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素敵な王子さま
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その時、両開きの大きな扉がノックされた。
「はい! どうぞお入りください」
レオンが返事をする。いよいよ王子さまとエラ嬢のお出ましだ。緊張するなぁ。レオンは深くお辞儀をしてお二人を待つ。
静かに扉が開く音、静かな靴音。今、レオンには白い大理石の床しか見えていない。彼は礼儀正しくお辞儀をしたまま、王子さまからのお声がけを待っている。
「初めまして、レオン・ヌッツェンマン君」
優しく温かい男性の声。顔を見なくても、声を聞くだけでハンサムだとわかる。
「お久しぶりね、レオン」
久しぶりに聞く鈴を転がすような愛らしい声。懐かしいお嬢さん!
「初めまして、王子さま。本日はお茶会へお招き下さりありがとうございます。私たち家族の引っ越しの日には、立派な馬車を用意してくださってありがとうございました。とっても助かりました。お久しぶりです、エラ嬢。お二人とも、この度はご婚約おめでとうございます」
レオンは大理石の床を見つめながら、挨拶とお礼とお祝いの言葉を申し上げた。言い間違えないように何度も練習して来たのだ。
「どうか顔を上げてください」
王子さまにお声がけをいただいたので、レオンは顔を上げる。王子さまは、噂と予想にたがわぬギリシャ彫刻のような美青年だった。青い静脈が透けて見えるほどの白い肌、栗色の巻き毛、神秘的なまでに澄んだ緑の瞳。神々しいまでの凛々しさ・美しさである。
レオンはこんな上品でエレガントな男性には、これまで会ったことがなかった。だが女性なら、こんな上品でエレガントな人を一人だけ見たことがある。それは、王子さまの隣で気品ある笑顔をたたえたエラ嬢だ。
王子さまの婚約者となった彼女は、ますます美しくなっていて眩しいほどである。愛し愛される喜びを得て、その幸せが彼女を一層美しく輝かせていたのだった。目の前のお二人は、『結ばれることが生まれる前から決まっていたのではないか?』と思うほどのお似合いのカップルだ。
「はい! どうぞお入りください」
レオンが返事をする。いよいよ王子さまとエラ嬢のお出ましだ。緊張するなぁ。レオンは深くお辞儀をしてお二人を待つ。
静かに扉が開く音、静かな靴音。今、レオンには白い大理石の床しか見えていない。彼は礼儀正しくお辞儀をしたまま、王子さまからのお声がけを待っている。
「初めまして、レオン・ヌッツェンマン君」
優しく温かい男性の声。顔を見なくても、声を聞くだけでハンサムだとわかる。
「お久しぶりね、レオン」
久しぶりに聞く鈴を転がすような愛らしい声。懐かしいお嬢さん!
「初めまして、王子さま。本日はお茶会へお招き下さりありがとうございます。私たち家族の引っ越しの日には、立派な馬車を用意してくださってありがとうございました。とっても助かりました。お久しぶりです、エラ嬢。お二人とも、この度はご婚約おめでとうございます」
レオンは大理石の床を見つめながら、挨拶とお礼とお祝いの言葉を申し上げた。言い間違えないように何度も練習して来たのだ。
「どうか顔を上げてください」
王子さまにお声がけをいただいたので、レオンは顔を上げる。王子さまは、噂と予想にたがわぬギリシャ彫刻のような美青年だった。青い静脈が透けて見えるほどの白い肌、栗色の巻き毛、神秘的なまでに澄んだ緑の瞳。神々しいまでの凛々しさ・美しさである。
レオンはこんな上品でエレガントな男性には、これまで会ったことがなかった。だが女性なら、こんな上品でエレガントな人を一人だけ見たことがある。それは、王子さまの隣で気品ある笑顔をたたえたエラ嬢だ。
王子さまの婚約者となった彼女は、ますます美しくなっていて眩しいほどである。愛し愛される喜びを得て、その幸せが彼女を一層美しく輝かせていたのだった。目の前のお二人は、『結ばれることが生まれる前から決まっていたのではないか?』と思うほどのお似合いのカップルだ。
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