短編妄想

水上 まこと

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練習

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「声出せー、もう一周追加するぞ」
グラウンドに顧問の声が響く。
「いーち、にー」
「いちにっさんし」
顧問の声を聞き僕達も声を今までより大きく出した。
「ランニングするのに掛け声の大きさとか関係ないんじゃね」
僕の後ろにいる山下がつぶやく。
「関係なくても声出してないと延々とランニングすることになるやろうから。とりあえず出しとけ」
それに答えるかのように山下の隣の田沼が言う。
広いグラウンドを暑い中ランニングする。
これは部活を開始する前の決まりとなっているのだが、正直言うと僕は部活なんてする気は無い。声を張り上げている顧問はやる気満々であるが、他校と試合がしたいわけじゃない僕からすると正直いやな顧問だ。僕はバレー部に所属しているのだか、これも学校の方針で生徒は絶対に部活動に入ることというクソのような規則があるせいである。
去年までは皆で楽しく体育館の端で遊びバレーをしていたのだが、今年から入って来た顧問がやたらと熱心な人に変わったことにより環境が一変した。
今までは楽しくやっていたのに実践的な練習や練習試合まで組はじめ既に何人かは幽霊部員となっている。僕も幽霊部員の一人なのだが、正当な理由が無ければ週に二回以上は部活に来いと言う校則の元、強制的に連れられて今にいたるわけだ。
「今日、火曜日なのになんで来てるんだ」
この顧問は火、水、金は会議がある為部活には来ないことが多いのだが、今日の用に突然来ることがある。この日を狙って来る部員は多く今日も顧問が普段から来ている日に比べると多くの幽霊部員達が部活に来ている。
顧問に言って多くの部員が退部して他の緩い部活に行こうといたのだが、退部の書類には現部活の顧問印が必要であり、何度か頼みに行ったが取り合って貰えず。
「お前達まだバレーの楽しさをわかってないだろ」
とわけのわからない理由で印鑑を押すことを拒否されている。
学校にも退部出来るように交渉を行って見たが・・・結果からいうと話すら聞いて貰えず。
顧問に話をしてくださいと言われる始末だった。
「とりあえず、アイツいなくなるまで時間つぶしてその後はいつも通り緩くやろ」
生徒と顧問の関係にどんどんと溝が開いて行くことを学校は知った方がいい
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