげてもいいんですよ?」
「いや、遠慮しときます……」
「まあ、恋しているというのは合ってますけれどね。アキラさんに純情な乙女心を射抜かれてしまったという点では間違ってないですから♡」
「出会って二日目でそんなセリフが吐ける時点で、純情な乙女とはかけ離れてませんか?」
「かけ離れてないですよ♡ 私はアキラさんの童貞くさいところに純粋に惹かれて、年頃の乙女のように欲情してるだけですから♡」
「…………そうですか」
「照れてるんですか?」
「その前向きさと気楽さだけは尊敬してますよ……」
ツキからすれば翠が今抱えている悩みなど些事なのだろう。
そういう意味では、論理的思考を必要とする職に就いているはずの翠よりも、よっぽどツキの方が論理的だ。
損得がはっきりしているというのに動き出せない有様は、あまりに不合理で感情的すぎる。
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