ファンタジーの世界より日本に転生しました

第三章 第三節

お前なぁ

マリアに導かれ温室ビニールハウスを出た処だった。

スズ
「二人お揃いで、こんな学校の裏山にある花屋に何の用なのよ」

いつもの様に仁王立ちしている。

二人は
「げっ。スズかよ。又かよ。今度は何なんだよ。」

スズは怒りが込み上げる。
「げっ。とは何よ。又ですよ。今度は後を付けて来たんですよ。」

二人
「お前なぁ」
「アレか、暇か？」

スズは続ける。
「何よ。さっきから二人ハモって。あんた等ホントに仲良いわね。」
「じゃなくて。学校がずっと休みになったら、そのまま新中華街行きが無かった事にされかもでしょ。そんなの嫌よ。」

タカシ
「アレで終わったと思っていた俺がバカだった」

シゲノブ
「否。俺もだよ。」

二人は顔を見合わせ溜息をつく。
「はぁ～っ」

その遣り取りを側で見いたマリアはクスクスと肩を揺すらせている。

それに気付いたスズは
「お二人さん。この美人の女性目当てでしたか？あぁ、そうでしょう。そうでしょう。私なんかよりも胸も大きいしスタイルも良いし、何よりも凄くキレイですもんね。この人と行くつもりでしょ。」

タカシは呆れて
「何処からそういう発想になるかね。確かに、こんなにも凄い美人と行けるなら行きたいよ。でも、俺の兄貴ならまだしも、俺が誘えるわけ無いだろう？」

スズは涼しい顔して
「それもそうね」
「それじゃあ何しに来たのよ」

シゲノブは渋々正直に
「相談があって来たんだよ」

スズはキョトンとして
「相談？」
「二人が？」

タカシ
「マリアさん。今日の処はシゲノブのお悩み相談だけで宜しくお願い致します。」

マリアは肩を揺すらせながら
「はいはい。今日の処はシゲノブさんのお悩み相談だけでね。」
「それじゃあ、三人共テーブルの椅子に座っててちょうだい。私はお菓子とお茶を持って来るわね。」

そう言うと、マリアは小さな小屋の様な家の中に入って行く。

シゲノブ
「タカシ。良かったのか？俺だけで？」

タカシ
「あぁ。今日は気分が乗らない。」

スズは悪びれた様に
「ごめんなさい。こんなつもりじゃ。ただ、学校が休みでも連絡を取れるようにと思って。話したかっただけなの。」

スズは本当に申し訳無く思っているようだ。其れを見ていて二人も、少しは反省している様だなと感じていた。