あといとあい

宮崎世絆

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なかよしのあかし

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 あるところに「あ」と「い」がいました。

「あ」と「い」はとてもなかよし。でも、もっとなかよしになりたくて。
 ふたりはかみさまにおねがいをしました。

「「かみさま。どうかわたしたちの、なかよしのあかしをください!」」

 すると、「あ」と「い」のからだがとつぜん、ひかりかがやきました。

 やがてひかりは、ふたりからとびだすと、そのふたつのひかりがひとつになって、「あい」がうまれました。

「あ」は「あい」に「い」のことをたくさんおしえ、
「い」は「あい」に「あ」のことをたくさんつたえました。

「あい」はふたりのことがだいすき。

 でも、すこしかなしいのでした。
「あ」は「い」のこと。「い」は「あ」のことばかりはなすから。

「だいすきなのに、さみしいな」


 あるひ、「あ」と「い」に「あい」はいいました。

「『あい』はふたりからうまれたから、ふたりに『あい』をしってほしい。『あい』はふたりのなかよしのあかしだから。『あい』が、ふたりの『あい』をおはなししてあげる!」

 それから「あ」と「い」は、「あい」から『あい』をたくさんききました。

「あい」は、『なかよしのあかし』としてうまれたけれど。

「あ」と「い」にとって「あい」は、かけがえのない『あい』だときづいたのです。

「あ」と「い」と「あい」は、もっとなかよしになりました。


 さんにんは、たまにけんかもするけれど。

『あい』をしっているから、すぐになかなおり。

 さんにんはいつまでもなかよし。これからもずっとね。

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