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街に入ろう

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とりあえずいそいそともらった布を羽織ってみる。

ちょっと…いやだいぶブカブカだけど。
これ元の大きさの私でも大きやつだ。
団長さ…ライお兄ちゃんからもらったからかな?


城門に行こうとした瞬間、ハインお兄ちゃんが声をかける。

「やっぱり団長のローブ大きいっすね。これじゃ転んじゃいそうっすよ。」

「む、そうだな。」

いやまあそうなのだが、注意して歩けばなんとかなるレベルだ。
そう思ってそれを伝えようとすると、ハインお兄ちゃんに耳打ちされた。

「ケイトさん、あんなにツンツンしてるっすけどほんとはミコちゃんに興味津々っすよ。
あの人小さい子に怖がられて逃げることが多いっすから、ちょっと甘えてみて欲しいっす。
喜ぶっすよ。」

何そのツンデレ設定みたいなやつ。
甘える、甘えるかぁ。
あいにく私は見た目は幼女、中身は女子高生。
一般幼女がどう甘えてるのかわからないがやってみよう。
私の中で男は度胸、女も度胸だ。脳筋だ。
よし深呼吸、いくぞ。

「ケ、ケイトお兄ちゃん、抱っこ…。」

助けて。文字に出したら想像の百倍恥ずかしい。
痛いとか痛いとか痛いとか思われてたらどうしよう。
なんで私はこんなこと言っちゃったんだろう。

ケイトお兄ちゃんは固まってるしぃ!なんで?
せめて喋ろうよ?
私は顔は真っ赤で差し出した腕はプルプルしてて限界だよ?

3秒くらい間があって、私の体には浮遊感が走った。

「わわっ。」

抱き上げられている、そう感じた。


「おいケイト、何ずっるいことしてもらってるんだ!
俺にも抱っこさせろ!」


「ケイトさん、今まで見ないくらい満足げな表情してるっす…。
消しかけたの僕だけどちょっと後悔が…。」


…よくわからないけど、私の羞恥は無駄にならなかったみたいでよかった。


「ほら、ミコさんが選んだのは俺なんですから早く行きますよ。」


ごちゃごちゃ騒いでる2人を完全スルーしてケイトお兄ちゃんは私を抱き上げたまま街へと入ったのだった。
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