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第八章 第一節

新しい家族

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「は~い。朝ご飯出来てますよ~。」
ユキナの声が家中に響き渡る。

ナオヤ
「朝だぞ。タカシ起きろ。」

身体を揺すって起こした相手はミーでした。

ミー
「まだ眠いよ~。タカシ。」

ナオヤ
「オレはタカシじゃないよ。って言うか、タカシは何処行った?」

その頃、タカシはトイレの扉を開ける。
中には既に誰かいる。
レナが先ず気付く。
「あっ。ゴメンナサイ。お先にどうぞ。」

先に中に居たのは、タカシと歳が近そうな美少女でした。レナは、直ぐに扉を閉める。

中から
「ジャー」

水の流れる音が終わると、先程の美少女が出て来る。

美少女
「お主、名を名乗れ」
「我が主、ケンジに成敗して貰うからな?」

タカシは頭をさげながら
「ゴメンナサイ。わざとじゃ無いんです。」
「あっ、僕はタカシって云います。宜しくお願いします。」

美少女は腕を組んでマジマジとタカシの顔を観る。

タカシは、ドキドキして来て顔が紅くなる。

美少女
「なんじゃ。照れておるのか?」

タカシは、オドオドした様子で
「我が主って、ケンジさんのお知り合いか何かですか?だったら、尚更、失礼しました。」

遠くから、声がする。

「朝ご飯出来てますよ~」

タカシは、まだオドオドしている。
「取り敢えず、朝ご飯食べに行きませんか?」

美少女は、組んだ腕を解き、腰に両手を当てる。
「まぁ、この件は朝ご飯の後にしよう。逃さんぞ。」

二人(三人)が、食卓のテーブルまで来ると、皆既に集まっている。

ナオヤ
「遅いぞタカシ。それと、タカシと一緒に来たのが、ケンジさんの云ってた現魔王ですか?」

ケンジ
「あぁ。皆、ヨロシクな。新しい家族だ。現魔王で、俺が昨夜使役して来た、俺の使い魔だ。」

ミーは、眠そうな声で
「タカシ~。遅いぞ~。」

急にハッとして
「現魔王!?」

急に立ち上がる。ミーは震えている。

ケンジ
「さっき、説明しただろ。害はない。もう、俺の配下だ。」

タカシとレナは、眼を丸くして
「え?どゆこと?」

ユキナは、落ち着いた様子で
「まぁ、先ずは席に着いて下さいな。けどまぁ、良い考えって、まさか使役しちゃうなんてねぇ。」

アイも又、ミーと同じく震えながらも警戒した様子で
「黒い瞳に、黒い髪。人間で云う処の少女の様な面持ち。間違いなく、現魔王だわさ。」

美少女は、現魔王だった様です。

ナオヤは、少し飽きれた様子で
「現魔王が、こんな様な可愛い娘ちゃんだっただなんてねぇ。一体何に怯えてたんだか。」

ケンジはキリッとした表情で返す
「可愛い娘なのは認めるが、実力はやはり、魔王その物だぞ。ナオヤなんて、指先一つで肉塊に出来てしまうぞ。」

皆、ゾッと背筋が凍る。

ケンジはサラッと続ける
「とは云え何だ。皆んな、ヨロシクな。」

皆、不安を隠せない。それもそうでしょう。可愛い娘とは云え、実力も折り紙つきの現魔王なのですから。それが、今日から家族と云われても、納得出来る訳ありません。此れから如何なる事でしょう。

現魔王
「たった今我が主、ケンジから紹介に与った我が、現魔王のリンちゃんじゃ。皆の者、ヨロシクな。」

タカシ
「リンちゃんって。自分でちゃんを付けちゃったよ。」

現魔王リン
「なんじゃ。文句でも有るのか。トイレ覗き魔のタカシ君。」

タカシは項垂れて
「今度は、そんな呼ばれ方ですか。はぁ…。」
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