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第九章 第二節
お姉さん
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ミーが席を外している事も知らないタカシ(レナ)は、駅の売店で何を買うか悩んでいた。
レナ
「おにぎり無いの?」
タカシ
「最近の駅の売店には、おにぎりは置いて無いみたいだな。先にコンビニにでも寄ってこれば良かったかな。」
レナ
「コンビニって処なら、有るの?」
タカシ
「売り切れてでも無い限りは、高い確率で置いてるな。」
売店のお姉さんは、微笑しながら
「おにぎりが良かったかな?だったら、売り物では無いけれど、私の持ってく?」
タカシ
「え?良いんですか?」
売店のお姉さん
「その代わり、何か買って行ってね。」
そう云うと、売店のお姉さんは後ろの小さな棚から、お弁当らしき包を取り出し、タカシの手に持たせる。
レナは、ニッコリと
「ありがとうございます。」
売店のお姉さんも、ニッコリと
「変わった坊やね。腹話術か何かかな?面白いわね。」
タカシは、売店のお姉さんが若くて綺麗な人だったのもあり、少々顔を赤らめて照れている。
それを感じたのか、レナは少し不機嫌になり、声を出さなくなった。
タカシは、そんな事はお構い無しに売店での買い物を終え、急いで指定席に戻る。
タカシは売店の去り際に
「ありがとう、お姉さん。この御恩は忘れません。」
売店のお姉さんは、微笑しながら
「はいはい。又ここに来たら寄っててね。又、おにぎり用意しとくね。」
お互いに手を振って別れる。
タカシ(レナ)が指定席に戻ると、ミーが見当たらない。
タカシは溜め息と共に
「はぁ。やっぱりか。やっぱりなのか。」
そんなタカシを尻目に、ミーがご機嫌な様子で歩いて来る。
ミー
「大人の階段の~ぼる~♫」
タカシは少々怒っている
「何が、大人の階段の~ぼる~♫、だ。歌まで歌ってご機嫌だな。」
ミーは、誇らしげに
「私は、頼りになるお姉さんなのだ。これを見よ。」
そう云うと、首に掛けた小さなロザリオと手に持った緑茶のペットボトルを見せて来る。
タカシは不思議そうに
「如何したんだソレ。誰かに貰ったのか?」
ミー
「タカシよりも、チョット小さな女の子のお母さんに貰ったのだ。お礼だってさ。」
話を詳しく聞くと、どうやら、トイレの前で悲鳴を聞いたミーが、中の様子を尋ねると、女の子が自分の血を見て驚いているのをミーが話をして落ち着かせて、お母さんの所迄連れて行ったらしい。
タカシ
「それで、頼りになるお姉さんか。良くやったな、ミー。」
ミー
「私は頼りになるお姉さんだ。タカシも頼って良いぞ。」
タカシは呆れて
「はいはい、お姉さん宜しくな。」
ミーは両手を腰に当てて
「お姉さんに任せなさい。レナも頼って良いよ。」
レナ
「私は頼りません。」
レナ
「おにぎり無いの?」
タカシ
「最近の駅の売店には、おにぎりは置いて無いみたいだな。先にコンビニにでも寄ってこれば良かったかな。」
レナ
「コンビニって処なら、有るの?」
タカシ
「売り切れてでも無い限りは、高い確率で置いてるな。」
売店のお姉さんは、微笑しながら
「おにぎりが良かったかな?だったら、売り物では無いけれど、私の持ってく?」
タカシ
「え?良いんですか?」
売店のお姉さん
「その代わり、何か買って行ってね。」
そう云うと、売店のお姉さんは後ろの小さな棚から、お弁当らしき包を取り出し、タカシの手に持たせる。
レナは、ニッコリと
「ありがとうございます。」
売店のお姉さんも、ニッコリと
「変わった坊やね。腹話術か何かかな?面白いわね。」
タカシは、売店のお姉さんが若くて綺麗な人だったのもあり、少々顔を赤らめて照れている。
それを感じたのか、レナは少し不機嫌になり、声を出さなくなった。
タカシは、そんな事はお構い無しに売店での買い物を終え、急いで指定席に戻る。
タカシは売店の去り際に
「ありがとう、お姉さん。この御恩は忘れません。」
売店のお姉さんは、微笑しながら
「はいはい。又ここに来たら寄っててね。又、おにぎり用意しとくね。」
お互いに手を振って別れる。
タカシ(レナ)が指定席に戻ると、ミーが見当たらない。
タカシは溜め息と共に
「はぁ。やっぱりか。やっぱりなのか。」
そんなタカシを尻目に、ミーがご機嫌な様子で歩いて来る。
ミー
「大人の階段の~ぼる~♫」
タカシは少々怒っている
「何が、大人の階段の~ぼる~♫、だ。歌まで歌ってご機嫌だな。」
ミーは、誇らしげに
「私は、頼りになるお姉さんなのだ。これを見よ。」
そう云うと、首に掛けた小さなロザリオと手に持った緑茶のペットボトルを見せて来る。
タカシは不思議そうに
「如何したんだソレ。誰かに貰ったのか?」
ミー
「タカシよりも、チョット小さな女の子のお母さんに貰ったのだ。お礼だってさ。」
話を詳しく聞くと、どうやら、トイレの前で悲鳴を聞いたミーが、中の様子を尋ねると、女の子が自分の血を見て驚いているのをミーが話をして落ち着かせて、お母さんの所迄連れて行ったらしい。
タカシ
「それで、頼りになるお姉さんか。良くやったな、ミー。」
ミー
「私は頼りになるお姉さんだ。タカシも頼って良いぞ。」
タカシは呆れて
「はいはい、お姉さん宜しくな。」
ミーは両手を腰に当てて
「お姉さんに任せなさい。レナも頼って良いよ。」
レナ
「私は頼りません。」
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