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うさぎの精霊
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「精霊?
…というと『地上に降り立った神様だ~』みたいになってるやつ?」
「まあそうだね、うん。」
そうなんだけど、それだとハルと喧嘩したりしてたら神様と喧嘩してることになっちゃうね。
この世界の神と喧嘩するとか怖いよ、どんな目に遭わされるか分からないやつじゃん。
「どうしてミコはそのうさぎが精霊だって思うの?」
「ん~、絶対にあってるとは言えないよ。
あくまで推測だから。
まず普通のうさぎがあの王城の城壁を飛び越えられると思えないこと。
穴でも空いてない限り10メートル以上もの高さがある城壁を飛び越えるのはきついと思うな。」
小学生の頃、私の小学校ではうさぎを飼っていたのでその時に少し調べていた時期がある。
一般的に家庭で飼われているうさぎは飛んで1メートルくらい。
もっと飛ぶ子もいるみたいだが、突然10メートル飛び出したりする子はいるわけが無いので置いておく。
次に野生のうさぎの場合。
だいたい高さ3メートルほど飛ぶことが出来ると書いてあったのでどっちにしろ10メートルはいかないだろう。
余談だが、家庭で飼われている可愛いうさぎとは対照的に、野生のうさぎは身を守るため飛ぶ能力に特化していてそのせいで見た目がちょっと…アレである。
そして近づくと普通に危ないので野生のうさぎに限らず野生動物には近づかないでおこう、うん。
私はどっちのうさぎも好きだけど。
とまあ、この2つから飛び越えるのは無理だろうなという事は推測できる。
「それに門番も警備員もいるから城門からの侵入も不可だろうし。」
王城への侵入というのはやっぱり国の主要人物がいるだけあって、ほぼ不可能といっても過言では無いレベルに難しい。
私単身じゃ絶対無理と言える自信がある。いやほんとに。
「でもそれなら精霊も侵入不可じゃないの?」
直人お兄ちゃんが不思議そうに聞いてくる。
今までの話だとどんな生物も王城へ侵入することが難しいと聞こえるからね。
でも、
「精霊は、場合によっては可能だと思う。」
「言い切れるものなの?」
「うん…精霊のことはよく調べてるから。
あくまでうさぎの精霊(仮)の持つ魔法が転移魔法とかの移動系だったらって話になっちゃうけどね。」
「あ~、精霊の特殊魔法かぁ。」
ハルだったら物を出し入れできる収納魔法のように、精霊には特殊魔法が扱える。
どんな魔法を使うかは精霊それぞれだけれど…たまに変わったことに特筆している魔法があったりする。
それが何らかの移動系の魔法だった場合は普通に侵入できるだろう。
瞬間移動とか。
「それがなんで女神像と関係していると思ったの?」
「あーいや、女神様と精霊って繋がってるって話があるから女神様が弱って女神像が壊れたなら精霊が消滅したり弱くなったりするのかなぁって!」
実際は完全にハルの様子から推測したんだけどね。
私一人じゃなくてクレアお姉ちゃんと考えたし。
「ふーん、なるほど?」
納得したのかしてないのか、少し曖昧な返事が返ってくる。
というかこの話の1番大事なところは精霊が消滅しているということ。
仮説が本当なら、ハルは弱っただけで済んだが王城のうさぎ精霊は消滅した。
この差はなんなのだろう。
「んー…、」
「あ、ミコ。
食堂着いたよ。」
そう声をかけられて前を見ると食堂の真ん前に立っていた。
「わわ、今準備するからちょっと待ってて!」
「分かった…焦りすぎて怪我とかしないでね?
ゆっくりでいいから。」
「うん!ありがとう!」
そう言ってドタバタとキッチンに向かう。
考え事は一旦中断、私は料理の方に集中するのだった。
…と言っても盛り付けだけだけど!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
眠気に負けました。(1敗)
2日連続遅刻でほんとにすみません。
…というと『地上に降り立った神様だ~』みたいになってるやつ?」
「まあそうだね、うん。」
そうなんだけど、それだとハルと喧嘩したりしてたら神様と喧嘩してることになっちゃうね。
この世界の神と喧嘩するとか怖いよ、どんな目に遭わされるか分からないやつじゃん。
「どうしてミコはそのうさぎが精霊だって思うの?」
「ん~、絶対にあってるとは言えないよ。
あくまで推測だから。
まず普通のうさぎがあの王城の城壁を飛び越えられると思えないこと。
穴でも空いてない限り10メートル以上もの高さがある城壁を飛び越えるのはきついと思うな。」
小学生の頃、私の小学校ではうさぎを飼っていたのでその時に少し調べていた時期がある。
一般的に家庭で飼われているうさぎは飛んで1メートルくらい。
もっと飛ぶ子もいるみたいだが、突然10メートル飛び出したりする子はいるわけが無いので置いておく。
次に野生のうさぎの場合。
だいたい高さ3メートルほど飛ぶことが出来ると書いてあったのでどっちにしろ10メートルはいかないだろう。
余談だが、家庭で飼われている可愛いうさぎとは対照的に、野生のうさぎは身を守るため飛ぶ能力に特化していてそのせいで見た目がちょっと…アレである。
そして近づくと普通に危ないので野生のうさぎに限らず野生動物には近づかないでおこう、うん。
私はどっちのうさぎも好きだけど。
とまあ、この2つから飛び越えるのは無理だろうなという事は推測できる。
「それに門番も警備員もいるから城門からの侵入も不可だろうし。」
王城への侵入というのはやっぱり国の主要人物がいるだけあって、ほぼ不可能といっても過言では無いレベルに難しい。
私単身じゃ絶対無理と言える自信がある。いやほんとに。
「でもそれなら精霊も侵入不可じゃないの?」
直人お兄ちゃんが不思議そうに聞いてくる。
今までの話だとどんな生物も王城へ侵入することが難しいと聞こえるからね。
でも、
「精霊は、場合によっては可能だと思う。」
「言い切れるものなの?」
「うん…精霊のことはよく調べてるから。
あくまでうさぎの精霊(仮)の持つ魔法が転移魔法とかの移動系だったらって話になっちゃうけどね。」
「あ~、精霊の特殊魔法かぁ。」
ハルだったら物を出し入れできる収納魔法のように、精霊には特殊魔法が扱える。
どんな魔法を使うかは精霊それぞれだけれど…たまに変わったことに特筆している魔法があったりする。
それが何らかの移動系の魔法だった場合は普通に侵入できるだろう。
瞬間移動とか。
「それがなんで女神像と関係していると思ったの?」
「あーいや、女神様と精霊って繋がってるって話があるから女神様が弱って女神像が壊れたなら精霊が消滅したり弱くなったりするのかなぁって!」
実際は完全にハルの様子から推測したんだけどね。
私一人じゃなくてクレアお姉ちゃんと考えたし。
「ふーん、なるほど?」
納得したのかしてないのか、少し曖昧な返事が返ってくる。
というかこの話の1番大事なところは精霊が消滅しているということ。
仮説が本当なら、ハルは弱っただけで済んだが王城のうさぎ精霊は消滅した。
この差はなんなのだろう。
「んー…、」
「あ、ミコ。
食堂着いたよ。」
そう声をかけられて前を見ると食堂の真ん前に立っていた。
「わわ、今準備するからちょっと待ってて!」
「分かった…焦りすぎて怪我とかしないでね?
ゆっくりでいいから。」
「うん!ありがとう!」
そう言ってドタバタとキッチンに向かう。
考え事は一旦中断、私は料理の方に集中するのだった。
…と言っても盛り付けだけだけど!
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眠気に負けました。(1敗)
2日連続遅刻でほんとにすみません。
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