短編妄想

水上 まこと

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豚骨ラーメン

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夏の暑い日の夜、電柱の光に群がるのが虫なら。冬の寒い日の夜にこうして赤チョウチンに群がっている私も虫と言えるのではないか。
雪もチラチラと降ってきている午後9時にこの赤チョウチンに誘われたのは私だけでは無く。顔が酒で赤くなったサラリーマンや、学校帰りの学生なども引き寄せられるように店の前には列が出来ている。
こんな寒い中で列に並ぶより家に早く帰って温まった方がいいのではとも少し感じてしまうが、こんな寒い日だからこそアツアツのラーメンをすすり体を一度温めてから家に帰宅する。その工程に意味があるのではないだろうか。
寒い中数分待っていると私の番が来た。
店に入ると、豚骨ラーメンのいい匂いが私の食欲をかきたてた。
席に付き注文すると程なくしてラーメンが運ばれて来た。器からは湯気が立ち込め、器を両手で包めばかじかんでいた手が感覚を取り戻す。
そのまま器をしっかりと握りスープを飲むと冷えた体にたちまちスープがしみわたり
「ふぅ~・・・うまい」そんな言葉が口をついて出た。
スープの熱気に先程まで外にいた私の眼鏡は曇り、外との温度差を改めて感じる。
私はかけていた眼鏡を服の裾で拭うと再度かけなおし、今度は麺をズズっと音を立てながら一口もう一口と食べ、再度スープをすする。次は楽しみにしていたチャーシュー肉厚で味のしみたこの肉の塊を一口かじりすかさず麺をすする。
そこからは怒涛の勢いで麺とチャーシューを食べ、スープだけとなった。
私は店員に替え玉を追加注文して第二ラウンドの開始を宣言する。
替え玉が届きさらに食べる速度は速くなる。気が付いた時には既にスープまで飲み干していた。
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