78 / 115
春斗兄さんの話
しおりを挟む
「その人さぁ、絶望的に料理センスがなかったんだよねぇ。
何故かケーキ作りとかだけ上手かったけど。」
直人お兄ちゃんがポツリポツリと話しだしてくれたことは、やっぱり私の知っている春斗兄さんの話だった。
…春斗兄さんと暮らし始めた時は料理が大変なことになってたんだっけ。
部屋も汚くはないけれど物がごちゃごちゃしていて、その時この人は私生活が残念なタイプの人だって思った記憶がある。
そのせいで料理や家事がメキメキ成長していって今の私があるわけだけど。
でも、私の誕生日のために作ってくれたケーキだけはすごく美味しかった。
最初の頃はただの木炭みたいな色してたけど。
「…ミコ?
どうかしたの?」
懐かしいことを聞いて少し表情が緩んでいたのかもしれない。
直人お兄ちゃんがそんなことを聞いてきた。
「ううん、なんでもない。
…その人、どうしてカルボナーラなんて作っていたの?」
春斗兄さんのことだから、ホイップクリームは泡立てた生クリームだから実質同じとか言って入れそうなのに。
「…好きだったからだと思うよ。」
「…え?」
好きだったから?
「春斗さんにその料理を作った人、死んじゃったんだ。
でも春斗さんはその人のこと、実の妹みたいに思ってたって言ってた。
だからきっと、その人が好きだったからこそその味を求め続けていたんだと思うよ。」
そう言った直人お兄ちゃんが少し申し訳なさそうな表情をしていたのは、私の死因が死因だったからかもしれない。
春斗兄さんは私がいなくなってからどんな生活をしていたのだろう。
聞いていた感じ直人お兄ちゃんとは意外と仲が良かったみたい?だけど。
…なんか複雑な関係だなぁ。
そんなことを考えながらカルボナーラを食べていると、急に窓から風が吹いた。
チラリと窓の方を見ると、そこには小さな影が一つ。
「…ハル?」
ーーーーーーーーーーーーーーー
読者の皆さん!睡眠は大事です!()
何故かケーキ作りとかだけ上手かったけど。」
直人お兄ちゃんがポツリポツリと話しだしてくれたことは、やっぱり私の知っている春斗兄さんの話だった。
…春斗兄さんと暮らし始めた時は料理が大変なことになってたんだっけ。
部屋も汚くはないけれど物がごちゃごちゃしていて、その時この人は私生活が残念なタイプの人だって思った記憶がある。
そのせいで料理や家事がメキメキ成長していって今の私があるわけだけど。
でも、私の誕生日のために作ってくれたケーキだけはすごく美味しかった。
最初の頃はただの木炭みたいな色してたけど。
「…ミコ?
どうかしたの?」
懐かしいことを聞いて少し表情が緩んでいたのかもしれない。
直人お兄ちゃんがそんなことを聞いてきた。
「ううん、なんでもない。
…その人、どうしてカルボナーラなんて作っていたの?」
春斗兄さんのことだから、ホイップクリームは泡立てた生クリームだから実質同じとか言って入れそうなのに。
「…好きだったからだと思うよ。」
「…え?」
好きだったから?
「春斗さんにその料理を作った人、死んじゃったんだ。
でも春斗さんはその人のこと、実の妹みたいに思ってたって言ってた。
だからきっと、その人が好きだったからこそその味を求め続けていたんだと思うよ。」
そう言った直人お兄ちゃんが少し申し訳なさそうな表情をしていたのは、私の死因が死因だったからかもしれない。
春斗兄さんは私がいなくなってからどんな生活をしていたのだろう。
聞いていた感じ直人お兄ちゃんとは意外と仲が良かったみたい?だけど。
…なんか複雑な関係だなぁ。
そんなことを考えながらカルボナーラを食べていると、急に窓から風が吹いた。
チラリと窓の方を見ると、そこには小さな影が一つ。
「…ハル?」
ーーーーーーーーーーーーーーー
読者の皆さん!睡眠は大事です!()
95
お気に入りに追加
486
あなたにおすすめの小説
器用貧乏の意味を異世界人は知らないようで、家を追い出されちゃいました。
武雅
ファンタジー
この世界では8歳になると教会で女神からギフトを授かる。
人口約1000人程の田舎の村、そこでそこそこ裕福な家の3男として生まれたファインは8歳の誕生に教会でギフトを授かるも、授かったギフトは【器用貧乏】
前例の無いギフトに困惑する司祭や両親は貧乏と言う言葉が入っていることから、将来貧乏になったり、周りも貧乏にすると思い込み成人とみなされる15歳になったら家を、村を出て行くようファインに伝える。
そんな時、前世では本間勝彦と名乗り、上司と飲み入った帰り、駅の階段で足を滑らし転げ落ちて死亡した記憶がよみがえる。
そして15歳まであと7年、異世界で生きていくために冒険者となると決め、修行を続けやがて冒険者になる為村を出る。
様々な人と出会い、冒険し、転生した世界を器用貧乏なのに器用貧乏にならない様生きていく。
村を出て冒険者となったその先は…。
※しばらくの間(2021年6月末頃まで)毎日投稿いたします。
よろしくお願いいたします。
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
チートスキルを貰って転生したけどこんな状況は望んでない
カナデ
ファンタジー
大事故に巻き込まれ、死んだな、と思った時には真っ白な空間にいた佐藤乃蒼(のあ)、普通のOL27歳は、「これから異世界へ転生して貰いますーー!」と言われた。
一つだけ能力をくれるという言葉に、せっかくだから、と流行りの小説を思い出しつつ、どんなチート能力を貰おうか、とドキドキしながら考えていた。
そう、考えていただけで能力を決定したつもりは無かったのに、気づいた時には異世界で子供に転生しており、そうして両親は襲撃されただろう荷馬車の傍で、自分を守るかのように亡くなっていた。
ーーーこんなつもりじゃなかった。なんで、どうしてこんなことに!!
その両親の死は、もしかしたら転生の時に考えていたことが原因かもしれなくてーーーー。
自分を転生させた神に何度も繰り返し問いかけても、嘆いても自分の状況は変わることはなく。
彼女が手にしたチート能力はーー中途半端な通販スキル。これからどう生きたらいいのだろう?
ちょっと最初は暗めで、ちょっとシリアス風味(はあまりなくなります)な異世界転生のお話となります。
(R15 は残酷描写です。戦闘シーンはそれ程ありませんが流血、人の死がでますので苦手な方は自己責任でお願いします)
どんどんのんびりほのぼのな感じになって行きます。(思い出したようにシリアスさんが出たり)
チート能力?はありますが、無双ものではありませんので、ご了承ください。
今回はいつもとはちょっと違った風味の話となります。
ストックがいつもより多めにありますので、毎日更新予定です。
力尽きたらのんびり更新となりますが、お付き合いいただけたらうれしいです。
5/2 HOT女性12位になってました!ありがとうございます!
5/3 HOT女性8位(午前9時)表紙入りしてました!ありがとうございます!
5/3 HOT女性4位(午後9時)まで上がりました!ありがとうございます<(_ _)>
5/4 HOT女性2位に起きたらなってました!!ありがとうございます!!頑張ります!
5/5 HOT女性1位に!(12時)寝ようと思ってみたら驚きました!ありがとうございます!!
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
転生貴族可愛い弟妹連れて開墾します!~弟妹は俺が育てる!~
桜月雪兎
ファンタジー
祖父に勘当された叔父の襲撃を受け、カイト・ランドール伯爵令息は幼い弟妹と幾人かの使用人たちを連れて領地の奥にある魔の森の隠れ家に逃げ込んだ。
両親は殺され、屋敷と人の住まう領地を乗っ取られてしまった。
しかし、カイトには前世の記憶が残っており、それを活用して魔の森の開墾をすることにした。
幼い弟妹をしっかりと育て、ランドール伯爵家を取り戻すために。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
捨てられ令嬢は、異能の眼を持つ魔術師になる。私、溺愛されているみたいですよ?
miy
ファンタジー
アンデヴァイセン伯爵家の長女であるイルシスは、『魔眼』といわれる赤い瞳を持って生まれた。
魔眼は、眼を見た者に呪いをかけると言い伝えられ…昔から忌み嫌われる存在。
邸で、伯爵令嬢とは思えない扱いを受けるイルシス。でも…彼女は簡単にはへこたれない。
そんなイルシスを救おうと手を差し伸べたのは、ランチェスター侯爵家のフェルナンドだった。
前向きで逞しい精神を持つ彼女は、新しい家族に出会い…愛されていく。
そんなある日『帝国の砦』である危険な辺境の地へ…フェルナンドが出向くことに。
「私も一緒に行く!」
異能の能力を開花させ、魔術だって使いこなす最強の令嬢。
愛する人を守ってみせます!
※ご都合主義です。お許し下さい。
※ファンタジー要素多めですが、間違いなく溺愛されています。
※本編は全80話(閑話あり)です。
おまけ話を追加しました。(10/15完結)
※この作品は、ド素人が書いた2作目です。どうか…あたたかい目でご覧下さい。よろしくお願い致します。
婚約破棄と追放をされたので能力使って自立したいと思います
かるぼな
ファンタジー
突然、王太子に婚約破棄と追放を言い渡されたリーネ・アルソフィ。
現代日本人の『神木れいな』の記憶を持つリーネはレイナと名前を変えて生きていく事に。
一人旅に出るが周りの人間に助けられ甘やかされていく。
【拒絶と吸収】の能力で取捨選択して良いとこ取り。
癒し系統の才能が徐々に開花してとんでもない事に。
レイナの目標は自立する事なのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる